Cardano のブロックエクスプローラー Cardanoscan は、日本時間 11 月 1 日未明、刷新したステークプールのページを公開しました。登録済みのすべてのプールを 1 つの一覧に並べ、運用者ごとの分散の度合い、ステークの出入り、エポックごとのブロックと報酬、プールのガバナンス投票までを、同じページのタブで見られる作りです。
委任先のプールを選ぶ人にとっては、利回りや手数料を比べる表と、そのプールがネットワークの中でどんな位置にいるのかを確かめる面が、ひとつの場所にまとまったことになります。公式 X の告知に沿って、何が見られるのか、比べるときにどこを見ればよいのかを整理します。
7 つの指標で並べ替えられるプール一覧
告知によると、中心になる「Pools」タブの一覧は、次の 7 つの指標で並べ替えられます。
- net return(正味のリターン)
- fees(手数料)
- saturation(飽和度)
- live stake(現在のステーク量)
- delegators(委任者の数)
- blocks(生成したブロック数)
- pledge(運用者が自分のプールに預けると約束した ADA の量)
絞り込みは飽和度・手数料・net return の 3 つで、ティッカー・名前・プール ID での検索もできます。気になるプールに星を付けるとウォッチリストに入り、「Starred」タブにまとまります。委任先の候補をいくつか残しておき、あとで並べて見比べる使い方を想定した作りです。
一覧の上には「Network staking」として、総ステーク量、委任者の数、ナカモト係数、いまのエポックのブロック数、エポックの報酬、SPO(ステークプール運営者)の投票率が並びます。どの数字もクリックすると、それぞれの分析タブが開きます。
ナカモト係数を運用者の単位で数える
今回の刷新でいちばん踏み込んだのは「Decentralization」タブです。ナカモト係数は、合わせてステークの過半を握るには何者が必要かを示す数で、大きいほど分散していることになります。Cardanoscan はこれを運用者の単位で数え、同じ運用者が動かす複数のプールは 1 つとして扱うとしています。
Cardano では、1 つの運用者が複数のプールを持つことができます。プールごとに数えると、実際には同じ運用者の手にあるステークが別々のものに見え、分散の度合いが大きめに出ます。運用者の単位で数え直すと、その差が見えるようになります。タブには大口の運用者が傘下のプールとまとめて表示され、複数のプールを持つ運用者をクリックすると、一覧がそのプールだけに絞られます。
委任する側から見ると、ここは「どのプールに預けるか」に加えて、「その預け先がどの運用者の一部か」を確かめる場所です。利回りが同じくらいのプールで迷ったとき、すでに大きな運用者の傘下にあるかどうかは、選び方の材料の一つになります。
ブロック数は見込みと並べて読む
「Blocks & Rewards」タブは、生成されたブロック数を見込みの数と並べて表示します。あわせて、エポックごとの委任者への報酬と、エポックの報酬の原資が委任者・プール運用者・トレジャリー・準備金(リザーブ)にどう分かれたかを示します。
Cardano のブロック生成は抽選で決まるため、1 エポックだけを見ると、小さなプールほど見込みより多い回も少ない回も出ます。一覧で blocks を比べるときは、1 回の多い少ないより、何エポックにもわたって見込みから離れ続けていないかを見るほうが、運用の安定を測る目安になります。
「Stake Flow」タブは、エポックごとのステークの純流入出と、プールの新規登録と引退の数を並べます。ステークがどちらへ動いているかは、委任者一人ひとりの選択がまとまって表れた結果でもあります。
預け先がガバナンスでどう投じているか
「Governance」タブは、アクティブなステークのうちどれだけが投票したか、投票の態度ごとのステーク量、そして SPO の投票が必要な未決の議案を示します。議案ごとに Yes・No・Abstain の割合が、可決の閾値と並べて表示されます。
Cardano のオンチェーン・ガバナンスでは、ハードフォークの開始など一部の議案に SPO の投票が必要で、その票の重さはプールに委任されたステーク量で決まります。委任先を選ぶことは、そのプールの運用者にこの票を預けることでもあります。利回りや手数料と同じページで、預け先がどう投じているかを確かめられるようになりました。
Cardanoscan は 10 月下旬にも、承認待ちの取引を見せるページ(10 月 24 日の記事)とエポックの分析ページを相次いで加えています。今回のプールのページは、その刷新の続きにあたります。
次に開くなら、11 月 6 日の朝 6 時 45 分ごろ(日本時間)のエポック境界のあとが区切りです。エポック 665 が終わってそのエポックのブロック数が出そろったところで、「Pools」タブで自分の委任先の blocks と飽和度を、「Decentralization」タブでその委任先がどの運用者の傘下にあるかを見ておくと、委任先を見直すかどうかの材料がそろいます。
ことば
- ナカモト係数 — 合わせて過半を握れる主体の最小数です。数え方の単位で値が変わり、Cardanoscan の新ページは、プールではなく運用者を単位にして数えることで、複数のプールを持つ運用者の集中を反映させています。
- 飽和度(saturation) — プールに集まったステークが、報酬の上限となる飽和点に対してどれだけかを示す割合です。飽和点を超えた分には追加の報酬が出ないため、100% に近いプールでは委任者 1 人あたりの取り分が下がりやすくなります。
- pledge — 運用者が自分のプールに預けると約束した ADA の量です。報酬の計算で pledge が多いほどわずかに有利になるよう設計されており、運用者の自己資金の厚みを見る目安にもなります。
一次ソース / 関連リンク
- Cardanoscan 公式 X の告知(刷新したステークプールのページ)
https://x.com/cardanoscanio/status/2116587361933082710
Cardanoscan: Stake Pools(cardanoscan.io)

