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次期アップグレード『Ouroboros Genesis』がもたらすもの:ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック391

次期アップグレード『Ouroboros Genesis』がもたらすもの

はじめに

2023年2月1日、カルダノとBlockchain-Techに関する教育コンテンツを毎週提供するTwitterユーザーでブロックチェーン教育者のSooraj(@Soorajksaju2)氏は、次期アップグレード予定のOuroboros Genesisに関する記事「Ouroboros Genesis: Bringing Cardano Closer to Bitcoin’s Level of Security:カルダノをビットコインのセキュリティ水準に近づける」を公開しました。

記事によればOuroborus Genesisのアップグレードが、カルダノにビットコインと同様のセキュリティ機能を持つ初のPoSブロックチェーンをもたらすとのことで、ダイナミック・アベイラビリティ(動的可用性)を可能にするだろうと述べています。現在のところ、PoSブロックチェーンシステムには、ダイナミック・アベイラビリティを提供する機能を持つものはありません。

この問題を解決する新しいPoSベースのプロトコル「Ouroborus Genesis:Ouroboros Genesis: Composable Proof-of-Stake Blockchains with Dynamic Availability 」が提案されており、2023年の前半にリリースされる可能性があります。

Sooraj氏の記事によれば、Ouroboros Genesisは、現在のOuroboros Praosプロトコルをアップデートするもので、カルダノのコンセンサスプロトコルに待望のアップグレードをもたらし、このアップデートはコストレス・シミュレーション(Nothing-at-stake 問題)とブートストラップ問題の解決と、分散化されたオープンな環境でのロングレンジ攻撃の脅威を軽減することを目的としています。

U.TODAYがSooraj氏の記事ついて取り上げ、Ouroboros Genesisの登場は、PoS機能を維持しつつ、カルダノはビットコインのようなセキュリティを見ることができるようになり、イーサリアムのキラーシナリオ(Ethereum-Killer Narrative)を変えるだろうと伝えています。

今回はカルダノの時期アップグレード『Ouroboros Genesis』が、カルダノをビットコインのセキュリティ水準に近づけ、世界最強レベルのPoSパブリック・ブロックチェーンへと押し上げるであろうその理由について、Ouroborosの過去と現在、そして未来の動きを交えつつお届けします。

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Ouroborosとは?:Ouroborosがブロックを作る仕組み

まず、Ouroboros(ウロボロス)についてと、Ouroborosがブロックを作る仕組みについて見ていきましょう。既に知ってる人は飛ばしてください。

Ouroborosとは、カルダノ・ブロックチェーンで使用されているプルーフ・オブ・ステーク・コンセンサス・プロトコルの一種です。証明可能な安全性を持つ最初のプルーフ・オブ・ステーク・プロトコルであり、Ouroborosは、最も引用された暗号研究の成果であり、ピアレビューされた研究に基づいているブロックチェーンプロトコルです。

Ouroborosがブロックを作る仕組みを簡単に説明すると、Ouroborosはまず、チェーンをエポックに分割し、さらにタイムスロットに分割することで動作します。各タイムスロットにはスロットリーダーがランダムに選出され、チェーンにブロックを追加する責任を負います。スロットリーダーは自分のブロックに含まれる取引を集め、VRFの出力から得られる乱数値(v)と証明(π)を含めます。Ouroborosでは、カルダノの時間をスロット(1秒ごと)、ブロック(20秒ごと)、エポック(5日ごと)に分割しています。

参考記事:Ouroboros Genesis: Composable Proof-of-Stake Blockchains with Dynamic Availability 

ビットコイン・システムとカルダノのOuroborosとの違い

次に代表的な比較としてビットコイン・システムとカルダノOuroborosの違いを見ていきましょう。

ビットコイン・システムは、分散型ネットワークを利用したブロックチェーンに基づいており、取引の透明性と低コストを維持することができます。取引はブロックチェーンに記録され、ウォレットに格納された秘密鍵で署名され、ウォレットがその所有者のものであることを数学的に証明します。

ビットコインはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)コンセンサス・アルゴリズムを使用しています。PoWは、マイナーが複雑な数学的問題を解いて取引を検証する必要があり、安全性が高い反面、エネルギー消費量が多くなります。

一方、Ouroborosは、ノードが保有するトークンの量に基づいて取引を検証するPoS(プルーフ・オブ・ステーク)コンセンサス・アルゴリズムを採用しており、よりエネルギー効率に優れています。

どちらのアルゴリズムも、それぞれのネットワークの整合性と安全性を確保するという目的を果たすものですが、そのアプローチと設計には違いがあります。

ビットコインには存在するが、PoSには存在しないダイナミックアベイラビリティとは?

では、先ほどのOuroboros Genesisが解決するとされる、ビットコインには存在するが、PoSには存在しないダイナミックアベイラビリティ(動的可用性)とはなんでしょう?

論文『Ouroboros Genesis: Composable Proof-of-Stake Blockchains with Dynamic Availability』によれば、ビットコインの文脈における『ダイナミック・アベイラビリティ(動的可用性)』とは、ネットワークの全体的な機能を中断することなく、ノードが柔軟かつ絶えず変化する方法で、ネットワークに参加したり離脱したりする能力を指します。

次期プロトコル『Ouroboros Genesis』が実現するものは?

既存のPoSベースのブロックチェーン・プロトコルは、ビットコインと同じように(生成ブロックの情報のみを使って)『ダイナミックアベイラビリティ(動的可用性)』の下で元帳機能を実現できないことが分かっています。この問題を解決するために、カルダノの開発会社であるIOGにより、新しいPoSベースプロトコル「Ouroboros Genesis」が提案されています。これによりビットコインレベルのセキュリティと堅牢さに匹敵するPoSブロックチェーンを実現することが可能になります。

論文の著者らは、提案するOuroboros Genesisプロトコルが、PoSブロックチェーンでは初の『ダイナミックアベイラビリティ(動的可用性)』を実現し、ネットワークの効率と安全性を高める上で大きな前進となると考えています。

Ouroboros Genesisは「コンポーザビリティ (複数の要素や部品などを結合して、構成や組み立てが可能な能力)」という概念を導入することで、互いに相互作用できる複数のブロックチェーン・ネットワークを作成し、スケーラビリティや動的可用性といった従来のPoSシステムの制限を解決することで、より大きなネットワークを形成できる新しいアプローチということになります。

そして、Ouroboros Genesisの新しいルールの導入により、新しいノードやオフラインのノードは、安全に(再)参加し、ジェネシス・ブロック(チェーンの最初のブロック)からブロックチェーンをブートストラップ(bootstrap from genesis )することが可能になります。

「bootstrap from genesis」とは、ブロックチェーンネットワークをゼロから始めるプロセスのことで、その最初のブロックは 「ジェネシス・ブロック :Genesis Block」と呼ばれます。

「bootstrap from genesis」の主な利点は以下の通りです。

白紙の状態からスタートできる:チェーンの最初のブロックからスタートすることで、過去の履歴を考慮する必要がないため、白紙の状態からスタートできます。

監査の容易さ:ジェネシス・ブロックは、監査人がネットワークの履歴や取引を検証するための明確な出発点となり、ネットワークの活動を追跡・検証することが容易になります。

セキュリティ:ジェネシス・ブロックからブートストラップすることで、悪用される可能性のある過去の履歴が存在しないため、より高いレベルのセキュリティを実現できます。

透明性:ジェネシス・ブロックは明確で透明な出発点となり、トークンや計算能力などのリソースをよりオープンで公正に分配することができます。

このようにOuroboros Genesisは、ネットワークの問題、再起動、更新などにより、ネットワーク内の一部の参加者が完全に動作しない状況に対応するように設計されています。

Ouroboros Genesisは、新しい参加者やオフラインの参加者が、特別なアドバイスや過去に関する仮定を必要とせずに、最初からブロックチェーンに参加し、使い始めることができます。これにより、Ouroboros Genesisが、総出資額の半分以下を支配する攻撃者に対して安全であることを証明しています。この新しい安全性は、ネットワークの遅延や最低レベルの可用性に依存しないため、実環境においてより堅牢なものとなっています。

このようにOuroboros Genesisは、カルダノ・ブロックチェーンの安全性、拡張性、持続可能性、相互運用性を高め、分散型経済の需要によりよく対応できるようになります。

ソース:Ouroboros Genesis: Composable Proof-of-Stake Blockchains with Dynamic Availability

Ouroboros Genesisはいつ登場?:Ouroborosのこれまでの進化と今後の展開

カルダノの次世代プロトコルであるOuroboros Genesisは、2023年に利用可能になると予想されます。Ouroboros Genesisは、現在のOuroboros Praosプロトコルをアップグレードしたもので、カルダノをビットコインのセキュリティレベルに近づけ、さらに他のPoSブロックチェーンを凌駕する安全性と信頼性を獲得することになるでしょう。

IOGが2022年6月15日に公開したスレッドでは、Ouroborosのこれまでの進化と今後の展開について説明していますので、それをご紹介します。

Ouroboros Classic:2017年にCardanoに展開されたOuroboros Classicから始まりました。これで基礎ができました。

Ouroboros BFT:2020年5月にカルダノ上に展開され、Shelleyのリリースと、それに伴う分散化に向けてカルダノのネットワークを準備するのに役立ちました。BFTは、ClassicからPraosへの移行点として機能しました。

Ouroboros Praos:Ouroboros Praosは、2020年にカルダノに展開され、分散型ブロック生産、ステークプールのサポート、インセンティブ、セキュリティ特性の強化が導入されました。

Ouroboros Genesis:次の進化は、Ouroboros Genesisの展開です。現在、2023年のリリース展開に向けて開発が進んでいます。(2022年展開の予定でした。)

Ouroboros Crypsinous:Ouroboros CrypsinousはGenesisにプライバシー保護特性を装備します。Crypsinousは現在カルダノに実装する予定はないが、プライバシー設定を強化するために他のチェーンで使用することができます。

Ouroboros Chronos:Ouroboros Chronos論文の研究は、単一障害点のない統一されたネットワーククロックにローカル時刻を同期させる必要がある重要な通信、輸送、その他のITインフラの耐障害性を劇的に高めることができる方法を実証しています。

Ouroboros Leios:最後に、Ouroboros Leiosは、インプットエンドーサーの概念を提唱しています。コンセンサスプロトコルのスループットを最適化するために、関連する多くの付随する革新的な技術を実装しています。

暗号業界最高峰のパブリック・ブロックチェーンへ

いかがだったでしょうか?Ouroboros Genesisは、ビットコイン・レベルのセキュリティに近づくと同時に、既存PoSブロックチェーンの制限を解除し、ここに近々導入される予定の分散型P2Pネットワークと分散型ガバナンスの導入により、事実上業界最高峰のパブリック・ブロックチェーンへと揺るぎない地位を獲得することになりそうです。

もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。
ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。

ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル

ニュース動向 in エポック391

カルダノ・ブロックチェーンはインターオペラビリティ新時代へ、その輝かしい未来に迫る

web3時代の到来とシンクロし、インターオペラビリティ(相互運用性)がイノベーションの次のフロンティアとなっています。

DJEDアップデート:1月30日

チェーンインデックスの同期が無事完了し、発売が近づいてきました。何人かの方からご質問やご心配をいただきましたので、透明性を持って対応したいと思います。

COTIはDjedのローンチ前に最後のアップデートを報告

COTIはDjedステーブルコインのメインネット・ローンチ前に最後のアップデートを報告。昨夜全てのテストを完了し、メインネットにDjedコントラクトをデプロイしたとのこと。続いてDJEDとSHENトークンをカルダノスキャンに登録が完了し、さらに流動性の確保に成功。

メインネット・ローンチが近づく分散型融資プラットフォームLiqwid Financeについて知る

カルダノDeFiの成長を助けるとしてDjedとともに注目されている、分散型融資プラットフォームLiqwid Financeのメインネットでのローンチが近づいています。今週中にローンチの予定です。

Djedが遂にカルダノ・メインネットでライブに!

Djedのメインネット公開は、ステーブルコインの新時代の到来を告げるもで、COTI、カルダノのエコシステム、そしてDeFiのエコシステム全体にとって重要なマイルストーンになります!

Djedステーブルコインの担保が800%超過し、Shenコインの鋳造が終了

COTI CTOのShahaf Bar-Geffen氏は、プラットフォームがDjed(DJED)ステーブルコインの担保を800%超過したため、Shen(SHEN)コインの鋳造が終了したとツィートで発表しました。

Djed is LIVE!!!カルダノのアルゴリズム型ステーブルコインのメインネットローンチが新時代を切り開く!
Djedステーブルコインがリリースされ、早速TVLに動き

カルダノDeFiのTVLが、1月31日時点の74.93mから(Djedステーブルコインがリリースされてから)、24時間で91.44mまで22%以上上昇

SundaeSwap ガバナンス開始!

SundaeSwap Labsは、SundaeSwap自身のガバナンス・ポータルをブログで発表しました。この記事はSundaeSwapのガバナンスの発展の歴史と、DAOの投票手続きの実施方法について説明しています。

次期アップグレードOuroboros Genesisは、ビットコインと同様のセキュリティ機能をもたらし、ダイナミックアベイラビリティを可能にする初のPoSブロックチェーンになる

カルダノとBlockchain-Techに関する教育コンテンツを毎週提供するTwitterユーザーでブロックチェーン教育者のSooraj(@Soorajksaju2)氏は、記事「Ouroboros Genesis: Bringing Cardano Closer to Bitcoin’s Level of Security」を公開し、時期アップグレード予定のOuroborus Genesisがビットコインと同様のセキュリティ機能を持つ初のPoSブロックチェーンになり、ダイナミックアベイラビリティを可能にするだろうと報告しています。

カルダノ系GameFiスタートアップがマイクロソフトのWeb3プログラムに参加

Paima Studiosがマイクロソフトによるスタートアップ支援プログラム “Microsoft for Startups”に選出されました。Microsoft for Startupsは、マイクロソフトが提供し、世界140カ国以上で展開するグローバルなスタートアップ支援プログラムです。

Djedステーブルコインのローンチによるイノベーションの開始でカルダノの社会的関心が爆発、ADAの上昇率はトップ10を凌駕

オンチェーン分析会社のIntoTheBlockは、Djedステーブルコインのローンチにより、カルダノに対する社会的関心が高まったとし、ADAは日々の上昇率でトップ10の暗号通貨を上回っていると指摘しています。

カルダノDEX、SundaeSwapのISO&RISO報酬をYoroiからEternlに復元したウォレットで受け取る際の簡単な注意点
カルダノ分散型融資プラットフォームのLiqwid v1がメインネットでローンチ

カルダノDeFi分散型融資プラットフォームLiqwid v1がメインネットでローンチしました。Liqwid $ADA マーケットコントラクトがメインネットにデプロイされ、貸し借りの取引が可能になりました。

USDAのセキュリティについて

『USDA』を取り巻くセキュリティを強化するための次の2つの戦略があります。

Djedのローンチを振り返って:合計2,800万ADAの流動性が提供され、発売後3時間でリザーブ率800%に到達

Djedがメインネットでローンチしてから2日が経ち、COTIはローンチ時のデータ、参加者数、メディア露出度など、プラットフォームの詳細について伝えています。

DjedにおけるShenの役割を理解する

U.TODAYが、DjedのステーブルコインエコシステムにおけるShenの役割を通じて、Djedが米ドルとの価格を1:1で維持するのをどのように支援しているかを紹介しています。

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[SIPO]7900個目のブロック生成に成功

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