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Voltaire時代を切り開くSanchoNetプロジェクト進捗状況[Cardano Node 8.5.0-pre]:ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック444

Voltaire時代を切り開くSanchoNetプロジェクト進捗状況[Cardano Node 8.5.0-pre]

IOGは動画「Essential Cardano360 October 2023」で、カルダノエコシステムのVoltaire時代のタイムラインとアップデートの概要を公開しています。CIP-1694の開始、グローバルコミュニティワークショップ、IntersectとSanchoNetの開始、リポジトリの移行、Voltaire Gov Toolベータ版、ウォレットの統合、およびCIP-1694と暫定憲法の実施のためのロードマップなど、重要なイベントの進捗状況を紹介しました。また、コミュニティのフィードバックの重要性と、最終憲法のための今後の協議期間についても言及しています。

Voltaireタイムラインは下記の通りです。

  • 2022年11月 – Voltaireの時代の始まり、CIP-1694の発表
  • 2023年初頭 – グローバルなCIP-1694ワークショップ開催
  • 2023年7月 – CIP-1694ワークショップの集大成、最小限の要件定義
  • 2023年7月 – Intersectのローンチ
  • 2023年7月 – SanchoNetのローンチ
  • 2023年Q4 – 各種委員会設立、レポジトリの移行
  • 2023年Q4 – Voltaireガバナンスツールベータ、ウォレット統合
  • 2023年Q4 – Cardano投票によるCIP-1694へのコミュニティの温度チェック
  • 2024年 – CIP-1694のオンチェーン実装、コミュニティフィードバック重視
  • 2024年 – 暫定憲法、それに基づくオフチェーンガバナンス構築
  • 2024年 – グローバルワークショップ、憲法制定大会、最終憲法投票

現在カルダノの次期バージョンとなるオンチェーンガバナンスを実現するためのノードソフトウェアのテストネットであるSanchoNetプロジェクトが進行中で、新機能と能力の追加により進化し続けています。これは、カルダノのオンチェーンガバナンスシステムをテストするためのノードソフトウェアのテストネットです。

今回はVoltaireの進捗状況が最も直接感じられるSanchoNetについて最新の情報を交えながら、今後何回かに分けて、SanchoNetとともにVoltaire最新情報、カルダノのオンチェーンガバナンス進捗状況についてお伝えしていきます。

SanchoNet(サンチョネット) とは – カルダノのオンチェーンガバナンスのテストネット

第3世代のカルダノブロックチェーンは、新機能と能力の追加により進化し続けています。その興味深い開発の1つが、SanchoNetです。

SanchoNetは、カルダノのオンチェーンガバナンスメカニズムを試験および改善するための専用テストネットノードソフトウェアです。ドン・キホーテの忠実な仲間であるサンチョ・パンサにちなんで名付けられています。

このテストネットを使用すると、開発者やコミュニティメンバーは、メインネットに導入する前に、カルダノのガバナンス機能を検証環境でテストできます。

なぜカルダノはオンチェーンガバナンスが必要なのか

オンチェーンガバナンスにより、カルダノコミュニティはブロックチェーン上で、プロトコルの変更、資金配分、その他のガバナンス事項について投票できます。これにより、意思決定プロセスへの幅広い参加が可能となり、分散化が向上します。

現在、カルダノのガバナンスはフォーラムでの議論やIOHKの提案を通じてオフチェーンで促進されています。今後オンチェーンガバナンスにより、そのプロセスはより透明で効率的かつ包括的になります。

SanchoNetの仕組み

SanchoNetは、CIP-1694で概説された機能を実装し、実験するための遊び場でもあり、技術コミュニティの助けを借りて構築されています。

CIP-1694はカルダノのオンチェーンガバナンスメカニズムの改善を提案しています。主なポイントは以下の通りです。

  • 現在のガバナンスメカニズムには欠点があるため、改善が必要。特にADA保有者の参加機会が限定的。
  • 新しいガバナンスアクションフィールドをトランザクションボディに追加。誰でも提出できる。
  • 憲法委員会、委任代表者(DReps)、ステークプールオペレーター(SPOs)の3グループが投票してガバナンスアクションを承認。
  • DRepsはADA保有者が登録でき、投票権を委任できる。投票権はADA保有量に基づく。
  • 6種類のガバナンスアクションが定義され、承認に必要な投票割合がそれぞれ設定される。
  • ガバナンスの透明性と参加性が向上することが期待される。

このように、CIP-1694はカルダノのガバナンスをADA保有者に開放し、透明性と公平性を高める改善案と言えます。オンチェーンガバナンスへの参加機会が広がることで、カルダノはより分散化された健全な方向に進展することが期待されています。

SanchoNetテスト対象の主な機能には以下があります。

  • プロトコルパラメータの投票
  • 開発資金の財務システムの利用
  • 評議会メンバーの選出
  • 取引を検証するためのノードの運用など

また、開発者は、ガバナンスプロセスのdAppやインテグレーションを構築し、そのパフォーマンスを確認できます。

現在の状況とロードマップ

SanchoNetは2022年7月にエディンバラで始まり、それから8月にはSPOでない投票者もSanchoNetに参加できるようになりました。現在はテストフェーズにあります。IOHKは十分なテストとアップグレードの後、オンチェーンガバナンス機能がカルダノのメインネットに実装されます。

先月には憲法委員会による投票サポートが追加され、新しいアクション、例えば憲法委員会メンバーの登録と削除、情報アクションへの投票、財務引き出しを可能にするなどが追加されました。IOGが公開した動画「Essential Cardano360 October 2023」は、最新バージョンであるCardano Node 8.5.0-preでは上記に加え、不信任のガバナンスアクション、委員の投票、承認が実装されました。現在、次期バージョン(8.6.0-pre)に向けてプロトコルパラメータの更新とその統合に注力しているとのこと。これは最も面白いオンチェーンガバナンスアクションの1つで、次のノードリリースでの実装が行われる予定です。

このように現在のところSanchoNetは非常に積極的なロードマップで進められており、2023年中にハードフォークによる本格展開が行われる可能性があります。

オンチェーンガバナンスの重要性

カルダノは、適応性が高く進化するブロックチェーンプラットフォームとしてゼロから構築されました。オンチェーンガバナンスは、コミュニティが開発を導くための最終的かつ重要な一歩です。

また、これはビットコインやイーサリアムなど、より集権的あるいは固定的なガバナンス構造を持つブロックチェーンとカルダノを区別するものです。

堅牢なガバナンスシステムにより、カルダノは持続可能な形で長期にわたって改善を続けられるのです。

オンチェーン投票と財務管理の成功した導入により、カルダノは業界で最も民主的に運営されるブロックチェーンの1つになる可能性があります。

このようにオンチェーンガバナンスの導入は、カルダノエコシステムにとって重要な進化になり、SanchoNetはその道のりを切り拓いています。

SanchoNetに参加する

SanchoNetテストネットは、カルダノコミュニティの参加が可能になっています。開発者やノードオペレーターからの貴重なフィードバックがガバナンス体験の向上に役立ちます。

このテストフェーズは、カルダノのオンチェーンガバナンスを改善する上で重要です。今回SIPOもSanchoNetに参加し、ノードの構築を行いましたので、今後日々更新されていく新機能を実際に試していきたいと思います。

SanchoNetの公式サイトは下記になります。
🔽
https://sancho.network

SanchoNetでDRepになる

今回、実際にSanchoNetテストネットで、DRepになるためのシステムをインストールしてみました。SanchoNetではSPO、DRep、開発者と三つの役割があります。SPOは通常の役割と同じで、今回試したかったのはDRepです。DRepは、コミュニティの代表として活動し、ガバナンスアクションの投票やコミュニティの共通利益のための提案を積極的に行います。開発者はSanchoNetと統合するためのツールを構築します。

基本的に下記のSanchoNetドキュメントページを参考にしています。
🔽
SanchoNet | SanchoNet

また、詳細な情報や質問などはIOGのDiscordを利用するのが良いでしょう。
🔽
https://discord.gg/inputoutput

DRepになる

カルダノはConway時代に向けて準備を進めており、その成功にはコミュニティの参加が不可欠です。ADAホルダーの誰もがカルダノ・ガバナンスに参加することが可能です。そしてDRepsになり、カルダノの未来を形作る重要な役割を果たすことで、意義深い貢献をすることができます。

例えば、DRepsは、ガバナンスプロセスにおいて重要な役割を果たし、重要なシステムのアップデートに対する投票を行います。承認は、ガバナンスアクションの種類によって異なり、対応するガバナンス組織(SPO、憲法委員会、DReps)の過半数の投票が必要です。

DRepsとして、プロトコルパラメータの変更を提案するガバナンスアクションに対して「はい」、「いいえ」、「棄権」の投票権を持ちます。あなたの投票はADA保有者の集合的な声を代表し、カルダノの分散型意思決定において重要な役割を果たすことになるでしょう。

現在SanchoNetでDRepになるためには、以下の手順に従います:

  1. v.8.5.0-preをダウンロードします。
  2. ノードを実行します
  3. faucetから資金を要求します。
  4. オンチェーンの登録証明書を使用してDRepとして登録します。
  5. 最初はSanchoNetで、Discordなどのツールを使用して注目と投票が必要なガバナンスアクションを特定します。
  6. 他のDRepsとディスカッションを行い、アクティブなガバナンスアクションのメリットを評価します。
  7. Cardano CLIや他の投票ツールを使用して投票を行います(コミュニティで提供されるようになります)。
  8. 投票を提出する際には、投票の理由とアンカー(URLとハッシュ)を含めます。

早速、SanchoNetでDRepの登録を実行してみました。

DRep登録チュートリアルは下記のページを参考にしています
🔽
https://sancho.network/tutorials/drep-registration

DRep ID
drep12q7wymxahccvkks4p3p62slkg9fph427gpd6qe9e725v5gvdc88




DRepに登録すると下記のサイトで自分のIDが確認できます。
https://adanordic.com/drep

SanchoNet動画チュートリアル:

Mike Horne氏は、SanchoNetでのノード設定やCLIの使い方など、とてもわかりやすいチュートリアルを公開しています。SanchoNetに参加に興味がある方は、以下のリンク動画をチェックしてみることをお勧めします。

Hornan

「SanchoNet最新版:Cardano Node 8.5.0-pre」インストール時の注意点

今回は原稿執筆時点での最新版Cardano Node 8.5.0-preをインストールしています。IOGのDiscordではプロトコルパラメータの更新とその統合に注力したバージョンCardano Node 8.6.0-preが近々出る予定とのことです。

https://github.com/input-output-hk/cardano-node/releases

SanchoNetは通常のcardano-nodeをインストールする手順とほぼ同じです。

今回インストールのためのドキュメントは、下記が大変参考になります。

SPO JAPAN GUILDによる「カルダノステークプール構築ガイド」
日本語ドキュメントで非常に高品質なガイドを提供しています。インストールは、下記のページを参照するのが良いでしょう。常に最新の情報に更新されています。
🔽
SPO JAPAN GUILD DOCS – 2.ノードインストール

カルダノ財団による「Cardano Developer Portal」のドキュメント
🔽
Installing cardano-node and cardano-cli from source | Cardano Developer Portal
こちらのドキュメントでは、cardano-nodeのバージョンがversion 8.0.0 (May-2023)になっているので、最新のノード(SanchoNet最新版:Cardano Node 8.5.0-pre)をインストールするには、いくつか注意点があります。

まず、Cabalバージョン:「3.8.1.0」である必要があります。

ghcup install cabal 3.6.2.0
ghcup set cabal 3.6.2.0

👇

ghcup install cabal 3.8.1.0
ghcup set cabal 3.8.1.0

あとSanchoNetには、通常と違う部分で「BLST」を新たにダウンロードしてインストールする必要があります。

BLSTのインストールのコマンドは、下記のページにあります。ソースからビルドする場合は、ビルドする前にインストールしておきましょう。
🔽
https://github.com/input-output-hk/cardano-node-wiki/blob/main/docs/getting-started/install.md#installing-blst

そしてSanchoNetの公式のカルダノ環境設定ファイルは下記のページにあります。SanchoNetはあくまでもテストネットで、これに接続するには独自の環境設定ファイルが必要です。
🔽
Environments – The Cardano Operations Book

それ以外は通常のCardano Nodeインストールとほとんど同じ方法でインストール可能(Cardano Node 8.5.0-pre)でした。

今後、実際にSanchoNetのチュートリアルを参考に、SPOプール登録、DRepになる、投票、ガバナンスアクションなどを実行し、その内容も不定期ですがご紹介していく予定です。

関連記事:カルダノの分散型ガバナンスに関する情報は下記の記事もご参考ください。

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