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Ascend、Midnight で予測の永久先物をクローズドベータ公開

2026-11-03SIPO #Midnight

Midnight 上の取引所 Ascend が、日本時間 11 月 3 日未明、出来事の確率にレバレッジをかけて売買できる「予測の永久先物 (prediction perps)」をメインネットで動かし始めたと告知しました。まずは非公開のメインネット参加者に先行して開き、一般公開はその後に続くとしています。

予測市場の「確率」を、満期のない先物の仕組みで売り買いする試みが、プライバシーを軸にした Midnight の上で実際の資金とともに始まったことになります。Cardano の DeFi が交換と貸し出しから先物へ広がる流れ (Daily Intel 11/3) の、Midnight 側の動きです。この記事では、Ascend の公開資料からクローズドベータの条件と価格の決め方を読みます。

「結果」ではなく「確率の上下」を売買する

Ascend の告知は、予測市場に永久先物の仕組みを持ち込み、確率に対してレバレッジをかけたポジションを取れるのは初めてだと説明しています。開発は、予測市場のポジションにレバレッジを提供する Dimes (@dimes_fi) と共同で進めたとしています。

一般的な予測市場では、ある出来事が起きるかどうかに賭け、結果が出た時点で精算されます。Ascend の資料が描くのは、その途中の確率の動きそのものを取引する形です。たとえば外部の予測市場で 60% と見られている出来事について、その 60% が上がるか下がるかにロングやショートで乗ります。満期がないため、結果を待たずにいつでも入って出られます。

出来事が確定したときの扱いも資料にあります。結果は市場ごとに決めた基準で判定され、起きたなら 100%、起きなかったなら 0% で、残っているポジションはすべてその価格で精算されます。確率の取引でありながら、最後は結果に引き戻される設計です。

入金上限 25 ドル、最大 10 倍のクローズドベータ

Ascend のドキュメントの「Ascend Prediction Perps」のページは、今回の公開を「クローズドのメインネットベータ」と位置づけ、条件を次のように示しています。

  • 市場: 開始時はワールドカップに関する出来事だけ
  • 担保に使える資産: USDC と USDCx
  • 手数料: メイカー 0%、テイカー 0.05%、精算 0%。クローズドベータの間はファンディング (資金調達料) の支払いなし
  • レバレッジ: 最大 10 倍 (市場ごとに上限が異なる)
  • 入金: 1 人 25 ドルまで。最初の入金時に AML/CTF (マネーロンダリング・テロ資金対策) の確認があり、入出金は Ascend が自前で用意した非カストディのブリッジを通る

公式サイトのトップページは「最大 1001 倍」を掲げていますが、予測の永久先物のクローズドベータについては、資料の上限は 10 倍です。資料は、手数料・レバレッジ・入金上限・市場・残高や損益は予告なく変わったりリセットされたりしうると明記し、保証されるのは最初の 25 ドルの入金だけで、これは返金するとしています。この段階は、一般に開く前に負荷をかけて想定外の動きを洗い出すためのものだ、という説明です。

確率の「正解」は Polymarket と Kalshi から取る

確率を売買する以上、何をもって確率の基準とするかが仕組みの中心になります。Ascend の「Index & Oracle Design」のページによると、基準となる指数価格は、Polymarket や Kalshi といった既存の予測市場の価格、資産に連動する市場では取引所の価格などのデータを、流動性の厚さや更新の頻度で重みづけして平均したものです。一定時間更新のないデータは計算から外すとしています。

ただし、清算の判定には指数価格ではなく、別に計算する「マーク価格」を使います。外部の値が一時的に跳ねたり操作されたりしても、それだけで清算が起きないようにするためだと資料は説明しています。たとえば 50% で 10 倍のロングを持つと、資料の例では 42.5% まで下がった時点で清算の対象になります。確率は 0〜100% の幅でしか動かないものの、出来事のニュース 1 つで大きく跳ねうるため、レバレッジとの組み合わせでは値動きの読み方が普通の先物と変わってきます。

取引 7.5 万件からの次の一歩

Ascend は Midnight のメインネットで永久先物と交換の場を先に開いていて、10 月 4 日にはメインネットでの取引高が 1,000 万ドルを超えたと発表しました。10 月 20 日の週次報告では、Midnight のメインネットの取引のおよそ 10% を Ascend が占め、利用者は 500 人に近づいていると伝えています。10 月 28 日には Midnight 上の取引が 7 万 5,000 件を超えたとし、予測の永久先物の公開が近いと予告していました。

開発の資源の大半を予測の永久先物に振り向けていると 10 月 20 日の報告で明かしていたとおり、今回の公開はロードマップの大きな節目という位置づけです。一方で、Midnight の DeFi で予測市場の価格を外から取り込む以上、Polymarket や Kalshi の値動きや、それらの市場が判定する結果が、そのまま Ascend の損益に流れ込む構造でもあります。

クローズドベータは 25 ドルという小さな入金で始まりました。この段階で確かめられるのは、儲かるかどうかより、入金の確認とブリッジ、指数価格とマーク価格、そしてワールドカップの結果が出たときの精算が、実際の資金で想定どおりに回るかどうかです。次に確かめたいのは、ドキュメントの「Ascend Prediction Perps」のページに書かれた入金上限 25 ドル・最大 10 倍・ワールドカップだけという条件が書き換わる時点と、Ascend の公式 X で一般公開の日程が示されるかどうかです。

ことば

  • 予測の永久先物 (prediction perps) — 出来事が起きる確率を価格にして、満期なしで売買する先物です。結果を待たずに確率の上下でロングやショートを取れる点が、通常の予測市場と違います。
  • 指数価格とマーク価格 — Ascend で、外部の予測市場から作る基準の確率が指数価格、清算の判定に使う安定化した価格がマーク価格です。外部の一時的な跳ねで清算が起きないよう、役割を分けています。
  • Dimes — Polymarket のポジションに最大 10 倍のレバレッジを提供する仕組みを、取引画面やアプリに組み込めるようにしているプロジェクトです。Ascend は今回の予測の永久先物を Dimes と共同で開発したとしています。

一次ソース / 関連リンク

Ascend docs: Index & Oracle Design

Ascend Documentation

Ascend docs: Liquidation Logic

Ascend Documentation

Ascend 公式サイト

ascend.market

タグ: #Midnight
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