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カルダノのエコシステムを無限に拡張させる戦略的ソリューション「サイドチェーン・ツールキット」:ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック382

カルダノのエコシステムを無限に拡張させる戦略的ソリューション「サイドチェーン・ツールキット」

サイドチェーン・ビッグバン戦略「サイドチェーン・ツールキット」

カルダノでは、Vasilアップグレード以降のBashoフェーズにおいて、メインチェーンの機能を拡張するための戦略として、多様なサイドチェーンの導入を促進させるための開発が進んでいます。これにより、カルダノ・エコシステムに、無限で多様なビジネスモデルをより簡単にかつ安全に導入することが可能になります。

そこで今回は、カルダノ・ブロックチェーンの研究・開発元であるInput Output Global, Inc.(IOG)主催のイベント『IO ScotFest』でプレゼンテーションされた動画『Building an ecosystem of ecosystems with IOG’s Sidechains Toolkit』を交えながら、カルダノのエコシステムを無限に拡張させるサイドチェーン戦略と、そのソリューションとなる「サイドチェーン・ツールキット」についてお伝えします。

サイドチェーンとは?

まずサイドチェーンについて簡単に説明します。サイドチェーンは、複数のブロックチェーンに相互に通信することを可能にし、一方が他方のイベントに反応する方法として定義されますが、メインのブロックチェーン(または親チェーン)に接続された独立したブロックチェーン(子チェーン)のことです。

この親と子の関係にあるメインチェーンとサイドチェーンが相互に通信することで、主に下記の二つのようなことが可能になります。

  • スケーラビリティ(拡張性):サイドチェーンは、メインチェーンの信頼性(セキュリティや資産など)を確保しながら、メインチェーンの制限された機能を拡張する役割を担い、ブロックチェーン全体のエコシステムに無限の成長をもたらします。
  • ブリッジ(相互運用性):サイドチェーンがブリッジ(橋の役割)になることで、他のブロックチェーン間同士で、より自由なデータ(資産やDAppsなど)の移動を可能にします。

サイドチェーンの主なメリットはメインネットの安全性を損なうことなく、ネットワークに新機能を導入できる点です。そして、技術的には無限のサイドチェーンがメインネットに接続可能です。

カルダノにはどんなサイドチェーンがある?

現在、カルダノにはIOGが開発を進めているMambaやHydra、Mithril、Midnight、dcSpark社によるMilkomedaなどがあります。

Mamba:カルダノのサイドチェーンモデルの戦略でもあり、ユーザーが独自のサイドチェーンを作成する機能を提供します。
Hydra:コスト削減とスピードアップなどスケーラビリティを実現します。
Mithril:セキュリティを犠牲にすることなく、効率性、安全性、軽量性を実現します。
Midnight:機密性の高い商業データや個人データを保護します。
Milkomeda:Ethereum Virtual Machine互換(EVM)をカルダノにもたらし、イーサリアムベースの暗号資産の移動やDAppsの移植など、他のチェーンとのブリッジ機能を実現します。

現在カルダノは、上記のように複数のサイドチェーンを構築していますが、その中でもIOGによるカルダノ用の最初のサイドチェーンとなるMambaは実際に活用できるサイドチェーンの候補の一つとなっているようです。そしてカルダノは、このMambaサイドチェーンモデルの構築からソリューションの提供に移行する計画が進行中です。

これは誰もが独自のビジネスモデルを表現するサイドチェーンを構築可能にするというもので、コミュニティに力を与え、エコシステムを拡大するという強力な可能性を秘めているものです。

チャールズ・ホスキンソン氏によれば、Mambaは、チェーン同士の接続方法、サイドチェーンの操作方法だけでなく、ユーザーが独自のサイドチェーンを作成したい場合、そのプロセスがどのように機能するかという汎用的なフットプリントについても、非常に明確な視点を持つまでに収束したと説明しています。

このMambaの開発がもたらした成果を「サイドチェーン・ツールキット」というソリューションに置き換え、コミュニティに提供する計画をIOGは発表しています。

ユーザーが独自のサイドチェーンを作る「サイドチェーン・ツールキット」

サイドチェーンツールキットのテクニカルアーキテクトを担当しているDominik Zajkowski氏による動画『Building an ecosystem of ecosystems with IOG’s Sidechains Toolkit』では、目的別ソリューションにより、技術的・社会的ニーズに対応したサイドチェーンを、コミュニティが独自に作ることを可能にする、カスタマイズ可能なソリューションである「サイドチェーン・ツールキット」についてプレゼンテーションしています。

IOGは、サイドチェーンを、エコシステムに利益をもたらすアプリケーションを提供すると同時に、レイヤー1ブロックチェーン上でブロックスペースを争うDAppsのスケールアップを可能にする重要な戦略として位置付けており、カルダノ上でサイドチェーンを簡単に効率的に構築するためのツールキットの作成を進めています。

カルダノの柔軟なモジュール化されたサイドチェーン・ツールキットの開発環境

このツールキットを使って実装されたサイドチェーンは、カルダノの最高レベルのセキュリティと信頼性、高度に分散化されたコミュニティとエコシステムと共に、ブートストラップされることになります。

そして、カルダノとサイドチェーンの関係は構造的なデザインによって保護されており、サイドチェーンが経験する可能性のある問題は、サイドチェーンのみに限定されることになります。つまりカルダノのメインチェーンに影響を与えることはないので、システムリスクを回避しながら、実験とイノベーションが可能になります。

具体的には、カルダノの柔軟なモジュール化されたサイドチェーン・ツールキットの開発環境は、メインチェーンとサイドチェーンの関係をスクリプトで確立・構築することができます。

具体的には、次のようなことを可能にしています。

  • カルダノ・メインチェーンPlutusスクリプトにより、カルダノ・メインチェーンに変更を加えることなく、メインチェーンの拡張を可能にする。
  • 安全なクロスチェーン・トランザクションを可能にする。

これにより、サイドチェーン・モジュールは、メインチェーンのデータをトレースすることで、必要な台帳の適応を実装することが可能にする。

サイドチェーンは、イノベーションと応用研究の種そのもの

もし、簡単な方法でメインネットの安全性を脅かすことなく、サイドチェーンを作ることができたら、どれだけのメリットが生まれるでしょうか?

サイドチェーンは、イノベーションと応用研究の種であり、これを育てることは、カルダノ・エコシステムとコミュニティの繁栄をもたらす、強力な起爆剤になるでしょう。

例えば、サイドチェーンは、カルダノのセキュリティを活用することで、次のことが可能になります。

  • データと価値の移動を可能にする
  • 異なるパラダイムをサポート(コンセンサスプロトコル、台帳ルール、言語など)
  • 新しいサイドチェーンのローンチを可能にする
  • 実験、インキュベーション、再研究を可能にします。

つまり、「サイドチェーン・ツールキット」は、カルダノ・コミュニティに力を与え、ビジネス上の課題を解決する方法を提供します。

サイドチェーンファミリーがもたらす無限の可能性

例えば、カルダノのサイドチェーンがもたらす未来は、Midnightのような独自のトークンを持つサイドチェーンがあり、それをSPOがコンセンサス・ノードの運営を行うことで、複数のトークン収入を得ることが可能になります。

将来のサイドチェーンには、有望な新規プロジェクトを支援するコミュニティ主導のローンチパッドが、世の中のニーズと呼応しながら生まれ、多くのDAppsやサービスが創出される賑やかな生態系を創出することになるでしょう。

さらに、サイドチェーンはコミュニティに力を与え、カルダノのセキュリティとコミュニティを受け継いだ目的別ソリューションをもたらすことになるでしょう。

つまり、サイドチェーンは自己強化型であり、ネットワーク効果を活用して、カルダノの使いやすさと汎用性を持続的に向上させることになります。

このようにして、「サイドチェーン・ツールキット」は、コミュニティが必要とする独自のサイドチェーンに、簡単で安全な方法で有効化と権限付与を与える役割を持つことになるようです。

IOGDominik Zajkowski氏は、カルダノのサイドチェーンは、下記の三つの最高の目的別ソリューションを提供するようになると述べています。

  1. テーラーメイドの実行とプロトコルの環境構築:コミュニティや企業が独自の問題に対処するために、目的別に構築されたソリューションを提供します。
  1. カルダノが提供する最高のものでサイドチェーンをブートストラップする:カルダノは、サブコミュニティとチェーンを保護するためにステークプールを活用し、信頼のコアルートとして機能します。 サイドチェーンは、カルダノのファーストインクラスのセキュリティ、インフラ、およびコミュニティから利益を得ます。

3.自分のチェーンの主権を維持しながら、Web3最大のコミュニティとつながることができる:相互運用性とセルフカストディ化された自己主権型チェーンの拡散は、接続性、複合性、ガバナンス、スケーラビリティをサポートすることができます。

さらに、カルダノの創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏は、12月12日の「Surprise AMA 12/10/2022」セッション動画で、カルダノのサイドチェーンとして、複数の主要ブロックチェーンに接続するアイディアを披露しています。カルダノがメインチェーンとなり、他のブロックチェーン・ネットワークがプラグインできるようになるというものです。例えばSolanaやDogecoinをカルダノのサイドチェーンとして持つというアイデアを述べています。

つまり、サイドチェーンの導入は、カルダノを無限に拡張し価値を高める重要かつ必要不可欠な戦略だということになります。

Web3に新しい可能性と力を与え、現実世界の変化を促進する

IOGは、今日のイノベーターとアーリーアダプターによる活気ある市場としてのWeb3におけるサイドチェーンの役割について、次のように述べています。

市場が成熟するにつれ、World Mobile、SingularityNet、自己主権型コミュニティなどの実世界での使用例が変化をもたらし、この技術の約束を実現するでしょう。サイドチェーンのファミリーにより、このプロトコル(カルダノ)とその情熱的なコミュニティは、この革命を推進する分散型バッテリーとして機能するでしょう。

これは最初の一歩に過ぎませんが、カルダノという大海に浮かぶ一つの島からコミュニティ生態系を形成するものです。多くのアイデアを受け入れることができるようなコミュニティとなるでしょう。

2023年には、分散型ガバナンスの本格導入、RealFi、ステーブルコイン、Web3プラットフォームLace、Hydra、Mithril、Midnight、次世代プロトコルのOuroboros Leios等、多くのキーワードが登場する予定です。これらに加えサイドチェーン・エコシステムの時代が大きく幕を開くことになり、サイドチェーン・ソリューションはカルダノの大量採用を大きく加速させることにつながる大戦略となりそうです。

もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。
ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。

ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル

ニュース動向 in エポック382

カルダノ週間開発レポート:2022年12月9日

開発ハイライト
ネットワーキングチームは、OPODIS 2022で、Cardanoノードの複雑で分散化された、高度な同時ネットワークスタックのテストに対するIOGのアプローチを発表
プリプロ環境でLaceのパブリックテストが可能に
Marlowe Runtimeのスケーラビリティテスト&新エンドポイントの追加
HydraとMithril概念実証開発が進行中
タウンホール再開

カルダノ・ネットワークの現時点での統計
開始されたプロジェクト:111
開発中のプロジェクト:1151
ネィティブトークン:7.28m
トークンポリシー:66902
Plutusクリプト:4855 トランザクション:56.8m

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カルダノ(ADA)、BNBチェーンの上位大資産家(クジラ)の最大購入銘柄に入る

WhaleStatsによると、過去24時間で、大資産家の上位100人がカルダノ(ADA)を平均10,308トークン、2,750ドルに相当する金額で積極的に買い上げており、最大手BNBチェーン・クジラの上位購入銘柄に入っています。

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ステーキング状況 in エポック382

エポック383開始時点ステーキング動向
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