SundaeSwapのDAO化への道
Sundaeトークンの初期価格を市場に任せる
SundaeSwapが『Taste Test』というイベントを発表しています。SundaeSwapがはSundaeトークンの初期価格は、市場に任せると説明しています。そして『Taste Test』という仕組みを通じてSundaeトークンの初期価格を決定するというものです。
Sundaeトークンはとは何か?
SundaeSwapは、分散型の倫理観に沿って、最も有用な分散型交換プロトコルを構築することに集中しており、DAO(Decentralized Autonomous Organization:分散型組織)を設立し、Sundaeトークンはその組織内での投票権を表しています。DAOが投票する内容には、機能アップグレードの提案、スクーパの選択、助成金の提案などがあると説明しています。
そしてSundaeトークンの最初の流通量は、自動化された価格発見メカニズムを使用して初期価格を設定し、DAOによって直接販売されます。
Sundaeトークンは、SundaeSwap DEXの健全な運営の中心となるユーティリティー・トークンというわけです。
SundaeSwapはDAOによって管理運用される
SundaeSwapはDAOによって分散的に管理運用されます。Sundaeトークンは、そのためのガバナンストークンとして利用されるものです。SundaeSwapの開発者はブログで次のように述べています。
私たちは、私たち全員が信じている分散型の倫理観に沿って、最も有用な分散型交換プロトコルを構築することに集中しています。
その一環として、このプロトコルはソフトウェアを書いた会社である我々のものではなく、SundaeSwapコミュニティ全体のものであると強く信じています。
また、SundaeSwapは、トークン配布のためのISPO及びスクーパーを行うためのSPOを、コミュニティの投票によって30のプールを選定しており、すでにDAOとしての運営管理を進めています。
DAOの歴史
ではDAOとはどう言ったものでしょうか?まずその歴史から見ていきます。
DAOの歴史はその後2016年頃に、この概念について議論がされるようになり、イーサリアムのプラットフォーム上のプロジェクトである分散投資組織である分散型投資ファンドThe DAOが、イーサリアムのメンバーによって発足し、ドイツにある「Slock.it」が開発を行いました。
The DAOは、『Decentralized Autonomous Organization』の略称で自律型分散組織のことです。投資先をファンド参加者の投票で決め、利益が上がれば投資者に配分するというシステムでした。
この手法を用い、2016年5月にイーサリアムはICOを開始し、そこで当時のICO額としては最高の約150億円の資金を集めました。
The DAOにはDAOの運営に賛同しない場合に投資家が預けている資金をDAOから切り離して新しいDAOを作成できる「スプリット」という機能がありました。通常このスプリットは、一回すればその処理が完了しますが、資金の移動が完了する前に何度もスプリットを繰り返すことができてしまうというバグがありました。
『The DAO事件』はその脆弱性を突かれ、集めた資金の3分の1以上となる約360万ETH、当時の価格にして約52億円ほどの額が盗まれるというイーサリアム史上最大のハッキング事件が起きています。
不幸中の幸いと言うべきか、スプリットを使って分離された資金は、最低27日間はそのアドレスから移動できない仕組みになっていました。盗まれた資金についてどうするかという議論が行われ、ソフトフォークとハードフォークという二種類の方法が浮上しました。
同プロジェクトは、コントラクトアドレスに管理されたETHを、コミュニティの投票で投資先を決定し、運用するというコンセプトでした。
このときEthereumのコミュニティはブロックチェーンごとハードフォークをして、この事件の収束を図り、同時にThe DAOのプロジェクトは幕を閉じます。
その後もDAOという概念自体は広く議論されており、さまざまなプロジェクトが、DAOを実現するツール開発に取り組んでおり、2020年のCompoundによるガバナンストークンのユースケースが成功し、そこから急激にDeFiプロトコル開発が進み、現在では多くのプロジェクトが生まれDEXプロジェクトは激しい競争の中、市場として成長を遂げています。
DAOで運営されるDEXとCEX比較
下記のグラフでは、DAOベースのDEX(分散型取引所)でトップの一つUNISWAPは、中央集権型の取引所コインベースとの競争において、2021年12月16日現在ほぼ同等の取引高になっています。
このようにDAO自体のビジネスモデルが、中央集権のビジネスモデルを凌駕するところまで来ており、これは注目に値するものであり、『DAO』と『DEX』における分散正の発展は著しく、来年の2022年は更なる発展を遂げるであろうと筆者は予想しています。
DAOの特徴とメリットとディメリット
DAOの特徴には次のようなものが考えられます。
- 管理者や特権階級が存在せず、組織に関わる全員が経営に携わる
- スマートコントラクトを通じて資金を透明性を持って運営できる
- 参加者全員が情報を共有し参加者全員の意思決定が反映される
メリットしては次のようなものが考えられます。
- 参加者同士が知らないもの同士でも協業、協力して働くことが可能
- 全員がリソースを共有し同じ目的に向かって進むことが可能
- スマートコントラクトなどのプログラミンによって、参加者の行動を制御
一方ディメリットとしては次のようなものが考えられます。
- 参加者が意思決定や投票に参加しない
しかしこの問題は、インセンティブや参加しないことで投票力の減退など、ルールをスマートコントラクトで設定することで、参加意思を高めることに繋がるかもしれません。
このようにDAOは2016年以来確実に進歩しており、2022年はさならる手法のアップグレードや手法の開発によって、発展する可能性が考えられます。
SundaeSwapはどのようなDAOを展開するのか?
そうした中カルダノ初のDEXプロジェクトの一つであるSundaeSwapは、最初からDAOによる運営を取り入れており、最終的には先の言葉『このプロトコルはソフトウェアを書いた会社である我々のものではなく、SundaeSwapコミュニティ全体のものであると強く信じている』と述べているように、自律分散型の運営を実現するすることに注力しています。
SundaeSwapのガバナンストークン
その中で、SundaeSwapのビジョンは、金融サービスへのアクセスだけでなく、コアビジネスモデルそのものを分散化すると述べており、今回の「Taste Test」は、その旅のエキサイティングな一歩であると述べています。
コミュニティはSundaeSwapのガバナンストークンを使って運営に参加しプロジェクトを皆で発展させることが可能となります。
SundaeSwapのガバナンストークンの価格を決める『Test Taste』の仕組み
SundaeSwapのブログによると、プロトコルの開始時に、コミュニティに供給されるトークンの7%がDAOによって「Taste Test(味覚テスト:試食会)」と呼ばれるスマートコントラクトにロックされるという。
具体的には、「Taste Test」が開始されてから10日間、コミュニティのメンバーはISOリワードからADAまたはSundaeを同じコントラクトに預けることができるようになります。
ADAとSundaeの比率は変動しますが、流動性プールとは異なり、スワップは発生せず、投入したトークンしか引き出すことができません。
この10日間の終わりに、これらのトークンはすべてADA/Sundaeの流動性プールを作るために使われ、トークンの初期価格が確立されます。
ADAまたはSundaeを預けた全員(DAO自身を含む)は、その後、プールのシェアを追跡する流動性提供者トークンを請求することができますが、これらのLPトークンは、プール内の両方の資産の所有権を表しています。
このようにあたかも参加者全員が、預かった資産の半分をもう一方の資産と、まとめて同じ価格で交換したようなもので、まさにsaidanSwapがDAOとしてスタートを切る上で、「Taste Test」は重要なプロセスとなります。
『Taste Test』のメリット
さらにブログでは、『Taste Test』のメリットについて、第一にこれはSundaeSwapの分散型の理念に沿ったものであるということだと述べています。最初の流動性はDAO自身からもたらされ、DAOが所有し、コミュニティの参加者(トークン保有者)が決めた通りに使用することができます。
第二に、SundaeSwapのモデルでは、不健全な価格発見の多くが安全な環境で行われ、その結果を皆で共有することで市場を確立するというものです。
最後に、他のプロジェクトもこのモデルを借りることができ、資本へのアクセスは少ないが、独自のコインが大量に供給されているプロジェクトは、効果的かつ容易に資金調達を行い、トークンの価格を公正に設定することができます。
価格の決め方など更なる詳細は下記の記事を参照してください。
SundaeSwapはDAOとして成功をもたらすか?
DAOの取り組みは、カルダノプロトコル自体にもガバナンスの開発DAOとしての仕組みづくりをカタリストプロジェクトによって進められており、最終的にはカルダノ創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏もそのリーダー的存在を終えると宣言しています。
Dappsのリリースにより、いよいよカルダノエコシステムの成長が始まるなか、プロジェクトごとのDAO化も重要な鍵となてくると思われます。
その中でSundaeSwapがどのような成長を見せるのかは、DAOの観点からも非常に興味深くエキサイティングなことだと考えますが、皆さんはいかがでしょうか?
もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします!10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。
ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック308
COTI、ADAハンドルと提携
COTI は、カルダノウォレットのアドレスにNFTを搭載したネーミングソリューション「ADA Handle」と新たにパートナーシップを締結。これはCOTI のADA Payゲートウェイソリューションは、ADAを大衆に届けるために必要な最初のステップの一つであり、これにより誰でも素早く簡単にADAを受取人に送ることが可能になります。
cardano-nodeの最新バージョン1.32.1
ダイダロスマニュアル4.6.0対応
Daedalus 4.6.0メインネット版がリリース
カルダノ(ADA)の10%のクジラたちが全供給枚数の94%を保有!!富裕層の目の付けどころとは?!
SundaeSwap Presents: 「Taste Test」
これまでSundaeSwapはSundaeトークンの初期価格は、市場に任せると説明しており、今回ブログ記事『SundaeSwap Presents: 「Taste Test」』でその方法について説明しています。