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エポックな日々

引き受ける人がいて、はじめて動きます──Maestro が API を畳んでコードを置いていき、Plutus が Midgard Labs へ移り、k=1000 の問いが SPO に届いた5日間:エポックな日々656

2026-09-22SIPO

エポック656(2026年9月17日〜9月22日)

序章:置いていかれたコードと、上げる人の手

日本時間9月22日6時44分、エポック656が終わりました。

この5日間の始まりに、Cardano 向けにデータの API を提供してきた Maestro が、開発者 API の終了を告げています。9月18日に「サンセットが始まる」と書き、翌19日には「本日、Maestro の開発者 API はサンセットを迎えます」と続けました。9月19日の午後、Cardano メインネットの入口に問い合わせると、HTTP 404 が返りました。 同じ日に、同社の GitHub では33本のリポジトリがアーカイブされています。

ただ、Maestro はすべてを持ち去ったわけではありません。開発者 API を動かしていた Cardano インデクサは、その数日前に Apache-2.0 で公開されたまま残っています。サービスは畳まれ、コードは置いていかれました。 置いていかれたコードは、誰かが自分のサーバーで動かし始めるまで、何も返しません。

同じ週、Cardano のスマートコントラクト基盤 Plutus の開発主体が、10月1日付で Input Output の外、Midgard Labs へ移ると発表されました。ウォレット、Mithril、台帳などに続く、コアの担い手の5つ目の交代です。

ノードの側では、9月17日に cardano-node 11.1.2 が出ました。翌日には「バージョンを報告しているノードの20%が更新を終えた」という観測が共有されています。Cardano には、新しいノードを全台へ一斉に配る仕組みがありません。運用者が一人ずつ自分のサーバーに入り、上げて、再起動して、はじめてリリースはネットワークの一部になります。

そして9月17日の夜、プロトコルパラメータ k を500から1000へ引き上げるべきかを SPO に問うポールが、オンチェーンに出されました。可決しても何も実行されない種類の議案です。 提出者は、要件として存在しない SPO の投票欄を、自分から置きました。SIPO はこの問いの当事者でもあります。

公開されたコード。発表された移管。出たリリース。出された問い。どれも、引き受ける人が現れるまでは動きません。

軸は「引き受ける人がいて、はじめて動きます」です。

市場は、前号から一転しました。ADAは日次の記録で$0.193114から$0.226481へ+17.28%。境界の確定値では+26.27%です。記録上の14銘柄はすべて上げています。第7章で並べます。

第1章:エポック656の5日間を俯瞰する

まず、この5日間に何が起きたのかを領域ごとに並べます。この章だけで期間の全体像がつかめることを目的にしています。

ガバナンス

日付出来事一次ソース
9月17日k(stakePoolTargetNum)を500から1000へ引き上げるべきかを SPO に問う Info Action が提出された。期限はエポック663GovTool
9月17日〜18日最低固定費を75 ADAへ下げる提案に、DRep の明示的な反対が続けて入ったAdaStat
9月21日Cardano 公式が、2027年の NCL を前に資金配分モデルの見直しを議論するラウンドテーブル(第39回)を開いたCardano
9月22日Intersect 理事選(2議席に11人)の投票が残り1週間に。締切は9月25日21時(日本時間)Intersect

開発・スケーリング

日付出来事一次ソース
9月17日cardano-node 11.1.2 が公開された。変更はタイムロックスクリプトのメモリ最適化など2点GitHub
9月17日Input Output が、Plutus の開発チームとプラットフォームを10月1日付で Midgard Labs へ移すと発表Input Output
9月18日バージョンを報告しているノードの20%が11.1.2へ更新したとの観測Rick McCracken
9月18日配布されているメインネット設定ファイルの ConsensusMode が GenesisMode になっていることを確認(配布版の設定。正式な告知はまだ)設定ファイル
9月19日Daedalus 11.4.0 が、内蔵ノードを11.1.2へ上げて公開GitHub
9月19日Maestro が開発者 API のサンセットを完了。Cardano の入口は HTTP 404 を返し、リポジトリ33本がアーカイブされたMaestro
9月21日Cardano 財団が、HTTP 決済規格 x402 の公式 SDK に Cardano が加わったと発表。npm に @x402/cardanoCardano Foundation

Midnight・パートナー

日付出来事一次ソース
9月17日Gero Wallet 2.7.1 が、Midnight の秘匿残高をメインネットで表示し、dApp の証明の作成から送信までをウォレットが引き受ける形にGitHub
9月17日Midnight 公式が、ホスト型の Midnight Explorer API を改めて紹介(公開は8月)Midnight
9月17日midnight-node の node-2.1.0-rc.2 が公開された(正式版の手前の検証版)GitHub
9月18日AKINDO と Midnight の Buildathon、第1ウェーブの提出は159件。改善提案 MPS-0042(シリアライズ形式)も追加Midnight 日本語公式
9月19日Midnight 財団 CTO が、メインネットでのスマートコントラクトの配備が近く有効になると投稿。秘匿カスタムトークンの発行を含むSebastien Guillemot

DeFi・アプリ

日付出来事一次ソース
9月19日Cardano PRIME が DeFi エコシステム監査を公表。総合評価は100点満点で51.3点Cardano PRIME
9月19日TapTools が、X アカウントを Cardano 専門として続けることをやめると表明TapTools
9月20日SingularityNET のブリッジの鍵が流出し、Ethereum 上で WMTx が不正に発行されたと World Mobile Chain が告知World Mobile Chain
9月21日〜22日Surf が長いメンテナンスから再開(清算とレバレッジは一時停止中)。FluidTokens は Fluid v4 を公開Surf

組織・資金・イベント

日付出来事一次ソース
9月18日Charles Hoskinson 氏が、IOG の公式 YouTube チャンネルが乗っ取られたとして、動画とリンクを信用しないよう呼びかけたCharles Hoskinson
9月22日Cardano 財団が、アクセラレーター・プログラムの秋期コホート8社を発表Cardano Foundation
9月22日Cardano 財団が、10月6日にシンガポールで独立したノード実装10種類のチームが現状を発表すると案内Cardano Foundation

市場

日付出来事一次ソース
9月16日(米国時間)米国が政策金利を0.25ポイント引き上げ、3.75〜4%にSIPO.TOKYO Daily Intel 9/18
9月19日12指標の記録で、ADAは1日で+12.82%。地合いは「リスクオン——BTC・ETH上昇・VIX低位安定」本記事 第7章(12指標の日次記録)

この5日間でいちばん重かったのは、開発と基盤の側です。 Maestro の撤退、Plutus の移管、11.1.2 の更新、配布設定での Genesis、x402 の SDK。どれも「この層を誰が持つのか」を動かす出来事で、5日間に5つ並びました。

ガバナンスは「欄」の5日間でした。 可決要件に SPO の欄が無い最低固定費の提案で、今度は DRep の反対が賛成を上回りました。そこに、要件ではない SPO の欄を自分から置いた k のポールが加わっています。第2章と第3章で扱います。

Midnight は、作る側に開く直前の5日間でした。 スマートコントラクトの配備が「近く」と予告され、その手前でウォレットが証明と手数料の手間を引き取り、データを読む API も借りられる形で並びました。

DeFi の側は、依存先の集中が数字になった5日間です。 PRIME の監査は、プログラムの運営が依存する層で独立した事業者が0か1しかない場所を10か所数えています。同じ週に、別のチェーンではブリッジの鍵が1本漏れただけで供給が増やされました。

第2章:誰も求めていない欄を、自分で置いた

可決しても、何も実行されない議案

日本時間9月17日21時18分、「Should stakePoolTargetNum (k) be raised from 500 to 1000? (SPO poll)」が提出されました(Action ID gov_action17m7nv7839mw93hv889tqzj0umv9ckm780f0nq02fep78f50uedxqq6g5mt9・action_ref f6fd3678f12edc58dd8739560149fcdb0b8b6fc77a5f303d49c87c74d1fccb4c00)。エポック656が始まってから約14時間半後です。提出者は STR8 プールの Chris 氏、種別は Info Action、期限はエポック663、日本時間10月22日6時44分頃です。

k は、報酬計算のうえで「飽和したプールが何個ある状態」を目標にするかを決めるパラメータです。1プールあたりの飽和点は、流通している ADA を k で割った値になります。提案書が基準にした時点では、k=500 で約7,500万ADA、k=1000 なら約3,750万ADAです。

ここで押さえておきたいのは2点です。飽和点が効くのは報酬の上限であって、ブロックを作る資格ではありません。 飽和点を超えたプールも、ブロックを作る側として選ばれ続けます。そして、エポックごとに配られる報酬の総量は k では変わりません。 k を動かすことは、配る総量ではなく「もう上限です」と線を引く位置を動かすことにあたります。

判定の基準は、提案書が自分で決めています

Info Action は CIP-1694 で形式上の閾値が100%に置かれており、可決しても何かが実行される種類の議案ではありません。では何をもって「支持あり」と読むのか。提案書は、それを自分で宣言しています。

  • 母数は、明示的な棄権を除いた SPO の投票ステーク
  • 明示的な賛成が、その50%を超えたときにかぎり、k=1000 へ進む SPO の付託があるとみなす
  • 投票しなかった登録済みのステークは、反対と同じ働きをする
  • DRep も投票と理由の提出を招かれているが、SPO の付託の判定には入らない
  • 届かなかった場合も、600や750といった中間の数値への付託と読み替えてはならない

提案書は、この議案の提出が k=1000 への提出者自身の支持表明として読まれるべきではない、とも書いています。変えるかどうかの決定ではなく、決定へ進んでよいかの測定です。

境界の時点で、SPO の欄はまだほとんど空です

エポック656の終了時点の取得で、この議案の票は次のとおりです。

エポック656終了時
SPO 明示的な賛成4プール・2,589,759 ADA
SPO 明示的な反対2プール・42,532,443 ADA
SPO 未投票9,174,442,061 ADA
SPO の分母(全プール委任ステーク − 明示的な棄権 − 常時棄権)9,269,979,379 ADA
SPO 賛成の割合0.03%
SPO 常時棄権(分母から除外)634プール・12,088,098,691 ADA
DRep 賛成11票・63,052,735 ADA
DRep 明示的な反対8票・186,692,184 ADA
DRep 棄権3票・448,506,165 ADA
憲法委員会棄権1・未投票6

明示的な反対は2プール・4,253万ADA、賛成は4プール・259万ADAです。 プールの数では賛成が上回り、持ち分の量では反対が約16倍あります。票が入り始めたばかりの段階で、2023年と同じ「数と量のずれ」がもう出ています。Weekly Brief #24 の時点(9月19日朝)では、賛成2プール・反対0でした。

そして、分母の約99%にあたる91億7,444万ADAが未投票です。 提案書の宣言に照らせば、この未投票はいまのところすべて反対と同じ側に働きます。なお、上の分母は SIPO の取得経路の定義によるもので、ブロック生成実績のあるプールに絞った母数ではありません。提案書の「明示的な棄権を除いた投票ステーク」と考え方は近いものの、細部の扱いまで一致するとは限りません。DRep の票は、提案書の判定には入りません。

2023年は、数と量で答えが裏返りました

プール運営者に k を問うのは初めてではありません。2023年のオンチェーンの SPO ポールでは、k と最低固定費の組み合わせが選択肢として示され、暫定結果で797プールの投票が報告されました。提案書が引いている集計では、k=1000 を含む選択肢がプールの数で69.64%・投票に参加した持ち分の量で約41.1%、k=500 を含む選択肢が21.08%と約44.2%です。

数で数えるか、量で数えるかで、多数が入れ替わっていました。 しかも2つのパラメータが束ねられていたため、k だけを取り出した付託としては読めません。今回の提案書が「k 単体で」「ステークで重み付けして」と繰り返し断っているのは、この経験を踏まえた設計です。

提案書は背景として CAP #10 を挙げています。プールの経済に関わるパラメータを変えるなら SPO の承認を要件にすべきだ、という憲法改正提案で、いまは相談の段階にあります。k は現時点ではその要件の対象ではありません。 それでも先に SPO の付託を取りにいく。前号で扱った最低固定費の提案では、SPO の投票欄がそもそもありませんでした。今回は、誰も求めていない SPO の欄を、提出者が自分から置いています。

SIPO は、この問いの当事者です

k=1000 の飽和点は約3,750万ADA(提案書の基準時点)です。エポック656終了時点のライブステークは、SIPO が53,862,342 ADA、SIPO2 が25,046,488 ADA、SIPO3 が24,866,921 ADAです(第9章)。SIPO はこの線を超え、SIPO2 と SIPO3 は下にいます。

SIPO の1号機は、k=1000 になると報酬計算のうえで過飽和になる側にいます。 SIPO はそれを先に書いておきます。委任していただいているみなさまにとっては、結果を待たずに今日確認できる項目です。

一方で、提案書は「自動的には起きないこと」も並べています。新しいプールや独立した運営者が自動的に増えるわけではないこと。取引所やカストディアンが新しいプールを登録することを妨げないこと。動いた委任が同じ運営グループの別のプールに収まる可能性があること。台帳はプールを記録しますが、どのプールが同じ主体の手にあるかを網羅的には示しません。

提案書は、飽和点を下げることが、長年の稼働と信頼で委任を積み上げてきた独立系のプールを不釣り合いに不利にしないか、という問いも、答えを出さずに投票者へ残しています。SIPO の3プールは、境界の時点でまだ投票していません。 提案書は、反対の運営者にも理由を添えた明示的な NO を投じてほしいと呼びかけています。数える欄が置かれた以上、SIPO が票を投じるときは、立場と理由をあわせて記録します。

第3章:期限まで4エポック、反対の側が厚くなりました

最低固定費:票の向きが変わりました

前号の終章で、SIPOは「最低固定費の提案で、DRep の賛成と反対のどちらが先に厚くなるか」を確認点に挙げました。エポック655の終了時点では、賛成2億9,066万ADA・反対2億4,808万ADAと、ほぼ同じ厚みでした。

「Reduce minPoolCost to 75 ada」(Action ID gov_action1whncs25w727rj5tml7lmv48gnaf9mm66sdjds8s3l306et7xmkdsqzqd7s2・action_ref 75e7882a8ef2bc39517bffbfb654e89f525def5a8364d81e11fc5facafc6dd9b0

エポック655終了時エポック656終了時
DRep 賛成20票・290,662,148 ADA28票・306,364,425 ADA
DRep 明示的な反対12票・248,078,584 ADA21票・480,667,066 ADA
DRep 棄権(分母から除外)2票・533,897,596 ADA3票・536,416,843 ADA
常時不信任139,044,607 ADA137,387,636 ADA
未投票4,015,958,841 ADA3,707,344,755 ADA
批准の分母4,693,744,180 ADA4,631,763,882 ADA
賛成率6.19%6.61%(必要な水準は67%)
憲法委員会賛成1・未投票6賛成2・未投票5

5日間で、賛成は+1,570万ADA、明示的な反対は+2億3,259万ADAでした。 票の数では賛成28・反対21と賛成が多いままですが、委任量では反対が賛成を1億7,430万ADA上回っています。Weekly Brief #24 は「直近の5票はすべて反対」と記録していました。前号の問いへの答えは、反対の側が先に厚くなった、です。

未投票は37億734万ADA残っています。ただ、分母が変わらないとすれば、67%に届くには賛成をあと約28億ADA積む必要があり、これは未投票の4分の3にあたります。

この議案はプロトコルの経済パラメータの変更で、可決に SPO の投票は求められていません(SPO の閾値は0%です)。前号で訂正したとおりです。SPO の欄は賛成0・反対0・棄権0のままで、要件外の意思表示として票を投じたプールも、この5日間にはありませんでした。

SIPO DRep は、9月15日に棄権を投じています(SIPO DRep:minPoolCost 75 ADA 単独案に棄権)。Weekly Brief #24 では、賛成に転じる条件も書きました。固定費の引き下げを最低マージンの仕組みと組み合わせた提案か、新しい下限でも独立系の運営者が成り立つことを示すプール規模別の収入モデルを添えた提案です。

OpenZeppelin:反対は、鈍りながら積み上がりました

「Withdraw 11,787,063 ada for the OpenZeppelin Stack administered by Intersect」(Action ID gov_action1gxxltxr02p28a398p8c6t08xhpg82wkkv9xgwvuxkly48lhgf20sqlkl2l8・action_ref 418df5986f50547ec4a709f1a5bce6b850753ad6614c873386b7c953fee84a9f0

エポック655終了時エポック656終了時
DRep 賛成6票・45,953,095 ADA9票・119,110,833 ADA
DRep 明示的な反対22票・809,309,378 ADA36票・969,072,671 ADA
DRep 棄権(分母から除外)1票・40,205,215 ADA2票・41,830,222 ADA
常時不信任139,044,607 ADA137,387,636 ADA
未投票4,193,129,481 ADA3,900,779,364 ADA
批准の分母5,187,436,561 ADA5,126,350,503 ADA
賛成率0.89%2.32%(必要な水準は67%)
憲法委員会賛成1・未投票6賛成2・未投票5

明示的な反対は+1億5,976万ADA(22票から36票へ)、賛成は+7,316万ADA(6票から9票へ)です。 前号の5日間で反対が+7億178万ADA積み上がったのに比べると、積み上がる速さははっきり鈍りました。 賛成も増えています。それでも委任量では、反対が賛成の約8倍あります。

前号でSIPOは「Governance Hours #10 のあとに反対の積み上がりが止まるか」を見ると書きました。9月16日の Governance Hours #10 はこの議案を丸ごと扱い、翌日の振り返りは「まだ判断中の DRep なら見る価値がある」と書いています。その後の5日間で、反対は止まりませんでした。ただし、積み上がる速さは鈍っています。

SIPO DRep は、この議案にまだ投票していません。Weekly Brief #24 で書いたとおり、既存の契約ライブラリとの重複についての分析と、契約言語の選定を待っており、10月9日までに判断します。

委員会の欄も、2件とも埋まっていません

憲法委員会の票は、2件とも賛成1から賛成2に増えました。Weekly Brief #24 の時点(9月19日朝)では9月12日の1票だけでしたから、その後に1票が加わったことになります。それでも7名中2名で、2/3の水準には遠い位置です。

Weekly Brief #24 は、Ikigai の失効を「4つの欄(DRep・SPO・委員会・期限)のうち、どれか1つが埋まらなければ議案は止まる」と整理しました。前号の Ikigai は、委員会の欄が埋まって DRep の欄が1.81ポイント足りずに止まりました。最低固定費と OpenZeppelin は、いまのところ DRep の欄も委員会の欄も遠い位置にあります。 期限はどちらもエポック661、日本時間10月12日6時44分頃です。残りは4エポックです。

配る前の設計と、配ったあとの設計

9月21日22時(日本時間)、Cardano 公式は「Treasury Funding Allocation – The Case for Reform」と題したラウンドテーブル(第39回)を開きました。個別の提案の是非を扱う場ではなく、2027年以降の資金配分モデルを話す場だと告知されています。

Cardano 憲法は、NCL(ネット・チェンジ・リミット)を「一定の期間にトレジャリーから引き出してよい最大額または最大割合」と定め、DRep がオンチェーンの提案で合意すると定めています。NCL が決めるのは、その期間に出ていく総額の天井までです。 告知は4つの問いを挙げました。NCL をどう構造化するか、資金を分野ごとに分けて配るか、トレジャリー・ランウェイにどんな役割を持たせるか、成果と説明責任をどう位置づけるか。前の2つは配る前の設計、後ろの2つは配ったあとの設計です。

ラウンドテーブルは意思決定の場ではありません。 2027年の NCL が DRep の投票にかかったとき、卓の上で出た言葉のどれが提案の本文に残っているかを読むことになります(SIPO.TOKYO の解説)。

第4章:サービスは畳まれ、コードが置いていかれました

9月18日に始まり、9月19日に終わりました

Maestro は9月17日に「The Maestro Developer API sunset begins Sept. 18.」と告知しました。どのエンドポイントがいつ止まるのか、段階の区切りは示されていません。一方、移行先の1つである Gero の Nexus の移行ガイドは、9月18日にすべてのエンドポイントが退役し鍵が動かなくなる、と書いていました。段階的に縮むという読みと、その日に一斉に止まるという読みが、同時に存在していました。

答えは翌日に出ました。9月19日、Maestro は「Today, the Maestro Developer API sunsets.」と投稿し、「いまは Maestro Institutional だけに集中している」と述べています。同日の午後、鍵を付けずに Cardano メインネットの入口へ問い合わせると、HTTP 404 と「no Route matched with those values」という応答でした。鍵の正しさを確かめる手前、どの経路へ渡すかを決める段階で止まっています。Bitcoin 側の入口も同じでした。畳まれたのは Cardano の窓口ではなく、外部の開発者に API を提供する事業そのものです。

同じ日、maestro-org の GitHub では46のリポジトリのうち38がアーカイブ済みになり、うち33が最終更新日時を9月18日にそろえていました。Maestro 自身が書いた12本には、Cardano の SDK 4本、API 仕様、MCP サーバーが含まれます。公式ドキュメントのトップは「Maestro Treasury Docs」に変わり、機関投資家向けの Bitcoin の利回り商品が並んでいます。最低預入は3 BTC です。Cardano の dApp 開発者は、もう Maestro の顧客ではありません。

残ったのは、自分で建てる前提のコードです

アーカイブされずに残った中に、maestro-cardano-indexer があります。開発者 API を動かしていた実装そのもので、Apache-2.0 で公開され、最後の更新は9月15日でした。ただし、TiKV という分散データストアを含む構成を自分で立てる前提で、鍵を1本もらって叩くのとは別の作業です。

移行先として名前が出ているのは3系統です。Demeter.run のようなマネージドの基盤へ移るか、Gero の Nexus のような別の API 提供者へ移るか、置いていかれたインデクサを自分で動かすか。Nexus の移行ガイドを読むと、差し替えは URL の置換では終わりません。認証ヘッダ、ネットワークの指定方法、ページングの方式、一括問い合わせの上限が変わります(SIPO.TOKYO の解説)。

置いていかれたコードは、公共の財産にはなります。ただし、誰かが引き受けて動かすまでは何も返しません。 9月15日で止まったインデクサのコミット履歴が今後も動くかどうかが、そのままこのコードの寿命になります。

見る道具も、1つ減りました

9月19日、Cardano の分析ツールとして使われてきた TapTools が、X アカウントを Cardano 専門として続けることをやめると表明しました。SundaeSwap はすぐに送別の投稿を出し、代わりの案内を添えています。Cexplorer は大きな改善を予告し、Cardanoscan はトークンの価格と時価総額を追える画面を公開しました。チェーンを見る入口がひとつ減ったとき、その役を誰が引き受けるのかが、同じ週に並んでいます。

借りる道も、同時に開きました

逆向きの動きもあります。Midnight の側では、ブロックエクスプローラの Midnight Explorer が、ブロック・取引・アドレス・コントラクト・ネットワーク統計を引けるホスト型の API を8月に公開しており、9月17日に Midnight の公式アカウントが改めて紹介しました。作り始める前にインデクサを建てなくてよくなる、という選択肢です。ただしポータルのトップには、無料枠で何回呼べるのか、レート制限の上限値がいくつかは書かれていません。提供元も Midnight Network 本体ではなく、パートナーとして掲げられた第三者です(SIPO.TOKYO の解説)。

自分で建てる道と、借りる道。Cardano の側で借りる先が1つ畳まれた週に、Midnight の側では借りる先が1つ前に出てきました。 どちらを選んでも、その層に何を預けているかを把握しておく必要は変わりません。

x402 は、仲介役を運用する人を待っています

9月21日、Cardano 財団は、HTTP 上の決済規格 x402 の公式 SDK に Cardano が加わったと発表しました。npm には @x402/cardano の最初の版2.26.0が、日本時間9月19日に公開されています。アプリや AI エージェントが、ウェブの要求1回の中で API の代金を ADA や Cardano のネイティブトークンで払える仕組みです。

ここにも、同じ構図があります。サービス側で Cardano を有効にするには、支払いを検証して送信する仲介役(ファシリテーター)が要ります。財団が紹介したデモの説明は、ライブラリが既定で使う公開のファシリテーターは EVM 系と Solana 系のみに対応し、Cardano に対応した公開のホスト型ファシリテーターは存在しないと注記しています。財団は Java のファシリテーターを公開していますが、その説明にはメインネットではまだ一度も動かしていないことが明記されています(SIPO.TOKYO の解説)。

ソフトウェアが公開されることと、それを本番で止めずに回す運用者が現れることは、別々に進みます。 ブロックを作る側から見れば、見慣れた構図です。

第5章:上げるのは、運用者一人ひとりです

11.1.2 は、小さな修正でした

9月17日12時29分(日本時間)に公開された cardano-node 11.1.2 のリリースノートが挙げる変更は、タイムロックスクリプトのメモリ使用の最適化と、ブロックヘッダのプロトコル版の更新の2点です。ほかの構成要素は変更なし、ベンチマークとシステムテストは11.1.1のものがそのまま当てはまると書かれています。Weekly Brief #24 で書いたとおり、リリースノートに「セキュリティ」の語はありません。 セキュリティ修正として読むものではありません。

1日で5台に1台

9月18日、Rick McCracken 氏が「バージョンを報告しているノードの20%が11.1.2へ更新した」という観測を共有しました。9月19日には、フルノードを内蔵するウォレット Daedalus も11.4.0で中身のノードを11.1.2へ入れ替えています。Daedalus を更新した利用者は、それだけで手元のノードも11.1.2になります。

この20%は「報告しているノード」が母数で、ネットワーク全体の正確な比率ではありません。それでも、公開から1日あまりで5台に1台が入れ替わった速度は、方向を読むには十分な材料です(SIPO.TOKYO の解説)。

11.1.2 にハードフォークの期日はなく、いつ上げるかは各運用者の判断に委ねられています。ブロックを作るノードは、止めている間に担当のスロットが来ればブロックを作れません。リレーから順に入れ替える、担当スロットと重ならない時間帯を選ぶ、といった段取りを、それぞれが自分の構成に合わせて組みます。一斉に切り替わらないことは、安全装置でもあります。 新しい版に想定外の不具合があっても、影響はまず更新を済ませた一部に限られます。

見落としやすい点が1つあります。11.1.1 で旧来のトレーシングの削除が完了しています。9月19日にはプール運用者の HephyPool が、監視環境をまだ移していない運用者に新しいトレーシングの手引きを案内しました。ノードが正常に同期していても、監視が旧方式のメトリクスに頼っていると、更新した途端に監視だけが静かに止まります。

Genesis は、配布されている設定の側で先に動いています

9月18日時点で、配布されているメインネットの設定ファイルには "ConsensusMode": "GenesisMode" の1行が入っていました。Ouroboros Genesis は、同期を始めるノードが決められた接続先を信頼するのではなく、ステークの分布そのものから正しいチェーンを選べるようにする方式です。信頼の置きどころが、特定のサーバーからネットワーク全体へ移ります。

ただし Weekly Brief #24 で整理したとおり、これは配布されている設定の話で、cardano-node リポジトリの master にあるメインネット設定はまだ PraosMode、開発者ポータルの記述も「将来のリリースでメインネットの既定になる見込み」のままです。配布の設定では既定になっていて、正式な告知はまだという段です。運用上は、Genesis が有効な状態では bootstrapPeers の設定が上書きされる点が効きます。トポロジーを自分で書いている場合は、peerSnapshotFile の指定があるかを確かめる必要があります(SIPO.TOKYO の解説)。

Plutus は、5番目の担い手へ

9月17日、Input Output は Plutus の開発チームとプラットフォーム、そして GitHub の IntersectMBO/plutus リポジトリを、10月1日付で IO Labs から Midgard Labs へ移すと発表しました。段階的な移行で、そのあいだは両社が共同で開発を進めます。Midgard Labs は、Liqwid、Minswap、SundaeSwap などのためにコントラクトを書き、監査してきたチームです。

発表は Midgard Labs を、Cardano のコアを担う5番目の専門チームと位置づけています。Daedalus の Se7en Labs、Mithril の Teragone、品質保証や暗号を見る ICAN Group、台帳の BlockPQR に続く5つ目です。ガバナンスで技術的な提案を読むとき、担い手の名前と論点の対応表は、去年よりずっと細かくなっています。 同時に、監査と実装が同じ名前の下に並ぶ場面も増えます。大口の資金を扱うコントラクトの独立したレビューを誰が担うのかは、移管後の運用で見えてくる点です(SIPO.TOKYO の解説)。

実装の数と、処理量の数字

9月22日、Cardano 財団は、10月6日にシンガポールで独立したノード実装10種類のチームが現状と今後を発表すると案内しました。前号で扱った Dingo のメインネットでのブロック作成に続き、9月19日には Cardano 公式も、代替のノード実装がネットワークの耐障害性を高めるという解説を再掲しています。

Leios については、アーキテクトによるデモで、往復時間を模擬したローカルクラスタで毎秒250キロバイト、単純な取引に換算して毎秒約1,000件まで達したことが紹介されています。今日のメインネットの上限は毎秒4.5キロバイトとされています。ローカルクラスタでの数字で、メインネットの数字ではありません。 紹介の中にある「この先の作業はネットワークスタックにある」という一文が、そのまま残る課題です。

第6章:作る側に開く前に、ウォレットが手間を引き取りました

「近く有効に」、日付はまだありません

日本時間9月19日14時36分、Midnight 財団の CTO を務める Sebastien Guillemot 氏が、Midnight のメインネットでスマートコントラクトの配備が近く有効になると投稿しました。秘匿カスタムトークンを発行できるようになることも含むと添えています。この投稿は Midnight の公式アカウントがリポストし、9月21日には Midnight の日本語公式アカウントも、まもなく自由にデプロイできるようになると告知しました。

ただし、有効化の日付も、それを告げる公式のリリースノートも、境界の時点では出ていません。公式ドキュメントの配備ガイドが対象にしているのは、ローカル環境と Preview、Preprod の3つで、メインネットへの配備の手順はまだ書かれていません。ノードの側では、新しいメジャー系列の2.1.x が rc.1・rc.2 と続き、まだ正式版になっていません。その説明には、1.0.300 のチェーンからのハードフォークが前提であることが明記されています。3月末のメインネット公開の時点で、アプリの配備は段階的に開くと書かれていました。今回の「近く」は、最初から予定されていた段の1つが近づいた、という読み方になりますSIPO.TOKYO の解説)。

証明と手数料を、ウォレットが肩代わりする

作る側に開く手前で、使う側の手間を引き取ったのはウォレットでした。9月17日の Gero Wallet 2.7.1 は、リリースノートで「Gero を Midnight の dApp ウォレットとして完成させる」と位置づけています。

  • 秘匿残高が、メインネットと Preprod でも表示できるようになった。ウォレットが自分宛ての記録を探す走査はバックグラウンドで続き、途中で止まっても再開する
  • midnight-js で作られた dApp が、ゼロ知識証明の作成をウォレットに任せられるようになった。証明サーバーは Gero Cloud、手元のローカル、zkPaaS から利用者が選び、dApp にはその接続先が見えない
  • 証明ができたあと、手数料の支払いと送信もウォレットが受け持つ。前号で扱った「別のウォレットの DUST で手数料を肩代わりする」機能も、この版の一部だった

ただし、この一連の流れを第三者の dApp で最後まで確かめた環境として書かれているのは Preprod です。メインネットの dApp で同じように使えるかは、対応する dApp の側の状況にもよります(SIPO.TOKYO の解説)。

Midnight で dApp を使うときにつまずきやすかったのは、証明の作成と手数料の用意という、利用者から見えにくい2つの手間でした。ウォレットが先に、その2つを内側へ引き取りました。 配備が開いたあと、それを前提にした dApp がどれだけ出てくるかが次の問いになります。9月22日には Lace 2.3.0 にも Midnight まわりの改善が入っています。

作る側の数と、仕様の番号

作る側の数も動いています。AKINDO と Midnight の Buildathon は、第1ウェーブだけで159件の提出を集め、審査は9月27日0時までです。日本では9月24日に、ZK アプリの開発者向けの実践的なワークショップが予定されています。

仕様の側では、改善提案のリポジトリに MPS-0042(シリアライズ形式)が加わりました。前号で扱った MPS-0040 は「呼ばれた契約は呼び出し元を知れない」という穴を記述した文書でした。配備が開けば、こうした提案書の中の穴は、作り手が実際に踏む段差に変わります。 MPS-0040 の解決策を提案する MIP は、境界の時点ではまだ出ていません。

第7章:エポック656 市場指標・KPI分析

マクロ12指標(エポック656期間・9月17日〜9月21日の日次記録)

はじめに、記録の性質についてお断りしておきます。12指標は1日1回の記録です。以下の「最高」「最安」は記録上のものであって、日中の高値・安値ではありません。株式・金利・商品の記録は市場が閉じているあいだ直前の値が据え置かれます。この期間では、9月19日・20日・21日の株式系の記録は、いずれも9月18日時点の値です。 日本国債の記録には数日の遅れがあり、最終日9月21日の記録は9月17日時点の値です。USD/JPY と商品の記録には暫定値の印が付いています。

この5日間のADAは、最初の2日で持ち直し、3日目に大きく上げ、そのまま最終日まで水準を保ちました。

日次の記録で$0.193114(9月17日)→ $0.200019(9月18日)→ $0.225627(9月19日)→ $0.225729(9月20日)→ $0.226481(9月21日)。+17.28%です。期間の記録での最安は初日、最高は最終日。 前号は「4日目まで持ちこたえ、最終日に下げる」形でしたが、今回はほぼ逆の形です。上げ幅の大半は9月19日の記録の1日(+12.82%)に集中しています。

エポック境界の確定値では、エポック655終了時の$0.194366からエポック656終了時の$0.245425へ、+26.27%。時価総額は$7.29bから$9.21b+26.29%です。ADA/JPYは¥38.6059、そのときのUSD/JPYは157.30です。円建てでは+27.14%です。

境界の値が日次の記録(+17.28%)より大きく動いているのは、最終日の記録(9月21日7時30分)から境界(9月22日6時44分)までの約23時間にも上げたからです。境界の$0.245425は、最終日の記録$0.226481を約8%上回っています。 12指標の記録は境界の前日の朝で止まっているので、この最後の上げは上の日次の数字には入っていません。

$NIGHTは記録上$0.02048955 → $0.02388053(+16.55%)。期間の記録での最高は9月20日の$0.0248893で、最終日は−3.96%戻しています。

BTCの上げは、ADAの半分以下でした。 BTCは$75,687 → $80,907(+6.90%)で、期間の記録での最高は9月19日の$81,238。ETHは$2,393.22 → $2,625.19(+9.69%)です。ADAの+17.28%はBTCの約2.5倍です。 前号は下げの局面で約2.4倍でしたので、上げでも下げでも、ADAはBTCの倍以上動く形が続いています。

記録上の14銘柄は、すべて上げました。 上げ幅の大きい順に、AVAX(+52.04%)、ALGO(+24.59%)、ATOM(+18.79%)、ADA(+17.28%)、NIGHT(+16.55%)、ICP(+14.74%)、LINK(+14.34%)、DOT(+13.89%)、FET(+13.37%)、SOL(+12.51%)、ETH(+9.69%)、XRP(+9.38%)、BTC(+6.90%)、WLFI(+1.34%)。前号で唯一上げたWLFIが今回は最下位、前号で下げ幅の首位だったICPが今回は上げ幅の6位です。 AVAXは最後の2日の記録だけで$8.23から$11.19へ動いています。

9月19日の記録の地合いは「リスクオン——BTC・ETH上昇・VIX低位安定」でした。 その日の1日の記録で、ADAが+12.82%、NIGHTが+12.22%、SOLが+12.2%、XRPが+8.65%、ETHが+7.93%、BTCが+6.59%。前後の日は「方向感薄い横ばい局面」で、1日の記録で地合いが入れ替わり、また戻っています。 同じ日の記録で、SOLとADAがほぼ同じ幅で動いていますので、SIPOはこの上げをCardano固有の材料には帰しません。

株式は小幅に上げ、VIXは下げました。 S&P500が7,551.81 → 7,650.50(+1.31%)、ナスダックが25,978.42 → 26,522.54(+2.09%)、ダウが51,461.90 → 51,682.64(+0.43%)。日経平均先物は64,410 → 65,025(+0.95%)です。VIXは17.71から14.81へ−16.37%

原油は、3エポックぶりに下げました。 WTIは$101.95 → $100.30(−1.62%)、ブレントは$105.58 → $103.87(−1.62%)。途中の9月19日の記録ではWTIが$95.47、ブレントが$98.77まで下げ、翌日の記録で戻しています。前号まで2エポック続けて上げた原油が、今回は期間を通して下げています。

金は、3エポックぶりに上げました。 金は$4,296.40 → $4,424.90(+2.99%)で、期間中の最安は初日、最高は9月20日以降の記録です。前号まで続いた「原油が上げて金が下げる」組み合わせが、今回は反対向きになりました。

為替とドルは、ほぼ動いていません。 USD/JPYは156.222から156.792(+0.36%)、ドル指数(DXY)は100.34から100.22(−0.12%)です。米10年債利回り(TNX)は5.006%から4.998%へ、5%の手前に戻りました。期間中の最安は9月18日記録の4.947%です。

日本国債の利回りは下げました。 10年は3.028%(9月15日時点)から2.993%(9月17日時点)へ、30年は4.106%から4.047%へ。前号の記録で2.988%だった10年は、この期間の初日の記録で3%台に乗り、最終日の記録で3%を下回っています。日米10年金利差は1.978から2.005へ広がりました。

暗号資産関連株のCOINは164.51 → 194.25(+18.08%)ADAとほぼ同じ幅で、前号の「最後の1日にADAと同じ向きで大きく下げる」形が、今回は上げの向きで出ています。

Cardano オンチェーンKPI

データ基準日は2026年9月20日23時59分59秒(UTC)です。エポック656の終了境界(9月21日21時44分51秒 UTC)より約22時間前の断面で、第9章のネットワーク指標とは出典も時点も違います。

指標エポック656(基準日 9月20日)前回記録(エポック655基準日 9月15日)
ステーキング率56.92% of supply56.96%
Nakamoto係数162162
日次Tx(最新日)22,857(9月20日)21,252(9月15日)
アクティブアドレス10,49210,673
Script Tx比率38.69%37.38%
ステーブルコイン総額$62.25M$62.08M
Treasury1,356,415,276 ADA(エポック656)1,352,660,262 ADA(エポック655)

アクティブアドレスはほぼ同じ水準を保ち、日次Txとスクリプト比率はもう一段上がりました。 アクティブアドレスは10,673から10,492−181。日次Txは21,252から22,857+1,605、Script Tx比率は37.38%から38.69%+1.31ポイントです。

前号でSIPOは、3つの基準日の組み合わせがすべて違う形になったと書き、「4つ目の基準日で、件数10,673・スクリプト比率37.38%という水準が維持されるかどうか」を確認点に挙げました。4つ目の基準日は、アドレスがほぼ横ばい、スクリプト比率はさらに上という形でした。 スクリプト比率は、エポック654の27.59%から、37.38%、38.69%と2つの基準日で続けて高い水準にあります。揺れの中に水準の切り上がりがあった可能性は、前号より高くなりました。 ただし基準日はそれぞれ1日の断面です。結論は、もう1つ重ねてから出します。

Treasury は、エポック655の1,352,660,262 ADAから1,356,415,276 ADAへ、+3,755,014 ADAです。 前号の+3,733,051 ADAとほぼ同じ幅です。

ステーブルコイン総額は、$62.08Mから$62.25Mへ、+$0.17Mです。 内訳を並べると、USDCx $46,263,918(前回$46,023,178・+$240,740)、USDM $8,560,681(前回$8,627,076・−$66,395)、USDA $4,102,178(前回と同額)、Djed USD $1,466,318(前回と同額)、iUSD $1,368,478(前回$1,381,400)。増加分はUSDCxで説明がつきます。 USDMは3回続けて減りましたが、減り幅は前号の−$288,810から小さくなっています。

Nakamoto係数は162のままです。ガバナンスアクションの集計は提案中3・批准0・失効73(基準日時点)です。本記事の第2章・第3章で扱った3件とは集計の範囲も時点も違いますので、突き合わせないでください。

SIPO DRep 活動

SIPO DRepの投票力は、2026年9月22日の確認時点で約₳88.12Mです(登録済み・active・有効期限エポック675・委任者392名)。エポック655記事の時点では約₳88.12M・389名でしたから、量はほぼ横ばいで、委任者は3名増えています。 委任者は6エポック連続の増加です。

取得した時点の値であり、エポック境界で固定した値ではありません。

第8章:エポック656 配信記事の紹介

エポック656の5日間に、SITIONグループの3アカウントから配信した記事のうち、暗号資産・ブロックチェーン関連を中心に抜粋して並べます。

日付媒体種別タイトルURL
9月17日SIPO.TOKYOエポックな日々名乗ることと、確かめられることは別でした──監査済みのプールから242万ADAが抜け、Dingo がメインネットでブロックを作り、Ikigai が1.81ポイント届かなかった5日間記事
9月17日SIPO.TOKYOSignalGero Wallet v2.7.1、Midnight の秘匿残高を本番で表示記事
9月17日SIPO.TOKYOSignalVyFi の Safe Swaps で不正流出、RISE と PALM に影響記事
9月17日LiveMakersSignal一括法案が落ちた翌日、下院は分割で動いた——暗号資産の税制案が委員会を賛成38・反対は5で通過X
9月18日SIPO.TOKYOSignalMaestro の開発者 API がサンセット開始、Cardano dApp は移行へ記事
9月18日SIPO.TOKYOSignalOuroboros Genesis、メインネット設定で既定に記事
9月18日SIPO.TOKYOSignalPlutus の開発主体、10月1日から Midgard Labs へ記事
9月18日SIPO.TOKYOSignalインデクサを建てずに Midnight のデータを引ける Explorer API記事
9月18日SIPO.TOKYODaily IntelMaestro の開発者 API が本日サンセット開始記事
9月18日LiveMakersSignalCircle の Arc がメインネット稼働、手数料は USDC 建てX
9月19日SIPO.TOKYOWeekly BriefWeekly Brief #24|委員会が通した Ikigai が DRep 側で 1.81pt 足りずに失効記事
9月19日SIPO.TOKYOSignalCardano の k を 500 から 1000 へ、SPO ポール開始記事
9月19日SIPO.TOKYOSignalCardano、9 月 21 日に 2027 年 NCL へ向けた資金配分ラウンドテーブル記事
9月19日SIPO.TOKYOSignalIOG の公式 YouTube チャンネルが乗っ取り被害記事
9月19日SIPO.TOKYOSignalMaestro、開発者 API 停止と同日にリポジトリ 33 本をアーカイブ記事
9月19日SIPO.TOKYOSignalMidnight メインネット、秘匿スマートコントラクトが近く有効に記事
9月19日SIPO.TOKYODaily Intelk を 500 から 1000 へ、プール目標数の引き上げ提案|Leios が 1,000 TPS、IOG の YouTube が乗っ取り記事
9月19日LiveMakersSignalCFTC、CLARITY 否決の2日後に暗号資産規則案を提出X
9月20日SIPO.TOKYODaily IntelMidnight メインネットにスマートコントラクトが近い|TapTools が Cardano を離れ、Daedalus 11.4.0 が着地記事
9月21日SIPO.TOKYOSignalPRIME 監査、Cardano DeFi は 100 点満点で 51.3 点記事
9月21日SIPO.TOKYOSignalSingularityNET のブリッジ鍵流出で3億枚超が不正ミント記事
9月21日SIPO.TOKYOSignalcardano-node 11.1.2、報告ノードの2割が更新記事
9月21日SIPO.TOKYOSignalx402 公式 SDK に Cardano、npm で導入可能に記事
9月21日SIPO.TOKYODaily Intelノード 11.1.2 への更新が回り始めた記事
9月21日LiveMakersSignalJPYC が Upbit で 1 円割れ、償還窓口のない市場の値段X
9月22日SIPO.TOKYODaily IntelCardano が x402 の公式 SDK に入った記事

この5日間のSIPO.TOKYOは、Signal を中心に、Weekly Brief と、毎朝の Daily Intel を配信しました。 上の表に載せたほかにも、LiveMakers・LifeMakers の2媒体から市場・地政学・AI・ライフスタイルの記事が出ています。LifeMakers からは、AI が API の代金を払う x402 の SDK に Cardano が入ったことも、生活者の側から取り上げました。LifeMakers の「星読み」は毎日配信を続けていますが、本表の対象外としています。

前号でSIPOは、「エポックな日々の執筆前に、同じ期間に出した Weekly Brief と DRep 記事の前提を照らし合わせる」と書きました。今回、Weekly Brief #24 と突き合わせたところ、1か所で書き方に差がありました。 9月18日の Signal は見出しで「Ouroboros Genesis、メインネット設定で既定に」と書きましたが、翌日の Weekly Brief #24 は、既定になっているのは配布されている設定で、リポジトリの master のメインネット設定はまだ PraosMode、正式な告知もまだだと、段を分けて書いています。本記事の第5章は、Weekly Brief #24 の書き方に合わせました。 事実の食い違いではありませんが、見出しだけを読むと、正式に切り替わったように受け取られうる書き方でした。

第9章:エポック656 終了時点 ステーキング動向

3プール合計(エポック656:100%時点)

項目前エポック比
ライブステーク103,775,751.43 ADA(103.78M)−4,122,154.46
有効ステーク107,897,905.89 ADA(107.90M)−962,657.75
委任者数2,136名−6
エポック生成ブロック102−13
累計生成ブロック47,511+102

プール別

プールライブステーク有効ステーク委任者エポックブロック累計ブロック
SIPO53,862,342.36(−3,190,448.01)57,052,790.37(−443,723.23)1,113(±0)52(−10)20,230
SIPO225,046,488.00(−209,551.75)25,256,039.75(+110,807.69)471(−1)18(−5)15,120
SIPO324,866,921.07(−722,154.70)25,589,075.77(−629,742.21)552(−5)32(+2)12,161

マージンは3プールとも3.9%、固定費340 ADA、保証金50,000 ADA です。ブロック数・累計ブロック・有効ステークはエポックの終了時点で確定した値です。ライブステークと委任者数は、9月22日9時19分に取得した値です。 今回はエポック657が始まってから約2時間半後の取得になりました。同じ朝に配信したステーキング状況の投稿とは、取得時刻の違いで委任者数が1名ずれています(投稿は2,137名)。

SIPO のライブステークが、319万ADA減りました

SIPO のライブステークは、57,052,790 ADAから53,862,342 ADAへ、−3,190,448 ADAです。 同じ期間に、SIPO の委任者数は1,113名のまま変わっていません。

委任者の数が変わらないまま、300万ADAを超える量が動いています。1名あたりの規模が小さい移動の積み重ねでは、この形にはなりません。大口の委任が1件か2件、別のプールへ移ったか、委任したまま残高が減った、と読むのが自然です。 委任者の入れ替わりが同じ数だけあった可能性もあります。ただし、委任者の事情をSIPOは知りません。 同じ期間に ADA の価格は大きく上げていますが、委任量と価格の関係をSIPOは主張しません。

第2章で触れたとおり、SIPO のライブステークは k=1000 の飽和点(提案書の基準で約3,750万ADA)をいまも上回っています。

ライブステークは、4エポック続けて減りました

3プール合計のライブステークは−412万2,154 ADA、率にして−3.82%です。 前々々号が−48万6,591 ADA、前々号が−76万4,031 ADA、前号が−96万2,658 ADAでしたので、4エポック続けて減り、今回は減り幅が大きく広がりました。 減少分の約77%は、SIPO の−319万ADAで占められています。

SIPO2 は−20万9,552 ADA(委任者−1名)、SIPO3 は−72万2,155 ADA(委任者−5名)です。前号で唯一増えた SIPO2 も、今回は減っています。4エポック続けて減っているという事実は、そのまま記録します。

SIPO2 のブロックは、18でした

前号でSIPOは、SIPO2 のブロックが14から23へ戻り始めたと書き、「次のエポックでも、SIPO2 と SIPO3 の差を見ます」と続けました。

エポック656の SIPO2 は18ブロック、SIPO3 は32ブロックです。 有効ステークは SIPO2 が2,526万ADA、SIPO3 が2,559万ADAで、ほぼ同じ規模です。直近3エポックを並べると、SIPO2 は14・23・18、SIPO3 は31・30・32でした。差は縮まらず、今回は広がっています。

ブロック生成は確率的で、1エポックの数字からプールの状態は読めません。ただ、同じ規模のプールを3エポック続けて下回っていることは、確率の揺れだけで片づけずに記録しておきます。次のエポックでも、2つのプールの差を見ます。

3プール合計では115から102へ−13です。SIPO は62から52、SIPO3 は30から32でした。

有効ステークとライブステークの照合が、7回続けて成立しました

エポック655の終了時点のライブステークが、そのままエポック656の有効ステークになっています。

プールエポック655 ライブステークエポック656 有効ステーク
SIPO57,052,790.3757,052,790.370.00
SIPO225,256,039.7525,256,039.750.00
SIPO325,589,075.7725,589,075.770.00

3プールとも小数点以下まで完全に一致しました。 前号で「6回目」と書きましたので、今回で7回目です。別々の出典から取った数字が一致するかどうかが、そのまま検算になっています。

累計47,511ブロック

3プールの累計ブロックは47,511です。SIPO 20,230 / SIPO2 15,120 / SIPO3 12,161。 エポック656では102ブロックを積み上げました。

ネットワーク全体(取得時点の値)

エポック656を締めたネットワークの集計は、今回は取得できませんでした。以下は、エポック657が始まってから約2時間半後(9月22日9時19分〜20分)に取得した値です。 前エポック比は、この時点のずれを含みます。ブロック生成のあったプールの数は、エポックが終わってから確定する値なので、今回は載せていません。

指標取得時点の値前エポック比
ステーキング率56.34%−0.11ポイント
総ステーク21,319,148,005 ADA−38,630,065
流通供給量37,842,016,302 ADA+6,229,540
委任者総数1,336,186名−1,222名
アカウント総数5,990,974+6,440
総ホルダー3,299,219+808
総プール数2,890−6
ステークのあるプール2,671−5

委任者総数は、7エポック続けて減りました。 取得時点のずれを含むため、幅を前号の−584名とそのまま比べることはできません。ただ、向きが変わっていないことは言えます。アカウント総数は+6,440、総ホルダーは+808で、どちらも増え続けています。 「新しいアカウントは増え、委任している人は減っている」という構図は、7エポック続いています。

総ステークは−3,863万ADAで、4エポック続けて減っています。流通供給量は+623万ADA増えていますので、ステーキング率は56.45%から56.34%へ下がりました。

SIPOの3プールは、この5日間で102ブロックを生成しました。 委任していただいているみなさまのおかげです。

終章:引き受けた人の数を、数えます

エポック655の終わりに挙げた確認点を、一つずつ答え合わせします。

最低固定費の提案で、DRep の賛成と反対のどちらが先に厚くなるかは、答えが出ました。反対です。 5日間で賛成は+1,570万ADA、明示的な反対は+2億3,259万ADAで、委任量では反対が賛成を1億7,430万ADA上回りました。票の数では賛成28・反対21のままです。あわせて見ると書いた「要件外でも SPO が意思表示として票を投じるか」は、投じたプールはありませんでした。 SPO の欄は賛成0・反対0・棄権0のままです。

OpenZeppelin の提案で、Governance Hours #10 のあとに反対の積み上がりが止まるかは、部分的に答えが出ました。止まってはいませんが、鈍りました。 反対は+1億5,976万ADAで、前号の+7億178万ADAから大きく縮み、賛成も+7,316万ADA増えています。反対を投じた DRep が理由を更新したかどうかは、確認できていません。

Splash の修正スクリプトと、OADA の立て直しの順序は、今回は確認できていません。 修正版にどの確認が入ったのかを示す公表も、VyFi の調査報告も、この5日間には見つけられていません。持ち越しです。

Dingo 以外のプールが、メインネットで別の実装を試すかは、部分的に答えが出ました。 別のプールが別の実装でメインネットのブロックを作ったという公表は、確認できていません。どの実装が作ったかを外から確かめる手段についても、新しい動きは見つけられていません。一方で、10月6日にシンガポールで独立したノード実装10種類のチームが現状を発表すると案内されました。cardano-node 11.2 はまだリリース欄に出ておらず、この5日間に出たのは11.1.2です。

MPS-0040 に続く MIP が出るか、Gero の手数料の肩代わりが他のウォレットに広がるかは、今回は確認できていません。 改善提案のリポジトリには MPS-0041 と MPS-0042 が加わりましたが、MPS-0040 の解決策を提案する MIP はまだです。Lace 2.3.0 に Midnight まわりの改善が入りましたが、同じ肩代わりの仕組みかどうかは確認できていません。持ち越しです。

Mastercard のプログラムで、固有名詞の入った続報が出るかは、今回は確認できていません。持ち越しです。 Intersect 理事選の投票は9月25日に閉じ、結果は9月28日に公表されます。

アクティブアドレスとスクリプト比率が、今回の水準を保つかは、答えが出ました。 アクティブアドレスは10,673から10,492へほぼ横ばい、スクリプト比率は37.38%から38.69%へもう一段上がりました。第7章のとおり、切り上がりの可能性は前号より高くなりましたが、結論はもう1つ基準日を重ねてから出します。

3プールのライブステークの減少が4エポック目に入るか、SIPO2 と SIPO3 のブロックの差が縮むかは、答えが出ました。どちらも、見たくなかった側です。 ライブステークは4エポック続けて減り、減り幅は−412万ADAに広がりました。SIPO2 は18、SIPO3 は32で、差は広がっています。

8件のうち、答えが出たものが3件(最低固定費の厚み・アクティブアドレスとスクリプト比率・ライブステークとブロックの差)、部分的に答えが出たものが2件(OpenZeppelin の反対の鈍化・別の実装)、持ち越しが3件(Splash と OADA・MPS-0040 の後続と肩代わりの広がり・Mastercard の続報)です。

そのうえで、エポック657で確認すべきものを挙げます。

  1. k のポールで、SPO の賛成と反対のどちらに持ち分が積み上がるか(ガバナンス):いまは賛成4プール・259万ADAに対し、反対2プール・4,253万ADA、未投票91億7,444万ADAです。票に添えられる理由書が集まるかも見ます。期限はエポック663(10月22日6時44分頃)です。
  2. 最低固定費と OpenZeppelin で、委員会の3票目が入るか(ガバナンス):どちらも委員会は賛成2・未投票5、期限はエポック661で、残りは4エポックです。最低固定費では反対の優位が続くか、OpenZeppelin では反対の鈍化が続くかを見ます。
  3. 置いていかれたコードと、仲介役の運用者(開発・基盤):maestro-cardano-indexer のコミット履歴が9月15日から動くか。x402 の公開ファシリテーターの対応一覧に Cardano のメインネットが載るか。
  4. 11.1.2 の普及と、11.2・Genesis の正式告知(開発):報告ノードの20%がどこまで伸びるか。cardano-node 11.2 が10月上旬までにリリース欄に出るか。配布設定の Genesis について正式な告知が出るか。
  5. Midnight のスマートコントラクト配備の日付(Midnight):配備ガイドにメインネットの手順が加わるか、ノード2.1.0が正式版になるか。Buildathon の審査結果(9月27日)もあわせて見ます。
  6. PRIME の基準線からの動きと、再開した DeFi(DeFi):監査が基準線とした DeFi TVL 6,741万ドル・ステーブルコイン6,712万ドルからの推移。Surf の清算とレバレッジがいつ戻るか。Splash と VyFi の報告書が出るか。
  7. スクリプト比率の3つ目の基準日(オンチェーンKPI):38.69%という水準が続くかで、切り上がりか揺れかの判断材料がそろいます。
  8. 3プールのライブステークが5エポック目も減るか、SIPO2 のブロックが同規模の SIPO3 に近づくか(ステーキング):ネットワークの委任者総数は、次は境界の値で確かめます。

エポック656は、置いていかれたものと、それを引き受ける人のあいだが見えた5日間でした。

Maestro はサービスを畳み、コードを置いていきました。置いていかれたインデクサは、誰かが自分のサーバーで動かし始めるまで、何も返しません。

Plutus は、10月1日から Midgard Labs が預かります。移るのは管理責任で、コードは同じ場所にあります。 誰が質問を受け、誰がリリースを出すのかが変わります。

11.1.2 は、1日で報告ノードの5台に1台まで届きました。残りの4台は、運用者一人ひとりが上げるまで旧版のまま動きます。 それは弱点であると同時に、安全装置でもあります。

x402 の SDK は npm に出ました。Cardano のメインネットで仲介役を引き受ける運用者は、まだいません。

そして k のポールは、要件ではない SPO の欄を、自分から置きました。判定の設計上、票を入れない SPO は反対と同じ働きをします。 引き受けるかどうかを決めないことも、結果に載ります。

この5つに共通しているのは、公開されたもの、発表されたもの、出されたものが、それだけでは動かないということです。 動かすのは、それを引き受けた人です。Midnight のウォレットが証明と手数料の手間を引き取ったのも、同じ話の反対側にあります。

市場のほうは、5日間で+17.28%です。上げの大半は1日に集中し、暗号資産全体が同じ幅で動き、株式は小幅に上げ、原油は下げて金が上げました。 SIPOはこの上げをCardano固有の材料には帰しません。事実として記録し、次のエポックで水準が保たれるかを見ます。

いつもSIPO / SIPO2 / SIPO3へ委任をいただき、ありがとうございます。委任は、ブロック生成を支えるだけでなく、DRepを通じて判断の重みを託す行為でもあります。SIPOはSPO・DRep・観察者として、結論だけでなく、その結論へ至る理由と、まだ答えの出ていない問いを記録し続けます。k のポールに SIPO が票を投じるときも、その理由を同じ場所に記録します。

次の期限は、エポック661です。10月12日の朝6時44分頃に、最低固定費と OpenZeppelin の2件が同時に終わります。

出典・参照