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エポックな日々

Dijkstra の試験網が開通、国庫へ初の返却11.5万ADA、PRIME が9チーム選定:エポックな日々663

2026-10-27SIPO

エポック663(2026年10月22日〜10月27日)

序章:誰でも数え直せる形に、していました

日本時間10月27日6時44分、エポック663が終わりました。

この5日間、Cardano では大きな決定よりも、「あとから誰でも確かめられる形」を作る動きが続きました。

  • Intersect は10月23日、次のハードフォーク Dijkstra を試す公開テストネットを開き、ステークプール運営者(SPO)の参加の受付を始めました。メインネットより先に、SPO が自分のノードで移行を通しで試せる場所です。
  • Intersect は、2025年度の予算を預かるスマートコントラクトから、使われなかった115,172 ADA を国庫へ戻したと公表しました。国庫からお金を出す道に加えて、戻す道がメインネットで初めて動いたことになります。
  • 国庫の使い道を区分ごとに決め、区分ごとの残りを誰でも検算できるようにする憲法の改正案 CAP-3 の第4版が示されました。
  • DRep の投票力の偏りを、SPO の BKIND が集計し、SIPO.TOKYO も Koios で数え直しました。上位19の DRep で、国庫引き出しの可決に必要な67%に届きます。Cardano の分散の度合いを毎日チェーンに記録する verifycardano.com も公開されました。
  • Cardano の DeFi に資金を出す Cardano PRIME は、最初の支援先9チームを名前つきで発表しました。

テストネットは「試して確かめる」場所、返却の取引は「戻ったことを確かめる」記録、CAP-3 は「残りを検算できる」計画、verifycardano.com は「数字を自分で照合できる」記録です。インドの警察の証拠をハッシュ値で Cardano に刻む PFMS の提案も、法廷で検察と弁護の双方が同じ照合結果を受け取る仕組みでした。軸は「誰でも数え直せる形に、していました」です。

市場は、ADA が5日間で大きく下げました。12指標の日次の記録で$0.22895から$0.20466へ−10.61%です。10月23日の1日で−7.35%を記録しています。第7章で並べます。

第1章:エポック663の5日間を俯瞰する

まず、この5日間に何が起きたのかを領域ごとに並べます。この章だけで期間の全体像がつかめることを目的にしています。日付は日本時間です。

ガバナンス

日付出来事一次ソース
10月22日Cardano 財団が、Trivolve Tech の960万 ADA の国庫引き出し(PFMS)で資金の管理者を務め、可決されればマイルストーンごとに資金を出すと告知Cardano Foundation
10月23日CoinDesk が、₳2,200万の銅準備金の提案を報道。提案者 Toto の受け取りは最大で請求額の約15%、全額を取り戻すには銅が約49.4%上がる必要があるとするCoinDesk
10月24日Intersect が、2025年度の準備金コントラクトの SweepTreasury を初めて使い、115,172 ADA を国庫へ戻したと公表Intersect
10月24日Intersect の週報 #134 で、国庫の上限に使い道の区分ごとの配分を加える CAP-3 の第4版が示される。採択の閾値は67%Intersect
10月24日BKIND が、有効な DRep 294のうち上位20で国庫引き出しの可決に必要な3分の2に届くとする集計を公表BKIND
10月25日Cardano の分散の度合いを算出方法つきで公開し、毎日メインネットに記録する verifycardano.com が公開。ナカモト係数はプール単位157、運営者単位60verifycardano.com
10月26日DRep Talk 1.8 で、7種類すべてのガバナンスアクションをメインネットで組み立てて提出できるようにDRep Talk
10月26日Cardano 財団が、ウッタル・プラデーシュ州の警察が事件の証拠の記録を Cardano に残している事例研究を公開Cardano Foundation

開発・スケーリング

日付出来事一次ソース
10月22日IOG が、2025年の Glacier Drop の請求24,576件を Hydra v2 で再実行。1件の確定は9.9秒から4.4秒へ、1秒あたりの確定は42件から79件へIOG
10月22日TxPipe が、秘密鍵を誰でも導ける eMudhra の中間 CA を信頼しない修正版を、Dolos・Oura・Balius・Boros で公開TxPipe
10月22日作り直した Cexplorer がメインネットで公開。取引のページに平易な要約と資産の流れの図Cexplorer
10月23日Cardanoscan が、承認待ちの取引と混み具合をその場で見せる「Pending Transactions」を公開Cardanoscan
10月23日CIP-23 の実効の固定費と最低マージンを報酬の計算に使う cardano-ledger の PR #6197 がマージされるGitHub
10月23日Intersect が Dijkstra の公開テストネットを開き、SPO の参加の受付を開始。node 11.1.3・プロトコルバージョン11から始め、エポックは1日Intersect
10月23日IOG の開発週報。Praos に Leios を重ねた Praos2 が本線に入り、Plutus の新しい組み込み関数5つが Dijkstra に結びつくEssential Cardano
10月24日Daedalus 11.6.0。Mithril の部分同期で欠けたチェーンのデータを見つけて作り直せるようにGitHub
10月25日Go 言語のノード Dingo が v0.88.0 で Dijkstra のテストネットに対応。BLS 投票鍵の重複を拒否し、Leios のダッシュボードを追加GitHub
10月26日Leios のリリース候補 rc-2026w43 が公開GitHub

Midnight・パートナー

日付出来事一次ソース
10月22日Fireblocks 傘下の Dynamic が、メールやソーシャルログインで作る組み込み型ウォレットで Midnight に対応Midnight
10月22日ホスキンソン氏が「Midnight へようこそ、Tron」と投稿。10月24日には Sig Network が「TRON と Midnight を12月に」と予告Sig Network
10月22日Midnight Foundation が、レオポルド・ロペス氏の映像シリーズ『Freedom Fighters』全4話を公開。翌日に Midnight Japan が日本語訳Midnight
10月23日CertiK のニューヨークの催しで、Midnight の担当者が機関向けのコンプライアンスを議論。CertiK の配信では、誰でもアプリを置ける形への移行を説明Midnight
10月25日Gero が、NIGHT と cNIGHT を登録してウォレットの中で DUST を補充する手順を動画で公開Gero
10月27日Midnight が、TOKEN2049 で秘密を守りながら結果を確かめられる投票を動かした ShadowLabz を紹介Midnight
10月27日NuFi が Zcash に対応。対応は公開のアドレス(t-address)の取引だけで、秘匿の取引はまだNuFi

DeFi・アプリ

日付出来事一次ソース
10月22日Strike Finance が、2段目の紹介者の手数料の12%を最初の紹介者に払う「Viral Growth Engine」を開始Strike Finance
10月23日Liqwid で、ステーブルコインを貸す側の利回りが USDCx で年30.05%、貸し出された割合は99%Liqwid
10月24日Cardano PRIME が最初の支援先9チームを発表。Liqwid V3、Indigo の CDP の改修、SundaeSwap v4 の新機能、EVM とのブリッジ、債券の市場、監査の2社Cardano PRIME
10月25日Strike の上の RealFi USD が30万ドル近くに。Strike の流動性ボールトは110万ドルに近づくStrike Finance
10月26日RealFi が、今のエポックの年利を12.20%と報告(10月26日の集計)IOG
10月26日Minswap が、Dano Finance の取引の表示と、最長365日分の注文の履歴の CSV の書き出しを追加Minswap
10月27日Liqwid の週の集計で、預け入れは5.64%減の2,123万ドル。ADA の値下がりによるもので、資金の流出ではないと説明Liqwid

組織・資金・イベント

日付出来事一次ソース
10月22日Cardano Academy が、UNIC の無料のオンライン講座で Cardano の基礎と eUTxO の回を受け持つと発表。申し込みは11月2日までCardano Foundation
10月23日Cardano 財団が、TOKEN2049 シンガポールで30以上のプロジェクトとブースを出した様子を公開Cardano Foundation
10月23日Blink Labs が第3四半期の報告。25のリポジトリで162のリリースBlink Labs
10月24日BBHMM が、Blockfrost の SPO 参加の仕組み Icebreaker の終了に伴い、運用してきた #63 を停止BBHMM
10月25日ハードウェアウォレットの Keystone が、公式サイトへの不正アクセスで購入者の配送の情報が第三者に渡ったと公表Keystone
10月25日Intersect の週報で、ノードの多様性のワークショップを11月12〜13日にロンドンで開くと告知。主催は Amaru のチームIntersect

市場

日付出来事一次ソース
10月22日12指標の記録で ADA が+2.58%の$0.22895。期間の記録での最高本記事 第7章(12指標の日次記録)
10月23日12指標の記録で ADA が−7.35%の$0.21168。地合いは「暗号資産主導のリスクオフ」本記事 第7章(12指標の日次記録)
10月26日12指標の記録で ADA が$0.20466。期間の記録での最安本記事 第7章(12指標の日次記録)

この5日間でいちばん重かったのは、開発でした。前号では Leios をメインネットに入れる手順が書き出されましたが、今回は Dijkstra そのものを SPO が試せる公開テストネットが開き、Plutus の新しい関数や最低マージンの計算が Dijkstra に結びつきました。第2章で扱います。

ガバナンスでは、国庫に「戻す」道が初めて使われ、使い道を区分で決める CAP-3 が形になりました。国庫の3件の引き出し案の票とあわせて第3章で扱います。投票力の偏りを数え直す動きと、分散の度合いを照合できる記録の公開は第4章です。DeFi では Cardano PRIME の最初の9チームが決まり、ドル建ての貸し借りの利回りが高い水準にあります。第5章です。取引を読みやすくする画面と、鍵を守る手順の更新、そして Midnight の新しい入口は第6章で扱います。

第2章:Dijkstra の試験場が、開きました

SPO が自分のノードで試せる場所

10月23日15時過ぎ、Intersect は次のハードフォーク Dijkstra に向けた公開テストネットが使えるようになったと発表し、SPO の参加の受付を始めました。前号で Intersect の週報が予告していた「公開の DijkstraNet」です。

Intersect が示した段取りは5つです。

  • node 11.1.3 で、プロトコルバージョン11(Conway)のまま動かす
  • node 11.2 のプレリリース
  • ハードフォークを始めるガバナンスアクション(Hard Fork Initiation)
  • node 11.2 で、プロトコルバージョン12(Dijkstra)へハードフォーク
  • Leios を除いた Dijkstra の機能一式で、統合とテスト

いまは最初の段です。エポックは1日で、メインネットの5日より速く回ります。運用手順書の Dijkstra のページは、バージョン11にいるのは「短い期間」で、node 11.2.0 のプレリリースでネットワークの設定を出し直し、その後すぐにバージョン12へのハードフォークが続くと書いています。設定ファイル、テスト用の tADA の配布、エクスプローラーも同時に公開されました。

メインネットのハードフォークでは、SPO はノードを更新したうえで、ハードフォークに投票します。前号で見たとおり、Dijkstra の承認には DRep のステークの60%、SPO のステークの51%、憲法委員会の3分の2が要ります。テストネットでは、その更新と移行を、自分の機材で先に通しておけます。投票する側が、投票の前に中身を手元で確かめられる順番になりました。

「将来」から「Dijkstra」へ、行き先が決まったもの

同じ週、Dijkstra に入るものが一つずつ具体になりました。

Plutus では、配列から複数の要素をまとめて取り出す multiIndexArray(CIP-0156)と、トークンの集まり(Value)を扱う policies・assetCount・keepPolicies・dropPolicies(CIP-0168)の5つの組み込み関数が、これまでの「将来のプロトコルバージョン」から Dijkstra に結びつけられました。変更は GitHub の plutus リポジトリの PR #8006 で、Plutus V1 から V4 までのすべての言語版に入っています。10月23日の IOG の開発週報が伝えました。オンチェーンで使えるのは、Dijkstra のハードフォークが起きてからです。

同じ週報によると、Praos に Leios を重ねた Praos2 が本線に取り込まれています。10月26日には Leios のリリース候補 rc-2026w43 も出ました。

前号で追った CIP-23(最低プールマージン)も進みました。報酬の計算で、プールが登録した固定費と minPoolCost の大きい方、マージンと minPoolMargin の大きい方を使うように変える cardano-ledger の PR #6197 が、10月23日(UTC)にマージされました。プロトコルのメジャーバージョンが12以上のときに効く作りです。最低マージンをいくつにするかは、本稿の時点で確認できていません。値はパラメーターとして、別に決めることになります。

Haskell 以外のノードも、試験場へ

テストネットが開いた2日後の10月25日、Blink Labs は Go 言語のノード Dingo の v0.88.0 を公開しました。Dijkstra のテストネットへの接続の設定が入り、ネットワーク識別番号(network magic)は6です。

この版には、Leios を見据えた変更もまとまって入りました。別のプールがすでに使っている BLS 投票用の公開鍵を受け付けない仕組みと、委員会の規模や受け取った票の数、自分のプールの票が投じられなかった理由まで見られる Leios 用のダッシュボードです。前号で見たとおり、Leios では SPO が BLS 鍵を登録して投票に加わります。その鍵の扱いを、参照実装とは別のノードでも確かめられるようになります。

Blink Labs は10月23日の第3四半期の報告で、9月15日に Star Forge のプールが Dingo でメインネットの最初のブロックを作ったことも記録しています。前号の GMBL は2例目でした。一方で Blink Labs は SIPO.TOKYO の問いに、外部のセキュリティ監査が終わるまでは「メインネットでのブロック生成」には使わないよう言い続けると答えています。試験場の広がりと、本番の慎重さが並んでいます。

Hydra は、去年の本番を走らせ直しました

レイヤー2の Hydra では、IOG が10月22日、2025年の Midnight のトークン配布「Glacier Drop」の請求24,576件を、今の版で走らせ直した結果を公表しました。1件の請求が確定するまでの時間は9.9秒から4.4秒に縮み、1秒あたりに確定できる請求は42件から79件に増えています。本物のスクリプトと署名を載せた請求で測った数字です。

2025年10月には、5つの組織が10台のノードで1つの Hydra ヘッドを動かし、9日間で35億 NIGHT を処理しました。IOG は、そのとき本番で見つかった深刻な不具合が2つあったこと、ノード間の設定を手で突き合わせるのに6人が1週間かけた時期があったことも書いています。新しい版はヘッドを開く手順を短くし、開いたままの出し入れもできるようにしました。10月22日には Hydra 2.4.2 も出ています。去年の本番の記録を、そのまま今年の物差しに使った形です。

cardano-node 11.2 は、エポック663の終わりの時点でもまだ公開されていません。GitHub の最新の正式版は、9月29日の 11.1.3 のままです。公開テストネットの次の段は、この 11.2 のプレリリースから始まります。

第3章:国庫の残り枠と、戻ってきた11.5万 ADA

3つの引き出し案の票

国庫から引き出せる額の上限5億 ADA のうち、10月19日の時点の残りは42,604,371 ADA でした。この枠の中で、エポック663の終わりにも3つの国庫引き出しが投票中です。Koios の集計(10月26日22時 UTC)でも、提案中の議案は3件のままです。AdaStat の値で、DRep の側を並べます。国庫引き出しに SPO の投票はありません。

DRep の投票力Cardano Strategic Copper Reserve(₳2,200万)AURORA(₳94万)PFMS(₳960万)
賛成3票・約1,611万ADA(0.32%)10票・約7,981万ADA(1.62%)16票・約2億4,459万ADA(4.70%)
明示的な反対63票・約14億3,224万ADA28票・約11億5,547万ADA8票・約1億1,804万ADA
No Confidence約1億3,169万ADA約1億3,169万ADA約1億3,169万ADA
未投票約34億9,302万ADA約35億6,259万ADA約47億1,238万ADA
棄権(分母外)3票・約1億3,640万ADA7票・約2億8,166万ADA3票・約451万ADA
批准の分母約50億7,306万ADA約49億2,955万ADA約52億670万ADA
憲法委員会反対2・未投票5反対2・未投票5賛成1・未投票6
期限エポック668エポック669エポック669

可決には、どれも DRep の賛成67%と憲法委員会の承認が必要です。3件とも、賛成は分母の数%にとどまっています。

銅準備金(gov_action1dmwlfuwm45r0x2d2d96r2kwyjv9hk6ylzmq8xpsay2xecesn6xwqqdlv55z)は、明示的な反対が前号の46票・約13億659万ADA から63票・約14億3,224万ADAに増え、分母の約28.2%になりました。憲法委員会の反対は1人から2人になり、残る5人は未投票です。

AURORA(gov_action1znt2fr0chyye50nj0cdld2dvdjg3xsdfvq0fr37n43uehlvfkqdsqjnuq3n)は、賛成が前号の4票・約1,910万ADA から10票・約7,981万ADAに、明示的な反対が16票・約10億24万ADA から28票・約11億5,547万ADAになりました。委員会は反対2・未投票5です。

PFMS(gov_action1wfy3vzxurfgq6wrpxg2qdx3t6wm7ng8xwr26h47kxa8xhd20cr5qqz0wzfc)は、前号の時点では AdaStat に提案の名前がまだ表示されていませんでしたが、いまは「PFMS: Bringing Government Scale Adoption to Cardano by Trivolve Tech」と表示され、提案書も GitHub で読めます。賛成は前号の3票・約5,270万ADA から16票・約2億4,459万ADAに増え、3件の中でいちばん多くの賛成を集めています。明示的な反対は0票から8票・約1億1,804万ADAです。それでも、分母の約90.5%はまだ未投票です。DRep の Padierfind 氏は投稿で、Trivolve Tech を全面的に信頼しており、この提案は引き出す額より多くの ADA を国庫に戻すと考えて賛成したと書いています。

3件とも、可決の基準の67%からは遠い位置にあります。第4章で見るとおり、DRep の投票力は上位に集まっています。大口の DRep が未投票のままか、どちらかに動くかで、この表は大きく変わります。

警察の証拠を、ハッシュ値で刻む

PFMS(Police Force Management System)は、事件の前の証拠集め・捜査・証拠の保管庫・訴追・法廷の5つの段階をまたいで、警察の記録を一本の「証拠の鎖」にする仕組みです。提案書によると、現場の端末が記録を作ると同時にハッシュ値を取り、どの機器が、どの警察官の当番中に作ったかを署名で結びつけます。ハッシュ値はまとめてマークルルートにされ、件数とともにメインネットのスマートコントラクトに書き込まれます。Cardano に載るのはハッシュ値だけで、映像や個人の情報は警察の既存のシステムから出ません。

あとで証拠が法廷に出たとき、検証の仕組みがハッシュ値を計算し直してオンチェーンの記録と照らし合わせ、検察と弁護の双方が同じ確認結果を受け取る設計です。最初の導入先はテランガナ州で、約3,500の施設、181万台の機器、11万3,000人の要員、320万点の証拠品をつなぐとしています。

土台になる仕組みは、すでに動いています。Cardano 財団は10月26日、インドで最も人口の多いウッタル・プラデーシュ州の警察が、捜査中の事件の証拠のスキャンと鑑識の結果をハッシュ値で Cardano に記録しているとする事例研究を公開しました。Trivolve Tech の鑑識管理システム FMS です。Cardano 財団は PFMS の引き出しで資金の管理者を務め、可決されればマイルストーンごとに資金を出すとしています。DRep にとっては、「何ができるか」ではなく「すでに何が動いているか」を見て判断できる、数少ない提案です。

銅の準備金は、銅の値段に賭ける形

銅準備金は、国庫から2,200万 ADA を引き出して米国の倉庫の銅を買い、一定期間持ってから売って国庫へ戻すという提案です。CoinDesk は10月23日、この提案の中身を報じました。提案者の Toto の受け取りは最大で請求額の約15%、国庫が全額を取り戻すには銅が約49.4%上がる必要がある、という整理です。

Cardano の公式アカウントは、保管・検証・売却までの時間・市場のリスクの面からこの提案を検討する「Governance Hour #12」を、10月27日16時30分(UTC)に開くと告知しています。提案者の Toto Finance の CEO が出演します。エポック663の後の予定です。

出す道に、戻す道が加わりました

国庫の話で、この5日間にいちばん新しかったのは「戻す」記録です。Intersect は10月24日夜、2025年度の財務準備スマートコントラクト(TRSC)で SweepTreasury という機能をメインネットで初めて使い、115,172 ADA を Cardano の国庫へ戻したと公表しました。

返却は2本の取引に分かれています。1本目は日本時間10月21日0時53分に55,172 ADA、2本目は10月22日0時28分に60,000 ADA で、どちらもエポック662の取引です。資金の出どころのアドレスは、元の提案が引き出し先に指定したステークアドレスと結びついており、2025年度の受け皿から直接戻されたことがチェーンの上で確かめられます。戻ったのは、2025年度に Intersect の製品委員会の事業向けとして引き出された75万 ADA の一部で、元の額の約15%です。取引には、プロジェクトの識別子「ER-0004a-25」と、「Return funds」という1文の理由が付いています。

国庫から資金を出すには DRep の投票が要りますが、使われなかった資金が戻ったことを、誰でもチェーンで確かめられる道ができました。ただし前号で見たとおり、引き出しの上限が数えるのは引き出した額の総計で、国庫への入金は差し引かれません。今回の115,172 ADA も、残り枠の約4,260万 ADA を増やすものではないと読めます。

使い道を、区分で先に決める案

Intersect の10月24日の週報(#134)は、憲法の改正案 CAP-3 の第4版を紹介しました。今の引き出しの上限は「いくら出してよいか」の天井だけで、「何のためか」を決めていません。CAP-3 はその天井に、ネットワークの保守、研究開発、ガバナンス、コミュニティへの資金提供といった大きな区分ごとの配分を同じガバナンスアクションで加えます。

各引き出しは、メタデータにどの区分からいくら出すかを書き、総額と区分の配分の両方を超えてはいけません。区分ごとの残りは、その区分に計上された引き出しを足せば誰でも検算できます。守らせるのは、今と同じ憲法委員会です。使い残した区分を別の区分へ回すことはできず、配分を変えるには新しいアクションが要ります。期間の終わりに残った枠は、次の期間へ繰り越されません。

この版の要点は、上限の採択に有効な投票ステークの67%以上を求めるガードレール TREASURY-01d を独立させたことです。今の50%超より通しにくく、変えにくくなります。提案者はこれを意図したものとし、計画は縛る支出と少なくとも同じくらい変えにくくあるべきだと説明しています。一方で、総額と配分を一度に合意できなければ何も成立しない設計は、オンチェーンに出す前の議論で合意を作り切ることを前提にしています。編集者が公開の場で読み合わせる CAP Review は、10月29日15時(UTC)に予定されています。対象には CAP-12 の第4版も入っています。

残り約4,260万 ADA を3件が分け合う今、次の期間の上限をどう決めるかは、早めに考え始める必要のある問いになっています。

第4章:投票力を、数え直しました

上位19の DRep で67.9%

10月24日、ステークプールを運営する BKIND が、エポック663の時点のステークと DRep の集中を自前の集計で示しました。294ある有効な DRep のうち、上位20だけで国庫引き出しの可決に必要な3分の2の投票力に届き、上位5が組めば引き出しを止められる、という内容です。

SIPO.TOKYO は10月25日の Koios のデータで数え直しました。「有効」とされる DRep は298で、委任された投票力が0より大きいものは294。BKIND の数と一致します。この294の投票力の合計は約51.5億 ADA です(既定の選択肢の「常に棄権」「常に不信任」は含みません)。大きい順に足し上げると、上位5で35.3%、上位19で67.9%、上位20で69.2%でした。可決の基準の67%には、この数え方では上位19で届きます。

ただし、実際の可決の判定の分母はこれと同じではありません。分母には「常に不信任」に委任された分が入り、未投票の DRep の分は反対と同じ側に数えられます。第3章の3件で、未投票が分母の大半を占めているのはそのためです。「上位の数者だけで決まる」というより、「上位の数者が動かなければ決まらない」と読むほうが、いまの票の姿に近い数字です。

BKIND は、上位の DRep の多くがステークプールの運営者でもあることも指摘しています。ADA には、プールへの委任と DRep への委任という2つの票があります。同じ大口の運営者がプールと DRep の両方を持てば、1人の委任者の ADA が両方の票で同じ側の重みになる、という問題提起です。プールや DRep を同じ持ち主にまとめる判定は BKIND 独自のもので、SIPO.TOKYO では数え直していません。

分散の度合いを、毎日チェーンに書く

同じ週に、数え方そのものを公開する記録も始まりました。Intersect の理事の Adam Rusch 氏が、Intersect の支援とイリノイ大学の学生研究者の分析を得て作った「Cardano Regulatory Evidence Portal」(verifycardano.com)です。運営・経済・投票の支配がどこまで分散しているかを算出方法つきで公開し、その日の値をまとめたマークルルートを毎日 Cardano のトランザクションに書き込みます。値のデータは IPFS に置き、検証用の道具を使えば、ポータルのサーバーを信じなくても照合できます。メインネットへの記録は10月18日に始まりました。

10月25日の算出では、登録済みの2,815プールを数えたナカモト係数はプール単位で157でした。ただしポータル自身が、プールの数は運営者の数ではないと強く注意しています。大きな運営者はステークを複数のプールに分けるからです。エディンバラ大学の分散化指数(EDI)が公開する「同じ運営者のプール」の対応表を当てはめると、運営者単位の値は60になります。オンチェーンの情報だけで運営者をまとめた値は139で、実際の値はこれより低いと明記されています。157と60のどちらが正しいかではなく、何を一単位と数えるかで答えが変わることを、両方の値で見せる作りです。

ガバナンスの側では、活動中の DRep は294で、閾値に数えられる投票力の過半数は少なくとも10の DRep が手を組めば握れる、という集中度が示されています。BKIND の集計と SIPO.TOKYO の数え直しと、同じ方向を指す数字です。

ポータルの第一の読者は規制当局です。前号で見た、ADA を「デジタル商品」とした SEC の分類の前提になった事実が、後日も成り立っているかを確かめられるようにすることを目的に掲げています。一方で、Cardano の規制上の地位を主張しないこと、法的な意見を出さないことも明記しています。メインネットでの記録が60日分続くまでは「立ち上げ完了」とは示さないと約束しており、60日目は12月中旬です。SPO の投票の参加率など5つの指標は、まだ公開されていません。

議案を出す手間は、一つの画面へ

数える側だけでなく、出す側の道具も変わりました。ガバナンスの情報サイト DRep Talk は10月26日、1.8 で7種類すべてのガバナンスアクション(情報アクション、不信任動議、ハードフォークの開始、新しい憲法、憲法委員会の更新、国庫からの引き出し、パラメーターの変更)を、メインネットで組み立てて提出できるようにしました。提案書のメタデータは DRep Talk が IPFS に固定するため、提出する人が自分でファイルを置く場所を用意する必要がなくなります。

技術の敷居は下がりましたが、メインネットで議案を出すには100,000 ADA の預け入れが今も必要です。出しやすさと、数え直しやすさ。どちらも、少数の人だけが扱えた作業を、より多くの人の手の届く場所へ移す動きでした。

第5章:Cardano PRIME の9チームと、ドルの利回り

「誰に何を作らせるか」が名前つきに

Cardano の DeFi に資金を出すプログラム Cardano PRIME は、10月24日朝、最初の資金提供先となる9チームを発表しました。9月の監査で現状を測り、10月中旬に締め切った提案の募集(RFP)を経て、初めて名前が並んだことになります。PRIME はこの顔ぶれを、Cardano の DeFi で「いちばん大きな穴」を埋めるための選定だと説明しています。

  • Sundae Labs(SundaeSwap):新しい Sundae v4 のスマートコントラクトの上に作る、市場の中核の機能群
  • Liqwid:Liqwid V3。キュレーター向けの道具と公開の SDK を備えた分離型の貸し借りの市場で、誰でも自分の貸し出し用のボールトを立ち上げて運営できるようにする
  • Indigo:合成資産の CDP の改修一式。マルチシグでの所有、権限の委任、債務の再配分、担保にできる資産の拡大
  • Steer:3件の助成。SundaeSwap V4 の流動性のポジションを自動で管理するボールト、Cardano 向けのトークン化ボールトの規格など
  • VIA Labs:AnyToAny。主要な EVM のチェーンや取引所から Cardano へ、また逆向きに、ブリッジ・交換・経路の探索をひと続きで行う
  • ReBond:固定のリターンの債券のマーケットプレイス。メインネットでの立ち上げに資金が付く
  • Dial:電話番号とウォレットをつなぐ通信と支払いの基盤
  • Midgard Labs:人が主導し AI が補助するスマートコントラクトの監査。新しく作るものをメインネットに出す前に監査する
  • TxPipe:監査の時間を一括で確保し、支援先がそれぞれ独立したセキュリティの審査を受けて出せるようにする

DEX、貸し借り、ブリッジ、ボールト、実物資産、そして監査。9チームのうち2つが監査に充てられているのが、この選定の特徴です。前号で見たとおり、Indigo は TxPipe が見つけた脆弱性を DAO の承認を経て直したばかりでした。資金を付けるだけでなく、出す前に確かめる手順まで一緒に買っています。SundaeSwap の Pi Lanningham 氏は、v4 の中心は柔軟さと組み合わせやすさで、PRIME が呼び込むプロジェクトと組み合わせられる DEX になると述べました。9チームが登壇する配信は、10月27日(米国東部時間)に予定されています。

ドルを貸す側に、高い利回り

Cardano の中のドル建ての資産は、高い利回りで回っています。Liqwid では10月23日、ステーブルコインを貸す側の年利が USDCx で30.05%、貸し出された割合は99%でした。wanUSDT は23.06%、USDA は22.67%、DJED は22.50%です。貸す側の利回りが高いのは、借りる需要に対して貸せるドルが足りていないことの表れでもあります。

RealFi は10月26日の集計で、今のエポックの年利を12.20%と報告し、IOG もこれを紹介しました。RealFi 自身は、リターンは変動し、保証されたものではないと添えています。前号で見たとおり、RealFi の公式ドキュメントは USDrf が銀行預金ではなく元本を失う可能性があるとし、米国・EU・英国・香港などでは使えないとしています。

前号で通り道ができた RealFi のドルは、Strike Finance の上で増えています。Strike は10月25日、RealFi USD が Strike の上で30万ドル近くになったと伝えました。前号の時点では sUSDrf を担保にした借入が119,199.94ドルで首位になったところでした。Strike の流動性ボールトは110万ドルに近づき、預け入れは今月約30%増えたとしています。紹介の報酬を2段目まで広げた「Viral Growth Engine」、60件を超える応募を集めたハッカソン、ほかの人の取引を自分の口座で写す Bolt Autopilot など、Strike の周りの動きは5日間を通して続きました。

ADA の下げと、ドルの側の数字

ただし、この5日間は ADA が大きく下げています。Liqwid の10月26日の週の集計では、預け入れの合計は5.64%減って2,123万ドルでした。Liqwid は、ADA が週に7.73%下げ、預けられた ADA のドル換算が5.11%減ったことによるもので、資金が出ていったわけではないと説明しています。ドル建てで並べる数字は、ADA の値段が下がるとそれだけで小さく見えます。逆にステーブルコインは ADA の値段に左右されないので、ドルの側の数字は、ADA の値動きとは別に読む必要があります。

取引の場所では、Minswap が10月26日、Dano Finance での取引を自分の取引の履歴に並べて表示し、最長365日分の注文の履歴を取引先ごとに絞り込んで CSV に書き出せるようにしました。DefiLlama の集計(10月27日1時23分に取得)では、直近7日の Cardano の DEX の取引高は約663万ドルで、Minswap が約242万ドル、Dano Finance が約221万ドル。2つで全体の約7割になります。Minswap は次の対象に SundaeSwap V4 を予告しています。

第6章:取引を読む画面と、鍵を守る手順

エクスプローラーが、取引を文章で説明する

Cardano の取引は、使う前の残高(入力)を消して新しい残高(出力)を作る形で記録されます。1回の送金でも入力と出力が並び、自分あてのおつりも含まれるため、「結局いくら、誰から誰へ動いたのか」を読むには慣れが要りました。

Cexplorer は10月22日19時49分、画面を土台から作り直した新版をメインネットで公開しました。取引の詳細のページの先頭で、取引の種類を平易な言葉で示し、誰から誰へ何が動いたかを簡単な流れの図で見せます。Cexplorer は「新しいデザインは最初の一歩にすぎない」としています。Cardanoscan は10月23日、まだブロックに入っていない取引を一覧できる「Pending Transactions」を公開しました。ネットワークの混み具合、承認までの待ち時間の目安、次のブロックにどこまで詰められるかを、サイズ・メモリ・ステップの3つの物差しで見せます。10月26日には、プロトコルのパラメーターの履歴をエポックごとに比べられる表示も加えました。

フルノードのウォレット Daedalus は10月24日、11.6.0 を公開しました。11.5.0 より前の版で Mithril の部分同期を行ったときに残った、チェーンのデータの欠けを見つけ、検証済みの完全なデータから作り直せるようにした保守のリリースです。作り直しは利用者が確かめてから始まり、ウォレットの情報はパソコンにそのまま残ります。開発を担う Se7en Labs は、すべての利用者に更新を勧めています。

取引の中身も、手元のデータの欠けも、「確かめる」ための画面が利用者の側へ近づきました。

認証局と、ネットショップの事故

守りの面では、外側から来た2つの事故への対応がありました。

1つは認証局です。eMudhra の中間 CA 証明書8枚で、証明書そのものから秘密鍵を復元できてしまう状態が見つかりました。ブラウザは10月17日以降に順次ブロックしましたが、Mithril からの初期同期やクラウドへのデータの送り出しなどで外部と HTTPS でやり取りする道具は、ソフトウェアを更新しない限り直りません。TxPipe は10月22日夜、データノードの Dolos、イベントを取り込む Oura、dApp の基盤の Balius、Boros の4製品で、これらの中間 CA を信頼しない修正版を出しました。運用している人は、版を確かめておく必要があります。

もう1つは、ハードウェアウォレットの Keystone です。Keystone は10月25日2時59分、公式サイトへの不正アクセスで、購入者の氏名・連絡先・配送先の住所・注文の内容が第三者に渡ったと公表しました。10月20日に不正アクセスを検知し、23日に第三者が配送の情報を取得したことを確かめたとしています。クレジットカードや銀行の情報、リカバリーフレーズ、秘密鍵、ウォレットのパスワードは流出の対象外です。鍵そのものが守られていても、「誰がどの端末を買ったか」という周りの情報が、なりすましの連絡の入口になります。Keystone の担当者を名乗る連絡には、応じないことが基本です。

同じ週末の10月26日朝、VESPR はブラウザの拡張機能で Keystone と Ledger に対応したと告知しました。dApp の取引はすべて手元の端末での確認が必要で、Keystone はパソコンと端末のカメラで QR コードを読み合う方式です。ブラウザの手軽さのまま、鍵はネットから切り離した端末に置いておけます。事故の知らせと、鍵を手元に置く道具の更新が、同じ週末に並びました。

Midnight の入口が、増えています

Midnight では、使い始めるまでの手間を減らす動きが続きました。Fireblocks 傘下の Dynamic は、メールやソーシャルログインで作る組み込み型のウォレットに Midnight を加えました。利用者は拡張機能を別に入れなくても、秘匿された取引まで進めます。Gero は NIGHT と cNIGHT を登録してウォレットの中で DUST を補充する手順を動画で公開し、Cardano と Midnight で複数のアカウントを持てる 2.8 をまもなく出すと予告しました。

ほかのチェーンとのつながりでは、ホスキンソン氏が10月22日に「Midnight へようこそ、Tron」と投稿し、Sig Network は10月24日、「TRON と Midnight を12月に」と予告しました。前号で見た Nightmode を Sig Network と組んで作っていることと重なる動きですが、何が12月に始まるのかの中身は、まだ示されていません。

使い道の例も出ました。Midnight は10月27日、TOKEN2049 の場で、ゼロ知識証明で票を秘匿したまま結果を誰でも確かめられる投票を動かした ShadowLabz を紹介しています。秘密投票と、結果の検証のしやすさを両立させる試みです。Midnight の CTO のセバスチャン・ギユモ氏は、ここ数か月で形式検証への移行が進んでいると述べ、Midnight の担当者は CertiK の配信で、誰でもアプリを置ける形への移行を説明しました。10月22日には、ベネズエラの野党指導者レオポルド・ロペス氏を追った映像シリーズ『Freedom Fighters』全4話も公開されています。プライバシーを、自由が成り立つための土台として示す企画です。

中身を隠しながら、結果は確かめられるようにする。第4章の verifycardano.com や第3章の PFMS と、向きは同じです。

第7章:エポック663 市場指標・KPI分析

マクロ12指標(エポック663期間・10月22日〜10月26日の日次記録)

はじめに、記録の性質についてお断りしておきます。12指標は1日1回の記録です。以下の「最高」「最安」は記録上のものであって、日中の高値・安値ではありません。この期間の記録は、5日分すべてが Hyperliquid の先物(perp)の価格による同じ取得元です。株価の指標は S&P500 連動先物・米テック100 連動先物・日経225 連動先物です。10月27日朝の記録は、本シリーズの決まりで次のエポックの観測として扱うため含めていません。

この5日間の ADA は、初日に上げたあと、大きく下げました。

日次の記録で$0.22895(10月22日)→ $0.21168(10月23日)→ $0.21401(10月24日)→ $0.20606(10月25日)→ $0.20466(10月26日)。−10.61%です。期間の記録での最高は初日、最安は最終日でした。1日の動きが大きかったのは10月23日の−7.35%と、25日の−3.68%です。

エポック境界の確定値では、エポック662終了時の$0.228408からエポック663終了時の$0.205351へ、−10.09%。時価総額は$8.58bから$7.71bへ−10.08%です。ADA/JPY は¥36.1127から¥32.3394へ−10.45%、そのときの USD/JPY は158.11から157.48でした。境界の値は、最終日の記録(10月26日朝)の$0.20466を0.34%上回っています。日次の記録と境界の値は、どちらも1割前後の下げを示しています。

同じ取得元の記録で、ほかの銘柄を初日から最終日の変化の大きい順に並べると、TRX(−0.23%)、BNB(−1.42%)、XMR(−3.45%)、BTC(−5.17%)、XRP(−6.38%)、SOL(−6.39%)、ETH(−6.47%)、ATOM(−7.41%)、ALGO(−8.48%)、HBAR(−9.40%)、AVAX(−9.60%)、LINK(−9.83%)、ADA(−10.61%)、ZEC(−11.20%)、ICP(−11.22%)、DOT(−11.95%)、SUI(−12.07%)、FET(−12.45%)、NEAR(−15.37%)です。BTC は$84,781 → $80,398、ETH は$2,501.1 → $2,339.2 でした。ほぼすべての銘柄が下げた5日間で、ADA の下げは BTC や ETH より大きく、主要なアルトコインの中では中ほどからやや下の位置でした。SIPO はこの動きを特定の材料には帰しません。

$NIGHT は、5日間とも Cardano の DEX のオンチェーン価格による記録です。$0.042764(10月22日)→ $0.038537 → $0.039207 → $0.037511 → $0.036761(10月26日)で、−14.04%。期間の記録での最高は初日、最安は最終日です。ADA 建てでは0.186784 → 0.179621 ADA と−3.83%で、ドル建ての下げの大半は ADA の下げと重なっています。

地合いは、10月22日の記録が「リスクオン——BTC・ETH上昇」、23日が「暗号資産主導のリスクオフ——暗号資産・株式がともに下落、全面リスクオフ」、24日が「原油急騰(+4.1%)×株式軟調の警戒局面」、25日が「方向感薄い横ばい局面」、最終日が「リスクオン傾き——BTC・株式揃って上昇」でした。

株式は、S&P500 連動先物が7,753.5 → 7,642.3(−1.43%)、米テック100 連動先物が29,822 → 29,042(−2.62%)、日経225 連動先物が64,925 → 62,673(−3.47%)で、3つとも初日が期間の記録での最高でした。暗号資産関連株の COIN は177.90 → 164.22(−7.69%)で、10月25日の163.18が記録上の最安です。

原油は、WTI が$97.821 → $102.69(+4.98%)、ブレントが$106.06 → $110.75(+4.42%)と上げ、どちらも10月25日が記録上の最高でした。金は$4,139.0 → $4,005.3(−3.23%)で、10月25日の$3,991.3が記録上の最安です。為替は、EUR/USD が1.1236 → 1.1224でした。USD/JPY(ECB の参照レートからの計算)は10月21日の157.878から10月23日の156.803へ動いています。

米10年債利回りは、米財務省の値で10月21日の5.13%から10月23日の5.00%へ下がりました。日本国債は、10年が2.927%(10月20日時点)から2.914%(10月22日時点)、30年が3.992%から3.952%で、日米10年金利差は2.203から2.086へ縮んでいます。BTC のボラティリティの指標(BVIV)は39.05 → 40.444で、記録上の最高は10月25日の41.426でした。

Cardano オンチェーンKPI

行ごとに基準日と出典が違います。Koios はエポックの集計、Dune は取得した時点の最新の値です。ステーキング率は第9章の境界の値に一本化しています。

指標値基準日出典
取引件数(エポック663の5日間合計)126,711件(1日平均25,342件・前エポック156,063件)エポック663全体Koios
Treasury(エポック663終了時点)1,389,274,982 ADA(前エポック終了時点比 +3,602,917 ADA)10月26日21時44分(UTC)Koios
アクティブアドレス(最新日)10,04210月24日Dune
Script Tx比率(最新日)39.52%(同日の取引27,106件中)10月24日Dune
Nakamoto係数16110月26日取得Dune
ステーブルコイン総額$63.63M10月26日取得Dune

取引件数は、エポック662の156,063件から126,711件へ、約2割減りました。エポック659の158,011件や662の水準を下回っています。原因は断定しません。

アクティブアドレスと Script Tx比率は、前号の表の10月18日(日曜日)の値から10月24日(土曜日)の値に進みました。アクティブアドレスは10,440から10,042、Script Tx比率は38.40%から39.52%です。どちらも1日の値どうしの比較です。

Nakamoto係数は前号と同じ161です。第4章で見た verifycardano.com のプール単位の値157とは、集計の範囲と時点が違います。どちらも「プールを一単位」とした数え方で、運営者単位で数えると値が大きく下がることは、第4章のとおりです。

ステーブルコイン総額は、前号の表の$65.10M から$63.63M へ、−$1.47M です。内訳は、USDCx $43,054,112(前号$44,324,097・−$1,269,985)、USDM $13,325,124(前号$13,453,806・−$128,682)、USDA $3,929,095(−$100,000)、Djed USD $1,448,565(−$444)、iUSD $1,340,942(−$21,294)、USDC $350,679(+$51,602)。このほか USDT $107,922、MyUSD $68,571、DAI $7,984、PYUSD $199 が並びます。ステーブルコインはドル建てなので、この減少は ADA の下げとは別の動きです。いちばん大きいのは USDCx の約127万ドルの減少でした。RealFi の USDrf は、今号でも内訳に現れていません。第5章で見た Strike の上の RealFi USD 約30万ドルも、この表の範囲の外です。

ガバナンスアクションの集計は、Koios の取得時点(10月26日22時 UTC)で提案中3・批准81(うち発効81)・失効76・全161件で、前号と同じです。本文で追っている議案の状態(AdaStat)とは数え方の範囲が違いますので、突き合わせないでください。

SIPO DRep 活動

SIPO DRep の投票力は、2026年10月27日7時33分の確認時点で約₳104.63M です(Koios・登録済み・active・有効期限エポック680・委任者416名)。エポック662記事の時点では約₳93.77M・409名でしたから、量は+₳10.86M、委任者は7名増えています。委任者は13エポック連続の増加です。投票力の増え方は、委任者の増え方に比べて大きく、まとまった量の委任が加わったと読めます。委任者の事情を SIPO は知りません。

この5日間、SIPO DRep は新しい票を投じていません。銅準備金はエポック668、AURORA と PFMS はエポック669が期限です。それぞれの期限までに判断し、理由とともに記録します(第3章)。

取得した時点の値であり、エポック境界で固定した値ではありません。

第8章:エポック663 配信記事の紹介

エポック663の5日間に、SITIONグループの3アカウントから配信した記事のうち、暗号資産・ブロックチェーン関連を中心に抜粋して並べます。

日付媒体種別タイトルURL
10月22日SIPO.TOKYOエポックな日々Leios は3〜5倍から段階導入、最低マージンが Dijkstra 入り、SecondFi 返還1億ADA超記事
10月22日SIPO.TOKYOSignalPFMS、インド警察の証拠管理に960万 ADA のトレジャリー請求記事
10月22日SIPO.TOKYOSignalDingo、2 つ目のプール GMBL がメインネットでブロック生成記事
10月22日SIPO.TOKYOSignalFireblocks 傘下の Dynamic、組み込みウォレットで Midnight に対応記事
10月22日SIPO.TOKYOSignalIntersect の5ツール、Cardano の Builder Tools に掲載記事
10月22日SIPO.TOKYOSignalLiqwid、NIGHT 清算の不良債権を負った貸し手に補填へ記事
10月22日SIPO.TOKYOSignalSecondFi の資産回収、1 億 ADA 超と 2,200 万 NIGHT を送金記事
10月22日SIPO.TOKYOSignalMinswap、直近7日の取引高で Cardano の DEX 首位に記事
10月22日SIPO.TOKYOSignalSurf、数日中にレバレッジ機能を再開へ記事
10月23日SIPO.TOKYODaily IntelHydra v2、NIGHT 配布の再実行で処理1.9倍記事
10月23日SIPO.TOKYOSignalHydra v2、NIGHT 請求の確定時間を9.9秒から4.4秒に記事
10月23日SIPO.TOKYOSignalTxPipe、eMudhra 中間 CA を信頼しない修正版を4製品で公開記事
10月23日SIPO.TOKYOSignalMidnight、レオポルド・ロペス氏の映像シリーズ全4話を公開記事
10月23日SIPO.TOKYO速報Cardanoの公開Dijkstraテストネット、SPOのオンボーディング開始記事
10月24日SIPO.TOKYOSignalCardano の Dijkstra 公開テストネット、SPO の参加受付を開始記事
10月24日SIPO.TOKYOWeekly BriefWeekly Brief #29|Leios、Dijkstra で今の 3〜5 倍から段階導入記事
10月24日SIPO.TOKYOSignalCardano PRIME、最初の資金提供先9チームを発表記事
10月24日SIPO.TOKYOSignalPlutus の新しい組み込み関数5つ、Dijkstra で有効に記事
10月24日SIPO.TOKYOSignalDaedalus 11.6.0、部分同期で欠けたチェーンデータを再構築記事
10月24日SIPO.TOKYOSignalCardanoscan、メンプールをリアルタイムで見せる新ページ記事
10月25日SIPO.TOKYOSignalIntersect の準備金コントラクト、初の返却で 115,172 ADA記事
10月25日SIPO.TOKYOSignalCAP-3 第4版、トレジャリー引き出しに区分ごとの上限記事
10月25日SIPO.TOKYOSignalCardano の DRep 投票力、上位20で3分の2に記事
10月25日SIPO.TOKYOSignalDingo v0.88.0、Dijkstra テストネットに対応記事
10月25日SIPO.TOKYOマニュアルDaedalus マニュアル 2026 年版、Mithril 同期から委任とガバナンスまで記事
10月26日SIPO.TOKYOSignalCardano の分散度を検証できる verifycardano.com が公開記事
10月26日SIPO.TOKYOSignalDRep Talk 1.8、7 種類すべての議案をメインネットで提出可能に記事
10月26日SIPO.TOKYOSignalKeystone 公式サイトに不正アクセス、購入者の配送情報が流出記事
10月26日SIPO.TOKYOSignalCexplorer 新版、メインネットの取引ページに平易な要約記事
10月26日SIPO.TOKYOSignalVESPR のブラウザ版、Keystone と Ledger に対応記事
10月27日SIPO.TOKYOSignalウッタルプラデーシュ州警察、証拠の記録を Cardano に記事
10月27日SIPO.TOKYOSignalMinswap、Dano Finance の取引も履歴に表示記事

この5日間の SIPO.TOKYO は、Signal を中心に、毎朝の Daily Intel、週末の Weekly Brief、Dijkstra の公開テストネットや国庫への返却などの速報を配信しました。Lace と Daedalus の使い方をまとめた2026年版のマニュアルも3本公開しています。上の表に載せたほかにも、LiveMakers・LifeMakers の2媒体から市場・規制・AI・ライフスタイルの記事が出ています。LifeMakers の「星読み」は本表の対象外としています。

PFMS は、10月22日に提案の中身を、10月27日にウッタル・プラデーシュ州で動いている仕組みを、2本の Signal で続けて扱いました。提案と、その土台の実績を分けて読めるようにするためです。

第9章:エポック663 終了時点 ステーキング動向

3プール合計(エポック663:100%時点)

項目値前エポック比
ライブステーク115,770,517.68 ADA(115.77M)+2,348,706.57
有効ステーク113,421,811.11 ADA(113.42M)+1,566,056.43
委任者数2,124名+1
エポック生成ブロック129+8
累計生成ブロック48,286+129

プール別

プールライブステーク有効ステーク委任者エポックブロック累計ブロック
SIPO56,272,491.81(+2,319,492.13)53,952,999.68(+1,562,808.95)1,105(−1)60(+15)20,601
SIPO235,221,046.05(+19,834.73)35,201,211.32(−17,562.75)476(+1)38(−5)15,341
SIPO324,276,979.82(+9,379.71)24,267,600.11(+20,810.23)543(+1)31(−2)12,344

マージンは3プールとも3.9%、保証金50,000 ADA です。ブロック数(Koios)・累計ブロック・有効ステークはエポックの終了時点で確定した値です。ライブステークと委任者数は、AdaStat のプールの値を10月27日8時29分に取得しました。エポック664が始まってから約1時間44分後です。前号までは境界の約10分後の取得でしたが、今回は AdaStat のエポックの集計の反映が遅れたため、取得が遅くなりました。この1時間44分のあいだに動いた分も含んだ値です。同じ朝のステーキング状況の投稿と同じ取得です。

SIPO のライブステークが、委任者の数をほぼ変えずに約232万 ADA 増えました

この5日間のライブステークは、3プール合計で+234万8,707 ADA でした。ほとんどが SIPO の+231万9,492 ADA で、SIPO の委任者数は1,106名から1,105名へ1名減っています。人数がほぼ同じまま量が大きく増えたので、まとまった量の委任が1件以上加わり、同じころに小口の離脱があったと読めます。前号の+156万 ADA に続いて、2エポック続けて同じ形の増え方です。委任者の事情を SIPO は知りません。原因は断定せず、事実を記録し、次のエポックで水準がどう動くかを見ます。SIPO2 は委任者が1名増えて+1万9,835 ADA、SIPO3 は委任者が1名増えて+9,380 ADA で、どちらもほぼ横ばいです。

有効ステークの3プール合計の+156万6,056 ADA は、前号の期間のライブステークの増加が、1エポック遅れて現れたものです。前号で「SIPO の増加は、次の有効ステークに現れる」と書いたとおり、SIPO は+156万2,809 ADA、SIPO2 は−1万7,563 ADA、SIPO3 は+2万810 ADA で、前号のライブステークの変化と同じ値でした。今回の SIPO の増加は、エポック665の有効ステークに現れます。

SIPO のライブステークは約5,627万 ADA になりました。k は500のままです(前号の第3章)。SIPO2 のライブステークは約3,522万 ADA、SIPO3 は約2,428万 ADA です。

SIPO は60ブロック

エポック663の SIPO は60ブロックで、前号の45から15増えました。SIPO2 は38ブロック、SIPO3 は31ブロックです。直近5エポック(659〜663)を並べると、SIPO2 は29・29・29・43・38、SIPO3 は22・28・24・33・31。SIPO2 の有効ステークは SIPO3 の約1.45倍で、ブロックの割り当ての期待値もそのぶん大きくなります。ブロック生成は確率的で、1エポックの数字からプールの状態は読めません。3プール合計の129ブロックは、前号の121から8増えています。

有効ステークとライブステークの照合

エポック662の終了時点のライブステークと、今回取得した有効ステークを並べます。

プールエポック662 ライブステーク今回の有効ステーク差
SIPO53,952,999.6853,952,999.680.00
SIPO235,201,211.3235,201,211.320.00
SIPO324,267,600.1124,267,600.110.00

3プールとも、小数点以下まで一致しました。6回連続です。前号は境界の約10分後に取得したライブステークで、それが次のエポックの有効ステークの確かな予告になっていることを、今回も確かめられました。一方、今回のライブステークは境界から約1時間44分後の取得です。次号の照合は、取得の条件が違う値どうしの比較になります。

累計48,286ブロック

3プールの累計ブロックは48,286です。SIPO 20,601 / SIPO2 15,341 / SIPO3 12,344。エポック663では129ブロックを積み上げました。

ネットワーク全体(エポック663終了後)

今回のネットワーク全体の値は、AdaStat のウェブ画面(ダッシュボード・プール・アカウント・エポックの各画面)に10月27日7時31分ごろ表示されていた値です。エポック664が始まってから約46分後にあたります。AdaStat のエポックの集計データが、8時半ごろまで反映されなかったためです。総サプライと総ステークは、画面の表示どおり0.01b(1,000万 ADA)単位で丸めた値なので、前号のような1 ADA 単位の前エポック比は出せません。総プール数とブロック生成のあったプールの数は、画面に当該エポックの値がなく、今回は載せていません。

指標エポック663終了後(AdaStat 画面・10月27日7時31分ごろ)前号(エポック662終了時点)
ステーキング率約56.8%(丸めた値からの計算)56.77%
総ステーク₳21.53b21,505,325,462 ADA
流通供給量₳37.88b37,878,256,235 ADA
委任者総数1,332,711名1,333,303名
アカウント総数6,033,0486,028,319
ステークのあるプール2,6682,668

委任者総数は1,333,303名から1,332,711名へ592名減り、アカウント総数は4,729増えました。取得の時刻が前号(境界の約10分後)と違うので幅は参考ですが、「新しいアカウントは増え、委任している人は減っている」という構図は、今回の値でも続いています。総ステークは、丸めた値の上では前号の約215.05億 ADA から215.3億 ADA の位置にあり、大きく動いてはいません。どちらの変化も、原因は断定しません。ステークのあるプールは2,668で、前号と同じです。

SIPO の3プールは、この5日間で129ブロックを生成しました。委任していただいているみなさまのおかげです。

終章:数え直せるものを、増やしていく

エポック662の終わりに挙げた確認点を、一つずつ答え合わせします。

国庫の3件の票は、部分的に答えが出ました。銅準備金の明示的な反対は分母の約25.2%から約28.2%に増え、憲法委員会の反対は2人になりました。PFMS は提案の名前が表示され、提案書と、ウッタル・プラデーシュ州で動く土台の仕組みまで確かめられるようになりました。AURORA の未投票は約39億ADA から約35億6,259万ADAに減りましたが、まだ分母の7割を超えています。3件とも期限は先で、答えはまだです。

11.2 と DijkstraNetは、部分的に答えが出ました。公開の Dijkstra テストネットは10月23日に開き、SPO の参加の受付が始まりました。cardano-node 11.2 はまだ公開されていません。CAP-12 は第4版が10月29日の CAP Review の対象になっています。

最低マージンの値は、部分的に答えが出ました。CIP-23 の実装の PR #6197 は10月23日(UTC)にマージされました。最低マージンをいくつにするかの案は、本稿の時点で確認できていません。

Mithril の署名者の移行は、まだ答えが出ていません。署名者の 1.2.5 と新しい設定項目への移行がどこまで進んだかの数字は、確認できていません。

Midnight の使い道は、部分的に答えが出ました。NuFi の Zcash 対応は予告どおり10月27日に来ましたが、公開のアドレスの取引だけで、秘匿の取引はまだです。Midnight の対応も、まだです。ニューヨークでは CertiK の催しで Midnight の担当者が機関向けのコンプライアンスを議論しました。Nightmode が試せる形で出たかと、Midgard Labs の東京・大阪のミートアップで Plutus の保守の計画が語られたかは、確認できていません。Midgard Labs は Cardano PRIME で、監査を担う支援先に名前が挙がっています。

返還と補填の進み方は、まだ答えが出ていません。SecondFi は10月26日に回収のツールの案内を出し直し、なりすましへの注意を呼びかけましたが、送金の自動化が始まったかは確認できていません。Liqwid の補填の請求の受付も、まだ告知されていません。Strike のシーズン1の後半の配布は10月28日で、次のエポックの予定です。RealFi のドルは、Strike の上で30万ドル近くになりました。

ADA の分類は、まだ答えが出ていません。SEC の規則の最終版は出ていません。一方で、ADA の分類の前提となった事実を確かめられるようにする verifycardano.com が公開されました。

取引件数と量と人の数は、答えが出ました。エポック663の取引件数は126,711件で、156,063件から約2割減りました。委任者総数は14エポック目も減りました(今回は取得の時刻が違う AdaStat の画面の値です)。総ステークは丸めた値の上で大きな動きはなく、4エポック続けて増えたかどうかは、今回の精度では言えません。SIPO のライブステークの約156万 ADA の増加はそのまま有効ステークに現れ、照合は6回続けて3プールとも小数点以下まで一致しました。

8件のうち、答えが出たものが1件(取引件数と量と人の数)、部分的に答えが出たものが4件(国庫の3件の票・11.2 と DijkstraNet・最低マージンの値・Midnight の使い道)、まだ答えが出ていないものが3件(Mithril の署名者の移行・返還と補填の進み方・ADA の分類)です。

そのうえで、エポック664で確認すべきものを挙げます。

  1. 国庫の3件の票(ガバナンス):10月27日の Governance Hour #12 のあと、銅準備金の明示的な反対と未投票がどう動くか。PFMS の賛成が分母の約4.7%からどこまで伸びるか。3件とも、上位の DRep が票を投じるか。
  2. CAP-3 と CAP-12(ガバナンス):10月29日の CAP Review で、区分ごとの配分と67%の閾値にどんな意見が付くか。次の期間の上限の議論が始まるか。
  3. 11.2 と Dijkstra のテストネット(開発):cardano-node 11.2 のプレリリースが出て、公開テストネットでハードフォークを始めるアクションが出るか。SPO がどれだけ参加するか。
  4. 最低マージンの値(SPO の経済):minPoolMargin をいくつにするかの案が示されるか。
  5. PRIME の9チームの最初の成果(DeFi):10月27日の配信で、各チームの作るものと時期がどこまで具体になるか。Strike のシーズン1の後半の配布(10月28日)と、Strike の上の RealFi USD が30万ドルを超えるか。Liqwid の補填の請求の受付が始まるか。
  6. Midnight と TRON(Midnight):Sig Network が予告した「TRON と Midnight を12月に」の中身が示されるか。Gero 2.8 の複数アカウントが出るか。NuFi の Midnight 対応の時期。
  7. 鍵と道具の守り(セキュリティ):Keystone が予告した詳しい報告が出るか。eMudhra の件で、ほかの Cardano の道具にも更新が続くか。
  8. 分散の記録(ネットワーク):verifycardano.com の記録が日数を重ね、SPO の投票の参加率など未公開の指標が出るか。
  9. 取引件数と量と人の数(ネットワーク・ステーキング):エポック664の取引件数が126,711件からどう動くか。委任者総数が15エポック目も減るか。SIPO のライブステークの約232万 ADA の増加が、エポック665の有効ステークにそのまま現れるか。AdaStat のエポックの集計が戻り、総ステークを再び1 ADA 単位で比べられるか。

エポック663は、大きな決定よりも、あとから誰でも確かめられる形が増えた5日間でした。

Dijkstra は、SPO が自分の機材で試せる公開テストネットになりました。国庫には、使われなかった資金が戻る道がメインネットで初めて動き、CAP-3 は区分ごとの残りを誰でも検算できる計画を描きました。DRep の投票力の偏りは複数の手で数え直され、分散の度合いを毎日チェーンに書く記録も始まりました。PFMS は、警察の証拠を法廷で照合できる形にしようとしています。Cardano PRIME は、資金と一緒に、出す前に確かめる監査を買いました。

数え直せる形は、それだけで正しさを保証しません。verifycardano.com が157と60を並べたように、何を一単位と数えるかで答えは変わります。確かめられる形を作ったうえで、どう数えるかを公開の場で決めていく。その作業は、これからも続きます。

市場のほうは、日次の記録で ADA が−10.61%と大きく下げました。境界の確定値でも$0.228408から$0.205351へ−10.09%です。NIGHT は ADA 建てで−3.83%でした。SIPO はこの動きを特定の材料には帰しません。事実として記録し、次のエポックで水準がどう動くかを見ます。

いつも SIPO / SIPO2 / SIPO3 へ委任をいただき、ありがとうございます。委任は、ブロック生成を支えるだけでなく、DRep を通じて判断の重みを託す行為でもあります。第4章で見たとおり、その重みは数え直せるようになってきました。SIPO は SPO・DRep・観察者として、票を投じたときはその理由を残し、まだ答えの出ていない問いも含めて記録し続けます。

次の節目は、10月27日の Cardano PRIME の配信と Governance Hour #12、10月28日の Strike のシーズン1の後半の配布、10月29日の CAP Review です。そして10月31日に Cardano Card が提供を終えます。

出典・参照

Delegate to SIPO · 委任ガイド

ADA を手元に置いたまま、
SIPO に委任する

SIPO は Cardano ステークプール 3 基 (SIPO / SIPO2 / SIPO3) を運用しています。Midnight のバリデータ運用は開始後に参加予定です。

  • 預けない・ロックなし
  • 約 5 日ごとに報酬
  • DRep も SIPO に
ステーキングをはじめる → はじめての方は、この 3 本を順に読むと迷いません。
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