分散型システムの到来
日本時間の2020年7月30日木曜日の午前6時44分51秒に歴史的かつ画期的な出来事が起こりました。
その瞬間(とき)はカルダノのプロジェクトがBYRON(バイロン)から”SHELLEY(シェリー)”にハードフォークしたことで、カルダノのブロックチェーンが中央集権から分散化への移行が始まった瞬間です。
これはとても偉大なことで、高度な技術と科学や、哲学、思想に基づいてなされる歴史的事業イベントだと思います。
この”SHELLEY(シェリー)”の誕生により、「ステーキング」サービスがスタートしました。
そして、エポック257=シェリーエポック49 2021年4月1日 午前6時44分頃に、遂にカルダノコミュニティは、ブロック生成の分散化が100%に達する歴史的偉業を成し遂げました!
カルダノは引き続き2021年中までにはP2Pネットワークによる分散化、高度なガバナンス機能の実装を行い完全自立型分散台帳システムの構築を成し遂げる予定です。
ここでは「分散」と「ステーキング」について解説します。
2020年は大きな歴史の転換点
歴史では世界が大きく変わるとき、実は多くの技術が開発され世界の変化に大きく影響します。
2020年、世界は大きな変革を迎えました。これまでの絶対的な中央集権が揺らぎ、新しい分断と力と力よる覇権争いが、再び新しいバランスを求めて激化しています。
どこの誰が最終的に勝利を収め、次の時代をリードするのか?自由民主主義?独裁主義?社会主義?共産主義?イデオロギーが激しくぶつかり合うフェーズに入ったようです。
この大きな覇権争いは長い歴史の中で繰り返し起きてきたことであり、今ちょうどまさに、またダイナミックに繰り返されています。
人々はその歴史から学び次はどうなるのかという予測分析の中で、自分がどちら側に着くかというイデオロギーやポジションについて考えを巡らせているかもしれません。
しかしこれは結局誰かへの集中した権力の行くへ次第で、自らが望む選択肢を得られるわけではありません。
そうした中で、もう一つの選択肢として、中央集権的な権力の選択ではなく、第三の全く新しい技術による選択肢が誕生しました。それが分散型システムであるブロックチェーン技術です。
”SHELLEY(シェリー)”は中央集権とは真逆の完全自律分散型プラットフォームを実現するための、その大いなる一歩となる第三世代のブロックチェーンと呼ばれるカルダノのプロジェクトです。
”SHELLEY”はカルダノロードマップの中で最初に誕生したカルダノの基礎となる”BYRON(バイロン)”と呼ばれる中央集権プラットフォームから、分散化へ移行するための重大なプロジェクトです。
その後2020年中には、”GOGUEN(ゴーグエン)”、”BASHO(バショー)”,”VOLTAIRE(ボルテール)”を経て、完全自律分散型ブロックチェーンへ到達する予定です。”SHELLEY”によって、既に分散化は始まっています。
カルダノロードマップ
・BYRON(バイロン):基礎
・SHELLEY(シェリー):分散化
・GOGUEN(ゴーグエン):スマートコントラクト
・BASHO(バショー):スケーリング
・VOLTAIRE(ボルテール):ガバナンス
詳しくはカルダノロードマップをご覧ください。
https://roadmap.cardano.org/ja/
中央集権から非中央主権へ
ブロックチェーンのもたらす成果は主に、人類のこれまでの歴史から得た教訓を総動員し、独裁を排除し自由と平等、信用を元に、世界中の誰もが自由に繋がり、取引を実行することを可能にすることです。
特にパブリックなブロックチェーンは誰かの特定の権力によりなくなることも変更されることもない、誰もが参加できる直接民主主義のプラットフォームです。
このようなプロジェクトはカルダノ以外にもあり、様々なアルゴリズムや方法で非中央集権プラットフォームを実現しようとしています。
*Coinmarketcapでは、現在進行形のブロックチェーンのプロジェクトが、時価総額ランキングでリストされています。
そして、その一つがカルダノと呼ばれるブロックチェーンテクノロジーです。
*カルダノについての詳細はこちらを参照ください。
中央集権的システムのメリット
権力に従うことで、権力から守られる
権力者になれば物事を権力により簡単にトップダウンで動かせる
権力が存在する限りその権力により価値は守られその価値は有効となる
中央集権的システムのデメリット
あらゆるデータは一つの権力下(*実際の場所は分散化されています。)に集められるので、アクセス権のある者により改竄可能
支配力や権力の強弱に経済が左右される
権力を失えば、価値もなくなる
分散型システムメリット
中央権力がないので、全ての参加者に権利がある
ボトムアップのフラットな民主的なガバナンスが可能
誰もシステムを管理したり改竄したり変更できない
透明でパブリックなので参加者を選ばない
社会のインフラになることができ、管理するためのコストがかからない
分散型システムのデメリット
開発には高度な技術や科学的根拠の組み合わせが必要
社会実験も必要で、時間がかかる
参加者全員が主体になるので高度な洗練されたガバナンスが必要
一度登録したデータは消せない
特権や抜け道はない
従来の中央集権型銀行サービスと新たな選択肢
従来型の中央銀行は国や権力を背景に、お金(貨幣)を鋳造、印刷、発行し、国民がそれを利用できる仕組みです。中央銀行には特定の利権者=株主が存在し、お金の印刷や国債の発行から得られる利益は、その特定の株主のために存在する仕組みです。世界の基軸通貨として過去100年ほど君臨してきたアメリカのドル紙幣を印刷する、FRBアメリカ中央銀行そのものが、7人の株主により運営されてきました。
この仕組みそのものが機能不全に陥り、時代の流れにより次への転換が必要になってきているのです。つまり中央集権的な仕組みの銀行だけでは、グローバル規模の経済活動やデジタル経済の発展により、もはや人々の生活や経済活動を守れなくなってきているのです。
これは大きな時代の転換であり、100年ごとに世界の基軸通貨が変わってきている貨幣の歴史を見ても、今回の変化は明らかなようです。
おそらく、数年後には国や政府はデジタル通貨を発行し、よりコントロールされた中央集権を背景とした通貨を流通させようとしています。これにより国民として承認された人々=税金を納める者は、この権利をもとに生存権が保証されます。これは悪いことではなく現状必要なことです。国が国民の生命や財産を守るという仕事するために私たちは税金を払います。そしてその税金をどう使うかを決めるのが民主主義です。
しかし、その国そのものが不安定だったり、独裁や民主的ではない政府、国そのものがなくなればどうなってしまうでしょうか?そしてそもそも成熟していない民主主義は、本当にこのままで成熟できるのか?
そこでもう一つの選択として新たに登場したのが、パブリクブロックチェーンです。国籍や人種を問わず誰もが平等に利用できる分散型システムです。
その最初はビットコインの誕生に始まり、その後にスマートコントラクトによるインターネットコンピューティングを実現するイーサリアムが誕生しました。現在では多くのブロックチェーン技術が誕生し、その存在価値をめぐってしのぎを削っています。
現在、イーサリアムなどのプラットフォームでは、先行してDefi=分散型金融サービスが勃興し、多くの画期的な分散型金融が2020年3月頃からしのぎを削っています。
その中で第三のブロックチェーンを目指して誕生したのがカルダノです。そのカルダノが発行する暗号通貨はADAと呼ばれ、分散型への移行が始まったプラットフォームで管理運営される銀行サービス、そしてステーキングサービスがスタートしたのです。
今回カルダノのブロックチェーンが分散型へ移行したことにより、誰もがアプリを使って銀行サービスそのもを手に入れることが可能になりました。
2021年4月1日にカルダノは100%コミュニティによるブロック生成を達成し、分散型へ移行し、誰にも止めることも改竄することのできない分散台帳システムが完成しました。今後P2Pネットワークの分散化、ガバナンスの分散化、スマートコントラクトの搭載により高度なサービスやプロジェクトが、カルダノプラットフォーム上から誕生してくるでしょう。
カルダノとは?
カルダノは、すべての人のために世界をより良くするために開発された、チェンジメーカー、イノベーター、ビジョナリーのためのブロックチェーンプラットフォームです。
カルダノ財団公式サイトより
カルダノは、少数の人だけでなく、多くの人にも可能性を生み出し、世界にポジティブな変化をもたらすために必要なツールとテクノロジーを備えています。
カルダノは、プルーフ・オブ・ステークスのブロックチェーン・プラットフォームで、科学論文でピアレビューされた研究に基づいて設立され、証拠に基づいて開発された最初のものです。
カルダノは、グローバルシステムに信頼を回復し、個人の取引と交流、システムの統治、企業の成長のために、より安全で透明性の高い、持続可能な基盤を科学的に創造します。
また、オープンで包括的なテクノロジーの新基準をもたらし、古いものに挑戦し、持続可能で世界に分散したイノベーションの新時代を活性化します。
カルダノはパブリックブロックチェーンであり、世界のデジタルインフラとして次のことを実現しようとしています。
- 世界の10億人が利用する金融インフラになる。
- 経済的アイデンティティのない人々に分散型IDを提供し、権利と自由市場に基づいた経済活動を保障します。
- 仲介者のいない完全に自律分散化された、安全で、透明性があり、公正なP2Pの取引を可能にします。
カルダノについての詳細は「カルダノとは?」をご覧ください。
2021年はカルダノにとって大きな飛躍の年
カルダノはロードマップに従い現在カルダノ1.0がまさに完成しつつあります。このことの意味は、完全に分散化されたADAという暗号通貨を提供し、スマートコントラクトによって、多くの金融商品や事業インフラ、デジタルIDを提供し、ガバナンスにより分散化された全く新しい、かつ持続可能な流動性民主主義を提供しようとしています。
また、更なるスケーリングにより世界のデジタルインフラとして確固たる地位を築き、ビットコインのUTXOを拡張し、スマートコントラクトプラットフォームとしてイーサリアム、その他のパブリックブロックチェーンとの相互運用性を確保しつつ、開発当初より計画されたていた第3世代のブロックチェーンの立ち位置を明確にするでしょう。
またこれはこれまでのブロックチェーンをさらに発展させる意味合いを持ち、2021年中には世界のデジテルインフラとしての立ち位置を獲得するものと思われます。
また、さらに5年後、10年後、20年後、30年後、更には100年後と持続可能なガバナンスシステムにより、その時代の課題に対応したカルダノ2.0、3.0……へとアップグレードしていくことになるでしょう。
DeFiおよびステーキングとは?
Defiとは分散型金融サービスのことで、お金を貸したり借りたり、銀行そのもののサービスを分散化により自動化したものです。
カルダノの分散台帳によるステーキングサービスとは、カルダノが発行するADAを保有し、ブロック作成に直接もしくは間接的に委任して参加することで「報酬」を得られるサービスです。
カルダノが発行するADAの保有者はソフトウェアを利用し、銀行が行う通貨発行や決済手数料、入金、出金などのあらゆる金融サービスを利用でき、プールオペレーターを選んで委任することで、利息のように報酬を獲得できる。これがステーキングサービスです。
これまでは第三者としての仲介業者である特定の銀行が独占していたビジネスや利益が、分散化により、直接利用者へ還元されるということになります。
これはADAが発行上限に達するまで続き、その間に全てのカルダノ上でのトランザクションをブロックに刻むことで発生する手数料がステーキングにより還元されていきます。
カルダノのプライヤーにはステークオペレーターというノード管理者とADAを保有し利用するユーザーが存在し、相互が協力し分散化されたシステムをサポートしてシステムを維持に貢献します。
これこそが、中央集権システムとは真逆の分散型システムによる金融サービスであり、人々は、これまでの中央集権的システムの他に、もう一つの選択肢を得たことになります。
今後世界中の人が現金、デジタル通貨、暗号通貨・資産を使い分けながら経済活動をすることになるでしょう。
カルダノのステーキングの魅力とは?
カルダノステーキングの魅力をまとめますと
- ステーキングすることで、カルダノブロックチェーンのネットワーク、セキュリティ、分散化が強化され、その対価として報酬がもらえる。
- ステーキング中にADAをロックされることもなく、いつでも出し入れ自由。ステーキングしていても、パスフレーズさえ管理していればADAが決して失われることはない。
- 大きなプールも小さなプールも同じくらいの報酬率であり(あくまでもブロックを生成できているプールということが前提)、うまくステーキングを分散させることで、強固な分散化による、より豊かで多様なコミュニティの繁栄が形成でき、その価値がダイナミックにそれぞれのユーザーに還元される。
ただADAの量が増えるだけではなく、ステーキングによってそれ以上の価値を産むことがわかります。これこそがカルダノのステーキングの魅力です。
ステーキングの方法
ここではカルダノのステーキング方法を大まかに説明します。
具体的なソフトウェアの使い方はこちらの記事「Shelleyメインネット用ダイダロスマニュアル」を参照してください。
https://sipo.tokyo/?p=183
まず、カルダノのADAを保有します。ADAは取引所から購入可能です。
そしてADAをダイダロスかヨロイというカルダノ専用のウオレットへ移動します。
そして自分が気に入ったステークオペレーター(ブロック作成者)を選択して委任します。
これだけです。
ここで重要なのは保有しているADAはどこかへ預けたり移動することはありません。
全ての預金データや取引データーはブロックチェーンに保存されているので、オペレータもADA保有者も、ブロックチェーンの分散台帳をもとにステーキングの取引が行われます。
なので絶対にADA保有者はADAを失うことはありません。またステーキングの途中でも、ADAを送金、入金も可能でロックされることもありません。これはすごいことですね。
具体的なステーキングの方法は、「ダイダロスマニュアル」、「ヨロイクロームブラウザ拡張版マニュアル」をご覧ください。
ステークプールオペレーターとは?
分散台帳は誰が管理しているかというと、ステークオペレータとステーキングに委任者として参加するADA保有者です。オペレータはサーバー管理運営の知識があれば誰でもなることができます。*ビジネスとして成立させるにはまた別のスキルが必要。
分散台帳の運営者や管理者は存在せず、多くのステークオペレーターと委任者により分散して管理されており、ADA保有者もADAを利用することで、その分散台帳の管理と運営に参加している一つのエコシステムになっているのです。
これが仲介者や第三者のいない管理運営であり、文字通り分散型システムです。スマートコントラクトプログラムにより、ユーザーの取引はウォレットの操作によるプラグラムの実行により全て自動化されます。
いかがでしたでしょうか?とても大まかに分散型ブロックチェーンを利用した次世代の金融サービスをご紹介しましたが、分散型ブロックチェーンには金融システム以外にスマートコントラクトや、インターネットコンピューティングにより、dApps、ストレージ、IOT、AIなど多くのことが実行可能です。まだ始まりに過ぎないですが、これにより価値の交換としてのインターネット2、またはWEB3の時代へ向かっているのです。
この辺についてはまたの機会に投稿したいと考えています。
最後に、筆者が最も感動したチャールズホスキンソンさんによるホワイトボードでのカルダノブロックチェーンプレゼン動画をご紹介します。日本語の字幕付きです。この動画はカルダノロードマップの中程にあります。今、これがほぼ実現の段階にあるということが驚きです。
https://roadmap.cardano.org/ja/
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