『進化するカルダノ・ベーシック』[#12]進化を遂げ無限の可能性を広げるカルダノ開発環境「（その4）カルダノに更なる革新をもたらすの開発環境AIKENとは？」
シリーズ連載『進化するカルダノ・ベーシック』は、カルダノについて初心者や、既に知っているが日々進化し続けるカルダノの現在進行形について知りたい方向けに、様々な視点と角度から、カルダノの基礎知識とその未来について、最新アップデート情報を交えてお伝えする企画（不定期）です。
前回は、第12回目の記事としてカルダノの独自な進化を支える「[#12]進化を遂げますます無限の可能性を広げるカルダノ開発環境「（その１）カルダノ・ブロックチェーンにおける開発環境の特徴とその能力」、「（その2）カルダノのコア開発環境Plutusとは？」、「（その３）Marloweの魅力とその将来性」についてお届けしました。
今回はその4として「カルダノに更なる革新をもたらすの開発環境AIKENとは？」ついてお届けします。
AIKENとは？
AIKENは、TxPipe社がインキュベートされ、カルダノ財団によって育まれている、カルダノ・ブロックチェーン向けに堅牢で効率的なスマートコントラクト開発体験を提供することを目的として特別に設計された新しいプログラミング言語とツールキットです。
カルダノの創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏によれば、この言語を使用することで、リソース効率が10倍になり、カルダノのdApps（分散型アプリケーション）の開発者エクスペリエンスが向上するとされています。AIKENは、カルダノ・エコシステムにおいて画期的な機能を提供し、カルダノの潜在能力を引き出し、カルダノをより高みへと押し上げるゲームチェンジャーとなる可能性を秘めています。
また、この言語は、Gleam、Rust、Elmなどのモダンなプログラミング言語からインスピレーションを受けており、友好的なエラーメッセージや開発者にとって使いやすい機能を提供しています。さらにAIKENは真のオープンソースの形で開発されており、コミュニティもその開発に積極的に参加しており、今後のカルダノの成長に重要な役割を担う存在として注目されています。
それではAIKENの特徴と利便性について詳しく見ていきましょう。
AIKENはカルダノ開発環境の課題を解決し、革新的なソリューションを提供する
カルダノにおける開発の主な課題点
AIKENはカルダノの開発環境における課題を解決するソリューションとツールを提供し、さらにスマートコントラクトの革新を牽引する可能性を秘めてます。これまでカルダノはスマートコントラクト開発において新興である理由から、開発において以下のようないくつかの課題が指摘されていました。
- 学習曲線: 独自性と多様性は強みでありますが、それはまた開発者が複数の言語とツールを学ぶ必要があるかもしれないということでもあり、それは時間がかかる場合があります。
- 相互運用性: エコシステムが成長するにつれて、異なる環境とツール間のシームレスな対話を確保することがますます難しくなります。
- ドキュメントとサポート: カルダノには広範なドキュメントがありますが、すべての異なる環境に対してそれを最新かつアクセス可能に保つことは、常に課題です。
- スケーラビリティ: より多くの開発者がエコシステムに参加するにつれて、プラットフォームは増加するトラフィックと複雑性を効率的に処理する必要があります。
そうした中AIKENは、カルダノネットワークで開発者が現在直面している多くの問題を解決する可能性を秘めています。特にデバッグの難しさ、Haskell Plutusプラットフォームの複雑さ、相互運用性の低さなどの問題に取り組むことで、AIKENはカルダノ上でよりスムーズで効率的な開発体験を提供する有望な解決策を提供します。
例えばカルダノの開発者は、下記のような理由でスマートコントラクトのデバッグや低レベルでのブロックチェーンとの相互作用に苦労することがよくあります。
また、Haskell Plutusプラットフォームは学習曲線が急であり、開発者が効果的に設定して利用することが難しいとされています。既存の環境は、Haskell以外のオフチェーン言語との相互運用性が低く、開発チームが利用できるツールや言語が制限されていることも挙げられます。
これらを解決するAIKENの存在は、カルダノの本来の独自性と潜在能力を十二分に引き出すことで、暗号業界に新たなイノベーションと更なる優位性を導くことになるものであると考えらえます。
それではその可能性に満ちたソリューションについて見ていきましょう。
AIKENがカルダノにおける開発環境の課題に取り組む方法
AIKENはカルダノにおける開発環境の課題に取り組む方法として、下記のようなソリューションを提供するために開発されました。
デバッグの簡素化
AIKENは、デバッグが難しいスマートコントラクトを排除し、開発プロセスをより簡単にします。
学習と利用の容易化
AIKENは、Haskell Plutusプラットフォームの設定、学習、利用の難しさを解決し、より取り組みやすい代替案を提供します。
相互運用性の向上
AIKENは相互運用性を重視し、オンチェーンコードに焦点を当てながらオフチェーンインフラストラクチャスタックへの統合を簡素化します。これにより、開発環境がさまざまなツールや言語に対応できるようになります。
AIKENには、コードのコメントから生成されたドキュメントや、クイックコンパイルフィードバック、自動コードフォーマット、エディタ統合など、さまざまなドメイン固有の利便性があります。また、テストとベンチマークフレームワークも提供されています。
それでは以下に具体的な機能について、一つ一つ見ていきましょう。
AIKENの主な機能と利点
AIKENはUntyped Plutus Core（UPLC）をターゲットとしており、新しいフレームワークを導入することで、カルダノのスマートコントラクト仮想マシンと互換性のある代替スマートコントラクト言語を提供します。これらは、AIKENがカルダノでスマートコントラクトを開発するための更なる良い選択肢を提供する方法でもあります。
Untyped Plutus Core（UPLC）とは、特定のゲーム機でしか遊べないゲーム機で他のゲーム機用のゲームも遊べるような特別なアダプターを提供するのに似ています。Untyped Plutus Core（UPLC）は、カルダノのスマートコントラクト仮想マシンに対するそのような特別なアダプターのようなものです。これは、カルダノ専用に設計されたものだけでなく、異なるスマートコントラクト言語を使用できるようにするフレームワークです。これにより、新しい機能が追加され、性能が向上することが期待されます。
「仮想マシン」とは、カルダノ・ブロックチェーン上のすべてのスマートコントラクトを動かすエンジンのようなものです。UPLCは、代替言語で書かれたスマートコントラクトがこのエンジン上でスムーズに動作するようにします。これは、どんな種類のプラグも電気ソケットに適合するようにするユニバーサルアダプターのようなものです。
Untyped Plutus Core（UPLC）は、カルダノで実行できるスマートコントラクトの種類に柔軟性をもたらす特別なアダプターと言えるでしょう。新しいルールと機能を導入してスマートコントラクトの作成を容易にし、これらのコントラクトがカルダノの既存のシステムと互換性があることを確保します。
AIKENの主な機能
AIKENはUntyped Plutus Core（UPLC）として、主に下記のような機能を提供しています。
純粋関数型プログラミング言語：スマートコントラクトの振る舞いについてより理解しやすい環境を提供
AIKENはカルダノブロックチェーン向けに特別に設計された、純粋関数型プログラミング言語として構築されており、スマートコントラクトの振る舞いについてより理解しやすい環境を提供しています。
カルダノのコア開発環境であるHaskellのPlutusプラットフォームに比べて、よりアクセスしやすく使いやすい代替手段を提供することを目指しています。AIKENは使いやすさ、セキュリティ、パフォーマンスに重点を置き、開発者にとってより馴染みやすい構文を提供します。例えば、AIKENは、オンチェーンとオフチェーンのコンポーネントとのシームレスな連携を実現し、既存のツールや言語との互換性を確保するように設計されています。
AIKENの言語は純粋に関数型であるため、不変性、参照透過性、副作用の欠如の実現が可能になります。また、Rustに似た構文を採用しており、Rustに精通している開発者にとってはよりアクセスしやすくなっています。
さらにAIKENは、非型付きPlutus Core（UPLC）にコンパイルされ、カルダノのスマートコントラクトに不可欠なラムダ計算の原則に準拠しています。また、コンパイラ、コードフォーマッタ、パッケージマネージャ、テストフレームワークなど、開発プロセスを効率化するためのいくつかの開発ツールも含まれています。
このようにAIKENのような「純粋な関数型プログラミング言語」は、プログラムの他の部分に影響を与えることなく計算を行うことに焦点を当てています。もう少し噛み砕いて説明すると、数学の授業で方程式を解くように、各方程式は他の方程式に影響を与えずに解かれるようなイメージでしょう。これにより、プログラムの各部分が何をしているのかを理解しやすくなり、特に複数の人が同じプロジェクトに取り組んでいる場合にも便利です。
純粋な関数型言語では、関数に一度入力を与えると、常に同じ出力が得られます。これは、同じ金額を入れると毎回同じスナックが出てくる自動販売機のようなものです。この予測可能性により、プログラムのテストやデバッグが容易になります。
このアプローチは、プログラムの部分が相互に影響を与え合い、何が起こるかを予測しにくくする他のプログラミングスタイルとは異なります。純粋な関数型プログラミングでは、すべてがより独立して予測可能であり、カルダノ・ブロックチェーンのような複雑なシステムに特に有用です。
小さくて学びやすい：学習曲線を低減
この言語は小さくて学びやすいように設計されており、新しい開発者の学習曲線を低減させます。小さくて学びやすいという意味はウクレレのような楽器を学ぶことに例えられるかもしれません。ウクレレはギターよりも弦が少ないため、習得が簡単です。AIKENのプログラミング言語は、そのようなウクレレのように設計されており、小さくてシンプルです。複雑な機能や覚える必要のあるルールが少ないので、音楽を作るのが容易です。この場合はコードを書くのがずっと早くなります。
開発者の学習曲線を低減させることは、練習用の補助輪がついた自転車をイメージするとわかりやすいかもしれません。AIKENは、新しい開発者にとってそのような補助輪付きの自転車のようになることを目指しています。理解しやすく設計されているので、「乗る：この場合はコーディングする」前にたくさん勉強する必要がありません。
簡単に言うと、AIKENは「初心者に優しい」言語として設計されています。多くの詳細や複雑さであなたを圧倒することはありません。代わりに、プロジェクトを始めるために必要なものだけを提供してくれます。これにより、新しい開発者が参入しやすくなっています。
型推論と強力な静的型付け：安全性と使いやすさのバランスを実現
AIKENは強力な静的型付けと型推論を提供し、安全性と使いやすさのバランスを実現しています。
型推論と強力な静的型付けとは？
型推論（Type Inference）
これを理解するためにクッキーを入れるための瓶をイメージしてください。時間が経つと、家の中の誰もがその瓶はクッキー用であると理解します。それを「クッキー瓶」とラベル付けする必要はありません、皆が自然に知っています。プログラミングにおいて「型推論」とは、それと似たようなことです。コンピュータは、明示的に言わなくても、どのようなデータを扱っているのか（数字、テキストなど）を理解します。したがって、変数に数字を入れると、コンピュータは「ああ、これは数字だ」と理解し、それに応じて処理します。
強い静的型付け（Strong Static Typing）
次に、おもちゃの車しか入らないおもちゃ箱があるとします。もし飛行機のおもちゃを入れようとすると、蓋が閉まりません。このおもちゃ箱は厳格で、おもちゃの車だけが欲しいのです。プログラミングにおいて「強い静的型付け」とは、特定のデータが特定の型（例えば、数字）であると一度コンピュータに教えると、テキストなど他のものを入れることはできない、ということです。コンピュータはプログラムが実行される前にこれを確認し、リンゴとオレンジを混ぜないようにします。
ですので、AIKENが「型推論と強い静的型付け」を提供するとき、それは2つの方法であなたの生活を簡単にしています：
- ほとんどの場合、データの種類をコンピュータに常に教える必要はありません。コンピュータはそれを自分で理解できます（型推論）。
- 使用するデータの型が一貫していることを確認し、エラーを防ぎプログラムがスムーズに動作するようにします（強い静的型付け）。
ファーストクラス関数：プログラミングの柔軟性が向上
AIKENではすべてが式であり、ファーストクラス関数をサポートしているため、プログラミングの柔軟性が向上します。
ファーストクラス関数（第一級関数）とは何でしょうか？
まず、すべてが式（Expression）であるという意味は、LEGOブロックで城を作ることをイメージするとわかりやすいかもしれません。AIKENでは、各LEGOブロック（またはコードの一部）が「式」として扱われます。それぞれのブロックには価値があり、他のブロックと組み合わせて何か大きなもの（例えば、塔や壁）を作ることができます。これにより、各ブロックが他のブロックとうまく合うことを知っているので、一つ一つに焦点を当てながら複雑な構造を作ることが容易になります。
次にファーストクラス関数：第一級関数（First-Class Functions）とは、ナイフ、ドライバー、はさみなど複数のツールがあるスイスアーミーナイフのようなものと考えられます。各ツールは単独で使用することもできますが、さまざまな方法で組み合わせて異なる問題を解決することもできます。プログラミングにおいて、「ファーストクラス関数：第一級関数」とはそのようなツールの一つです。単独で使用することも、ボールを渡すように渡したり、後で使用するために保存するような食品を保存することもできます。
簡単に言うと、ファーストクラス関数とは、他のデータと同じように扱える関数です。具体的には：
- 変数に割り当てることができます：スイスアーミーナイフを簡単にアクセスできる特定のポケットに入れるようなものです。
- 他の関数に引数として渡すことができます：何かを修理するためにナイフとドライバーを一緒に使用するようなものです。
- 他の関数から返すことができます：必要なときにはさみを取り出すようなものです。
- データ構造に保存することができます：すべてのツールを工具箱に保管するようなものです。
AIKENが「ファーストクラス関数」をサポートしているということは、コードを書く方法に多くの柔軟性があるということです。スイスアーミーナイフのさまざまなツールを使って様々なタスクに取り組むように、異なる関数を組み合わせて複雑な問題を解決することができます。
カスタム型、再帰、モジュール、およびジェネリック：高度な機能をサポート
AIKENはカスタム型、再帰、モジュール、およびジェネリックなどの高度な機能をサポートしており、複雑なプロジェクトに適した選択肢となっています。
カスタム型（Custom Types）とは、LEGOブロックで飛行機を作ることをイメージするとわかりやすいかもしれません。LEGOブロックは自分自身で特別なピースを作って、ちょうど自分が望むように合わせることができます。AIKENにおいて「カスタム型」は、必要な通りに動作する自分自身のデータの種類を作ることができます。これは、特定のプロジェクトのために自分自身のLEGOブロックを設計する自由を持つようなものです。
再帰（Recursion）とは、マトリョーシカ人形（ロシアの入れ子人形）のようなイメージです。各人形は開いて、中にもっと小さい人形が現れます。「再帰」はプログラミングにおいても同様で、問題をより小さな、類似した問題に分解して解決する方法です。これは、大きなパズルを小さなセクションに焦点を当てて分解するようなものです。
モジュール（Modules）とはAIKENにおいて「工具箱にネジ、釘、ハンマー用の異なる仕切りのようなものです。コードを異なるセクションを整理するのを助け、探しているものを見つけやすくします。
ジェネリクス（Generics）は、AIKENにおける本、おもちゃ、チョコレートなど、異なる種類のギフトを持つことができるギフトバッグのようなもので、異なる種類のデータで動作するコードを書くことができます。それぞれに対してコードを書き直す必要はありません。
AIKENがこれらの「高度な機能」をサポートすると、それはあなたのプロジェクトのためのスーパーチャージされた工具箱を提供しているようなものです。あなたのニーズに合ったカスタムツール（カスタム型）、大きな問題を分解する戦略（再帰）、すべてを整理して保管する仕切り（モジュール）、そして異なるタスクに適応できる一つのサイズがすべてに合うツール（ジェネリクス）が得られます。
これらの機能は、あらゆる種類の課題に対処するために必要な柔軟性と整理を提供するため、AIKENを複雑なプロジェクトに適した選択肢にしています。
ゼロ構成：すぐにコーディングに集中
AIKENはゼロの構成により、開発者は環境の設定を行うことなく、すぐにコーディングに集中することができます。
ゼロの構成（Zero Configuration）とは、開発者が特別な設定や環境構築に時間をかけることなく、すぐにコードを書き始められるようにする概念です。これを簡単な日本語で説明すると、新しいテレビを買ったときに、リモコンの電池を入れてすぐに使える状態になっているようなものです。特別な設定やケーブルの接続が不要です。
これは特に新しいプロジェクトを始める際や、短期間で成果を出したいときに非常に便利です。この機能により、開発者はより効率的に作業でき、プロジェクトの進行がスムーズになります。
迅速かつフレンドリーなフィードバック：開発者のエクスペリエンスを向上
このプラットフォームは、助けになるエラー診断を伴う迅速でフレンドリーなフィードバックを提供し、開発者のエクスペリエンスを向上させます。
料理を学ぶときに、優れたシェフが隣に立っている状況に似ているかもしれません。少し間違えたとき、例えば塩を多く入れすぎたときに、シェフがすぐにそれを指摘して修正方法を教えてくれます。AIKENは開発者にとってそのようなシェフのようなものを目指しています。コーディング中に何かがおかしいと、プラットフォームは即座にフィードバックを提供して、その場で修正できるようにします。
またAIKENは「役立つエラー診断」はそのような医者のようなものです。コードに間違いがあった場合、エラーが発生しただけでなく、そのエラーの原因と修正方法も示してくれます。
AIKENは問題を指摘するのが早く、その解決に役立つ指導をしてくれることで、開発者の経験を向上させます。これは、リアルタイムでアドバイスと解決策を提供してくれるフレンドリーなコーチが常にそばにいるようなもので、コーディングプロセスをスムーズでストレスの少ないものにしてくれます。
Language-Server Protocol（LSP）：自動フォーマット機能
AIKENはLanguage-Server Protocolをサポートしており、自動フォーマット機能を備えているため、VSCodeやNeoVimなどの人気のあるエディタとの統合が容易です。
Language-Server Protocol（LSP）は、複数のデバイス（テレビ、エアコン、照明など）を操作できるユニバーサルリモコンのようなもので、異なるコードエディタ（VSCodeやNeoVimなど）がAIKENの言語を特別な「アダプター」なしで理解できるようになります。これにより、お気に入りのエディタでAIKENを簡単に使用できます。
AIKENの「自動フォーマット」はコードを書くと、プラットフォームがそれを自動的に整然と整理してくれます。これは、コードを読みやすく、管理しやすくするために見えない手が整理してくれるようなものです。
AIKENのLanguage-Server Protocolと自動フォーマットのサポートにより、人気のあるコードエディタで簡単に使用でき、コードが乱れたり、整理されていない状態になる心配がありません。これは、すべてのデバイスを制御するだけでなく、それらをきれいで整理された状態に保ってくれるユニバーサルリモコンを持っているようなものです。
Plutus向けツールキット：オンチェーン実行に最適化し、費用対効果の向上を実現
AIKENには、カルダノのスマートコントラクトプラットフォームであるPlutusとの連携に役立つツールキットが付属しています。これにはユニットテストフレームワークが組み込まれており、オンチェーン実行に最適化されています。
これは、プロジェクトをより効率的にまとめるための専門のツールとマニュアルがあるようなもので、例えば、ロケットを作るときに、そのロケット専用に設計された全ての部品と説明書が含まれた特別なツールキットのようなものです。
ユニットテストフレームワークとは、スマートコントラクトの個々の部分が期待通りに動作するかをテストできます。これは、ロケットがまっすぐ飛び、目的地に到達するかを確認するための一連の小テストを行うようなものです。
チェーン上での実行に最適化されていることで、ロケットが超燃料効率が良い設計になっているため、より高く、より長く飛ぶことができるという効果をもたらします。AIKENは「チェーン上での実行に最適化」されており、ブロックチェーン上でスマートコントラクトを効率的に実行するように設計されています。これにより、スマートコントラクトができる限り少ない計算能力を使用し、お金を節約し、システムをより効率的にすることができます。
このように、AIKENのカルダノのPlutus用ツールキット、ユニットテストフレームワーク、およびチェーン上での実行の最適化により、カルダノブロックチェーン上でスマートコントラクトを作成してデプロイするのがより簡単で費用対効果の向上が実現できます。これは、専門のツールキット、テスト用のミニ風洞、燃料効率の良いロケット設計が一つにまとまっているようなものです。
Blueprint Stub Generator（ブループリントスタブジェネレータ）：オフチェーンコンポーネントの統合を簡素化
ブループリントスタブ生成機能は、オフチェーンコンポーネントの統合を簡素化し、開発プロセスを促進するテンプレートを提供します。
例えば、ツリーハウスを建てるときに、基本的な構造がすでにアウトラインされた設計図が誰かから提供されているようなもので、開発者はその設計図に従って自分自身のタッチを加えることが可能です。例えば、窓やドア、そして多分スライドなどです。AIKENのBlueprint Stub Generatorは、開発者に対してそのような事前に作成された設計図のようなものです。これは、プロジェクトにオフチェーンコンポーネント（ブロックチェーンの外で行われること）を統合する方法の基本的な構造を示すテンプレートを提供します。
オフチェーンコンポーネントの統合を簡素化
オフチェーンコンポーネントは、ツリーハウスの電気や配管のようなもので、ツリーハウスが完全に機能するために接続する必要がある基本的な要素です。Blueprint Stub Generatorは、これらのオフチェーン要素をブロックチェーンプロジェクトに「プラグイン」するのを簡単にします。これは、設計図が電気のコンセントや配管のラインを設置する場所を示すようなものです。
以上がAIKENが提供するカルダノ開発環境の主な機能とその特徴でした。
AIKENを活用することで得られる利点
AIKENは単なるスマートコントラクトプラットフォームではありません。カルダノ上で開発者エクスペリエンスはもとよりカルダノの潜在能力を引き出し、イノベーションを向上させるために設計された専用の言語とツールキットです。その機能の範囲と開発者向けの利便性に焦点を当てることで、AIKENはカルダノ・エコシステムで重要な役割を果たすことになるでしょう。
AIKENがカルダノの開発環境にどのような利点をもたらすのでしょうか？以下はその利点をまとめたものです。
- 開発者に優しい: AIKENはCファミリーの構文を使用しているため、RustやTypeScriptなどの言語に慣れている開発者がAikenの使用に移行するのが容易です。これにより慣れ親しんだ構文と包括的なツールチェーンにより、開発者がカルダノでのスマートコントラクト開発を始めやすくなっています。
- eUTxOの知識: カルダノで安全かつ効率的なスマートコントラクトを構築するためには、拡張UTXO（eUTxO）モデルを理解することが重要です。AIKENはこれを考慮して設計されています。
- 効率性: Aikenはオンチェーンとオフチェーンの両方で最適化されているため、スマートコントラクト開発において非常に効率的な言語です。オンチェーン実行に特化して最適化されています。オフチェーンプロセスとの互換性も考慮して設計されており、外部ツールやシステムとのシームレスな統合が可能です。
- セキュリティ: 形式的検証とプロパティベースのテストに焦点を当てることで、スマートコントラクトが安全で堅牢であることを確保します。
- 相互運用性: オフチェーンとの互換性機能により、AIKENは他のシステムと簡単に統合でき、開発者ができることの範囲を広げます。
- 革新: 言語は現代的に設計されており、スマートコントラクト開発における革新的なアプローチを奨励します。
- コミュニティとエコシステム: カルダノのエコシステム内で既にAIKENを使用しているいくつかのプロジェクトがあるため、その周りには成長する開発者コミュニティとリソースがあります。
- 開発速度: ブループリントスタブ生成や包括的なツールチェーンなどの機能により、開発プロセスが速まり、スマートコントラクトの迅速な展開が可能です。
- オープンソースエコシステム：AIKENはRustで書かれており、Apache-2.0のライセンスで提供されています。明確なガイドラインを持つオープンな貢献プロセスを採用しており、Cardanoコミュニティの30人以上からの貢献を受けています。
- ロードマップ：AIKENには、エラー診断を伴う型チェック、LSP、コードフォーマット、エディタの統合などの機能が、今後のクォーターでリリース予定の明確なロードマップがあります。
このようにAIKENは、カルダノをより開発者に優れた、効率的なブロックチェーンにするための重要な役割を担っていると考えられます。その特徴と利点により、カルダノで構築する開発者にとって魅力的な選択肢となっています。
AIKENを活用するプロジェクト
以下はAIKENを活用するプロジェクトをご紹介します。Tap In With TapToolsは記事「Aiken: Revolutionizing Smart Contract Development on Cardano」を公開し、いくつかの注目すべきプロジェクトを紹介していますので、これらを以下に翻訳し掲載します。
ーここから
カルダノ・エコシステム内のいくつかのプロジェクトは、AIKENの機能を活用して効率的で安全なスマートコントラクトを作成しています。以下にいくつかのプロジェクトについて詳しく見ていきましょう。
SundaeSwap: 効率とセキュリティの向上
AIKENを通じて、カルダノ上の最初のAMMスタイルの分散型取引所であるSundaeSwapは、スマートコントラクトの効率性、セキュリティ性、拡張性を向上させました。YouTubeのビデオでは、SundaeSwap V1スマートコントラクトと比較して、注文の埋まり率が驚異的な2016.7%向上したことを示しています。
Jpg.store
Jpg.storeはカルダノ上の主要なNFTマーケットプレイスであり、AIKENを利用してV3スマートコントラクトを強化しています。Sundae Labsによるこれらのコントラクトの監査では、大幅なパフォーマンスの改善が明らかになりました。特に、V3コントラクトにより、マーケットプレイスでの一括購入がシームレスに行われ、ユーザーの手数料が削減されます。
LenFi
レンディングおよび借入プロトコルのLenFiは、AIKENを取り入れたV2リリースの監査を現在進行中です。このアップデートでは、プール化されたレンディングと、カルダノ初のフラッシュローンが導入されています。コミュニティマネージャーのNeophyteは、「LenFi V2の監査は順調に進んでおり、その一因はAIKENの堅牢性にあります。」と述べています。
Butane Protocol
カルダノ上で構築されるオープンなシンセティックプロトコルのButaneは、AIKENを利用してより安全で多様なエコシステムを作り上げています。Butaneの開発者であるMicahは、以下のようにAIKENの使用方法について述べています：
Butaneでは、AIKENを使用してバリデータを分離し、特定の不変条件に関してより高い保証を可能にしています。例えば、マルチバリデータを使用することで、CDPボンドがCDPポジションに一意に対応することを簡単に保証できます（ライブまたは清算されたかどうかに関係なく）。なぜなら、私たちは ‘ロックされたバリデータ’ と呼ばれるものを簡単に実装でき、同じミンティングハッシュからスクリプトハッシュと同じものをミントすることで、いかなる参照トークンの必要もなくバリデーションを行うことができるからです。そのため、特定のポジションに結び付けられたボンドを持つロジックを書くことが容易になります。
AIKENはカルダノにおける開発者やプロジェクトがより効率的で安全で革新的なスマートコントラクトを作成するために不可欠な存在です。SundaeSwap、Jpg.store、LenFi V2、Butaneなどのプロジェクトが先頭を切っていることからも分かるように、AIKENはカルダノのスマートコントラクトエコシステムの将来において重要な役割を果たすことになります。
ーここまで
Butane Protocolのリードデベロッパー、Micahからの洞察
Tap In With TapToolsの記事「Aiken: Revolutionizing Smart Contract Development on Cardano」に掲載されたButane ProtocolのリードデベロッパーであるMicah氏のコメントを翻訳し掲載します。
ここからー
Butane ProtocolのリードデベロッパーであるMicahは、カルダノ上でスマートコントラクト開発にAIKENを使用する利点について貴重な洞察を共有しました。
私は去年の8月頃からAIKENを書いており、それがコンパイルできるようになる前から使っていました。私はIOHKの開発者エクスペリエンスワーキンググループの一員でした。私はすぐにPlutusTxからAIKENに移行し、初期のドキュメンテーションの一部を書き、早い段階で推奨し始めました。私はAIKENへのマイナーな貢献者と言えるでしょう。
Micahは、AIKENとPlutusTxとの開発者エクスペリエンスの大きな違いを強調しました。
使用方法に関して言えば、PlutusTxと比べると夢のようです。PlutusTxの問題は、ツールの問題と言語の問題の組み合わせです。
彼はPlutusTxの主な問題の1つについて詳しく説明しました。
PlutusTxには、特定のバージョンのHaskellライブラリを使用する必要があるという、Nixというインフラストラクチャの問題がありました。埋め込み型DSL(eDSL)であるため、新しいバージョンの契約を試すたびに、すべてのライブラリを再コンパイルする必要がありました。
しかし、Aikenのコンパイル方法はゲームチェンジャーでした。
AIKENが本当に素晴らしいのは、AIKEN言語が単一のバイナリ実行可能ファイルであり、私の.akソースファイルを数秒でUPLCブループリントにコンパイルしてくれることです。非常に細かな変更を契約に加えるための反復時間は以前は3〜10分で、すべてがビルドされてテストが実行されるのを待っているだけでした。これは主にコンパイラの問題によるものでした。AIKENは数秒で完了し、Lucidエミュレータなどのツールとともに、コードの変更を行い、完了したエンドツーエンドのテストを20秒未満で確認することができます。
Micahは反復時間の遅さの影響を強調しました。
開発を反復的なプロセスとして理解するならば、テストを実行しコードをコンパイルするのに時間がかかると、結果が得られないため、モデルの改善や理論化ができなくなるということが簡単に理解できます。
彼はまた、AIKENの強みについても言及しました。
だから開発者体験の面から言えば、AIKENは単純に素晴らしいです。完全に自己完結しており、高速です（eDSL vs DSL、eDSLはHaskellなどのホスト言語に埋め込まれているのに対し、DSLは独自のパーサーと構文を持っています）。
Micahは、AIKENの構文とその明瞭さを向上させる役割についても詳しく説明しました。
次に、AIKENの機能について説明できます。AIKENは独自の構文を持つため、ノイズを最小限に抑え、読み書きの明瞭さを高めることができます。
Aikenの最適化能力も称賛の的でした。
“AIKENは非常に最適化されています。実際、最適化されていないAIKENの方がPlutusTxよりも速かったのです。これは、あるプログラミングパラダイムを別のパラダイムに無理に適用しようとすることではなく、 ‘シンプルイズベター’ の良い例でした。”
彼はAIKENの特定の最適化についても詳しく説明しました。
“AIKENのもう1つの主な機能は、マルチバリデータです。AIKENはこれをシームレスに実装しており、特定のプロトコルをより簡単に表現できます。”
Micahの洞察は、AIKENの効率的な開発プロセスと優れたパフォーマンスによって、Cardanoエコシステム内のButane Protocolなどのプロジェクトで作業する開発者にとって選択肢の一つであることを明らかにしています。
ここまでー
まとめ：カルダノがAIKENによって獲得する優位性「更なるイノベーションとと多様な開発者の採用」
カルダノがAIKENによって獲得する優位性：効率的な開発と多様な開発者の採用を促進
皆さんいかがだったでしょうか？カルダノの専用スマートコントラクトプログラミング言語であるAIKENが、カルダノ・エコシステムに大きな変革をもたらす可能性があります。
AIKENは、開発者にとって非常に使いやすい言語であり、効率的な開発プロセスを提供します。シンプルな構文と高速なコンパイル時間が特徴で、これにより開発者はスマートコントラクトの開発を効率的に行えます。想像してみてください、これはまるで、短時間で美味しい料理を作れるレシピと高性能なキッチン器具が揃った状態です。Aikenは、開発者がスマートコントラクトを素早く、効率よく作成、テスト、デプロイすることを可能にします。
また、AIKENは、カルダノ・ブロックチェーン上でのスマートコントラクトの実行速度を高め高いスループットを実現します。これは、言語が最適化され、オンチェーン（ブロックチェーン上）での実行が効率的に行えるように設計されているからです。これは、高速道路に乗るようなもので、スムーズに目的地に到達できます。高いスループットは、より複雑な分散型アプリケーション（dApps）やプロトコルの実行を可能にします。
さらに、AIKENの簡単な構文と低い学習コストは、多様なバックグラウンドを持つ開発者をカルダノ・エコシステムに引き付ける可能性があります。これは、多様な才能が集まる大学のようなものです。多くの人々が参加しやすい環境が整っているため、カルダノ・エコシステムは急速に成長し、ブロックチェーン業界での競争力を高めます。
AIKENは、効率的な開発、高いスループット、そして多様な開発者コミュニティの採用を通じて、カルダノ・エコシステムに多大な影響を与える可能性があります。これにより、カルダノは競争の激しいブロックチェーン業界で優位な立場を築くことができるでしょう。AIKENの革新的な特性は、カルダノが次世代のブロックチェーン・プラットフォームとしての地位を確立するための強力な武器となるでしょう。
最後に本日（記事公開時）TapToolsが公開したAIKENがカルダノのDeFi（分散型金融）エコシステムのスケーリングにおいて果たす役割についての記事「Aiken to Help Scale Cardano DeFi」が届きましたので、これをご紹介します。
記事は、カルダノのエコシステムが進化し続ける中で、AIKENを採用し、スケーラビリティの課題に取り組むことは、すべての参加者にシームレスで効率的なDeFi体験を提供する上で極めて重要だと述べています。さらにこれはエキサイティングな旅であり、カルダノは分散型金融の世界で大きな進歩を遂げる位置にあるとしています。
Minswapで最近ローンチされた$JPGトークンによってカルダノのネットワークが高い取引量により混雑したという事例を取り上げて始まり、スマートコントラクト開発にAIKENを採用することで、このような混雑を防ぐ可能性があったと主張しています。
記事の主要なポイントは下記のとおりです。：
- 混雑への解決策：$JPGトークンのローンチにより、Minswapでの取引に大幅な遅延とキャンセルが発生しました。AIKENベースのスマートコントラクトは、より速い取引処理とスムーズなユーザーエクスペリエンスを提供する可能性があり、カルダノの混雑問題を解決できるでしょう。
- Aiken対Plutus：効率性の面でAikenは、カルダノのネイティブなスマートコントラクト言語であるPlutusを上回っています。例えば、AIKENで書かれたSundaeSwapのスマートコントラクトは、2,258のオーダーを埋めたのに対し、Plutusの対応品は164のオーダーしか埋められませんでした。
- 効率の基準：AIKENは、大幅に低いCPU使用率を可能にし、わずか4つのバッチで約100のオーダーを処理できます。対照的に、Plutusで構築されたDEXは、同じ時間枠内で8〜16のオーダーしか処理できません。
- Cardanoのスケーラビリティへの道：AIKENは、LenFi、MinSwap、Encoins、Jpg.store、Indigoなど、カルダノエコシステム内の多くのプロジェクトに採用されています。それは独占的な解決策ではありませんが、カルダノのスケーラビリティに対する有望な始まりを示しています。
- 結論：記事は、カルダノブロックチェーン上のスケーラビリティの懸念に対処するためにはAikenの採用が重要であると結論づけています。カルダノのエコシステムが進化するにつれて、Aikenを採用し、スケーラビリティの課題に取り組むことが、すべての参加者にシームレスで効率的なDeFi体験を提供する上で極めて重要であると強調しています。
参考記事：
AIKEN公式サイトリンク：http://aiken-lang.org/
これまでの記事「シリーズ連載：進化するカルダノ・ベーシック」はこちらをご覧ください。
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ステーキング（委任）とは？
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法：2021版
Q&A：カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
ニュース動向 in エポック438
エポックな日々 [シリーズ連載『進化するカルダノ・ベーシック』 [#12]進化を遂げ無限の可能性を広げるカルダノ開発環境 「[その3]Marloweの魅力とその将来性」
シリーズ連載『進化するカルダノ・ベーシック』は、カルダノについて初心者や、既に知っているが日々進化し続けるカルダノの現在進行形について知りたい方向けに、様々な視点と角度から、カルダノの基礎知識とその未来について、最新アップデート情報を交えてお伝えする企画（不定期）です。
前回は、第12回目の記事としてカルダノの独自な進化を支える「[#12]進化を遂げますます無限の可能性を広げるカルダノ開発環境「（その１）カルダノ・ブロックチェーンにおける開発環境の特徴とその能力」、「（その2）「カルダノのコア開発環境Plutusとは？」についてお届けしました。」
今回の第12回目はその3として、プログラミングなしで安全で堅牢なスマートコントラクトを作成するためのカルダノ開発環境であるMarloweの魅力とその将来性ついてお届けします。
カルダノネットワークは6年前ジェネシスブロックを生成し、ネットワークは再起動やブロックチェーンのロールバックを一度も経験することなく連続稼働を記録
カルダノのジェネシスブロックは2017年9月23日に生成され、ネットワークは再起動やブロックチェーンのロールバックを一度も経験したことがありません。 2023年1月のネットワークインシデントでは、ほとんどの影響を受けたノードが自動的に回復し、ネットワークの堅牢性が示されました。 カルダノはゴーグエン時代のスマートコントラクトの導入を含む重要なアップグレードを経ています。プロジェクトは引き続きBASHOとVOLTAIRE時代での拡張性とガバナンスに焦点を当てています。
