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Mithril、IPFS でのスナップショット配布を試作で確認

2026-11-01SIPO

Intersect は 10 月 30 日付の週報 #135 で、Mithril の開発を担う Teragone のマイルストーン M1.1 と M1.2 が承認されたと伝えました。2 つの合計額は 65 万 8,718 ADA です。承認の中身は、Mithril のスナップショットを IPFS (分散型のファイル共有網) で配り、受け取った側で復元できることを確かめた試作 (概念実証) です。

Intersect weekly update #135 (Delivery Assurance: Mithril)(intersectmbo.org)

Mithril のスナップショットはいま、クラウドのストレージから配られています。IPFS での配布が実用になれば、ノードやウォレットが短時間でチェーンを同期する仕組みが、特定のクラウドに頼る度合いを下げられます。週報はこの結果を IPFS の最小実用版 (MVP) の開発につなげ、クラウドは予備として残すとしています。

承認された試作の中身

週報の「Delivery Assurance (納品の確認)」の欄によると、Teragone が終えた作業は次の 3 つです。

  • スナップショットをまとめて署名するアグリゲーターと、それを受け取るクライアントの改修
  • 試験のための基盤づくり
  • 主な発見と課題をまとめた報告書

コードの側でも、この流れは追えます。10 月 16 日に公開された Mithril 2642.0 のリリースノートには、アグリゲーターとクライアントで変更されない部分のファイル (イミュータブルファイル) の保存先として IPFS を使える「予備的な対応」が入りました。アグリゲーターからのアップロード、クライアントからのダウンロード、スナップショットの置き場所を IPNS (IPFS 上の名前の仕組み) で公開する機能、Mithril のネットワークへの IPFS ノードの設置が並んでいます。どれも「不安定版」の扱いで、本番の既定の経路はまだクラウドです。

7 月末に成立した 381 万 ADA の予算から

IO は 6 月 26 日、Mithril の開発を Teragone に引き継ぐと発表しました。発表は Teragone を、最初期のリリースからこのプロトコルに携わってきた専門チームと紹介し、マイルストーンは Intersect を通じて管理すると書いています。

その資金にあたるのが、Intersect が Teragone のために出したトレジャリーの引き出し提案です。業者分 369 万 9,440 ADA と Intersect の管理手数料 11 万 983 ADA を合わせた 381 万 423 ADA で、Koios の記録ではエポック 646 (7 月 29 日開始) に成立しています。今回の 65 万 8,718 ADA は、業者分に対して約 18% にあたる額です。

トレジャリーの資金はマイルストーンごとに確認してから支払う決まりで、週報の Delivery Assurance はその確認の結果を毎週公表する欄です。予算の成立から 3 か月で、最初の 2 つの納品が確認された形になります。

同期の速さを、誰のサーバーに預けるか

Mithril は、SPO がステーク量に応じて参加する署名を束ねた証明書を使って、ノードやウォレットがチェーンの全履歴を一から検証せずに同期できるようにする仕組みです。Daedalus のようなフルノードのウォレットでも、同期の短縮に使われています。使い方は Daedalus マニュアル 2026 年版で紹介しました。

証明書の正しさは SPO の署名で担保されていても、スナップショットそのものの置き場所がクラウドの 1 か所にあれば、そこが止まると同期の近道も止まります。IPFS で配れば、同じファイルを複数の場所から受け取れるようになります。分散型のネットワークが、同期の手段まで分散させていく流れです。

確認できる次の一点は、Mithril の GitHub のリリースノートです。IPFS の項目から「不安定版」の表示が外れるか、クライアントの既定の取得先に IPFS が加わるかが、MVP に近づいた目印になります。次のマイルストーンの承認は、Intersect の週報の Delivery Assurance の欄に載ります。

ことば

  • Mithril — SPO の署名を束ねた証明書で、チェーンのスナップショットが正しいことを保証する仕組みです。ノードやウォレットの同期を短くする道具として、今回は配り方の分散化が進んでいます。
  • IPFS — ファイルをその中身から求めた識別子で呼び出し、複数のノードから受け取れる分散型のファイル共有網です。特定のサーバーが止まっても、ほかの持ち手から取得できます。
  • Delivery Assurance — Intersect が管理するトレジャリー資金について、マイルストーンの納品を確認した結果を伝える週報の欄です。支払いは確認のあとに行われます。

一次ソース / 関連リンク

GovTool の Mithril トレジャリー提案ページ(gov.tools)

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