*この記事は、IOHK:Project Catalyst & Voltaire bring power to the people
を参照して作成しました。詳細はこの記事をご参考ください。
ヴォルテールって何?
カルダノブロックチェーンは、2020年7月28日にシェリーにより分散化がスタートし、着々と分散化の比率をエポック毎に上げています。2021年3月にはその分参加は100%に達し、完全分散化が完了する予定です。
そしてその完全分散化を有機的に自律性をたもち成長と成熟を促進する方法が、ヴォルテールプロジェクトです。
これには取引の証拠を証明するブロックチェーンの監査機能を利用し、同時進行しているゴーグェンプロジェクトのスマートコントラクト機能を用いて、民主的な投票を行うことでガバナンス(Governance)「統治、支配、管理」することが可能になります。
ヴォルテールはこの機能を確立する手段であり、コミュニティがカルダノブロックチェーンを「統治、支配、管理」し維持しながら、システムの改善を提案および実装することで開発を継続できるようにします。これにより、ADA保有者が決定を下すことができます。
投票して何ができるの?
ブロックチェーンが自律的に成長し成熟していくためには、誰かがをそれを支援しなければなりません。またブロックチェーンの機能をより良くするために、新しい機能を追加していく必要があります。また機能をどのように動かすかのパラメーターの変数(Kパラメーターetc..)を決めたりすることで、カルダノコミュニティの繁栄を維持し発展させなければなりません。
これらの方法は、長期的な意味でも民主的にコミュニティの一人一人(ADA保有者)の投票により統治と意思決定が行われなければなりません。
特に持続可能な資金調達や意思決定を下すための仕組み、ブロックチェーンの開発と保守に持続可能な資金を提供するために、コミュニティが制御し、分散し、協調して意思決定を行うメカニズムが必要です。
IOHKの暗号通貨の財務システムに関する論文では、次のように述べられています。
コラボレーションインテリジェンスへのこのアプローチは、「流動的な民主主義」に依存しています。これは、両方のシステムの利点を提供する直接的な代表的な民主主義のハイブリッドです。
IOHK:Project Catalyst & Voltaire bring power to the people
カタリストプロジェクト
カタリストプロジェクトは、その最初の社会実験として資金調達のための財務メカニズム機能を適用し、カルダノコミュニティ内にオープンで民主的な文化を確立するために、研究、社会実験、コミュニティの同意と投票を組み合わせています。
どこから資金はくるの?
- 資金調達として既に割り当てられている新規発行のADA
- ステーキングによってもたらされた報酬及び取引手数料の20%が保管されます。
- 寄付によるもの
これらが継続的に蓄積され、新しいプロジェクトやメンテナンスなどに資金を提供します。つまりこの資金はADA保有者の税金に似たところがあり、カルダノコミュニティのための資金です。
資金をどのように使うの?
資金調達プロセスは「財務期間」で構成され、それぞれが次のフェーズに分割されます。
- 事前投票
- 投票
- 投票後
各期間中に、プロジェクトの提案が提出され、専門家や有権者によって議論され、最後に最も重要なプロジェクトに資金を提供するために投票することができます。誰でも新規の提案を行うことができますが、ネットワーク開発の重要性と望ましさに応じて、特定の提案しかサポートできません。
具体的にはどのように投票するの?
投票はダイダロスから直接できるようになります。投票から意思決定のプロセスは次のとおりです。
まず投票者とはADAの保有者です。科学者と開発者、経営陣、投資家、そして一般の人々が含まれます。それぞれの参加者は利害が一致するものや異なる利害を持っているので、これらの選択と欲望を同時に働かせることが必要になります。
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このため、投票力は誰かが所有するADAの量に比例します。ADAが多いほど、意思決定への影響力が大きくなります。
流動的な民主主義アプローチの一部として、また直接の賛否投票と同様に、個人は信頼できる専門家に投票権を委任することができます。この場合、専門家は彼らが最も重要であると考える提案に直接投票することができます。
投票後、プロジェクトの提案は、はい/いいえの投票数に基づいて採点され、候補者リストに入れられます。最も弱いプロジェクト提案は破棄されます。
次に、最終候補の提案をスコアに従ってランク付けし、上位にランク付けされた提案を、資金がなくなるまで順番に資金調達します。
意思決定プロセスを段階に分割する戦略により、改善の優先順位についてコンセンサスを得ることができます。
有権者のプライバシー
有権者のプライバシーを確保することは非常に大事なことです。これにより独裁を企むものや、不正に自分に有利な利害を得ようとするものが、他人の投票を操作したり誘導したりすることがなくなります。
具体的には、
有権者のプライバシーを確保するために、研究チームは「対数サイズの通信による単位ベクトル暗号化の正直な検証者ゼロ知識証明」を発明しました。ゼロナレッジテクニックは、基礎となるデータを明らかにせずに物事を検証するために使用される数学的手法です。この場合、ゼロ知識証明とは、投票資格があることを除いて、誰かが自分自身についての情報を公開することなく投票できることを意味します。これにより、有権者の強制の可能性が排除されます。
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財務システムのプロトタイプとしてのプロジェクトカタリスト(Project Catalyst)
ヴォルテールの基礎となる顕教のために実施されるプロジェクトカタリストが2020年9月17日よりスタートしました。
カタリスト提案サイト:IDEASCALE
財務システムのプロトタイプがベンチマークのためにIOHKで作成されました。ヴォルテールの基礎として研究を実施することは、財務省の投票と意思決定のための信頼できる安全な手段を提供するのに役立ちます。
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Project Catalystは、カルダノコミュニティ内での民主的な文化の確立に焦点を当てた提案と投票の手順を組み合わせた実験的な財務システムです。
最初に、カルダノの財務省は、持続可能な財務省の資金源を確保するために、一定比率のステークプール報酬から補充されます。
他のブロックチェーンには財務システムがありますが、IOHKは完全なプライバシーをゼロ知識証明、専門家の関与と投票委任からの流動的な民主主義、およびすべての参加者(統治体だけでなく)を通じて組み合わせています。
これにより、公正で透明な決定を行うための参加、インセンティブ化、分散(分権)化が促進されます。
投票するメリットは?
カルダノブロックチェーンの繁栄に必要不可欠な新規事業やメンテナンスには資金が必要です。その資金を有効活用することがADAの価値を高めることになり、取引が増え価格が上昇する大きな要因になります。
また、その反対に不必要なプロジェクトに資金を投入したり、例えば分散化を阻害するなど間違った方向に資金を使ったっり、ADAの価値を下げるようなプロジェクトや利用されないプロジェクトに資金を投入するのは阻止しなくてはなりません。その場合は反対票の投入が必要です。
また、投票にはインセンティブが与えられ、投票することで投票者のADAが増えるので、投票を辞退する必要は全くないと言えます。
まとめ
ADAを保有するカルダノコミュニティの一人一人には、投票することでADAの価値及び価格が上昇させることを可能にし、価値を最大化する方法が付与されています。
これこそがADAを保有する価値であり、その理由の一つです。カルダノブロックチェーンからの経済的インセンティブや価値を獲得する最も効果的に最大化する方法が「投票」といっても過言ではありません。
なおSIPOの大ファンであるmizcaさんのYouTube動画が大変素晴らしいのでぜひご覧ください。
大変参考になります。
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この記事の参照元
IOHK:Project Catalyst & Voltaire bring power to the people
関連リンク
IOHKブログ:人々にパワーをもたらすProject CatalystとVoltaire Cardanoを長期にわたり成長させる足固めが、Catalystプロジェクトのトレジャリーと民主的投票により開始された
https://forum.cardano.org/t/iohk-project-catalyst-voltaire/40163
Project Catalyst:Cardanoコミュニティの革新に向けた最初の共同基金を紹介 Cardanoの未来を構築し始めるためのエキサイティングな実験