Cardano の貸し出しプロトコル Surf は日本時間 11 月 2 日深夜、「戻ってきた」と告知し、レバレッジと清算の機能をすべて再開しました。8 月下旬にセキュリティの事案でメンテナンスに入ってから約 2 か月、段階的に戻してきた機能のうち、最後まで止まっていた 2 つです。
清算が戻ることは、借り手の担保が足りなくなったときに貸し手の資金を守る仕組みが再び自動で働くことを意味します。同じ日には永久先物の ATLAS も公開され (Signal 11/3)、Cardano の DeFi でレバレッジをかけた取引の場が一度に広がりました。この記事では、Surf がたどった再開の順番と、戻ったレバレッジの仕組みを公式の告知とドキュメントで確かめます。
停止から再開まで、4 つの段階
Surf の公式 X の告知をたどると、再開は次の順で進みました (日付は日本時間)。
- 8 月 27 日: セキュリティの事案を受けてメンテナンスの状態に入ったと告知。V1 を安全に戻すことを最優先にするとした
- 9 月 21 日: 再開を発表。預け入れ・引き出し・健全な借り入れの返済・新規の借り入れを戻し、清算・レバレッジ・担保での返済は一時停止のまま
- 10 月中旬: 担保で返済する機能を戻し、次は清算だと予告
- 11 月 2 日: レバレッジと清算をすべて再開
8 月 31 日に公式 X が共有した Discord の更新では、事案の際に確保した利用者の担保と預け入れの資金は、マルチシグのウォレットで安全に保たれていると説明していました。影響を受けた注文の資金と手数料を戻し、ポジションを復元するための一度きりの復旧の道具を用意したことも、このとき伝えています。当初は 8 月末の週内の再開を目指していましたが、その目標には届かず、実際の再開は 9 月 21 日でした。
清算が止まっていた 6 週間
9 月 21 日の再開時、Surf は清算を止めたまま貸し出しを動かしていました。このときの告知は、いくつかの制約を明記しています。担保の価値に対して借り入れが危うくなった健全でない借り入れ (健全度を示す値が 1.0 未満) は、まず担保を足して 1.0 以上に戻さないと返済できない。引き出しはプールにある資金の範囲で処理され、足りなければ返済や新しい預け入れで資金が戻るまで待つ。メンテナンス前に開かれた借り入れは別に扱う。そして再開後に開かれた新しい借り入れは、清算が戻った時点で通常の清算の規則に従う、という内容です。
清算は、貸し手の資金を守るための仕組みです。Surf のドキュメントによると、健全度が 1.0 以下になると Surf の自動の仕組みが借り入れを返済し、担保を売って借り入れと 15% の清算手数料をまかない、残りを借り手に戻します。この仕組みが止まっている間、担保の値下がりが大きくなった借り入れは、自動では整理されません。約 6 週間ぶりに清算が戻ったことで、貸し出しのプロトコルとしての基本の安全装置がそろったことになります。
1 クリックで最大 3.33 倍
同時に戻ったのが、Surf の「ワンクリック・レバレッジ」です。ドキュメントによると、借りて交換し、また担保に足すという借り入れの繰り返し (ループ) を自動で行う機能で、Cardano のネイティブトークンに 1.01〜3.33 倍のロングやショートを取れます。
- ロング: SNEK などのトークンを担保に ADA を借り、それを同じトークンに交換して担保に足す
- ショート: ADA を担保にトークンを借り、それを売って ADA を担保に足す
- 費用: 借りた額の 1% の手数料と、交換を通すための 10 ADA (ほぼ戻る)。金利は借りた時点の利用率で固定される
- 清算の目安: 担保に対する借り入れの比率で 40〜85% 程度 (プールごとに異なる)
注文板や取引の相手方はなく、レバレッジは貸し出しのプールの資金でまかなわれます。永久先物の取引所とは違い、価格の差をやり取りするのではなく、実際にトークンを借りて交換したポジションを持つ形です。
次は SURF の報酬と V2
Surf は 10 月 29 日 (日本時間) に、今後の手順を「レバレッジと清算を動かし、SURF のステーキング報酬を配り、その後 V2 に全力で取りかかる」と示していました。10 月 23 日には利用者への返信で、報酬は V1 の残りの機能がすべて動いてから支払うとも答えています。今回の再開で、その条件がそろいました。
次に見るのは、Surf の公式 X で SURF のステーキング報酬の配布が告知される時点と、その後に示される V2 の公開の日程です。あわせて、9 月の再開時に「別に扱う」とされたメンテナンス前の借り入れがどう整理されたかの報告も、事案の締めくくりとして確かめておきたい点です。
ことば
- 清算 — 担保の価値が借り入れに対して足りなくなったとき、担保を売って借り入れを返す仕組みです。Surf では約 6 週間止まっていたもので、11 月 2 日に再開しました。
- 健全度 (Health Factor) — 担保の価値と借り入れの比率から計算する、借り入れの安全さの目安です。Surf では 1.0 以下で清算の対象になり、ドキュメントは 1.5〜2.0 あたりを余裕のある水準としています。
- ワンクリック・レバレッジ — 借りて交換して担保に足す手順を 1 回の操作でまとめた Surf の機能です。永久先物と違い、実際にトークンを借りてポジションを作ります。
一次ソース / 関連リンク
- Surf 公式 X の告知 (レバレッジと清算を再開)
https://x.com/surfcardano/status/2117269570251829249 - Surf 公式 X (8 月 27 日・メンテナンスの開始)
https://x.com/surfcardano/status/2092641888184475801 - Surf 公式 X (8 月 31 日・Discord の復旧の更新)
https://x.com/surfcardano/status/2094447154727145964 - Surf 公式 X (9 月 21 日・再開時に使える機能と止まっている機能)
https://x.com/surfcardano/status/2102037157518950588 - Surf 公式 X (10 月 13 日・担保での返済を再開)
https://x.com/surfcardano/status/2109679362119184888 - Surf 公式 X (10 月 29 日・今後の手順)
https://x.com/surfcardano/status/2115463016456028496
docs.surflending.org
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Surf Lending Protocol

