「CIP-1694ワークショップジャパン東京開催参加報告」進む未来の分散型オンチェーンガバナンス
CIP-1694ワークショップジャパン東京開催
現在カルダノが総力を上げて取り組んでいるCIP-1694のワークショップが、2023年6月16日に東京渋谷で開催されました。今回SIPOもこの東京ワークショップに参加することが出来きました。
カルダノの2023年は、主に二つのロードマップが進行中です。カルダノのスケーラビリティを進化させるBASHO 2.0と、カルダノをコミュニティの手で管理運営するための自立したシステムである分散型ガバナンスの仕組みを構築するVOLTAIREが同時並行で進んでいます。
CIP-1694は、カルダノのオンチェーンガバナンスの土台である仕組みを構築し、実際にこれをオンチェーンに組み込み稼働させるものです。
カルダノは世界各地で、教育者から開発者、SPOから学者まで、コミュニティ全体からの代表者を集め、CIP-1694ワークショップを開催しています。これによりコミュニティのフィードバックや意見を収集し、CIP-1694提案の批准の促進を進めています。
今回の福岡、京都、東京で開催されたワークショプジャパンには、主催のエマーゴをはじめ、カルダノ財団、IOG所属の中心的人物が多数来日しており、取り組みへの重要度が示される形となりました。
今回は、実際に東京開催のワークショップに参加した感想を交え、CIP-1684の議論がどのように行われているのか、現時点での現状と方向性についてご報告します。
なお、CIP-1694はワークショップが世界各地で開催されることで、常に内容が新しく更新されています。ここで報告する内容は今後改善と変更がなされ、より詳細も追加されていくことになりますので、あくまでも現時点での状況としてお伝えいたします。これはあくまでも議論の途中であり決して決定された内容ではありません。
CIP-1694とは?
まずCIP-1694とは何かから始めましょう。
今回は東京ワークショップ時点で使用された資料を下にお伝えします。
なお、CIP-1694を知るための主要リンクも下記に記載しますので、ぜひご参考ください。
CIP-1694:関連リンク
『CIP 1694:Voltaireのためのオンチェーン分散型ガバナンスメカニズム』公式ページ:https://www.1694.io
『CIP 1694:Voltaireのためのオンチェーン分散型ガバナンスメカニズム』日本語ドキュメント:https://docs.google.com/document/d/182h4TUHQhrnhn-7NJ_Tez7BaPOKmovkF5WWJi73bkRg/edit
『CIP-1694? | A proposal for entering the Voltaire phase #380』:https://github.com/cardano-foundation/CIPs/pull/380
以前のSIPOのCIP 1694特集記事もご参照ください:
カルダノの改善提案(CIP:Cardano Improvement Proposal)1694は、カルダノ・ブロックチェーン上のコミュニティ自己統治の計画です。この提案により、ADA保有者は代表者(DReps)に投票権を委任し、代表者(DReps)がその代わりにガバナンス(統治)の行動に投票します。
代表者(DReps)には、憲法委員会(CC)とカルダノ・ステークプールオペレーター(SPO)が投票に参加します。 カルダノの台帳は、ADA保有者が提出したすべての統治行動を記録して追跡します。
代表者(DReps)はADA保有者の誰もが立候補することができます。
参加者のそれぞれのガバナンスの役割とその定義
コミュニティメンバーのガバナンスへの参加を説明する役割は5つあります。
Delegate Representative (DRep)(代表代理) 全てのガバナンスアクションに直接投票し、ステークを委任されたADAホルダーを代表するDReps。
Constitutional Committee (CC)(憲法委員会) アクションの憲法的性質についてのみ投票し、CCがこの範囲を超えた場合、不信任行動により役割を剥奪されます。また、期限が切れると自動的に役割が剥奪されます。
Stake Pool Operator (SPO)(ステークプールオペレーター) SPOは、特定のガバナンスアクションタイプにのみ投票します。
委任をするADAの保有者 DRepにならないADA保有者は、自分が選んだDRepに投票権を委任することができます。そのため、DRepは彼らの代わりに投票を行うことができます。
委任しないADAホルダー 投票ステークをどのDRepにも委任しないADAホルダーは、自動的にこのカテゴリに分類されます。
ガバナンスの役割は、以下に示す定義されたプロセスによって達成されます。
ADAホルダーなら誰でもDrep、CC、SPOになることができます。
ガバナンスの役割はそれぞれ以下のようなプロセスで実現されます。
DRep:DRepはADAホルダーであれば誰でもなることができます。DRep ID登録証明書を作成します。
登録証明書には以下が含まれます:
- Drep ID
- (オプション)Anchor(メタデータのJSONペイロードへのURL、およびメタデータURLのコンテンツのハッシュが含まれます)
DRepは以下によって識別されます:
- 検証キー(Ed25519)
- ネイティブまたはPlutusスクリプト
CC:CCのガバナンスアクションの一環として指名される必要があります。
作成には以下が必要です:
- 公開投票の認証情報
- 定足数
憲法委員会は以下によって識別されます:
- 検証キー (Ed25519)
- ネイティブまたはPlutusスクリプト
SPO:カルダノステークプールをオペレーションします。
SPOは以下によって識別されます: • 特定のガバナンスアクションに投票
ADAホルダーの委任者になるには?
ADAホルダーは委任 特定方法: • 委任された投票ステーク
投票ステークの委任
何もしない
非委任型のADAホルダーです。
次の条件で特定されます:
- 委任されていない投票ステーク
- DRepなし
補足:
- ADAホルダーは、Lovelace(ADAではない)の保持量によって投票権があります。
- ADAホルダーは、投票権をDrepsに委任することがでます。
- ADAホルダーはDrepsになることができます。
- DrepsはSPOの構造に似ており、ADAをデポジットする必要があります。
- Drepは政治的な役割で、SPOは技術にフォーカスした役割
- SPOはDrepになれる
自動投票の振る舞いを持つ2つの事前定義されたDReps
ガバナンスの役割に加え、次のような自動投票振る舞いを持つ2つの事前定義されたDRepsもあります。
(自動)DRrepを棄権する これは、ADAホルダーがガバナンスに参加せず、アクティブな投票ステークの一部ではない方法で委任できる事前定義されたDRrepです。
(自動)不信任DRep これは、ADAホルダーがアクティブな投票ステークの一部と見なされる方法で委任できる事前定義されたDRrepであり、あらゆる不信任行動にYesを投票し、他のあらゆる行動にNoを投票します。
補足:
- コロラドではDrepは人間である必要はないという議論があった。
- 自動投票システムは常に投票権を行使しない、不信任をし続ける自動ボットのようなもの。
- 自動化するDrepも登録する必要がる。
- 自動化はPlutusや、スマートコントラクトで行うことも可能。
ガバナンスアクション
投票用に提出可能なアクションは6種類あり、それぞれに要件やルールがあります。*最初はInfoというアクションがありましたが、現在は削除されています。
カルダノのガバナンスは流動性民主主義であり、次のアクションによっていつでも変えられます。
以下のアクションのいずれかを投票のために提出できるのは、ADAホルダー全員です。
これには、投票権を委任しないADAホルダーも含まれます。ただし、アクションがブートストラップされた場合、非委任者には提出デポジットは返金されません。
個別の要件に加えて、すべてのアクションには次の項目が含まれている必要があります:
- 預金額
- 報酬アドレス
- (オプション)アクションを正当化するメタデータのURL
- (オプション)URLコンテンツのメタデータハッシュ値
- ハッシュダイジェスト値(このタイプの前のガバナンスID)
不信任決議案の可決
不信任決議案の可決は、CCを不信任の状態に置き、現在のエポックの他のアクションを取り消します。
アクション固有の要件:
・(なし)
誰が投票できるか:DRep、SPO
新しい憲法委員会と/またはクオーラム割合
新しい憲法委員会またはクオーラム割合は、CCステータスの割り当て、クオーラムに必要な割合の再定義、または両方を割り当てます。
アクション固有の要件:
・キーハッシュのセット
・CC任命の有効期限
・クオーラム割合
誰が投票できるのか:DRep、SPO
憲法の改正
この条項は、憲法に言語を追加するか、憲法から言語を削除することを含みます。
アクションに必要な要件 :
• 憲法文書のハッシュダイジェスト
誰が投票できるか:DRep、CC
ハードフォークの開始
可決によりハードフォークプロセスが開始され、カルダノがアップグレードされます。
アクション固有の要件:
• 現在のバージョンよりも1つ大きい新しいメジャープロトコルバージョン
誰が投票できるか:DRep、CC、SPO
プロトコルパラメータの変更
カルダノの運用に関連する技術パラメータが変更されます。
アクション特有の要件:
• 変更されたパラメータ
誰が投票できるか:DRep、CC
プロトコルパラメータグループ
プロトコルパラメータをグループ化することで、それぞれのグループに対して異なる閾値を設定することができ、また別々の投票をサポートします。
また、DRepsは専門分野外のパラメータ変更についての投票を棄権することができます。ネットワーク、経済、技術のパラメータグループは、Shelley、Alonzo、Babbageの時代に導入された既存のプロトコルパラメータを収集しています。さらに、CIP-1694によって導入された新しいガバナンスパラメータに特化した新しいガバナンスグループがあります。
ネットワークグループ:
最大ブロック本体サイズ(maxBBSize)
最大トランザクションサイズ(maxT×Size)
最大ブロックヘッダーサイズ(maxBHSize)
シリアライズされたアセット値の最大サイズ(maxValSize)
単一トランザクション内の最大スクリプト実行ユニット(maxT×ExUnits)
単一ブロック内の最大スクリプト実行ユニット(maxBlockExUnits)
テクニカルグループ:
プールの影響力に対する担保(‘a0’)
プールの退役最大エポック(‘eMax’)
希望するプールの数(‘nOpt’)
Plutus実行コストモデル(‘costModels’) 担保入力の最大数(maxCollateralInputs)
スクリプトに必要な担保の割合(collateralPercentage)
経済グループ:
最小手数料係数(‘minFeeA’)
最小手数料定数(‘minFeeB’)
委任鍵のラブレース担保(‘keyDeposit’)
プール登録ラブレース担保(‘poolDeposit’) 通貨の拡張(rho’)
財務省の拡張(‘tau’)
プールの最小固定報酬カット(‘minPoolCost’)
シリアライズされたUTXOバイトあたりの最小ラブレース担保(‘coinsPerUTXOByte’)
Plutus実行ユニットの価格(‘dRepDeposit’)
ガバナンスグループ:
ガバナンス投票の閾値(P1、P2a、P2b、P3、P4、P5a、P5b、P5c、P6、Q1、Q2b、Q4)
CC任期制限
ガバナンスアクションの期限切れ
ガバナンスアクションの担保(govDeposit)
DRep担保金額(drepDeposit)
財務省からの引き出し
パッセージにより、DAAが財務省から別のCardanoアドレスに移動します。
アクション固有の要件:
•ステーク資格証明書からラブレース(LoveLace)の正数へのマップ
誰が投票できるか:DRep、CC
情報:*このアクションは現在これは削除外されています。
オンチェーンレコードを作成し、それ以外には影響を与えません。
アクションに関する要件 :
•(なし)
誰が投票できるか:DRep、CC
投票
アクションが提出されると、適用可能なガバナンスの役割を持つ人々は、オンチェーンで署名して投票を提出します。
棄権票は有効な投票ステークに含まれません。 棄権することは通常(必ずしもそうではありませんが!)「否定」の投票と同じ効果があります。
個々の要件に加え、すべての投票取引には以下が含まれる必要があります:
- ガバナンスアクションID
- 投票に関連するメタデータのURL
- このURLの内容のハッシュ
- 賛成/反対/棄権の投票
ADAのホルダーは、ガバナンスアクショントランザクションを下記のようにそれぞれ構築し、レジャーに提出します。
DRepsの投票
各DRep投票トランザクションには、次のものが含まれている必要があります。
- DRep役割
- DRep役割のガバナンスクレデンシャル証人
CCの投票
各投票トランザクションには、次のものが含まれている必要があります。
- CC役割
- CC役割のガバナンスクレデンシャル証人
SPOの投票
各投票トランザクションには、次のものが含まれている必要があります。
- SPO役割
- SPO役割のガバナンスクレデンシャル証人
最後に投票は署名され、提出されます。
ガバナンスの例:シミュレーション
2つの提出されたアクションがあるエポックの例を使用して、ガバナンス状態がどのように進展するかをシミュレーションして見ていきます。
レジャーステートによって追跡されるデータは、すべてのガバナンスアクションの種類に対して同じです。
- ガバナンスアクションID
- アクションの期限が切れるエポック
- 預金額
- 預金返金を受け取る報酬アドレス
- DReps、CC、およびSPOのYes / No / Abstainの総投票数
ガバナンスの閾値は、承認されるために必要なコミュニティ参加レベルを指定します。
閾値は、有効に登録されたラブレースの量に関連しており、全体としてCardanoコミュニティによって選択される必要があります。
いくつかまたはすべての閾値が適応可能であることは理にかなっています。たとえば、閾値は、登録レベルが高い場合は51%、登録レベルが低い場合は75%まで変動する場合があります。
ADAの所有者は、2つのガバナンスアクショントランザクションをレジャーにビルドして提出します。
アクション1:国庫引き出し
【投票結果】
DReps:賛成 37% / 反対 60% / 棄権 3% CC:賛成 / 反対 SPO:投票しない
↓
エポック境界
↓
【結果】
中止されました CCが ‘No’ に投票したため、このアクションは中止されました。 しかし、CCが ‘Yes’ に投票したとしても、DRepsの ‘No’ の投票率が60%であるため、中止されていました。
アクションが確定されたため、預金が返金されます。
アクション2:プロトコルパラメータの変更
【投票結果】
DReps Yes 89%/ No 8%/ Abstain 2%
CC:賛成 / 反対
SPO:投票しない
↓
エポック境界
↓
【結果】
批准
CCがこのアクションを承認したため、DRepsの89%の「Yes」票は、このアクションが批准されたことを意味します。
アクションが確定したため、預金は返却されます。
ガバナンスアクションの執行スケジュール
一部のアクションは即座に実行されます(すなわち、批准されたエポック境界と同じ時点で実行されます)、他のアクションは次のエポック境界でのみ実行されます。現在のエポックで批准されたアクションは、以下の表に従って優先されます。
ガバナンスアクションタイプ
不信任決議案 | 執行タイプ |
不信任決議 | 即時 |
新しいCCまたはクオーラムサイズの変更 | 即時 |
憲法の更新 | 即時 |
ハードフォークの開始 | 次のエポック境界 |
プロトコルパラメーターの変更 | 次のエポック境界 |
トレジャリーの引き出し | 即時 |
東京開催CIP-1694ワークショップで議論されたテーマとは?
CIP-1694はカルダノのオンチェーンガバナンスの最初の反復を示すものという前提があり、多くのワークショップを通して、幅広いコンセンサスを得ることは、カルダノが将来を見据える上で不可欠です。
今回の東京ワークショップでは、下記のようなCIP-1694のすべてを網羅するような議論を、6時間に及び行いました。今回は時間を区切って多くのテーマをゲーム感覚で議論を進める感じでした。個人的にはCIP-1694の議論のポイントが見えてきたので今後の展開を理解し考察する上でも、とても勉強になりました。
今回の議論の内容は、枠組みというよりは中身の閾値や基準値をどのように考えるかという点にフォーカスされました。提示された議論のテーマは下記の通りです。
1:ガバナンスで必要なコミュニティツール
投票などを簡単に行えるようにするために、どのようなツールやウォレットの使い心地などが必要ですか?
https://github.com/JaredCorduan/CIPs/blob/voltaire-v1/CIP-1694/README.md#bootstrapping-phase
2:Cardanoへの提案書の批准の要件
6種類の提案書類(ガバナンス・アクション)をすべて批准するために必要な定足数と可決率の基準値はいくらでしょうか?(例:憲法改正は超多数を必要とする場合がある)。
https://github.com/JaredCorduan/CIPs/blob/voltaire-v1/CIP-1694/README.md#governance-actions
3:デポジットの金額の設定
『ガバナンスアクション(Cardanoへの提案書)を提出するとき』 いくらのADAをデポジットすべきだと思いますか?その理由はなぜですか?
『DRep(Cardanoの政治家)の登録(立候補)をするとき』 いくらのADAをデポジットすべきだと思いますか?その理由はなぜですか?
4:ガバナンスアクションの投票期間
ガバナンス・アクションが承認されなかった場合、ガバナンス・アクションが失効し、保証金が提案者に返却されるまで、何エポック間アクティブであるべきですか?
5:DReps
DRepsでは年間何件の議案が採決されるのでしょうか?どのような議案が多いですか? DRepsは何人いれば十分ですか?
6:観察、示唆、そして次のステップへ
これらの議論された参加者の意見は、下記のページで見ることができます。
リンク:https://miro.com/app/board/uXjVMECBqQw=/
ワークショップの感想:科学的根拠の必要性
今回は投票におけるパラメータ(数字)についての意見を、全員の参加者から聞くことができましたが、これを決定する根拠はそれぞれの考えに基づくものでした。この場合、様々な意見が分散し、焦点を絞り抜き、意思決定する上で前提となる情報や根拠が曖昧だったと思います。各パラメーターは、他のパラメーターとも関連するため、前提が整合性が取れず、全体的には、しっかりした議論と意見の交換というよりは、パラメータを決めるための考え方やアプローチを共有するという感じだったと思います。
そこで感じたのは、様々な提案について考察し意見を形成する上で、科学的な研究とリサーチに基づいた判断材料となる情報及び評価分析を、何らかの方法で投票プロセスに入れ込み、これに基づいて投票者が各パラメーターを決定するプロセスが必要だということです。
例えば、印象に残ったこととして、SPOの閾値Kを例に挙げ投票の”シミュレーション”を行った際に、DRepから次のような情報が提示されたときでした。
一つにはあるDRepがK=500のままの方がいいという立場から意見を表明し、K=1000に上げた場合に、ネットワークのトランザクション・コスト、維持コストが大きくなるというものでした。K=1000を上げるとゲーム理論的に破綻が来るという意見は少し衝撃的でした。もしK=1000に上げた場合は、カルダノを使う企業がサービスとして提供している手数料が大きくなることで、ビジネスモデルに大きな影響が起こるということにもつながりかねません。これは企業がカルダノを採用するという判断材料にも影響が出てくるかもしれません。また、今回のSPO社会実験を例にすると、800のプールが投票しましたが実際にはプールが3000あるという意味では、これを投票の結果を採用するには数が少なすぎるという意見がありました。
このシミュレーションはSPOだけの問題ではなく、エコシステム全体にどのように影響するかを実感するのにいいケーススタディになったと思います。それと同時に、特にプロトコルパラメータの変更においては、科学的な研究とリサーチに基づいた情報を誰がどのように提供するかは、大変重要なことだと感じました。
ワークショップの最後に、今後IOGがいくつかのパラメーターの算出方法を、ゲーム理論的なリサーチに基づいて定義し報告する予定であるということを聞いたので(現在調整中で、次のエジンバラで提出する予定)、今後の議論がより明確にわかりやすく進められる可能性があり、大変楽しみなところです。
カルダノが科学的な根拠に基づいてコミュニティが投票し、運営を進めるという方法論を確立するということが、カルダノのオンチェーンガバナンスには重要な要素だと個人的には思いました。
今回参加することで実際にCIP-1684の議論がどのように、何が今行われているのかが肌で感じることができ、大変勉強になりました。何をどのようなアプローチで考えていけばよいかも、ある程度理解できました。
最後に熱心なカルダノ・コミュニティ、SPOの方々とたくさんお話しでき充実した時間を過ごすことができ、このような素晴らしい機会を設けていただいた全スタッフの皆様に心より感謝申し上げます
CIP-1694用語集
Conway:CIP-1694をほぼ包含する、次の台帳時代の名称です。
CIP-1694:CardanoのVoltaireフェーズを支えるオンチェーンガバナンスのためのメカニズム。本文書は、固定数のガバナンス・キーに基づくオリジナルのCardanoガバナンス・スキームを基に、それを拡張したものです。提案されたVoltaireガバナンスシステムの一部として、短期間で価値と技術的に達成可能な最初のステップを提供することを目的としています。
Ledger Era:基本的に台帳のハードフォークを1回行う範囲です。
Phase:カルダノの開発をまとめた「カルダノロードマップ」の5つの部分のうちの1つ。5つのフェイズとは バイロン、シェリー、ゴーギャン、芭蕉、ヴォルテール。各フェーズは、複数のコードリリースにまたがって提供される一連の機能性を中心に構成されています。カルダノの各フェーズは順次提供されますが、各フェーズの作業は並行して行われ、研究、プロトタイピング、開発が異なる開発ストリームで同時に進行することがよくあります。フェーズは、より大きなプロジェクトデリバリーの1セグメントにも使用され、通常、Cardanoのいくつかのハードフォークの範囲内で配信されます。
The Age of Voltaire:ブロックチェーン技術におけるコミュニティ主導のガバナンスの基礎となる基準を定義し、カルダノネットワークが自立したシステムへと変化していく期間です。
Voltaire:カルダノのロードマップの最終段階は、制度、憲法上の代表、民主的同意に基づき、コミュニティによるカルダノ・ブロックチェーンの責任ある管理を可能にする、コミュニティ主導のガバナンスシステムを特徴とします。
MVG:Minimum Viable Governance MVGは、CIP-1694において、カルダノのエコシステムに関与するADAホルダーの能力を向上させる一連の基本ルール、メカニズム、および組織として最もよく説明されています。 MVGは、安定的で安全な基本的な民主主義を確立し、将来の拡張のためのスペースを作ることを目的としています。
もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします!10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
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カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
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メキシコのセラヤ大学でCardano Daysワークショップ 開催
カルダノ・ネットワークの現時点での統計
開始されたプロジェクト:130
開発中のプロジェクト:1,250
ネィティブトークン:8.42m
トークンポリシー:75,821
PlutusV1クリプト:5,871
Plutus V2クリプト:2,756
トランザクション:69.1m
東京で開催されたCIP-1684のワークショップ(世界ツアー)に参加
SECと司法命令に基づく合意に達し、通常の事業を継続
SECと司法命令に基づく合意に達し、通常の事業を継続 「SECによる顧客資産の不正使用の証拠は一切示されておらず、先週の法廷で判事に問われた際、SEC弁護士たちはそのようなことが発生していないという証拠がないことを認めました。
インドネシア政府の商品先物取引監視機関であるBappebtiは、カルダノADAを含む501種類の暗号通貨の取引を承認
このリストには、米国のSECによって証券として認識されているほぼすべてのトークンが含まれており、Bappebtiが監督しています。
この動きは、コモディティ監視機関であるCoFTRAから金融サービス庁に規制権限が移行する中で行われました。 金融セクターの技術革新措置の下で、業界の発展に潜在的な利益をもたらすことが期待されています。