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エポックな日々

大口棄権で分母7億ADA縮小、FluidTokens にオラクル攻撃、RealFi が3入口で始動:エポックな日々658

2026-10-02SIPO

エポック658(2026年9月27日〜10月2日)

序章:21分間に入った、6つの棄権

日本時間10月2日6時44分、エポック658が終わりました。

その2日前、9月30日の12時39分から13時00分までの21分間に、6つの票がチェーンに記録されています。EMURGO の DRep と Yoroi の DRep が、いま投票を受け付けている3件のガバナンス議案すべてに、そろって「棄権」を投じました。添えられた理由書は、どちらも同じ趣旨です。エコシステムの状況が落ち着くまで判断を控え、状況が解決したら改めて検討する、と書かれています。

2つの DRep に委任されている投票力は、10月2日朝の取得で合わせて約7億1,768万ADAです。棄権した投票力は、可決を判定する分母から外れます。プールの最低固定費を下げる議案では、この5日間に賛成の投票力が約1億997万ADA増えただけでしたが、賛成率は12.29%から17.50%へ跳ねました。賛成が大きく増えたのではなく、割る側が約7億1,701万ADA小さくなったからです。

同じ5日間に、「何が入ってくるか」が結果を決める場面が、別々の場所で続きました。

  • 貸し出しの FluidTokens が攻撃を受け、貸し出しを一時止めました。チームの説明では、原因はスマートコントラクトの欠陥ではなく、価格を外から届けるオラクルの不具合でした。コードは設計どおりに動き、入ってきた数字の側が突かれたことになります。
  • cardano-node 11.1.3 は、IPv4 アドレスを読むときのバイトの順序を元に戻す修正版として出ました。Midnight のノード 1.0.300 は、依存ライブラリの版を戻して、同じソースからチェーン上と同じランタイムを再現するために再発行されています。
  • Cardano PRIME は、資金を出すすべてのアプリにトークン規格 CIP-113 の実装を求めると表明しました。入口の形をそろえれば、ウォレットや保管業者が一度対応するだけで済むからです。そして10月1日の夜、ドル建ての RealFi が、DEX・ウォレット・貸し出しの3つの入口と同時に動き始めました。

集計の分母に何を入れるか。プログラムにどの数字を入れるか。ビルドにどの版を入れるか。新しいドルをどこから入れるか。入れたものが、出てくるものを決めます。この5日間は、その順序が何度も表に出ました。

軸は「入れたものが、出てくるものを決めていました」です。

市場は、ADA が小さく下げ、Midnight の NIGHT だけが大きく上げる5日間でした。ADA は日次の記録で$0.253362から$0.244318へ−3.57%、境界の確定値では−3.13%です。NIGHT は日次の記録で+51.58%でした。第7章で並べます。

第1章:エポック658の5日間を俯瞰する

まず、この5日間に何が起きたのかを領域ごとに並べます。この章だけで期間の全体像がつかめることを目的にしています。

ガバナンス

日付出来事一次ソース
9月28日EMURGO が、運営してきたステークプールの運用管理を Murasaki 氏へ移したと告知。DRep 登録の取り下げも予告どおり進めると説明EMURGO
9月28日Intersect の理事選(2議席に11人)で、Adam Rusch 氏と Kavinda Kariyapperuma 氏の現職2人が再選Intersect
9月30日EMURGO と Yoroi の DRep が、係属中の3議案すべてに棄権を投じた(12時39分〜13時00分)。2つの投票力は合わせて約7億1,768万ADAAdaStat
9月30日ADA 保有者が DRep への委任を保ったまま議案ごとに賛否を記録する提案に、CIP-204 の番号が付いた(協定世界時29日)。提案はまだ未マージGitHub
10月1日Intersect が、憲法改正案(CAP)の2回目の公開レビューの会を開いたIntersect
10月2日k を500から1000へ問う SPO のポールで、明示的な反対が17プール・5億2,225万ADAに。賛成14プール・5,559万ADAの約9.0倍(7時半ごろの取得)AdaStat

開発・スケーリング

日付出来事一次ソース
9月27日SIPO が、3プールのリレーとブロック生成ノードすべてを cardano-node 11.1.2 に更新し終えたと報告。3プールとも Mithril の署名者として登録し、署名への参加はエポック659からSIPO.TOKYO
9月29日cardano-node 11.1.3 を公開。11.1.2 で意図せず変わっていた IPv4 アドレスの読み取り順を、ネットワークの順序へ戻す修正版。台帳の再生は不要GitHub
9月30日トークンに移転のルールを持たせる規格 CIP-113 が、2023年1月の提案から3年8か月で CIPs リポジトリに取り込まれた(協定世界時29日)。状態は ProposedGitHub
9月30日Leios の取引検証のベンチマークを、開発環境なしで動く単体の実行ファイルにして SPO へ配布したと Performance & Tracing チームが報告Intersect
10月1日Maestro が、開発者向け API の終了にあわせて Bitcoin・Cardano・Dogecoin の UTxO インデクサをオープンソースとして公開Maestro
10月2日Intersect が、11.1.3 に続いて Dijkstra の統合が 11.2 に向けて進んでいると告知Intersect

Midnight・パートナー

日付出来事一次ソース
9月29日midnight-node の新系列 2.1.0 の3回目のリリース候補(rc.3)を公開(協定世界時28日)。10月1日には rc.4 も。台帳を8から9へ上げるハードフォークを前提にした系列GitHub
9月28日ホスキンソン氏が、NIGHT を今後24か月の有力な投資対象と評価する Weiss Crypto の投稿を引用し、Midnight は Zcash より大きくなるとの見通しを投稿Charles Hoskinson
9月30日node-1.0.300 のリリースページに再発行の注記。Cargo.lock を調整し、チェーン上のランタイムと同じハッシュを再現するためと説明GitHub
9月30日Midnight が提供してきたメインネットの RPC とインデクサの窓口を協定世界時22時に終了し、Blockfrost の提供先へ移行。Lace Midnight Preview もこの日で動作終了Midnight Docs
9月30日Intersect によると、Midnight の Nightforce のアンバサダーは130か国で約2,000人にIntersect
10月1日Midnight 財団の Sebastien Guillemot 氏が、v8 で秘匿スマートコントラクトが使えるようになり、組み合わせを可能にする v9 も年内の見通しと投稿。近く 1.0.4 をメインネットへ展開する予定もSebastien Guillemot

DeFi・アプリ

日付出来事一次ソース
9月28日Strike の無期限先物、9月21日〜27日の1週間の取引額が7,700万ドルで過去最高Strike Finance
9月29日Liqwid の週次集計で、ADA の借り入れ(323万ドル)が DJED(300万ドル)を抜いて最大の融資の対象に。借り入れ総額は初めて1,000万ドル超Liqwid
9月29日FluidTokens が、指定7市場で使われていない ADA の報酬を年6%まで補う上乗せを2026年末まで再開FluidTokens
9月29日Lace 2.4 が、スワップの中身(出ていくもの・手数料・行き先・担保・有効期限)を署名前に表示Lace
9月30日FluidTokens がオラクルの不具合を突いた攻撃を受け、貸し出しを一時停止。影響は1市場、同日夜に返金を終了。10月2日未明に貸し出しを再開FluidTokens
9月30日Cardano PRIME が、資金を出すすべてのアプリに CIP-113 の実装を求めると表明。10月1日には Minswap が CIP-113 対応のコントラクトを試験中と明かしたCardano PRIME
9月30日Strike Finance が、無期限先物のモバイルアプリの Android 版を公開。iOS 版は「次」Strike Finance
10月1日SecondFi が、カードプログラムを11月30日で終了すると発表SecondFi
10月1日RealFi が Cardano のメインネットで稼働。同じ夜に SundaeSwap V4 が USDCx と USDrf の1対1の交換プールを開き、Lace は RealFi を内蔵、Liqwid は RealFi Hub を開いたRealFi

組織・資金・イベント

日付出来事一次ソース
9月28日Cardano 財団が UCLA アンダーソン経営大学院のベンチャー・アクセラレータと複数年の提携。Cardano Academy を教育に組み込み、5社にフェローシップCardano Foundation
9月30日Cardano 財団が、ペトロブラス・PUC-Rio との研究開発から、持続可能な航空燃料と再生ディーゼルを追跡するアプリ2本を納品したと発表。どちらも研究段階Cardano Foundation
10月1日Cardano PRIME が RFP の締切を2週間延長。米東部時間10月14日23時59分、日本時間では15日12時59分Cardano PRIME
10月1日Cardano 財団が日本の Pacific Meta と提携。Pacific Meta は財団の Enterprise Integration Partner にCardano Foundation

市場

日付出来事一次ソース
9月29日12指標の記録で ADA が1日で−4.03%。地合いは「方向感薄い横ばい局面」に変わり、最終日まで続いた本記事 第7章(12指標の日次記録)
9月30日〜10月1日12指標の記録で NIGHT が2日続けて大きく上げた(+18.36%・+19.79%)。5日間の記録で+51.58%本記事 第7章(12指標の日次記録)
9月29日〜10月1日米10年債利回りが記録上で5.24%・5.255%・5.293%と3日続けて上昇本記事 第7章(12指標の日次記録)

この5日間でいちばん重かったのは、ガバナンスの分母が動いた場面です。EMURGO と Yoroi の2つの DRep が3議案すべてに棄権を入れ、約7億ADAが分母から外れました。そこへ OpenZeppelin の議案では反対がさらに厚くなり、k のポールでは SPO の反対が賛成の9倍まで積み上がっています。第2章と第3章で扱います。

DeFi は、入ってくるものの扱いが問われた5日間でした。FluidTokens は報酬の上乗せを再開した翌日に、オラクルの数字を突かれました。一方で PRIME は CIP-113 を入口の共通規格に据え、RealFi は3つの入口と同時に動き始めています。第4章と第5章です。

開発と Midnight は、版の番号の内側を確かめる5日間でした。cardano-node 11.1.3 はバイトを読む順序を戻し、Midnight の 1.0.300 は同じ番号のまま配布物が入れ替わりました。第6章で扱います。組織の面では、財団の提携が UCLA、ペトロブラス、日本の Pacific Meta と続きました。

第2章:棄権が、分母を7億ADA動かしました

EMURGO と Yoroi の6票

Koios の投票記録で時刻を並べると、9月30日の昼に次の順で票が入っています。

時刻(日本時間)DRep議案票
12時39分EMURGOOpenZeppelin スタックへの国庫引き出し棄権
12時44分EMURGOminPoolCost を75 ADAへ棄権
12時48分EMURGOk を500から1000へ(SPO ポール)棄権
12時54分YoroiOpenZeppelin スタックへの国庫引き出し棄権
12時57分YoroiminPoolCost を75 ADAへ棄権
13時00分Yoroik を500から1000へ(SPO ポール)棄権

投票力は、10月2日朝の Koios の取得で、Yoroi の DRep が約4億1,817万ADA、EMURGO の DRep が約2億9,951万ADAです。理由書は議案ごとに置かれていますが、中身はほぼ同じです。EMURGO の理由書は、エコシステムの状況を踏まえ、確信を持って投票できるまで判断を控え、状況が解決したら改めて検討すると書いています。Yoroi の理由書も、状況が許すようになった時点で立場を見直すとしています。どの議案にも、賛否の理由には踏み込んでいません。

前号で扱ったとおり、EMURGO は8月に Cardano のガバナンスから一歩引き、DRep の登録を取り下げる方針を示していました。9月26日には7つのステークプールの運営を Murasaki 氏へ移し、9月28日にはプールの運用管理を移したと改めて告知しています。今回の棄権は、その途中の段にあたります。登録を取り下げる前に、係属中の議案に対しては「判断しない」という票を記録した形です。

棄権は、分母から外れます

DRep の票で批准を判定するときの分母は、「賛成+明示的な反対+常時不信任+未投票」です。棄権は分母から外れます。未投票は分母に残り、事実上は反対と同じ働きをします。つまり、未投票のまま残っていた大口が棄権に移ると、反対側の重しが1つ外れ、残った賛成の割合が上がります。

minPoolCost の議案(Action ID gov_action1whncs25w727rj5tml7lmv48gnaf9mm66sdjds8s3l306et7xmkdsqzqd7s2・action_ref 75e7882a8ef2bc39517bffbfb654e89f525def5a8364d81e11fc5facafc6dd9b0)で並べます。プールの最低固定費を170 ADAから75 ADAへ下げるパラメータ変更です。

面前号(9月27日朝の取得)今回(10月2日朝の取得)
DRep 賛成38票・554,480,098 ADA47票・664,453,165 ADA
DRep 明示的な反対25票・490,993,410 ADA26票・495,284,034 ADA
DRep 棄権(分母から除外)6票・650,389,451 ADA11票・1,373,361,319 ADA
常時不信任137,464,588 ADA135,365,324 ADA
未投票3,330,449,279 ADA2,501,274,310 ADA
批准の分母4,513,387,375 ADA3,796,376,833 ADA
賛成率12.29%17.50%(必要な水準は67%)
憲法委員会賛成3・未投票4賛成3・未投票4

5日間で、賛成は9票・約1億997万ADA増えました。明示的な反対は1票・約429万ADAの増加です。賛成が反対を上回る幅は、前号の6,349万ADAから1億6,917万ADAへ広がりました。

そのうえで、棄権の投票力は約7億2,297万ADA増え、分母は約7億1,701万ADA縮んでいます。棄権の増加の大半は、EMURGO と Yoroi の2つの DRep の投票力で説明がつきます。仮に2つの DRep が未投票のまま分母に残っていたとすると、今回の賛成の投票力でも賛成率は約14.7%です。17.50%との差の約2.8ポイントは、賛成票ではなく、分母の側が動いた分です。

それでも、可決はまだ遠い位置にあります。いまの分母のままで67%に届くには、賛成をあと約18億7,912万ADA積む必要があり、これは未投票25億127万ADAの約75%にあたります。この議案は経済パラメータの変更で、SPO の票は求められていません。SIPO DRep は9月15日に棄権を投じています。

OpenZeppelin:反対はさらに厚くなりました

「Withdraw 11,787,063 ada for the OpenZeppelin Stack administered by Intersect」(Action ID gov_action1gxxltxr02p28a398p8c6t08xhpg82wkkv9xgwvuxkly48lhgf20sqlkl2l8・action_ref 418df5986f50547ec4a709f1a5bce6b850753ad6614c873386b7c953fee84a9f0)。引き出し額は11,787,063 ADA です。この財務引出の種類には、SPO の投票はありません。

面前号(9月27日朝の取得)今回(10月2日朝の取得)
DRep 賛成9票・119,364,614 ADA10票・129,703,043 ADA
DRep 明示的な反対42票・1,189,872,445 ADA52票・1,430,934,605 ADA
DRep 棄権(分母から除外)7票・43,290,138 ADA9票・761,086,560 ADA
常時不信任137,464,588 ADA135,365,324 ADA
未投票3,673,785,042 ADA2,712,648,621 ADA
批准の分母5,120,486,689 ADA4,408,651,592 ADA
賛成率2.33%2.94%(必要な水準は67%)
憲法委員会賛成3・未投票4賛成3・未投票4

明示的な反対は42票から52票へ、約2億4,106万ADA増えました。委任量では、反対が賛成の約11.0倍です。ここでも棄権は約7億1,780万ADA増えていて、EMURGO と Yoroi の分がほぼそのまま入っています。

こちらは、分母が縮んでも結論の向きは変わりません。すでに投じられた票が動かなければ、未投票の約27億1,265万ADAがすべて賛成に回っても、賛成率は約64.5%で67%に届きません。SIPO DRep は9月25日に、この議案に反対を投じています(SIPO DRep:OpenZeppelin スタックの 1,178 万 ADA 引き出しに反対)。前号で書いたとおり、反対したのはこの版の提案に対してで、OpenZeppelin の Cardano への参入そのものは歓迎しています。係属中の議案は3件のままで、再提出の議案は10月2日朝の時点で出ていません。

委員会は、3のままでした

前号で確認点に挙げた「委員会の4票目・5票目」は、2件とも入りませんでした。minPoolCost と OpenZeppelin は、どちらも賛成3・未投票4のままです。2件の期限はエポック661で、最後に投票できるのは日本時間10月12日6時44分頃です。残りは2エポックになりました。

今回の取得は、エポック659に入って約45分後(10月2日7時30分ごろ)です。票はエポックの境界をまたいでも受け付けられるので、境界後の票が含まれている可能性があります。

第3章:誰の票を数えるかで、同じ「賛否」が別物になります

k のポール:反対が賛成の9倍に

対象は「Should stakePoolTargetNum (k) be raised from 500 to 1000? (SPO poll)」です(Action ID gov_action17m7nv7839mw93hv889tqzj0umv9ckm780f0nq02fep78f50uedxqq6g5mt9・action_ref f6fd3678f12edc58dd8739560149fcdb0b8b6fc77a5f303d49c87c74d1fccb4c00)。エポック656に提出された Info Action で、期限はエポック663、日本時間10月22日6時44分頃です。

面前号(9月27日朝の取得)今回(10月2日朝の取得)
SPO 明示的な賛成11プール・53,727,983 ADA14プール・55,585,555 ADA
SPO 明示的な反対11プール・224,300,668 ADA17プール・502,250,435 ADA
SPO 未投票8,881,468,791 ADA8,516,284,750 ADA
SPO 常時不信任16プール・50,018,205 ADA16プール・50,156,752 ADA
SPO の分母(全プール委任ステーク − 明示的な棄権 − 常時棄権)9,209,515,647 ADA9,124,277,492 ADA
SPO 賛成の割合0.58%0.61%
SPO 常時棄権(分母から除外)633プール・12,111,564,134 ADA639プール・12,191,338,826 ADA
DRep 賛成18票・102,706,853 ADA23票・123,702,637 ADA
DRep 明示的な反対15票・215,163,620 ADA17票・395,364,345 ADA
DRep 棄権9票・555,438,344 ADA19票・1,417,617,881 ADA
憲法委員会賛成1・棄権1・未投票5賛成1・棄権1・未投票5

前号の終章で、SIPO は「未投票の88億ADAがどちらへ動くか」を確認点に挙げました。5日間で SPO の未投票は約3億6,518万ADA減り、明示的な反対は6プール・約2億7,795万ADA増えています。賛成は3プール増えましたが、持ち分は約186万ADAの増加でした。動いた持ち分の大半は、反対の側に入りました。数では賛成14対反対17、量では反対が賛成の約9.0倍です。前号の約4.2倍から開いています。

上の分母は、SIPO の取得経路の定義によるもので、ブロック生成実績のあるプールに絞った母数ではありません。その分母の約93.3%にあたる約85億1,628万ADAは、まだ投票していません。提案書の宣言では、投票しない登録済みのステークは反対と同じ働きをします。明示的な賛成が50%を超えるには、あと約45億655万ADAの賛成が要ります。DRep の票は、提案書の判定には入りません。DRep の欄の棄権が大きく増えたのは、第2章の EMURGO と Yoroi の分が入ったためです。

SIPO の3プールは、10月2日7時32分の確認時点で、このポールにまだ投票していません。SIPO DRep も同様です。第9章で書くとおり、SIPO の1号機は k=1000 の飽和点を上回る側にいます。票を投じるときは、立場と理由をあわせてこの場所に記録します。

保有者の「回答」は、DRep の票に足し合わせません

同じ5日間に、数える対象そのものを増やす提案が番号を得ました。CIP-204「Holder Answers on Governance Actions」です。ADA 保有者が DRep への委任を保ったまま、チェーンに出ている議案ごとに Yes・No・Abstain を、取引のメタデータ(ラベル1695)として記録する方式を定めています。番号の割り当ては協定世界時9月29日で、10月1日の確認時点では提案のプルリクエストはまだ開いたまま、マージされていません(SIPO.TOKYO の解説)。

草案は、回答者のステークキーの署名を求め、議案の提出前から資格情報が登録されていることなど、時期の条件も置いています。ただし、記録の単位はステーク資格情報で、人ではありません。同じ人が複数の鍵を持つことも、1つの管理者が多くの人の資産を預かることもあります。回答を件数で数えるか、ステークで重みを付けるかも、草案は定めていません。

だから、保有者の回答と DRep の正式な票は、同じ欄に足し合わせられません。回答だけで議案が批准されることもなく、回答の多数派に DRep が従う規則もありません。「賛成70%」という同じ表示でも、誰を、何で数えたかが違えば、別の数字です。

理事選は、会員の票で決まりました

9月28日の夜、Intersect は2026年の理事選の結果を発表しました。2議席に11人が立ち、Adam Rusch 氏と Kavinda Kariyapperuma 氏の現職2人が再選されています。任期は2年です(SIPO.TOKYO の解説)。

この選挙で票を投じられるのは、180日以上在籍し、本人確認を済ませた Intersect の会員です。ADA をいくら持っているか、どれだけ委任を集めているかは、票の重みに関係しません。同じ「Cardano のガバナンス」でも、チェーン上の議案はステークで量り、Intersect の理事会は会員の頭数で決めます。数える単位が違えば、答えている問いも違います。第2章の棄権も、k のポールも、CIP-204 も、理事選も、どの入力を、どの単位で数えるかを先に決めてから読む話です。

第4章:コードではなく、入ってくる数字が突かれました

上乗せの翌日に、止まりました

9月29日0時50分、FluidTokens は ADA を貸し手として預けた利用者への報酬の上乗せを再開すると発表しました。指定した7つの市場で、貸し出されずに置かれている ADA のステーキング報酬を、2026年末まで合計で年6%になるまで補う内容です(SIPO.TOKYO の解説)。

その翌日、9月30日9時57分に、FluidTokens は攻撃を受けてレンディングを一時停止したと告知しました。11時09分の続報の要点は3つです。攻撃者はすでに無力化し、攻撃に使われたコントラクトを恒久的にブロックした。攻撃はスマートコントラクトの脆弱性によるものではなく、オラクルのデータ供給の問題が原因で、1つの市場に限られた。運用は48時間以内に全面的に再開する見込み、です(SIPO.TOKYO の解説)。

同じ日の22時54分には、影響を受けた貸し手への返金を終え、攻撃に使われたコントラクトを封じ込めたと報告し、担保やトークンのポジションには触れられていないと説明しました。そして10月2日2時35分、貸し出しと借り入れの再開を告知しています。告知した48時間の期限より前の再開でした。

正しく動くコードに、ずれた数字が入ると

レンディングのプロトコルは、担保として預かった資産の価格をもとに、借りられる上限や清算の水準を決めます。チェーンの中からは取引所の価格を直接見られないので、価格を外から持ち込むオラクルが要ります。コードが設計どおりに動いていても、入ってくる価格が実勢とずれれば、担保の価値以上に借りられる余地が生まれます。

FluidTokens の説明どおりなら、今回はコードの書き間違いではなく、コードに入ってくる数字の側に問題がありました。「1つの市場に限られた」という説明も、特定のデータ供給を参照する市場に影響が閉じやすいという構造と整合しています。一方で、どの市場の、どのオラクルの、どんな不具合だったのか、被害額と返金の対象数は、10月2日朝の時点でまだ示されていません。事後報告が出れば、FluidTokens 固有の問題か、Cardano の DeFi が共通して参照するデータ基盤の問題かを切り分けられます。

同じ9月30日には、Cardano PRIME が「FluidTokens の貸し出しのプールはどれも利用率が90%を超え、預け手の利回りは7%を上回っている」と紹介しています。DefiLlama の集計でも、FluidTokens は Cardano の TVL で7位に上がっていました(1週間前は9位)。報酬と利用が積み上がる局面で、入口のデータが突かれたことになります。

価格の入口を二重にする動き

前号で扱ったとおり、Liqwid は Catalyst の資金で、ADA と NIGHT の価格を Pyth の署名でも検証する仕組みへ移ると発表していました。価格を1本の鍵で書き込む形から、取引のたびに署名付きの価格を持ち込み、その場で検証する形への置き換えです。

その Liqwid では、9月28日の週次集計で、ADA の借り入れが323万ドルと DJED の300万ドルを上回り、最大の融資の対象になりました。借り入れの総額は1,022万ドルで、初めて1,000万ドルを超えています。ADA の借り入れは3週続けて増え、7日で19%の増加でした(SIPO.TOKYO の解説)。借りられている最大の資産が ADA になったいま、担保の評価に使う価格の確かさは、借り手と貸し手の双方にとって重みが増しています。

回転は増え、とどまる資金はまだ小さい

無期限先物の Strike は、9月21日〜27日の1週間の取引額が7,700万ドルで過去最高だったと発表しました。公開統計の日次を合計すると約7,710万ドルで、それまでの最高の8月17日の週(約7,628万ドル)を約80万ドル上回っています。週の約6割は月曜から水曜に集中していました(SIPO.TOKYO の解説)。

一方で、DefiLlama の集計で場にとどまる資金(TVL)は9月29日時点で約240万ドルで、1週間の取引額はその30倍を超えます。9月30日には Android 版のアプリを公開し、メールアドレスで登録して入金から発注までを手元で済ませられるようにしました(SIPO.TOKYO の解説)。入口を低くすることと、場の厚みを増すことは、別々に測る必要があります。Strike は10月に流動性を厚くし、月の取引額5億ドル・手数料収入10万ドルをめざすとしています。

第5章:入口の形がそろってから、新しいドルが入ってきました

PRIME は、CIP-113 を条件にしました

9月30日の朝、Cardano PRIME は、PRIME が資金を出すすべてのアプリに CIP-113 の実装を求めると表明しました。理由として挙げたのは、規格をそろえれば、ウォレット、保管業者、取引の場が一度対応するだけで、支援を受けたすべてのアプリがその恩恵を受けられる、という点です。9月下旬に Fireblocks が Cardano のネイティブトークンに対応したことにも触れ、保管の側は発行体ごとの特別な対応ではなく、標準のトークンを扱いたいのだと説明しています。翌10月1日には、DEX の Minswap が CIP-113 に対応したコントラクトを試験中で、まもなく公開すると明かしました。

その CIP-113 は、協定世界時9月29日に CIPs リポジトリへ取り込まれたばかりです。Cardano のネイティブトークンは、一度発行されればどのアドレスの間でも自由に動きます。CIP-113 は、所有者が変わるたびにスクリプトの実行を必須にすることで、凍結や差し押さえ、許可リストといった規制対応のルールをトークンに持たせます。台帳から見れば中身は普通のネイティブトークンのままなので、ハードフォークは要りません(SIPO.TOKYO の解説)。

取り込まれたのは第3版です。最初の版は ERC-20 に近い代理送金の仕組みを持っていましたが不要で危険と指摘されて廃止され、次の版は同時送金で競合が起き、その次の版は利用者に事前登録を求めたことが受け入れられませんでした。3度作り直した末の形です。それでも状態は Proposed のままで、Active に移る条件(Preview とメインネットでの発行、エンドツーエンドのテスト、広く使われるウォレットでの表示と送金)のチェック欄は空欄でした。

同じ規格でも、権限は「サブスタンダード」が決めます

入口をそろえることには、読み手の側の注意も伴います。CIP-113 そのものは、誰が凍結や差し押さえを実行できるかを決めていません。本文は、トークンの第三者操作とその実行権限は、CIP-113 への準拠からではなく、必ず個別のサブスタンダードから判断するよう求めています。同じ CIP-113 のトークンでも、発行者が残高を差し押さえられるものもあれば、そうした操作が一切できないものもありえます(SIPO.TOKYO の解説)。

9月29日には、Cardano 上で電子署名と承認フローを提供する BlockSign が、Preview テストネットで CIP-113 のトークンの登録・発行・送金・焼却を一通り動かしたと報告しました。BlockSign が強調したのは、取引が通ることは課題の半分にすぎず、誰が起こし、誰が承認し、何を承認したのかを後から証明できることが機関には欠かせない、という点です。凍結や差し押さえができるトークンほど、その操作を誰の承認で実行したかの記録が重くなります。

RealFi は、3つの入口と同時に始まりました

10月1日23時01分、RealFi は Cardano のメインネットでの稼働を告知しました。ドルに連動する USDrf と、USDrf を預けて利回りを受け取る sUSDrf の2つのトークンが柱です(SIPO.TOKYO の速報)。

同じ夜、入口が一度に3つ開きました。

  • 交換の場:SundaeSwap が新版 V4 を公開し、段階的な展開の最初の2つのプールの1つに、USDCx と USDrf を1対1で交換する Linear Swaps のプールを置きました。片側に偏ったプールを直す取引をした人に、偏りが大きいほど増える報酬を払う設計です(SIPO.TOKYO の解説)。
  • ウォレット:Lace に RealFi が組み込まれ、ウォレットの中から交換や利回りの機能に入れるようになりました。
  • 貸し出し:Liqwid が RealFi Hub を開き、USDrf への交換、ADA を担保にした借り入れ、sUSDrf への預け入れを1つの画面で扱えるようにしました。

ステーブルコインは、発行されても「どこで替え、どこで使うか」が後回しになりがちでした。RealFi は、最初の日から3つの使い道と一緒に出てきた形です。

ただし、入口が開いたことと、誰でも入れることは別です。Lace の告知によると、RealFi の商品は米国・英国・EU・香港などの居住者は使えず、sUSDrf の価値は上下し、利回りの保証もありません。公式資料の FAQ では、個人が USDrf から抜けるときは DEX で売ることになり、その値段が1ドルになる保証はありません(SIPO.TOKYO の Q&A)。SIPO は RealFi のアルファ・アンバサダーとして、RealFi SPO アクセラレーター・プログラムに参加しています。

Cardano のドルの構成

第7章の Dune の集計(基準日9月30日)で、Cardano のステーブルコイン総額は$67.44Mでした。USDCx が約68.7%、USDM が約20.2%です。前号で確認点に挙げた「USDM の2割が定着するか」は、この基準日では保たれています。RealFi の USDrf は、まだこの内訳に入っていません。新しいドルが既存の構成をどう動かすかは、次のエポックの数字で見ることになります。

入口の側では、9月29日の Lace 2.4 も同じ方向を向いていました。スワップを確定する前に、ウォレットから出ていくもの・手数料・注文の行き先・担保として保持されるもの・有効期限を並べて見せる更新です(SIPO.TOKYO の解説)。署名する前に、何を入れて何が出ていくのかを利用者が読めるようにする変更で、PRIME の規格統一とは別の層から、入口を整えています。

第6章:同じ番号の内側を、確かめる5日間でした

11.1.3 は、バイトを読む順序を戻しました

9月29日、Intersect は cardano-node 11.1.3 を正式版として公開しました。リリースノートが挙げる変更は1点です。11.1.x より前の版は IPv4 アドレスをネットワークの順序で読み取っていたが、11.1.2 で意図せず変わっていたので、元に戻した、という内容です(SIPO.TOKYO の解説)。

IPv4 アドレスは4バイトの並びで、どちらの端から読むかが違えば、同じ4バイトが別のアドレスとして解釈されます。Cardano の台帳に IPv4 アドレスが現れる代表的な場所は、ステークプールが登録証明書に書くリレーの宛先です。入ってくるバイトは同じでも、読む順序で出てくる値が変わります。Intersect は Preprod テストネットで見つかった問題を受け、SPO に最低でも 11.1.2 を動かすこと、11.1.2 より古い版からは 11.1.3 へ直接上げることを求めています。更新に台帳の再生は要りません。

SIPO の3プールは、9月24日までにリレーを含むすべてのノードを 11.1.2 に揃えており、求められる最低ラインは満たしています。9月27日の記事では、タグだけが先に作られていた 11.1.3 について、正式に公開された段階で中身を確かめると書いていました。その正式公開が今回で、中身は上のとおりです。入れ替えの時期は、改めてお知らせします。あわせて3プールは Mithril の署名者として登録を済ませており、署名への参加はエポック659からです(SIPO、全ノードを cardano-node 11.1.2 に更新)。

なお、11.1.3 の変更履歴では、cardano-cli・cardano-api など他の構成部品は「変更なし」です。10月2日未明には Intersect が、Dijkstra の統合が 11.2 に向けて進んでいると伝えています。

Midnight の 1.0.300 は、同じ番号のまま配布物が入れ替わりました

9月30日、midnight-node の node-1.0.300 のリリースページに、再発行を説明する注記が加わりました。Cargo.lock を調整し、チェーン上のランタイムと同じハッシュを再現するためだ、と開発側は説明しています(SIPO.TOKYO の解説)。

修正コミットの変更記録によると、台帳ライブラリの更新に伴う広い範囲の依存関係の更新で、ランタイムが使う rand と libc の版も上がっていました。ランタイムのソースそのものは変わらなくても、ライブラリの版が変わると生成物が変わり、チェーン上に導入済みの WASM とは別物になった、という説明です。再発行では rand を0.10.2から0.10.0へ、libc を0.2.189から0.2.184へ戻しています。同じソースから同じ生成物を得るには、入れるライブラリの版まで固定する必要がある、という具体例です。

SIPO.TOKYO が10月1日に公開中の圧縮ランタイム WASM を取得してハッシュを計算したところ、同梱の SHA256SUMS やビルド記録の値と一致しました。一方で、リリース本文のランタイム情報には、サイズもハッシュも異なる旧い値が残っていました。それだけで悪意のある差し替えと判定はできませんし、同じ配布元の照合値と一致したことが独立した真正性の証明になるわけでもありません。同じ「1.0.300」でも、いつ取得したどのファイルかを、ハッシュで特定しておく必要があります。

同じ9月30日の協定世界時22時、日本時間10月1日7時には、Midnight が提供してきたメインネットの RPC とインデクサの窓口が終わり、Blockfrost の提供先へ移りました。新しい窓口ではネットワークごとのプロジェクトトークンが必要です。ランタイムの再発行と窓口の移行は別の話で、日付が近いことから1つの出来事として結び付けることはできません。

v8、1.0.4、そして v9

10月1日の朝、Midnight 財団の Sebastien Guillemot 氏は、次のリリース v8 で秘匿スマートコントラクトが使えるようになり、続くコントラクト同士の組み合わせ(コンポーザビリティ)を可能にする v9 も、監査パートナーの協力で2026年内に実現できる見込みだと投稿しました。この前倒しに備え、近く 1.0.4 をメインネットへ展開する予定も示しています。一般の開発者が誰でもメインネットへ配備できるようにするリリースは、引き続き「これから」と説明されています(SIPO.TOKYO の解説)。

新系列の node-2.1.0 は、協定世界時の9月28日に rc.3、30日に rc.4 が出ました。台帳を8から9へ上げるハードフォークを前提にした系列で、rc.3 までの変更はブリッジの入力の検査、運用の安全、依存関係の更新が中心です。リリースノートは、Cardano から Midnight へのブリッジはまだ完成しておらず、どの環境でも設定されていないと明記しています(SIPO.TOKYO の解説)。

この5日間、NIGHT の価格は12指標の記録で+51.58%と大きく上げました。開発の工程が具体化した時期と重なっていますが、SIPO.TOKYO の10月1日の解説でも書いたとおり、どの材料がどれだけ買いにつながったかは公開情報からは特定できません。取引所の出来高とネットワーク上のアプリの利用も別の指標です。価格の動きは第7章で並べます。

Intersect によると、Midnight の Nightforce のアンバサダーは130か国で約2,000人になりました。SIPO もその一員です。

測る前に、条件をそろえる

開発の側では、もう1つ「入れる条件」の話がありました。9月30日の Performance & Tracing チームの報告によると、Leios の取引検証のベンチマークを、開発環境を用意せずに動く単体の実行ファイルにして、SPO へ配布しました。運営者がそれぞれの機器で、どの設備ならどの条件で検証を終えられるかを測れる段階です(SIPO.TOKYO の解説)。

同じ CPU でも、SSD の接続方式やファイルシステム、キャッシュの条件が違えば、結果は変わります。入れた条件を結果と一緒に示さなければ、数字は比べられません。ブロックを作ったノード実装を識別する CIP-203 や、公開リレーの状態を外から読む CIP-202 のレビューも進んでいますが、どちらも未マージの提案で、何を分母に数えたかを添えて読む必要があります(SIPO.TOKYO の解説)。

第7章:エポック658 市場指標・KPI分析

マクロ12指標(エポック658期間・9月27日〜10月1日の日次記録)

はじめに、記録の性質についてお断りしておきます。12指標は1日1回の記録です。以下の「最高」「最安」は記録上のものであって、日中の高値・安値ではありません。株式・金利・商品・為替の記録は、それぞれ前の営業日の値です。9月27日(日曜)と28日(月曜)の記録は、9月25日の値にあたります。日本国債の記録には遅れがあり、9月27日・28日の記録は9月24日時点、29日は25日時点、30日は28日時点、10月1日は29日時点の値です。また、9月30日の暗号資産の記録は、通常の取得先が応答しなかったため、Binance の現物(USDT 建て・24時間)の値で補っています。この日は ADA・BTC・ETH・NIGHT の4銘柄だけで、ほかの銘柄の記録はありません。初日9月27日の記録は6時35分の取得で、エポック658の開始(6時44分)の9分前にあたります。

この5日間の ADA は、2日目に小さく上げ、3日目に下げ、そのあとは横ばいでした。

日次の記録で$0.253362(9月27日)→ $0.255363(9月28日)→ $0.244914(9月29日)→ $0.2454(9月30日)→ $0.244318(10月1日)。−3.57%です。期間の記録での最高は9月28日、最安は最終日です。

エポック境界の確定値では、エポック657終了時の$0.252571からエポック658終了時の$0.244665へ、−3.13%。時価総額は$9.48bから$9.18bへ−3.11%です。ADA/JPY は¥39.7256から¥38.6748へ−2.65%、そのときの USD/JPY は157.28から158.07でした。境界の値は、最終日の記録(10月1日朝)の$0.244318を0.14%上回っています。

$NIGHT は記録上$0.02556008 → $0.03874301(+51.58%)。5日間の記録が毎日上げ、9月30日に+18.36%、10月1日に+19.79%と、最後の2日に大きく上げました。期間の記録での最安は初日、最高は最終日です。9月30日の値は上のとおり Binance の値で、取得先が他の日と違います。

BTC は$84,182 → $83,722(−0.55%)、ETH は$2,686.59 → $2,683.51(−0.11%)で、どちらもほぼ横ばいでした。BTC の期間の記録での最高は9月28日の$84,591、最安は9月29日の$83,402です。前号は ADA が上げて BTC と ETH が下げる形でしたが、今回は ADA が BTC と ETH より大きく下げています。

記録上の14銘柄は、9月30日の記録がない10銘柄を含めて初日と最終日で比べると、上げ幅の大きい順に、NIGHT(+51.58%)、ALGO(+5.33%)、ICP(+4.06%)、LINK(+1.49%)、AVAX(+1.39%)、ETH(−0.11%)、BTC(−0.55%)、DOT(−1.61%)、XRP(−1.97%)、SOL(−2.89%)、ADA(−3.57%)、WLFI(−5.78%)、ATOM(−6.99%)、FET(−7.46%)です。前号で上げ幅の首位だった FET(+20.06%)が、今回は最下位でした。

地合いは、9月27日・28日の記録が「リスクオン傾き——BTC・株式揃って上昇」、29日から最終日までが「方向感薄い横ばい局面」です。ADA が−4.03%となった9月29日の記録では、DOT −7.03%、ATOM −7.82%、FET −8.55% と下げが並ぶ一方、ALGO は+14.46%、LINK は+8.93% と上げており、そろって下げた日ではありません。SIPO は ADA の下げを Cardano 固有の材料には帰しません。

株式は下げました。S&P500が7,743.41 → 7,651.54(−1.19%)、ナスダックが27,068.72 → 26,861.06(−0.77%)、ダウが51,828.62 → 50,906.05(−1.78%)。日経平均先物は66,495 → 67,135(+0.96%)と上げています。VIX は14.87 → 16.34(+9.89%)で、最終日が期間の記録での最高でした。

原油は、WTI が期間を通して同じ11月限で、$92.41 → $90.34(−2.24%)。記録上の最安は9月30日の$88.94です。ブレントは、9月28日から30日の記録に限月の切り替えが保留されている印が付き、最終日の記録は参照している限月が示されていません。限月をまたいでいる可能性があるので、初日の$104.32と最終日の$97.92はそのまま比べません。

金は$4,321.20 → $4,189.10(−3.06%)で、前号に続いて下げました。記録上の最安は9月29日の$4,148.50です。ドル指数(DXY)は100.970から101.453へ+0.48%。USD/JPY は157.185から157.343で、ほぼ変わっていません。

米10年債利回り(TNX)は、上げが続きました。初日・2日目の記録が5.184%(9月25日の値)、そのあと5.24%、5.255%、最終日は5.293%です。LiveMakers の9月29日の Daily Intel は、5.24% を2007年以来の高水準と伝えています。日本国債は、10年が3.073%(9月24日時点)から3.082%(9月29日時点)、30年が4.115%から4.126%で、ほぼ横ばいです。日米10年金利差は2.111から2.211へ広がり、最終日が期間の記録での最大でした。

暗号資産関連株の COIN は195.11 → 186.41(−4.46%)でした。

Cardano オンチェーンKPI

データ基準日は2026年9月30日23時59分46秒(UTC)です。エポック658の終了境界(10月1日21時44分51秒 UTC)より約22時間前の断面で、第9章のネットワーク指標とは出典も時点も違います。

指標エポック658(基準日 9月30日)前回記録(エポック657基準日 9月25日)
ステーキング率56.92% of supply56.92%
Nakamoto係数161162
日次Tx(最新日)22,857(9月20日)22,857(9月20日)
アクティブアドレス10,49210,492
Script Tx比率38.69%38.69%
ステーブルコイン総額$67.44M$67.34M
Treasury1,363,711,222 ADA(エポック658)1,360,079,770 ADA(エポック657)

日々の活動を表す3つの値は、今回も前回と同じでした。日次Tx の「最新日」は9月20日のままで、アクティブアドレスとスクリプト比率も同じ値です。日々の活動の部分は、2回続けて9月20日から先へ更新されていません。前号で確認点に挙げた更新は、今回も得られませんでした。Nakamoto係数は162から161へ1下がっています。

ステーブルコイン総額は、$67.34Mから$67.44Mへ、+$0.10Mです。内訳は、USDCx $46,358,867(前回$46,347,084・+$11,783)、USDM $13,617,606(前回$13,544,373・+$73,233)、USDA $4,103,640(+$468)、Djed USD $1,476,930(−$6,136)、iUSD $1,404,338(+$29,140)。前号の USDM の大きな増加のあと、今回は全体がほぼ横ばいでした。USDM の比率は約20.2%で、2割を保っています。

Treasury は1,360,079,770 ADA から1,363,711,222 ADA へ、+3,631,452 ADA です。前号の+3,664,494 ADA とほぼ同じ幅です。

ガバナンスアクションの集計は、提案中4・批准0・失効73(基準日時点)です。本記事が追っている係属中の議案は3件(AdaStat で active)です。数え方の範囲が違いますので、突き合わせないでください。

SIPO DRep 活動

SIPO DRep の投票力は、2026年10月2日7時31分の確認時点で約₳89.03M です(登録済み・active・有効期限エポック677・委任者400名)。エポック657記事の時点では約₳88.59M・397名でしたから、量は+₳0.44M、委任者は3名増えています。委任者は8エポック連続の増加です。この5日間、SIPO DRep は新しい票を投じていません。係属中の3件のうち、OpenZeppelin には反対、minPoolCost には棄権を投じ済みで、k のポールは未投票です。

取得した時点の値であり、エポック境界で固定した値ではありません。

第8章:エポック658 配信記事の紹介

エポック658の5日間に、SITIONグループの3アカウントから配信した記事のうち、暗号資産・ブロックチェーン関連を中心に抜粋して並べます。

日付媒体種別タイトルURL
9月27日SIPO.TOKYOエポックな日々数と厚みは、別の物差しでした──k のポールで提出者が自ら反対し、EMURGO の7プールが一人に移り、PRIME が2〜3か所への集中を選んだ5日間記事
9月27日SIPO.TOKYODeep DiveminPoolCost 75 ADA 案、次の論点は k とプレッジ記事
9月27日SIPO.TOKYOお知らせSIPO、全ノードを cardano-node 11.1.2 に更新記事
9月27日SIPO.TOKYOLearningRealFi 利用前の Q&A、ウォレット・償還・利用条件記事
9月27日SIPO.TOKYOSignalYaci Store 3.0.0 ベータに SQL 分析層と MCP サーバー記事
9月27日SIPO.TOKYO動画紹介「Cardanoは自分自身の道を見つけつつある」──ホスキンソン氏動画「Hanging out with Charles」紹介・解説・全翻訳X
9月27日LiveMakersSignalDTCC、株と米国債を同じ CUSIP のまま10月からトークン化X
9月28日SIPO.TOKYO速報CardanoがUCLAと複数年のパートナーシップを締結、ブロックチェーン教育を展開記事
9月28日SIPO.TOKYOSignalStrike Finance、取引件数が1日6.1万件で過去最高記事
9月29日SIPO.TOKYOSignalIntersect 理事選、11人の争いで現職2人が再選記事
9月29日SIPO.TOKYOSignalLiqwid の融資、ADA が DJED を抜いて最大に記事
9月29日SIPO.TOKYOSignalSundaeSwap V2、週間取引額 759万ドルで Cardano の DEX 首位記事
9月29日SIPO.TOKYOSignalMidnight ノード 2.1.0、3回目のリリース候補を公開記事
9月29日SIPO.TOKYOSignalLace 2.4、スワップの中身を署名前に表示記事
9月29日SIPO.TOKYOSignalFluidTokens、ADA の報酬を年6%まで上乗せ記事
9月29日SIPO.TOKYOSignalStrike の無期限先物、週間取引額 7,700万ドルで過去最高記事
9月30日SIPO.TOKYOSignalcardano-node 11.1.3、IPv4 の読み取り順を元に戻す記事
9月30日SIPO.TOKYOSignalFluidTokens、オラクル不具合による攻撃でレンディング一時停止記事
9月30日SIPO.TOKYOSignalCIP-113、提案から3年8か月で CIPs リポジトリに統合記事
9月30日SIPO.TOKYOSignalSundaeSwap V4 の Linear Swaps、偏りを直した人に報酬記事
9月30日SIPO.TOKYODaily IntelCardano ノード 11.1.3、IPv4 の読み取りを修正記事
10月1日SIPO.TOKYODeep DiveCIP-113はCardano DeFiをどう変えるのか──資産の管理権限と、実用化に必要な対応記事
10月1日SIPO.TOKYODeep DiveCIP-204で読むADA保有者の回答とDRepの票記事
10月1日SIPO.TOKYODeep DiveLeiosを動かすのは、誰のマシンか記事
10月1日SIPO.TOKYO解説NIGHT急伸、何が買い材料になったのか──開発進展と市場の反応を検証記事
10月1日SIPO.TOKYOSignalCardano PRIMEのRFP延長、日本の締切は15日昼記事
10月1日SIPO.TOKYOSignalCardano 財団とペトロブラス、再生燃料の追跡アプリ2本を納品記事
10月1日SIPO.TOKYOSignalSecondFiカード、11月30日でプログラム終了記事
10月1日SIPO.TOKYOSignalStrike Finance、無期限先物の Android アプリを公開記事
10月1日LiveMakersSignalBinance Pay、PayPay 加盟店で訪日客の暗号資産払いに対応X
10月2日SIPO.TOKYO速報RealFi がCardanoメインネットで本稼働開始記事
10月2日SIPO.TOKYODeep DiveCIP-202と203で読むCardanoの多様性記事
10月2日SIPO.TOKYODeep DiveMidnightの再リリースをハッシュから読む記事
10月2日SIPO.TOKYODaily IntelRealFi 始動、Sundae V4 と Lace・Liqwid が同日対応記事

この5日間の SIPO.TOKYO は、Signal を中心に、Deep Dive、RealFi の Q&A(Learning)、ノード更新のお知らせ、毎朝の Daily Intel を配信しました。10月1日から2日にかけては、CIP-113、CIP-204、CIP-202 と 203、Leios、Midnight の再発行と、規格と検証の条件を読む Deep Dive が続いています。上の表に載せたほかにも、LiveMakers・LifeMakers の2媒体から市場・地政学・AI・ライフスタイルの記事が出ています。LifeMakers の「星読み」は毎日配信を続けていますが、本表の対象外としています。

9月27日のノード更新のお知らせで「正式に公開された段階で中身を確かめる」と書いた cardano-node 11.1.3 は、正式公開を受けて9月30日の Signal で中身を確かめました。

第9章:エポック658 終了時点 ステーキング動向

3プール合計(エポック658:100%時点)

項目値前エポック比
ライブステーク103,574,624.08 ADA(103.57M)−528,112.38
有効ステーク104,102,736.46 ADA(104.10M)+326,412.78
委任者数2,132名−2
エポック生成ブロック98−5
累計生成ブロック47,712+98

プール別

プールライブステーク有効ステーク委任者エポックブロック累計ブロック
SIPO53,603,681.64(−253,749.66)53,857,431.30(−5,486.64)1,112(±0)48(−7)20,333
SIPO225,387,647.60(+8,901.38)25,378,746.22(+332,261.55)472(±0)22(−9)15,173
SIPO324,583,294.84(−283,264.10)24,866,558.94(−362.13)548(−2)28(+11)12,206

マージンは3プールとも3.9%、固定費340 ADA、保証金50,000 ADA です。ブロック数・累計ブロック・有効ステークはエポックの終了時点で確定した値です。ライブステークと委任者数は、10月2日6時54分、エポック659が始まってから約10分後に取得した値です。同じ朝に配信したステーキング状況の投稿と同じ取得です。

ライブステークは、また減りました

前号の終章で、SIPO は「3プールのライブステークの増加が続くか」を確認点に挙げました。答えは、続かなかった、です。3プール合計のライブステークは−52万8,112 ADA。前号で5エポックぶりに増えたあと、1エポックで減少に戻りました。

減少の中心は SIPO と SIPO3 です。SIPO は−25万3,750 ADA で、委任者数は変わっていません。委任者の数が同じまま25万ADAが減っていますので、既存の委任者のウォレットの残高が減ったか、委任の出入りが同じ数だけあったか、のどちらかと読めます。SIPO3 は−28万3,264 ADA・委任者−2名で、まとまった委任が離れたと読むのが自然です。SIPO2 は+8,901 ADA・委任者±0で、ほぼ横ばいでした。いずれも、委任者の事情を SIPO は知りません。原因は断定せず、事実を記録し、次のエポックで水準が戻るかを見ます。

一方、有効ステークは3プール合計で+32万6,413 ADA です。これは前号のライブステークの増加(+32万6,985 ADA)が、1エポック遅れて有効ステークに反映されたもので、この5日間に新しく増えたものではありません。今回のライブステークの減少は、次のエポックの有効ステークに反映されます。

第3章で触れたとおり、SIPO のライブステークは k=1000 の飽和点(提案書の基準で約3,750万ADA)をいまも上回っています。

SIPO3 が、ふたたび SIPO2 を上回りました

エポック658の SIPO2 は22ブロック、SIPO3 は28ブロックです。直近5エポックを並べると、SIPO2 は14・23・18・31・22、SIPO3 は31・30・32・17・28。前号で入れ替わった差の向きが、今回はまた戻りました。有効ステークは SIPO2 が2,505万ADA、SIPO3 が2,487万ADAで、ほぼ同じ規模です。

ブロック生成は確率的で、1エポックの数字からプールの状態は読めません。5エポックを足すと SIPO2 は108、SIPO3 は138で、同じ規模のプールとしては差が開いていますが、これも揺れの中にある可能性があります。記録を続けます。3プール合計では103から98へ−5、SIPO は55から48でした。

有効ステークとライブステークの照合

エポック657の終了時点のライブステークと、エポック658の有効ステークを並べます。

プールエポック657 ライブステークエポック658 有効ステーク差
SIPO53,857,431.3053,857,431.300.00
SIPO225,378,746.2225,378,746.220.00
SIPO324,866,558.9424,866,558.940.00

3プールとも、小数点以下まで一致しました。前号は、比べたライブステークがエポックの開始から約2時間半後の取得だったため、SIPO と SIPO2 に小さな差が残りました。今回は前号・今号とも境界の約10分後の取得で、条件がそろい、照合がふたたび成立しています。境界の直後に取得したライブステークが、次のエポックの有効ステークの確かな予告になっていることを、この照合で確かめています。

累計47,712ブロック

3プールの累計ブロックは47,712です。SIPO 20,333 / SIPO2 15,173 / SIPO3 12,206。エポック658では98ブロックを積み上げました。

ネットワーク全体(エポック658終了時点)

前号・今号とも、境界の約10分後に取得した値です。

指標エポック658終了時点前エポック比
ステーキング率56.18%−0.14ポイント
総ステーク21,266,994,048 ADA−48,322,271
流通供給量37,854,244,392 ADA+6,091,451
委任者総数1,334,735名−546名
アカウント総数6,004,236+6,927
総プール数2,891+1
ステークのあるプール2,673+1
ブロック生成のあったプール952+31

アカウント総数は600万を超えました。一方、委任者総数は9エポック続けて減っています。「新しいアカウントは増え、委任している人は減っている」という構図は、9エポック続きました。総ステークは−4,832万ADAで6エポック続けての減少、流通供給量は+609万ADAで、ステーキング率は56.32%から56.18%へ下がっています。

ブロック生成のあったプールは952で、前号の921から31増えました。2,891のプールのうち、この5日間に実際にブロックを作ったのは約3分の1です。

SIPO の3プールは、この5日間で98ブロックを生成しました。委任していただいているみなさまのおかげです。

終章:割る前に、何を入れたかを確かめます

エポック657の終わりに挙げた確認点を、一つずつ答え合わせします。

k のポールで、未投票の88億ADAがどちらへ動くかは、答えが出ました。反対です。SPO の未投票は約3億6,518万ADA減り、明示的な反対は11プール・2億2,430万ADAから17プール・5億2,225万ADAへ増えました。賛成は14プールに増えましたが、持ち分は5,559万ADAです。量では反対が賛成の約9.0倍になりました。SIPO の3プールは、まだ投票していません。反対の理由書がいくつ集まったかは、今回は数えていません。

minPoolCost と OpenZeppelin で、委員会の4票目・5票目が入るかは、答えが出ました。入りませんでした。2件とも賛成3のままです。minPoolCost で賛成の優位が続くかは、続きました。賛成が反対を上回る幅は1億6,917万ADAへ広がり、賛成率は17.50%に上がりました。ただしその上げの一部は、EMURGO と Yoroi の棄権で分母が縮んだ分です。OpenZeppelin で再提出の動きが出るかは、出ていません。反対は52票・約14億3,093万ADAに厚くなりました。

MURA1〜MURA7 の新しい登録は、持ち越しです。新しい登録が有効になるのはエポック660(10月7日6時44分頃から)で、この5日間にはまだ来ていません。名称とティッカーについての告知も、確認できていません。この間に EMURGO はプールの運用管理の移管を改めて告知し、EMURGO と Yoroi の DRep は3議案すべてに棄権を投じました。

Midnight の配備の有効化は、部分的に答えが出ました。一般の開発者に配備を開く日付は、まだありません。一方で Guillemot 氏は、v8 で秘匿スマートコントラクトを使えるようにし、近く 1.0.4 をメインネットへ展開すると書きました。node-2.1.0 は rc.4 まで進みましたが、正式版はまだです。Lace Midnight Preview は予告どおり9月30日で終わりました。

PRIME の RFP の締切と、RealFi の稼働は、答えが出ました。RFP の締切は2週間延び、米東部時間10月14日(日本時間15日12時59分)になりました。応募件数の新しい数字は公表されていません。RealFi は10月1日の夜に稼働し、SundaeSwap V4・Lace・Liqwid の3つの入口が同時に開きました。Lace の告知が挙げた対象外の地域(米国・英国・EU・香港など)は、公式資料の一覧にも並んでいます。USDM の2割は、Dune の基準日で約20.2%と保たれています。

Hydra と cardano-node の次のリリースは、部分的に答えが出ました。cardano-node は 11.1.3 が出ましたが、変更履歴では cardano-api を含む他の構成部品は「変更なし」です。前号で見ていた cardano-rpc のネットワーク越しの待ち受けは、この版でも変わっていないと読めます。Hydra の最新のリリースは、10月2日朝の時点でも9月2日の 2.4.1 のままです。

日々の活動の値の更新は、持ち越しです。日次Tx・アクティブアドレス・スクリプト比率は、2回続けて9月20日の値のままでした。

3プールのライブステークの増加が続くか、SIPO2 と SIPO3 の差、照合の成立は、答えが出ました。ライブステークは−52万ADAで増加は続かず、SIPO3 が28ブロックで SIPO2 の22を上回り、照合は3プールとも小数点以下まで一致してふたたび成立しました。

8件のうち、答えが出たものが4件(k の未投票の行方・委員会と minPoolCost・PRIME と RealFi・ライブステークとブロックと照合)、部分的に答えが出たものが2件(Midnight の配備・Hydra と cardano-node)、持ち越しが2件(MURA の新しい登録・日々の活動の値)です。前号で次の節目に挙げた Intersect の理事選は、現職2人の再選でした。

そのうえで、エポック659で確認すべきものを挙げます。

  1. minPoolCost と OpenZeppelin の期限(ガバナンス):10月12日6時44分頃に2件が同時に期限を迎えます。minPoolCost は賛成17.50%から67%へどこまで近づくか、OpenZeppelin はいまの分母のままでは届かない位置からどう終わるかを記録します。EMURGO と Yoroi の DRep が、予告どおり登録を取り下げるかもあわせて見ます。
  2. k のポールの SPO 票(ガバナンス):期限はエポック663(10月22日6時44分頃)。反対が賛成の9倍という開きが続くか、未投票の85億ADAがどう動くか。SIPO の3プールの票と理由も、ここに記録します。
  3. 11.1.3 の普及と 11.2(開発):SPO の 11.1.3 への入れ替えがどこまで進むか。Dijkstra の統合を含む 11.2 の告知が出るか。Hydra の次のリリースに #2873 の修正が入るか。SIPO の3プールの Mithril の署名が、エポック659の証明書に実際に載るかも確かめます。
  4. Midnight の 1.0.4 と配備の開放(Midnight):1.0.4 がメインネットへ展開されるか、一般の開発者への配備の開放と node-2.1.0 の正式版の日付が出るか。10月10日の八芳園のイベントで何が示されるかも見ます。
  5. RealFi の最初の数字と Linear Swaps(DeFi):USDrf の発行量、SundaeSwap V4 の USDCx/USDrf プールに集まる流動性、次に開くプール。ステーブルコインの内訳に USDrf が現れるか、USDM の2割が保たれるか。
  6. FluidTokens の事後報告と、価格の入口(DeFi):影響を受けた市場とオラクルの名前、被害額が示されるか。Liqwid の Pyth による価格検証がいつ動くか。
  7. CIP-113 の実装(規格):TOKEN2049(10月7〜8日)を前に、Minswap の CIP-113 対応コントラクトが公開されるか。CIP-113 の Active への条件のチェック欄が埋まり始めるか。PRIME の RFP(日本時間10月15日12時59分締切)に、CIP-113 前提の申請がどれだけ集まるか。
  8. 日々の活動の値の更新(オンチェーンKPI):日次Tx・アクティブアドレス・スクリプト比率が9月20日から先へ更新されるか。
  9. 3プールのライブステークと委任者(ステーキング):今回の減少が次のエポックで戻るか。ネットワークの委任者総数が10エポック目も減るか。照合が続けて成立するか。

エポック658は、入れたものが出てくるものを決める場面が、何度も表に出た5日間でした。

ガバナンスでは、2つの DRep の棄権が分母を約7億ADA動かし、賛成票がほとんど増えないまま、賛成率が5ポイント上がりました。同じ5日間に、k のポールでは反対が9倍に積み上がり、OpenZeppelin では未投票がすべて賛成に回っても届かない位置になっています。CIP-204 の回答と Intersect の理事選は、数える単位そのものが違う「賛否」でした。

DeFi では、FluidTokens のコードは設計どおりに動き、入ってくる価格の側が突かれました。その一方で、PRIME は入口の形を CIP-113 にそろえ、RealFi は交換・ウォレット・貸し出しの3つの入口と同時に動き始めています。開発の側では、cardano-node がバイトを読む順序を戻し、Midnight はライブラリの版を戻して、同じソースから同じランタイムを作り直しました。

どれも、割り算をする前に、分母と分子に何を入れたかを確かめる話です。棄権か、未投票か。正しいコードか、正しい入力か。同じ版の番号か、同じファイルか。どこまでを入れたかで、同じ5日間の数字が違って見えます。

市場のほうは、日次の記録で ADA が−3.57%、BTC と ETH はほぼ横ばいで、NIGHT だけが+51.58%と大きく上げました。株は下げ、米金利は上がり、金とブレントは下げています。SIPO はこの5日間の ADA の下げも NIGHT の上げも、特定の材料には帰しません。事実として記録し、次のエポックで水準がどう動くかを見ます。

いつも SIPO / SIPO2 / SIPO3 へ委任をいただき、ありがとうございます。委任は、ブロック生成を支えるだけでなく、DRep を通じて判断の重みを託す行為でもあります。SIPO は SPO・DRep・観察者として、結論だけでなく、その結論へ至る理由と、まだ答えの出ていない問いを記録し続けます。k のポールに SIPO の3プールが票を投じるときも、その理由を同じ場所に記録します。

次の節目は、10月6日〜8日の TOKEN2049 シンガポールと、10月10日の東京・八芳園での Midnight City のイベントです。そして10月12日の朝6時44分頃に、minPoolCost と OpenZeppelin の2件が同時に期限を迎えます。

出典・参照