カルダノ財務省税の削減提案について：ガバナンスの新たな一歩
カルダノは、その分散型ガバナンスの進化において、また新たな重要な節目を迎えています。カルダノの創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏は、最近の動画でカルダノの財務省税（トレジャリー・タックス）を20%から10%に削減する提案について語りました。
財務省税とは？
カルダノの財務省税は、エコシステムの成長と開発のためにADA取引から一定割合を財務省（トレジャリー）に蓄える仕組みです。20%という高い割合は、カルダノの主権ファンド（ソブリン・ウェルス・ファンド）を構築し、十分な準備金を確保するために設計されました。
減税提案の背景
この提案の発端となったのは、カルダノのガバナンスに関わるDRep（代表者）の一人、アンドリュー・ウェストバーグ氏による発言です。彼は、カルダノの財務省税を20%から10%に引き下げることを提案し、その理由を説明する5分間の動画を公開しました。（こちらの動画の翻訳も、ホスキンソン指導が全翻訳の後に掲載していますので、ご参考ください。）
ホスキンソン氏は、提案の是非について意見を述べることは避けつつも、これはカルダノのガバナンスが本格的に機能している証拠であると強調しました。彼によれば、この議論は「成熟した政策決定の一例」であり、ADA保有者が自らの手でプロトコルパラメータを決定できる重要な機会であると述べています。
何が議論されているのか？
この議論の核心は、「現在の財務省税が本当に必要なのか？」という点です。カルダノの主権ファンドはすでに約15億ドルの準備金を保有しており、仮にこの資金を年8〜10%の利回りで運用すれば、年間1億5000万ドルの収益が見込めます。このような状況下で、20%もの高い税率を維持する必要があるのかが問われています。
また、ADAの価格が今後3ドルに達した場合、年間4億5000万ドルもの資金が生じることになります。これほどの資金を運用する必要があるのか、また、ガバナンスの観点から税率を下げるべきではないのかという点が議論されています。
カルダノガバナンスの成長
ホスキンソン氏は、今回の議論がカルダノの分散型ガバナンスの成熟を示す重要な事例であると指摘しました。さらに、現在カルダノ憲法の批准が70%の支持を得ており、あと5%の賛成で正式に成立する段階にあることにも言及しています。
この憲法が成立すれば、暫定的な憲法委員会ではなく、完全に選挙で選ばれた委員会による正式なガバナンス体制へと移行します。これにより、税率の決定を含むすべての重要な意思決定が、より透明性のある民主的なプロセスのもとで行われるようになります。
まとめ
カルダノは今、歴史的な転換点に立っています。ガバナンスの進化により、ADA保有者が自らエコシステムの未来を決定する機会が増えています。財務省税の削減提案がどのような結論を迎えるかはまだ分かりませんが、今回の議論は、カルダノがより強固な分散型自治を確立しつつあることを示しています。
今後の議論に注目し、カルダノの未来を一緒に見守りましょう！
以下はチャールズ・ホスキンソン氏公開動画「Taxes」を翻訳したものです。
チャールズ・ホスキンソン氏公開動画「Taxes：税金について」全翻訳
こんにちは、皆さん。これはチャールズ・ホスキンソンです。暖かく晴れたコロラドからライブ配信しています。コロラドはいつも暖かく、いつも晴れています（時々ですが）。
さて、今日はカルダノのガバナンスの歴史において重要な節目を迎えました。とても興奮しています。実は、政府関係者と話していたのですが、彼らが言うには「政府で最もよく話題に上るのは税金」だそうです。
そんな中、私たちの良き友人であるアンドリュー・ウェストバーグが5分間の動画を作成しました。彼のTwitterに投稿されたこの動画を、今すぐ画面共有してお見せします。
アンドリューが語っているのは、財務省税（トレジャリー・タックス）を20%から10%に引き下げるという提案です。ぜひこの動画を見て、考えてみてください。私はどちらの立場も支持しません。決めるのは私ではなく、皆さんです。しかし、重要なのは、これはガバナンスの力が発揮されている具体例であり、現実的な課題であり、議論されるべき問題であるということです。
そもそも20%という税率は、カルダノの主権ファンド（ソブリン・ウェルス・ファンド）に十分な準備金を蓄え、基盤を築くために設定されました。今後は、それをどのように活用するのか、あるいは運用してリターンを得るべきなのかといった、成熟した議論が必要になってきます。
現在の基金は約15億ドルあり、仮に8～10%の利回りで運用できれば、年間1億5000万ドルの収益が見込めます。他の主権ファンドが行っているように、資金を適切に管理すれば、流動性を確保しつつ運用することも可能です。
このような状況を踏まえて、現在の税率が本当に必要なのかという疑問が生じます。特に、ADAの価格が3ドルに上がった場合、年間4億5000万ドルもの資金を使う必要があるでしょうか？おそらく、税率をここまで高く設定する必要はないでしょう。
つまり、今まさにカルダノのガバナンスは、この問題について真剣な議論を交わしています。それぞれのピースを組み合わせながら、最適な解決策を模索しているのです。これは本当に素晴らしいことですし、こうした議論が交わされること自体が、私にとってはとても感動的なことです。
さらに、この議論は、カルダノのすべてのプロトコルパラメータを皆さん自身が決定できるという現実を再認識させてくれます。変更したいことがあれば、変更できるのです。すごいですよね？
これはまさに、カルダノのガバナンスが機能している証拠です。DReps（代表者）は意見を持ち、それを発信し、議論を広げ、人々と意見を交わします。そして「なぜこれをするのか？」「なぜあれをするのか？」「将来的にどうすべきか？」といった問いを投げかけます。そして最終的には、変更可能なものはすべて変更されるでしょう。我々はその方向に向かっています。本当に素晴らしいことです。
この話を皆さんと共有したくて、短い動画を作成しました。これにより、カルダノがどのような方向に進んでいるのか、何が起こっているのかが少しでも伝わればと思います。カルダノのガバナンスは生きています。すべてが前進しています。
現在、カルダノ憲法の批准も70%の賛成率に達しています。あと5%です。さあ、みんなで後押ししましょう！これが達成されれば、暫定的な憲法委員会から、完全に選挙で選ばれた正式な憲法委員会へと移行します。すべてが民主的に決定され、暫定措置はなくなります。
さらに、今後はすべての問題が公開の場で議論されるようになります。これは本当に素晴らしいことではないでしょうか？
そして、もう一つの話題として、プロジェクトへの資金提供の際に、市場への影響を考慮すべきかという点があります。「ADAをUSDに換金する際、市場に悪影響を与えるのではないか？」という疑問ですが、適切な方法で行われれば、市場にはほとんど影響しません。現在の流動性を考えれば、年間予算全体を消化しても市場への影響はほぼないと言えるでしょう。仮に5日間で実施したとしても、価格に大きな変動をもたらすことはありません。
私は本当に嬉しいです。とてもクールではないでしょうか？今、私たちは税金について議論しています。つまり、私たちは本物の政府なのです。なぜなら、人々が税金について文句を言い始めたからです（笑）。
では、そろそろ行かなければなりません。乾杯！
Cardanoの財務税率見直し提案：「TEAパーティー」の開催
Cardanoの最新ガバナンス提案について、アンドリュー・ウェストバーグ氏によるNerdOutの動画で詳しく解説されました。今回のテーマは「TEAパーティーを開こう」、つまりCardanoの財務税率（トレジャリー・タックス・レート）の見直しについてです。
以下は公開動画「Cardano: NerdOut – Let’s Have a TEA Party」を翻訳したものです。
Cardano: NerdOut – TEAパーティーを開こう：全翻訳
今日はNerdOutでTEAパーティーを開こう。
NerdOutへようこそ。この番組では、Cardanoを深く掘り下げて分析しますが、決して単純化しすぎることはしません。
今日は「TEAパーティーを開こう」というテーマで、Cardanoの税率パラメータ（TOA）について話します。では、さっそく本題に入りましょう。
TOAパラメータの歴史についてですが、これは「財務カットパラメータ」または「財務税率パラメータ」とも呼ばれています。
財務（トレジャリー）はShelley時代の始まりとともに創設されました。つまり、Byron時代からShelley時代へ移行した際に、財務システムが作られたのです。
創設当初、財務に関する税率は20%と決定されました。これは、全ての取引手数料の20%が財務に入ることを意味します。
さらに、ステーキング報酬の20%も財務に直接入ります。つまり、各エポックの報酬が支払われる前に、合計報酬の20%がまず財務へと送られます。
この税率が決定された当時、Cardanoの価格は15〜20セント（米ドル）の範囲でした。
この財務システムの目的は、エコシステムの成長と発展を支えるために、迅速に資金を蓄積することでした。
課税の歴史と民主主義
どんな統治機関においても、税制は重要な問題の一つです。
民主主義の基本原則の一つは「納税者の同意を得た上での課税」です。
歴史的に見ても、この原則が破られると、政治的な動乱が発生することがよくあります。
例えば、「ボストン茶会事件」は、アメリカ独立戦争の引き金となりました。
また、1860年代のサラ・イワール（1960年代ではなく1860年代）が、女性の参政権が認められるまで税金の支払いを拒否したことも、税金を巡る抗議の一例です。
彼女の行動は、最終的に女性の投票権を推進する一助となりました。
このように「代表なくして課税なし」という原則は、良好な統治のための重要な原則とされています。
しかし、Shelley時代の始まり方を考えると、Cardanoの課税は現在、正式にコミュニティの同意を得たものとは言えません。
したがって、私たちはこの課税に対して同意を示す機会を持つべきだと考えます。
提案：財務カットパラメータを20%から10%へ
私は、財務カットパラメータを20%から10%へと削減するためのガバナンス提案を提出する予定です。
これは、Cardanoの憲法の既存の枠組み内で実行可能な提案です。
もし、DReps（デリゲート代表）が「賛成」に投票すれば、税率が下がり、財務への負担が軽減されます。
もし「反対」に投票すれば、それも良いことであり、結果としてCardanoコミュニティがこの税率に正式に同意したことになります。
また、別の人がADAを担保にして、税率引き上げの提案をすることも可能です。
個人的には、私はADAを大量に持っているわけではないので、一度に1ADAしか提案に使えませんが、それでもこの提案を進めるつもりです。
なぜこの提案を行うのか
この提案の詳細な理由や、私とともにこの提案を作成した人々について知りたい場合は、ガバナンス提案の詳細なレポートを参照してください。
そこには、すべての計算や、この変更によって予想される影響などが記載されています。
また、なぜこの方法を選んだのかについても説明しておきます。
Cardanoはパブリック・ブロックチェーンであり、提案を行うために特別な許可を得る必要はありません。
通常であれば、フォーラムで議論を行い、投稿をして、意見を交わすのが一般的な手順ですが、Cardanoは許可不要で分散化されたシステムです。
つまり、誰かの決めた手順に従う義務はありません。今回は、その手順を省略することにしました。
私が考えるに、このパラメータは本格的なガバナンス改革に進む前に投票で決定しておくべきです。
さらに、現在の財務資金は非常に豊富です。ADAの価格が3ドルになれば、何年にもわたって運用できるほどの資金がすでに確保されています。
個人的には、限られた財務資金に対してより多くの競争が生まれることを望んでいます。
もし財務資金を増やす必要があるなら、それは単に税率を上げるのではなく、オンチェーン取引の増加によって達成されるべきだと考えています。
この提案によって、Cardanoは他のプルーフ・オブ・ステーク（PoS）ブロックチェーンと比較して、報酬水準において若干競争力を持つことになります。
財務への負担が軽減されることで、ステーキング報酬が若干増加するため、SPO（ステークプールオペレーター）に委任している人々の報酬もわずかに向上するでしょう。
最後に
今回の動画では、私の考えを簡単にまとめましたが、Twitterやフォーラムなど、さまざまな場所でさらに議論する準備はできています。
この提案の作成を手伝ってくれた人々については、個人情報を公開するつもりはありませんが、関係者は自分で名乗り出ることは自由です。
また、このオンチェーン提案には作者名は記載されません。これは、私たちがこの方法を選択したからです。
それでは、投票を楽しみましょう。そしてNerdOutを続けていきましょう！
