Cardano のアプリ基盤を作る XRAY は11月4日未明(日本時間)、API のマーケットプレイス XRAY/Graph を公開しました。データやインフラ、計算のサービスを提供者が出して利用の規則と収益を管理する場で、最初の提携先の Koios には、Koios のサービスを通る有料の要求の収益の30%が入ります。
Cardano のチェーンのデータを返す API は、アプリが裏側で使うインフラです。その運営に、使われた分だけ収益が戻る仕組みを作ろうとする試みで、最初の版では支払いまわりの多くをまだ止めた状態で始まっています。
XRAY/Graph の仕組み
XRAY の発表によると、XRAY/Graph では提供者が API を HTTP か WebSocket で公開し、誰がどう使えるかの規則を決め、使われた量と収益を追えます。収益は XRAY のアカウントを通した支払いで受け取り、いずれは x402(HTTP の 402 応答を使った機械どうしの支払い)でも受け取れるようにするとしています。
使う側にとっては、提供者ごとに別々につなぐ代わりに、同じ形の窓口からいくつものサービスを探して使えるのが利点です。提供者が無料にしているものは無料で使え、有料のものは XRAY のアカウントで、のちには x402 で直接払えるようになります。
XRAY は、最初から有料の利用者が1社いる状態で始めたとしています。Koios との提携はこの仕組みの最初の形で、XRAY は「インフラの提供者が役に立つサービスを持ち込み、XRAY/Graph が利用の管理と収益化を受け持ち、収益は提供者に戻る」形を広げたいと書いています。
最初の版で止めてあるもの
今回の公開は、すべての機能がそろった形ではありません。XRAY は次のものを、次の発表まで意図して止めていると明記しています。
- アカウントへの入金(補充)
- 収益の引き出し
- x402 での支払い
- 新しいサービスの作成
あわせて、前の版の公開の統計はリセットしました。前の版はおよそ3,000万件の要求を処理していましたが、XRAY/Graph は利用・収益・提供者の統計を、今回出した仕組みの分だけで数えるために、ゼロから数え直すとしています。数字を見るときは、この区切りから後の値だと読む必要があります。
XRAY は、アプリの側の XRAY/App を作り直している最中で、サービスや身元の表し方の一部になる XRAY.ID の NFT の発行を待っているとも書いています。XRAY.ID・支払い・提供者の受け入れ・次の段階の詳細は、近く発表するとしています。
前夜に出た11のパッケージ
XRAY/Graph の公開の数時間前、XRAY は Cardano と XRAY のミニアプリを作る人向けに、11のパッケージを npm で公開しました。中身は次の4つに分かれます。
- Cardano のライブラリ: 6つ(バイト列と CBOR、鍵と署名、アドレスと取引の組み立て、CIP の実装、Plutus のデータと UPLC、それらをまとめた入口)
- アプリの SDK: 2つ(CIP-30 のウォレット接続、取引の組み立てと署名・送信など)
- ミニアプリと、それを埋め込むホストの間のやりとり: 1つ
- API のクライアント: 2つ(XRAY/App Registry と XRAY/Graph の API を型付きで使うためのもの)
11のパッケージはすべて ESM の形式と TypeScript の型の定義を備え、Cardano のライブラリはネイティブのアドオンや WebAssembly を使わずに Node.js と最近のブラウザで動くとしています。XRAY/Graph の API を使うクライアントも含まれていて、開発者が XRAY/Graph につなぐための道具を先にそろえた形です。
Koios に収益が戻ることの意味
XRAY/Graph の形が回り始めれば、Koios のような提供者は、使われるほど運営の資金が入る道を持てるようになります。
ただし、それが動き出すのは引き出しや支払いが再開してからです。次に確かめるのは、XRAY 公式 X での次の発表と、XRAY/Graph のページで補充・引き出し・x402 の支払い・新しいサービスの作成が使えるようになるかどうかです。Koios 以外の提供者が加わるかどうかも、同じ発表で見えてきます。
ことば
- Koios — Cardano のチェーンのデータを API で返すサービス。アプリやツールがチェーンのデータを読むのに使える窓口で、今回 XRAY/Graph の最初の提携先として、自分のサービスを通る有料の要求の収益の30%を受け取ることになりました。
- x402 — HTTP の 402 応答(支払いが必要)を使い、AI エージェントなどの機械がその場で少額を払ってデータや API を使うための支払いの手順。XRAY/Graph は、これを後から支払いの手段に加えるとしています。
- npm — JavaScript のパッケージを配る仕組み。XRAY が出した11のパッケージは、ここから入れて使えます。
一次ソース / 関連リンク
- XRAY 公式 X の発表(XRAY/Graph の公開)
https://x.com/xray_network/status/2117670419545182390
XRAY/Graph(xray.app)
- XRAY 公式 X の発表(npm の11のパッケージ)
https://x.com/xray_network/status/2117623120429223982
XRAY のパッケージ一覧(npm)(npmjs.com)
