Intersect は11月3日、次のハードフォーク Dijkstra を試すテストネット DijkstraNet が、11月2日 00:00 UTC(日本時間 同日 9時)にプロトコルバージョン 12 へハードフォークしたと X で告知しました。Leios を除いた形での切り替えで、SPO・dApp・開発者には統合テストを早めに始めるよう呼びかけています。
10月23日に Conway の規則のまま開いた公開テストネットが、ここで初めて Dijkstra の規則で動き始めたことになります。メインネットは、Koios で確認したエポック 665 の時点でプロトコルバージョン 11.0 のままです。ノードを動かす側にとっては、Dijkstra の取引や鍵の扱いを「読む」段階から「実際に通して確かめる」段階へ移ったという知らせです。
初期報: テストネットDijkstraNet、Protocol Version 12へハードフォーク
10月23日の開通から、11月2日の切り替えまで
DijkstraNet の歩みは、10日ほどで次の 3 段を進みました。
- 10月23日: 公開テストネットが開き、SPO の参加受付が始まる。ノード 11.1.3 で、プロトコルバージョン 11(Conway)のまま動かす段階でした(10月23日の Signal)
- 10月28日: cardano-node 11.2.0 が GitHub で先行版(pre-release)として公開される(10月29日の Signal)
- 11月2日 00:00 UTC: DijkstraNet がプロトコルバージョン 12 へハードフォーク
Intersect が10月23日に示した段取りは、ノード 11.2 の先行版を出し、ハードフォークを始めるための議案を経て、プロトコルバージョン 12 へ切り替えるというものでした。今回の告知で、その段取りのうちバージョン 12 への切り替えまでが済んだことになります。テストネットのエポックは 1 日の長さなので、切り替え後の試験は日単位で回せます。
Leios を除いた Dijkstra で、何が試せるのか
今回の切り替えは「Leios を除く(minus Leios)」と明記されています。処理能力を引き上げる Ouroboros Leios は、Dijkstra のハードフォークで今の 3〜5 倍から段階的に入る計画ですが(Weekly Brief #29)、その試験は別のテストネット MusashiNet で続いています。同じ告知によると、MusashiNet では今週、Leios の試作版 rc-2026w44 が公開されました(11月3日の Signal)。
DijkstraNet で確かめられるのは、Leios 以外の Dijkstra の中身です。11.2.0 のリリースノートから、試験の対象になる主なものを挙げます。
- サブトランザクション: 取引の中に別の取引を入れ子にする新しい形。cardano-cli で組み立てて署名する手順がそろいました(10月30日の Signal)
- Plutus V4: リリースノートは「使える状態になった(プロトコルバージョン 12 が必要)」と書いています。ただし組み込み関数は今のところ V1〜V3 と同じで、新しいものは後の版で有効になるとしています
- submit-api: Dijkstra の取引を受け付けるようになりました
どれもバージョン 12 の規則のもとで初めてチェーン上を通るものです。
SPO と dApp に求められていること
Intersect は SPO・dApp・開発者に対し、統合テストを早めに始めることを強く勧めています。参加の窓口として、IOG の Technical Community Discord に DijkstraNet 専用の dijkstra-net チャンネルが案内されています。
SPO にとっての入口は、ノード 11.2 の先行版です。リリースノートは、この版をメインネットではまだ推奨しないと明記しています。加えて、11.2.0 から配布される設定ファイルは新しいエンベロープ形式になり、11.2 より前のノードでは読めません。テストネット用のノードを立てる場合も、設定ファイルより先にノード本体を上げる順番が要ります。
dApp やウォレット、インデクサーの側では、ノードと手元のプログラムをつなぐ通信(node-to-client)の古い版が外れた点が効いてきます。バージョン 23 より前の版でしか話せない道具は、11.2 のノードにはつながりません。試験網で早めに通しておくと、メインネットの切り替え前に直す箇所が見えます。
メインネットでのハードフォークの日程は、今回の告知には書かれていません。テストネットでの切り替えが済んだ今の段階は、SPO が自分の運用手順をバージョン 12 に合わせて試し始められる時期に当たります。
11月5日の SPO コールと、11.2 の正式版
近いところでは、11月5日 16:00 UTC(日本時間 11月6日 1時)の月例 SPO コールです。Luma の告知によると、議題は 3 つで、John Lotoski 氏が DijkstraNet と 11.2 について説明し、Sebastien 氏がノード 11.3 と MusashiNet の現状を報告し、ハードフォーク作業部会のメンバーが Leios の導入に向けた道筋と依存関係を話し合います。DijkstraNet でこれまでに見つかった問題や、11.2 の正式版に向けた残りの作業が語られるかが、確認できる次の一点です。
もう一つは、GitHub の cardano-node のリリース一覧です。11.2 が先行版から正式版へ移るときに、メインネットでの利用が推奨されるかどうかがリリースノートに書かれます。
ことば
- DijkstraNet — 次のハードフォーク Dijkstra を試すための公開テストネット。エポックは 1 日で、SPO が本番の切り替え前にノードの更新と取引の通し方を確かめる場として10月23日に開かれました。
- プロトコルバージョン 12 — Dijkstra の規則で動く Cardano の版番号。メインネットは今 11(Conway)で、12 に上がるとサブトランザクションや Plutus V4 がチェーン上で使えるようになります。
- Leios — Cardano の処理能力を引き上げる新しい合意の仕組み。Dijkstra とともに段階的に入る計画ですが、試験は MusashiNet で別に進んでおり、今回の DijkstraNet の切り替えには含まれていません。
一次ソース / 関連リンク
- Intersect 公式 X の告知(Dijkstra Hard Fork Update)
https://x.com/IntersectMBO/status/2117587472477532239

luma.com
