*追記:「HydraDoomデモの脅威的処理能力の結果」セクションを追加しました。
追加情報更新:2024.8.20
追加情報更新:2024.8.21
Hydra Doom:新たなスケーリングソリューションの段階に入ったブロックチェーン技術の可能性を示す
はじめに:伝説のクラシックゲームDoomがHydraで蘇る
ここ数日、久しぶりに風邪で寝込んでおりました。熱が下がってきた(今回は熱だけが出る症状)ので、ようやく日常に戻れそうです。最近の風邪は、ただの風邪なのか、インフルエンザなのか、それともコロナなのか、区別がつきにくいですね。笑
さて、そんな中で開催中のRareEvo24で、非常に興味深い技術デモが行われました。それが「Hydra Doom」です。このデモは、クラシックゲーム『Doom』をCardanoのスケーリングソリューションであるHydraを使って動かすというもの。各フレームがトランザクションとして処理されるという、まさにブロックチェーン技術の新たな可能性を示す試みです。
Hydra Doomはオンラインでも公開されており、公開されてから2時間で、取引数が100万件を超えています。自分でもプレイしてみたい方は、https://doom.hydra.family へアクセスしてみてください。
Hydra Doomは、単なるゲームデモにとどまらず、ブロックチェーン技術がどのようにリアルタイムアプリケーションと融合できるかを示す画期的な例です。これにより、ゲームだけでなく、金融やサプライチェーンといった多様な分野での応用が期待されます。RareEvo24でのデモは、まさにその可能性を垣間見る機会となりました。
なお補足ですが、RareEvo24では、チャールズ・ホスキンソン氏とロバート・ケネディ・ジュニア氏が参加するトークショーが予定されており、とても楽しみなところですね。これについては後ほど情報が入り次第お届けする予定です。
クラシックゲーム『Doom』とは?
クラシックゲーム『Doom』は、1993年にid Softwareによって開発されたファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)で、ゲーム業界において非常に重要な位置を占める作品です。
『Doom』は、プレイヤーが一人称視点で進行し、主に敵を撃ち倒すことに焦点を当てたゲームです。プレイヤーは、地獄からの悪魔やモンスターと戦いながら、ステージをクリアしていきます。このゲームは、MS-DOS用のシェアウェアとして初めてリリースされ、その後、多くのプラットフォームに移植されました。
技術的特徴と影響
『Doom』は、当時としては革新的な3Dゲームエンジンを使用しており、リアルで暗いグラフィックスと迫力のあるサウンドが特徴です。これにより、プレイヤーは没入感のあるゲーム体験を楽しむことができました。また、このゲームは、後に「Doomクローン」と呼ばれる多くの類似FPSゲームを生み出し、FPSというジャンルを確立するきっかけとなりました。
社会的影響と論争
『Doom』はその暴力的な表現から、発売当初から多くの論争を巻き起こしました。特に、敵を撃ち倒すシーンや地獄をテーマにしたデザインは、一部で批判の対象となりました。しかし、その一方で、ゲームの革新性と影響力は広く認められ、ゲーム業界全体に大きな影響を与えました.
『Doom』は、シンプルでありながら中毒性のあるゲームプレイと、技術的な革新を兼ね備えた作品として、今なお多くのファンに愛され続けています。
Hydra Doomの概要
Hydra Doomは、カルダノのスケーリングソリューションであるHydraを用いたデモンストレーションで、クラシックゲーム『Doom』をブロックチェーン上で動かすという革新的な試みです。このデモは、ゲームの各フレームを個別のトランザクションとして処理することで、ブロックチェーン技術の新たな可能性を示しています。
Hydraの技術は、カルダノの既存のレイヤーに追加される形で設計されており、トランザクションのスピードを大幅に向上させ、コストを削減することを目的としています。特に、Hydraヘッドと呼ばれる状態チャネルを利用することで、オフチェーンでの迅速なトランザクション処理が可能となり、実質的に遅延のないスムーズなプレイ体験を提供します。
このデモンストレーションは、単なるゲームの枠を超え、Hydra技術がどのようにリアルタイムアプリケーションと融合し得るかを具体的に示しています。プレイヤーは、まるで通常のゲームをプレイしているかのように、遅延を感じることなくDoomの世界を楽しむことができ、これがブロックチェーン技術の未来を切り開く一歩となることを期待されています。
Hydra Doomのデモが実現することで期待される具体的な利益
- スケーラビリティの向上: Hydraはカルダノのレイヤー2ソリューションとして、オフチェーンでのトランザクション処理を可能にし、ネットワークのスケーラビリティを大幅に向上させます。これにより、トランザクションの処理速度が向上し、コストが削減されるため、より多くのユーザーが効率的に利用できるようになります。
- リアルタイムアプリケーションの可能性: Hydra Doomのデモは、ブロックチェーン技術がリアルタイムアプリケーションにどのように応用できるかを示しています。ゲームの各フレームをトランザクションとして処理することで、遅延のないスムーズなプレイ体験を実現しています。これは、ゲームだけでなく、金融やサプライチェーンなどのリアルタイム処理が求められる分野にも応用可能です。
- 新たな開発の促進: Hydra Doomの成功は、開発者に新たなインスピレーションを与え、さまざまな分野でのブロックチェーン技術の応用を促進する可能性があります。特に、スケーラビリティとセキュリティが求められるアプリケーションにおいて、Hydraの技術がどのように活用できるかを示す具体例となっています。
- ユーザー体験の向上: プレイヤーは遅延を感じることなくゲームを楽しむことができ、これがブロックチェーン技術の新たな可能性を示す一例となっています。これにより、ユーザー体験が大幅に向上し、ブロックチェーン技術の普及が進むことが期待されます。
Hydra Doomのデモは、これらの利益を通じて、ブロックチェーン技術の新たな可能性を切り開く一歩となることが期待されています。例えば先日開催されたXでのイーロン・マスク氏とトランプ大統領候補のスペース、アクセス過多で「取得できません」状態のトランザクション処理などにも、安全性を付加する形で有効ですよね。
以下のツィートは、イーロン・マスク氏とチャールズ・ホスキンソン氏が何かを計画している可能性を示唆する写真いついての話題です。
技術的背景と意義
Hydraは、カルダノのスケーラビリティ戦略の中核を担うレイヤー2ソリューションです。このプロトコルは、ネットワークのスループットを劇的に向上させ、トランザクションの遅延を最小限に抑えつつ、コスト効率を高めることを目指しています。Hydraは、オフチェーンでのトランザクション処理を可能にすることで、Cardanoのメインチェーンの負荷を軽減し、より多くのユーザーに対応できるように設計されています。
Hydraの中心的な要素である「Hydraヘッド」は、マルチパーティの状態チャネルとして機能し、複数の参加者がオフチェーンでトランザクションを迅速に処理することを可能にします。これにより、トランザクションの即時決済が可能となり、参加者は事前に合意した範囲内でのみ資金を使用できるため、安全性も確保されています。
SandaeSwap CEOであるPi氏が開発したHydraヘッド管理プラットフォームは、これらの技術を効果的に運用するための重要な役割を果たしています。このプラットフォームは、Hydraヘッドのライフサイクル管理や、パフォーマンスの測定、ユーザーの割り当て、データのルーティングと読み取りなど、バックエンドコンポーネントの設定と調整をサポートします。これにより、Hydraの導入と運用がスムーズに行えるようになり、Cardanoのエコシステム全体のスケーラビリティ向上に寄与しています。
Hydraの技術的な進化は、カルダノのブロックチェーンが直面するスケーラビリティの課題を解決し、より多様なアプリケーションやユーザーに対応するための基盤を提供します。これにより、ゲームやNFT、DeFiなど、さまざまな分野での応用が期待されており、ブロックチェーン技術の新たな可能性を切り開くことが期待されています。
追記:HydraDoomデモの脅威的処理能力の結果
HydraDoomデモの処理能力についてツィートの様子から、わかる範囲でいくつかまとめてみました。Hydraは脅威的な高いスケーラビリティ、信頼性、処理能力を証明したようです。
今回のデモでは、138のHydraHeadを使用して、約200の同時ゲームで負荷テストを実施、グローバルTPS:最大で4,344 TPS(*これについては7,182TPSを記録していたことが判明しています。)を記録に達し、平均は3,361達成しました。
これでも本来のHydraのパフォーマンスはこんなものではないようで、今回の平均TPSが低いのは、負荷テスト用のマシンがボトルネックになっているためのようです。
さらに、失敗した取引はゼロで、1時間でCardanoチェーンに14%の負荷がかかったとのことです。
Hydra Doomデモの結果は、Hydraの脅威的な高いスケーラビリティ、信頼性、処理能力を示したということで、本当に素晴らしいですね。
また、これも凄いことですが、ほぼ無料で1,200万件の取引が可能であることから、コスト効率の良さも強調されています。
追加情報:2024.8.20
さらに、追加情報として今回のHydraDoomの実装についての詳しいまとめ記事「DOOM On Hydra Achieved Record TPS」が公開されましたので、ご紹介します。
この記事では、今回のHydraのTPSについて詳しく紹介されています。
主なポイント:
1.記録的なパフォーマンス:
- 最高で7,182 TPSを記録し、数千万のトランザクションを処理しました。
- 当初65のHydraヘッドで開始し、需要の高さから138まで増加させました。
2.DOOMの実装方法:
- ゲームの各フレーム(35 FPS)がトランザクションとして処理されました。
- スマートコントラクトを使用してゲーム状態を管理しました。
3.Hydraの特徴:
- イソモーフィックチャネルを使用し、Cardanoと同じインフラストラクチャを共有します。
- 複数の参加者(約12人)がヘッドを開くことができ、Cardanoのすべての機能を利用可能です。
4.Lightning Networkとの違い:
- Hydraはより汎用性が高く、複数の資産の送信やスマートコントラクトの実行が可能です。
- Lightning Networkは主にビットコインの送金に特化しています。
5.L2ソリューションの将来:
- プライバシー機能や大量のデータを保存しない利点があります。
- シャーディングなどのL1スケーリングソリューションと比較して、特定のユースケースに適しています。
6.今後の展望:
- チャールズ・ホスキンソン氏はCardanoサミットで$100,000の大会を主催する計画です。
- Lightning Labsに似た組織を立ち上げ、Hydraの開発を加速させる構想があります。
記事では、この実装は、HydraとCardanoの両方にとって大きなマーケティング効果があったこと、Hydraは現在、実世界のアプリケーションに対応できる段階に達しており、開発者がHydra上でのアプリケーション構築を始めることが期待されていると述べています。
追加情報:2024.8.21
Pi氏の報告によると、HydraDoomのデモでは、わずか78時間で1億件のトランザクションを達成し、平均して350TPS(トランザクション毎秒)を記録しました。来週には、さらに詳細な統計や舞台裏の情報を共有する予定とのことです。
2024年のRare Evoで行われたチャールズ・ホスキンソン氏の基調講演では、HydraDoomについて、事前プロダクション環境で1秒間に35フレーム、35トランザクションを処理できると述べ、30,000人の同時プレイヤーで100万TPSを達成できる可能性があると指摘しています。
さらに10月のCardanoサミットでは、30,000人の同時プレイヤーによる約100万TPS達成を目指して、ドバイでのデスマッチで勝者に10万ドル相当のUSDMを贈呈すると述べています。
デモの反響と今後の展望
Hydra Doomのデモは、ブロックチェーン技術の新たな可能性を示す画期的な試みとして、多くの注目を集めています。ツイート上では、ユーザーたちがその技術的な革新性とスムーズなプレイ体験に驚嘆する声が多く見られました。特に、「各フレームがトランザクションとして処理され、遅延が全くない」といったフィードバックは、Hydraの技術が実際のアプリケーションにどれほど効果的であるかを示しています。
このデモは、単にゲームの枠を超えて、Hydra技術が他の分野にもたらす可能性を示唆しています。例えば、金融業界では、高速かつ低コストでのトランザクション処理が求められており、Hydraはそのニーズに応えることができます。また、サプライチェーンにおいても、リアルタイムでのデータ処理とトランザクション管理が可能になることで、効率性が大幅に向上することが期待されます。
さらに、Hydraのスケーラビリティとセキュリティは、分散型アプリケーション(DApps)の開発においても大きな利点となります。これにより、開発者はより複雑で多機能なアプリケーションを構築することが可能になり、ブロックチェーン技術の普及が加速することが予想されます。
Hydra Doomの成功は、Cardanoのエコシステム全体にとっても重要なマイルストーンです。今後、さらに多くの開発者がHydra技術を活用し、新たなユースケースを生み出すことが期待されます。このデモは、ブロックチェーン技術がどのように現実世界の課題を解決し得るかを示す好例であり、未来の可能性を広げる一歩となるでしょう。
開発チームとコラボレーション
Hydra Doomの開発は、Cardanoエコシステムの中で特に注目されるコラボレーションプロジェクトとして進められました。このプロジェクトには、Trym BrusetやAdam K Dean、Quantumplationといった才能ある開発者たちが参加し、それぞれが専門的なスキルを持ち寄って成功に導きました。
特に、SundaeSwapとの協力は、Hydra Doomの実現において重要な役割を果たしました。SundaeSwapは、Cardano上での分散型取引所として知られていますが、今回のプロジェクトでは、その技術力と経験を活かして、Hydra技術の実用化に貢献しました。これにより、Hydra Doomは単なるゲームデモにとどまらず、ブロックチェーン技術の新たな可能性を示す画期的な試みとなりました。
また、Piが設立したHydraヘッド管理プラットフォームも、このプロジェクトの成功に欠かせない要素でした。このプラットフォームは、Hydraヘッドの管理やパフォーマンスの最適化において重要な役割を果たし、開発チームが効率的に作業を進めることを可能にしました。
Hydra Doomの開発は、技術的な挑戦だけでなく、協力体制の構築という面でも多くの学びをもたらしました。今後もこのようなコラボレーションが進むことで、Cardanoのエコシステムはさらに多様で革新的なプロジェクトを生み出すことが期待されます。
まとめ:Hydra技術がどのようにリアルタイムアプリケーションに応用できるかを具体的に証明
Hydra Doomの成功は、ブロックチェーン技術が持つ新たな可能性を鮮やかに示しました。このデモンストレーションは、単にゲームを動かすだけでなく、Hydra技術がどのようにリアルタイムアプリケーションに応用できるかを具体的に証明しました。各フレームをトランザクションとして処理することで、遅延のないスムーズな体験を実現し、ブロックチェーンのスケーラビリティと効率性を示す好例となりました。
このプロジェクトを通じて、Hydra技術の実用性とその可能性が広く認識されることになりました。ゲーム業界にとどまらず、金融やサプライチェーンなど、さまざまな分野での応用が期待されます。特に、トランザクションの高速処理と低コスト化は、これらの業界にとって大きな利点となるでしょう。
今後のHydra技術の発展には、多くの期待が寄せられています。さらなる技術革新を通じて、より多くの開発者がHydraを活用し、新たなユースケースを創出することが期待されます。これにより、カルダノのエコシステムは一層豊かになり、ブロックチェーン技術の普及と進化が加速することでしょう。
Hydra Doomは、その先駆的な試みを通じて、ブロックチェーン技術の未来を切り開く一歩となりました。今後の展開に注目し、さらなる革新を期待したいところです。
参考資料とリンク
Hydraの技術的詳細とスケーラビリティ戦略
- カルダノのスケーラビリティ戦略を先駆けるレイヤー2ソリューションHydra – Hydraの技術的側面を深掘りし、Cardanoのスケーラビリティを強化するための取り組みを紹介しています。
Hydraの公式ブログと技術資料
- Hydra – 究極のレイヤー2スケーラビリティのためのCardanoのソリューション – Cardanoのレイヤー2ソリューションとしてのHydraの役割とその技術的な詳細について解説しています。
Hydra Doomの公式プラットフォーム
- Hydra Doom公式サイト – Hydra Doomを実際に体験できる公式プラットフォームです。最新情報やプレイ方法についてはこちらをご覧ください。
Doomの開発背景
- Doomの開発 – Wikipedia – クラシックゲーム『Doom』の開発背景とその歴史についての詳細情報を提供しています。
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