チャールズ・ホスキンソン AMA:日本のカルダノ・コミュニティとの対話
カルダノ創設者が語る2025年の展望と日本への想い
2025年2月、カルダノ(Cardano)の創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏が、日本のカルダノ・コミュニティとのAMA(Ask Me Anything)セッションを開催しました。このセッションでは、カルダノの現在の進捗、今後の展望、そして日本市場への期待について深く掘り下げた内容が展開されました。
このAMAの進行役を務めたのは、Seira Yun(セイラ・ユン)氏です。彼は、ブロックチェーン技術とWeb3の分野で広く活動している著名なコミュニティリーダーであり、特にアジア地域のブロックチェーンエコシステムの発展に貢献してきました。Seira氏は、カルダノの日本市場での普及促進においても重要な役割を果たしており、今回のAMAでは、日本のカルダノ・コミュニティから寄せられた質問を取りまとめ、ホスキンソン氏との対話をリードしました。
カルダノの戦略と予算配分
ホスキンソン氏は、カルダノの予算戦略について、「予算は単なる資金管理ではなく、何を達成したいのかという戦略に基づくべきだ」と述べました。特に、以下の3つの分野に注力する必要があると強調しました。
- エコシステムの維持と成長
- 既存のプロジェクト(TapTools、Eternl、CExplorerなど)が適切に運営できるよう支援。
- Bitcoin DeFiの発展により、2兆ドル規模のビットコイン市場と統合を図る。
- パートナーチェーンの拡充で他のブロックチェーンエコシステムと連携。
- 開発者体験の向上と技術革新
- Aiken、Plutus、TypeScriptなどの開発環境を改善。
- Hydra、Midgard、Gummy Wormの開発を推進し、DApps開発を加速。
- オラクルの整備(Chainlinkとの連携)やCNAの取引所上場を推進。
- ガバナンスの強化
- Ouroboros Leiosの実装による分散化とスケーラビリティの向上。
- Catalystの役割の明確化と効率的な運営。
- 主要なカンファレンス(Token 2049、Consensusなど)への積極的な参加支援。
DRep(代表者)の報酬問題
DRep(分散型代表者)の報酬についても議論が行われました。ホスキンソン氏は、「DRepがプロジェクト代表として活動する場合、報酬は不要だが、独立したDRepを求めるなら適切な補償が必要だ」と説明しました。また、報酬がない場合、一部の地域や層がガバナンスに参加しにくくなるため、公平性の観点からも議論が必要であると強調しました。
また、評価基準についても言及し、「単なる投票率だけでは不十分であり、実際の貢献度を測る仕組みが必要だ」と述べました。例えば、Intersectやカルダノ財団が助成金制度を設け、プロフェッショナルDRepを支援する案を検討すべきだと提案しました。
トランプ政権との関係と米国の暗号資産政策
ホスキンソン氏は、現在の米国政府が暗号資産に対して積極的な姿勢を取っていることを評価し、特に「FIT 21」法案の進展に期待を寄せました。この法案は、暗号資産が証券なのかコモディティなのかを明確に分類し、SEC(証券取引委員会)による不確実な訴訟リスクを軽減するものです。
また、イーロン・マスクの動向についても触れ、「X(旧Twitter)は、世界最大の暗号資産ウォレットへと進化しつつあり、今後の市場に大きな影響を与える可能性がある」と述べました。
日本への訪問計画と期待
ホスキンソン氏は、日本がカルダノにとって特別な国であると再認識し、「日本のコミュニティがカルダノの意思決定にもっと関与するべきだ」と語りました。さらに、日本のDApps開発を支援し、日本企業との連携を深める意向を示しました。
訪問予定:
- 2025年3月: ハワイ訪問前に日本に立ち寄る可能性。
- 2025年10月: Token 2049(シンガポール開催)の後、日本でのカルダノイベントに参加予定。
また、日本で量子コンピューティングや合成生物学の研究拠点を設立する可能性についても言及し、日本の地方経済との連携を模索していることを明らかにしました。
個人的なビジョンと未来の展望
ホスキンソン氏は、カルダノだけでなく、医学、数学、量子コンピューター、合成生物学など、多くの分野での革新を目指しています。
1. 医学分野
- 幹細胞治療による加齢防止。
- バクテリオファージ技術を活用した耐性菌治療。
2. 数学とAI
- ホスキンソン数学センター(CMU)で数学の機械理解を推進。
- AIを活用し、リーマン予想やゴールドバッハ予想などの難問解決を目指す。
3. 合成生物学
- 発光植物(グローインザダークプラント)の開発。
- 環境に適応する植物を設計し、都市や砂漠の緑化を促進。
4. 量子コンピューター
- 日本をR&Dハブとして活用し、新しい計算技術を開発。
ホスキンソン氏は、「技術の進歩は世界をより良くするものであり、それを民主化することが重要だ」と述べ、カルダノだけでなく、人類全体に影響を与える取り組みを続けていく意志を示しました。
まとめ
今回のAMAでは、カルダノの成長戦略から日本への期待、さらには個人的なビジョンに至るまで、多岐にわたるトピックが語られました。ホスキンソン氏は、カルダノの持続可能な発展と分散化を最優先にしつつ、医学や数学、合成生物学などの分野でも世界を変える革新を目指しています。
2025年には、日本のカルダノ・コミュニティとの関係をさらに深める計画があり、今後の発展が大いに期待されます。
以下は動画「Charles Hoskinson AMA with Seira Yun | Japanese Cardano Community Q&A」を翻訳したものです。
チャールズ・ホスキンソン AMA(Ask Me Anything) セイラ・ユンとの対談 | 日本のカルダノ・コミュニティQ&A
*いくつか抜けていた翻訳がありましたので、追加して更新しています。
セイラ・ユン:
お会いできて嬉しいです。お元気でしたか?
チャールズ・ホスキンソン:
元気ですよ。今年は忙しい年ですが、なんとかやっています。
2025年はあなたにとってどんな年になりそうですか?
まだ2月なのに、すでに大変な年になっていますね。
いろいろなことが動いていて、カルダノ関連の作業もたくさんこなさなければなりません。
今はMidnightに力を入れています。暗号資産をローンチするのがこれほど大変だったことを思い出しました。
最後にやったのは2017年でしたが、本当に膨大なタスクリストをこなさないといけません。
政治的な課題も多く、現在はワイオミング州を回りながら各郡で人々と話をしています。
ちょうど23か所を訪れる予定です。日本でも同じことをしました。
北海道から九州まで全国を回りましたが、今度は地元の州でそれをやることになります。
それはそれで楽しいでしょうね。
牧場経営の課題もあって、バイソンが増えすぎていて対処しなければなりません。
合成生物学の分野でも面白いプロジェクトが進んでいます。
私のクリニックは現在、大規模な建設工事中で、ワイオミング州ギレットに約10万2千平方フィートの施設を建設しています。
本当にどこを見てもやることだらけです。どこに石を投げても仕事があるような感じですね。
今年は本当にエキサイティングな年になりそうです。2025年が楽しみですね。
そうですね。実は日本のコミュニティから多くの質問をいただいています。
質問のほとんどは、カルダノの最新の話題、例えば予算やロードマップに関するものですが、個人的な質問もいくつか寄せられています。
多くの日本のコミュニティメンバーは、あなたを「我々の世代で最も優れた頭脳の一人」と考えています。
そのため、あなたがどのように育ち、どのような経験を積んできたのかを知りたがっています。
そして、あなたのキャリアを通じて学んだ教訓を学びたいと考えているのです。
時間の都合上、まずはカルダノ関連の最新の質問から取り上げます。
例えば、予算やロードマップの話題です。
時間があれば、個人的な質問にも触れたいと思います。
それでは、早速質問に入りましょう。
予算についてですが、ネットの変動限度を3億5000万ADAと仮定した場合、そのうちどの程度がIntersectに割り当てられるべきで、どの程度が他の予算として確保されるべきでしょうか?
これは一部の人が誤解している点だと思います。
「Intersectに割り当てられる」と聞くと、まるでIntersectがカルダノ財団のような組織で、
資金の配分を自由に決められるかのように受け取られているようですが、そうではありません。
Intersectはそのような目的で設立されたわけではなく、実際の運営予算は非常に小さく、
7桁の範囲(数百万ドル規模)です。
Intersectの役割は、メンバー制の組織として、ロードマップや予算の調整を行う場を提供することです。
しかし、最終的には調整役に過ぎず、資金を保有したり、使い道を決定する権限は持っていません。
また、カルダノの戦略を統括する組織でもありません。
したがって、Intersectに直接割り当てられる資金の割合は非常に低くあるべきです。
次に、引き出した資金をどのように管理するかという問題があります。
例えば、1億ドルや2億ドルの資金を引き出した場合、それをどこに置くのか?
信託にするのか、スマートコントラクトに預けるのか、それとも両者を組み合わせるのか?
また、契約者が仕事をきちんと遂行しなかった場合、誰が支払いを止める権限を持つのか?
このような問題を考える必要があります。
おそらく、Intersectと他の組織が協力し、スマートコントラクトを活用しながら、
適切な資金管理ができるような仕組みを作るのが最適でしょう。
そして、年末に資金が余った場合は、それをIntersectが自由に使うのではなく、
カルダノの財務に戻すべきです。
全体として、予算は戦略に基づいて決められるべきです。
戦略とはつまり、プロダクトのロードマップとエコシステムの発展方針のことです。
どのような機能を実装し、どのように成長させるか、
そして、誰を巻き込むかを明確にする必要があります。
例えば、カルダノが競争力を持つために不可欠な機能として、
Ouroboros Leios、ビットコインDeFi、Hydraの開発などが挙げられます。
これらはプロダクトのロードマップに基づくものです。
そして、それを実現するための手段として予算が必要になります。
ただし、ここで難しいのは、何にどの程度の資金を割り当てるかという判断です。
例えば、今年は初めてRustクライアントが開発されています。
PragmaのRustクライアント、Blink LabsのGoクライアント、HarmonicのTypeScriptクライアントなどがあり、
これらにどれだけの資金を提供するかを決めなければなりません。
これらをHaskellノードと同等に扱うのであれば、予算は大幅に増加します。
また、Ouroboros Leiosの開発スピードも問題です。
24時間体制で進めるのか、それとも通常のペースで進めるのか?
その決定によって予算の規模も変わってきます。
さらに、予算には監査やガバナンスのコストも含まれます。
監査や監視を強化するほど、そのコストも増加します。
最悪の場合、開発費よりも監査費の方が多くなることさえあり得ます。
そのため、どこまでの監査やガバナンスが必要なのかを慎重に考える必要があります。
これらの議論は今後2〜3か月で行われ、
最終的にエコシステム全体で決定が下されることになります。
我々はすでにロードマップを公開しており、それに沿った予算が形成されるでしょう。
しかし、今後代替案も提案される可能性があり、それらをDReps(Delegated Representatives)が議論し、
最終的に予算を確定することになります。
最終決定が下された後は、決められた予算の範囲内で活動を進めることになります。
これでいくつかの誤解が解消されたと思います。
個人的には、2025年にはOuroboros Leiosの開発を全面的に進めたいですね。
それが実現すれば素晴らしいことになるでしょう。
では、もしあなたが3億5000万ADAを自由に割り当てられるとしたら、カルダノの成功を確実にするために、どのようなカテゴリーに配分しますか?
それはいくつかの要素のバランスを取ることになります。
まず、現在のエコシステムを維持することが重要です。
カルダノの主要なプロジェクト上位50〜100について、それらが財務的に安定しているかを確認し、
必要であれば補助を提供するべきです。
例えば、TapTools、Eternl、CExplorerなど、多くの優れたプロジェクトが存在します。
それらの資金が不足すれば、成長が止まる可能性があります。
そうならないように、部分的または全額の補助を提供するべきです。
次に、今後12〜24か月でカルダノを最も成長させる要素は何かを考えます。
例えば、ビットコインDeFiは非常に重要だと考えています。
これはイーサリアムを意識した「競争相手」としてのカルダノの立場を明確にし、
さらに、約2兆ドル規模の市場にアクセスする機会を提供します。
また、ビットコインDeFiは暗号通貨業界全体の中でも最も流動性が高い市場の一つです。
これに加えて、パートナーチェーン戦略を進めることで、
他のエコシステムと相互運用性を高め、流動性を取り込むことができます。
つまり、カルダノを「孤立した島」ではなく「半島」のような存在にするのです。
また、開発体験の向上も必要です。
Aikenの成果をさらに活かし、Bluthなどの言語エコシステムを強化することも重要です。
TypeScriptのサポートを拡充し、高保証型の開発環境を整備する必要があります。
さらに、Hydraの改良も進める必要があります。
これを実際のアプリケーションに統合できるようにすることが不可欠です。
特に、MidgardやGummy Wormといった技術は、イノベーショングループを卒業し、
本格的に実用化を進める段階に入っています。
また、データの可用性やイベント指向のアーキテクチャの強化も必要です。
現在のカルダノは、これらの分野ではまだ十分に成熟していません。
オラクルの問題も解決する必要があります。
Chainlinkを統合するのは良いアイデアですが、これは単なる資金の問題ではなく、
技術的な調整が必要な部分もあります。
実際、2022年に進めていた話し合いが一時停止したので、再開する必要があります。
また、ステーブルコインの問題も解決しなければなりません。
多くの人がCircleのUSDCを万能な解決策と考えていますが、
個人的には、USDMやUSDAといったカルダノ独自のステーブルコインの方が、
エコシステムの価値観とより一致していると考えています。
これらを成功させるためには、流動性の確保や取引所での上場支援が必要になります。
さらに、カルダノのネイティブアセットの取引所サポートを強化することも重要です。
現在、KrakenはSNACK(シンギュラリティネットのネイティブトークン)を受け入れていますが、
まだ多くの改善が必要です。
加えて、カルダノの差別化要素として、
ガバナンス基盤とスケーラビリティの向上も重要です。
Ouroboros Leiosの開発は最優先事項ですし、
ガバナンスシステムの洗練や、新しい機能の追加も進める必要があります。
Catalystの役割についても、予算の観点から明確にする必要があります。
これらを実現するには多くの作業が必要ですが、
同時にマーケティングとPRにも力を入れる必要があります。
カルダノが主要な暗号資産イベントで十分な存在感を示せるようにしなければなりません。
例えば、Token 2049、Consensus、Blockchain Parisなどのイベントへの参加が重要です。
ただし、これはIOHKやカルダノ財団だけが行うべきことではありません。
カルダノ上で構築している開発者やプロジェクトも、こうした場にもっと積極的に参加すべきです。
例えば、カルダノのトップ50〜100のプロジェクトは、
まだ十分に露出されておらず、外部の投資家や開発者に知られていません。
そのため、こうしたプロジェクトがイベントに参加できるよう、
補助金を提供することが重要です。
「カルダノ上で誰も開発していない」という誤解を解消するには、
開発者が実際に外部の場に出て、ネットワークを広げる必要があります。
そのため、ETH DenverやToken 2049などのイベントに積極的に参加すべきです。
また、スタートアップの支援体制も整備する必要があります。
例えば、TechStarsや500 Startupsのようなアクセラレーターと提携し、
カルダノで開発するプロジェクトをVC投資に適した形に育てることが必要です。
「VCはカルダノに投資しない」という意見もありますが、
実際のところ、投資を受けるプロジェクトがまだVC向けに十分に成熟していないのが問題です。
適切な支援があれば、こうした問題も解決できるはずです。
また、パートナーチェーン技術があれば、
VCもより投資しやすくなります。
なぜなら、「このプロジェクトはカルダノ専用」ではなく、
イーサリアムやソラナとも相互運用できると分かれば、投資リスクが下がるからです。
Midnightは特に、こうしたVCの関心を集める可能性があります。
また、カルダノが成長した市場、例えばアフリカやラテンアメリカなどに対する投資も継続すべきです。
これらの市場を開拓するための取り組みも、十分に議論する必要があります。
このように、戦略として取り組むべき課題は多岐にわたりますが、
重要なのは、エコシステム全体で議論しながら決めることです。
戦略の方向性については、私の個人的な見解もありますが、
最終的にはエコシステム全体が議論し、それを補完していくべきです。
どこに重点を置くべきかについて、さまざまな視点が必要だからです。
例えば、私はOuroboros LeiosやHydraの開発方法について明確なビジョンを持っています。
また、プログラミング言語の改良についても、AikenやPlutusを通じて適切な進化を遂げています。
これらの技術的な側面については、私たちはすでに良いリズムで開発を進めており、
コミュニティもその成果を目にしています。
しかし、エコシステムの成長については、より多くの意見が必要です。
例えば、Midgardのようなプロジェクトは、Optimismの競争相手になる可能性を秘めています。
その場合、それがカルダノエコシステムにとって適切な選択肢なのか?
また、実際にどのような顧客層がいるのか?といった議論が必要です。
これは単なる技術的な問題ではなく、エコシステム全体の方向性を決める議論なのです。
次の質問ですが、カルダノの主要プロジェクトへの補助金の話をされましたね。この補助金の仕組みはCatalystと関係があるのでしょうか?それとも、別の制度を考えているのですか?
例えば、あるウェブサイトやDApp、またはライブラリの開発を行っていて、
カルダノエコシステムにとって不可欠なサービスを提供しているとします。
こうしたプロジェクトの中には、1〜2人のフルタイム開発者が関わり、
運営コストを負担しながら活動しているものがあります。
しかし、現在これらのプロジェクトには継続的な補助がありません。
そのため、多くのプロジェクトはCatalystに何度も申請を行い、
年々資金を確保しようとしています。
しかし、Catalystの申請プロセスは非常に時間がかかり、労力も必要です。
「すでに3年間開発を続けているのに、毎回ゼロから申請しなければならないのか?」
と考える人も多いでしょう。
さらに、Catalystの資金は、本来なら新しいプロジェクトの支援に使われるべきです。
しかし、既存プロジェクトが継続的な資金を求め続けると、
新規プロジェクトのためのリソースが不足してしまいます。
そこで、これらのプロジェクトを一括して整理し、
年間補助金の形で継続的に資金を提供する方が合理的だと考えています。
この方法なら、すでに価値を証明したプロジェクトを安定的に支援でき、
Catalystはよりイノベーションや新しい試みに集中できます。
例えば、多くのカルダノウォレットは、利益をほとんど上げていません。
しかし、ADAをスマートフォンなどで使用するためには不可欠なインフラです。
VesprやGero Walletなど、こうしたウォレット開発者に適切な補助を提供すべきでしょう。
また、Blink Labsのようなプロジェクトもあります。
たった4人の開発者(しかも全員がフルタイムではない)で、
Go言語によるカルダノクライアントを開発しています。
これらのプロジェクトに対して、年間補助を提供するのは戦略的に非常に合理的です。
これによって、Catalystはよりイノベーション重視のプラットフォームとして機能し、
一方で、すでに成功したプロジェクトは、
エコシステムの重要なインフラとして継続的に支援を受けられるようになります。
次の質問ですが、最近DP(Delegated Representatives: 代表者)への報酬に関する議論が活発になっています。あなたの考えでは、DPは報酬を受け取るべきでしょうか?
これはエコシステムの在り方に関わる重要な問題です。
DPの構成をどうするかによって、報酬が必要かどうかが決まります。
例えば、DPのほとんどをプロジェクトや企業の代表者にする場合、
報酬は不要かもしれません。
なぜなら、彼らはすでに自分たちのビジネスを代弁しているからです。
ウォレット開発者やDApp運営者がDPになれば、
彼らの目的は自然と自分たちのプロジェクトを支援することになります。
しかし、もしDPに独立した政治的立場の人材を確保したいのであれば、
報酬なしでそれを期待するのは現実的ではありません。
独立したDPが、安定的に議論し、投票し、政策を策定するためには、
フルタイムで活動する必要があり、そのための報酬が必要です。
結局のところ、報酬の有無によってDPの構成が変わるのです。
もし報酬を支払わなければ、DPは何らかのプロジェクトや企業に属する人が中心となります。
もし報酬を支払えば、独立したフルタイムのDPを確保することが可能になります。
これをバランスよく組み合わせる方法もあります。
例えば、Intersectやカルダノ財団などの組織を通じて、
一部のDPに対して報酬を支払う仕組みを作ることができます。
この補助金制度を利用することで、DPの中に独立した専門家層を形成することが可能になります。
ただし、DPの報酬額をどう決めるかも課題です。
例えば、地域によって生活費が異なるため、一律の報酬制度は適していません。
また、DPによって活動量が違うため、どの程度の貢献を評価するのかも難しい問題です。
例えば、投票率だけを基準にすると、
単に「すべてにYesかNoを投票するだけ」のDPが生まれてしまいます。
また、「合理的な説明を書かなければならない」とすると、
ChatGPTを使って大量の自動生成コメントを作ることも可能です。
このように、単純な基準では制度が悪用される可能性があります。
そのため、DP報酬の仕組みは慎重に設計する必要があります。
一つの案としては、途上国のDPに対しては報酬を支払い、
先進国ではプロジェクト主体のDPを中心にするという方法も考えられます。
この問題には明確な答えはなく、実際に制度を試しながら最適な形を見つけるべきです。
報酬なしでもDPの多様性を保てるのか、それとも補助金制度が必要なのか、
これから議論を重ねるべきでしょう。
この問題についての私の警告は、「支払った分だけの価値を得る」ということです。
もしDPに報酬を支払わない場合、特定の地理的な地域、特定のプロジェクト、または特定の層に偏る可能性があります。
そして、その状況に不満を持つべきではありません。なぜなら、それが制度の設計による必然的な結果だからです。
個人的には、カルダノは「人々の通貨」であり、グローバルな存在であるべきだと考えています。
したがって、発展途上国や経済的に不利な立場の人々が意思決定の場に参加できるようにすることが重要です。
そのためには、彼らに何らかの形で報酬を支払う必要があるでしょう。
そうしなければ、彼らは生活のために別の仕事をせざるを得ず、
結果としてDPには裕福な人々や企業の代表ばかりが集まることになります。
あなたの考えでは、DP報酬の導入は今回の予算案ではまだ時期尚早で、次のラウンド、つまり来年の提案にするべきだと考えていますね?では、もし今年DP報酬を導入しなかった場合、カルダノの成長に対してリスクになると思いますか?
おそらく、直接的なリスクにはならないでしょう。
ただし、いくつかのグループが意思決定の場から排除されることにはなります。
そのため、特定の層が過小評価されることになっても問題がないのであれば、
報酬なしでも大きな障害にはならないかもしれません。
とはいえ、DPのほとんどがプロジェクトや企業に属する人物になることは間違いないでしょう。
また、独立した個人ではなく、有名なインフルエンサーや裕福な人々が中心となる可能性もあります。
しかし、私の役割はあくまで「開発すること」です。
DPが誰であれ、私は彼らと協力して最善の方法を模索します。
私がカルダノを設計した目的は、
それが「人々の通貨」であり、世界中で使われることでした。
そのため、途上国や経済的に不利な立場の人々が意思決定の場に参加できることを望んでいます。
そうすることで、本当にグローバルなエコシステムを実現できるからです。
もしDP報酬を導入しなければ、彼らはフルタイムのDPになることができず、
結果的に意思決定の場から排除されることになるでしょう。
そのため、もし今年報酬を導入しないのであれば、
来年以降に改めて議論し、より公平な制度を設計することが必要です。
それは非常に根本的な議論です。
仮に、ある地域での給与水準が月1,000ドルだとすると、50人から100人のDP(Delegated Representatives)をその水準で補助するのは、それほど大きなコストではありません。
そのため、低コストで優秀な人材を確保し、フルタイムで働いてもらうことが可能になります。
これがカルダノの大きな利点の一つです。
つまり、労働価値の違いを利用して、他の地域では得られないような優れた人材を適切なコストで確保し、
エコシステムに新たな視点や多様性をもたらすことができるのです。
では、CC(Constitutional Committee)のメンバーについてはどう思いますか?
彼らも報酬を受け取るべきだと思いますか?
これは興味深い問題です。
もともとこの制度を設計したときには、CCメンバーに報酬を支払うことは想定していませんでした。
しかし、万が一に備えて、柔軟に対応できるように設計していました。
現在、CCのメンバーは個人ではなく、コンソーシアム(協議体)で構成されることが可能です。
つまり、一つのCCの枠には、複数のメンバーが所属する場合があります。
そこで問題となるのは、仮にそのCCに25人のメンバーがいた場合、
彼ら全員に個別に報酬を支払うべきなのか、それとも一律に固定の報酬を支払うべきなのかということです。
選挙を通じて、このような「複数メンバー型CC」が生まれることが分かりましたが、
その報酬をどのように決定するかは、まだ明確に定まっていません。
個人的には、CCメンバーに報酬を支払うこと自体には問題がないと思います。
しかし、それ以上に重要なのは、CCメンバーがスタッフを雇うための予算を持つことです。
実際に、政治家がスタッフを雇うのと同じような仕組みが必要でしょう。
例えば、アメリカの上院議員や下院議員、または日本の国会議員もそうですが、
彼らはスタッフを雇うための予算を持っており、専門家を雇いながら仕事を進めています。
議員の仕事は非常に複雑で、すべての専門分野を自分で把握することは不可能です。
そのため、スタッフの支援が不可欠となります。
CCのメンバーも同じように、フルタイムのスタッフを雇い、
彼らの業務を円滑に進められるような予算を持つべきです。
特にCCレベルでは、その重要性が高まります。
DPと違って、CCは選挙で選ばれる限られた役職であり、
その責任範囲も大きいため、適切なサポート体制を確立する必要があります。
この方法を採用すれば、CCメンバー自身が予算の配分を決定することができます。
例えば、年間30万ドルの予算が与えられた場合、
それをすべて自分の給与に充てることもできますし、
数名のスタッフを雇うために分配することも可能になります。
この柔軟性が、制度を適切に機能させるための重要なポイントになるでしょう。
今回は必ずしもCCメンバーに報酬を支払う必要はないかもしれませんが、
将来的にガバナンスの複雑さが増し、業務量が増えていくにつれて、
このような仕組みを導入することは理にかなっていると思います。
特に、CCメンバーが頻繁に対面での会合を行うようになれば、
そのための予算が必要になるでしょう。
では、SPO(ステークプールオペレーター)のインセンティブについてはどう考えていますか?
今後5年間でどのように進化していくべきでしょうか?
SPOへの報酬は、既存のADAの発行量とは別に、
あらかじめ固定された金額の中からブロック報酬として分配される仕組みになっています。
現在の報酬モデルは、ブロックの生成頻度が一定のリズムで分配される設計になっています。
しかし、SPOの数が増加し、また新しいブロックの種類(キー・ブロックやインプット・ブロックなど)が登場すると、
報酬モデルの変更が必要になります。
Ouroboros Leiosの導入に伴い、インセンティブの仕組みも変えざるを得なくなるでしょう。
ただし、ADAの発行量を増やすのではなく、
既存の報酬プールの分配方法を見直すことで対応する必要があります。
そのため、私はパートナーチェーン戦略を特に重視しています。
SPOに対して新たな収益源を提供することで、持続可能なインセンティブモデルを構築することが可能になります。
SPOを単なるブロック生産者ではなく、
エコシステム全体に対して多様な分散型サービスを提供する事業者と捉えるのです。
例えば、SPOは次のような役割を担うことができます。
• Iagonノードの運営
• Hydraヘッドの管理
• Mithrilサーバーのホスト
• パートナーチェーンの運営
• 通常のステークプールオペレーター(SPO)
これらのサービスを組み合わせることで、SPOは複数の収益源を確保できるようになります。
つまり、一つの報酬体系に依存せず、多様なインセンティブを得られる仕組みを構築するのです。
しかし、私自身には、SPOの報酬モデルを直接変更する権限はありません。
これは、オンチェーンガバナンスによって決定されるべき事項です。
そのため、Ouroboros Leiosの開発と並行して、
報酬モデルの変更を提案するCIP(Cardano Improvement Proposal)を準備する必要があります。
このCIPが提出された段階で、コミュニティ全体でその変更を議論し、
最終的にはオンチェーン投票によって決定するべきです。
その後、ハードフォークを通じて新しい報酬モデルを実装することになります。
こうした変更を行うためには、ボランティアガバナンスの仕組みが必須です。
単一の中央機関が一方的に「SPOの報酬を減らして、別のプロジェクトに回す」
といった決定を下すことは許されません。
あくまで、エコシステム全体の合意を形成するプロセスが必要なのです。
現在の計画では、2025年後半にはすべてのプロトタイピングを完了させる予定です。
その後、エコシステム全体で報酬モデルの変更を議論し、
最終的な実装の是非を問う段階へと進んでいきます。
並行して、パートナーチェーンの開発も進められています。
Midnightは今年ローンチ予定であり、ステークプールオペレーター(SPO)に対して
新たなブロック報酬を提供する仕組みが導入されます。
これにより、SPOは従来のADAの報酬に加え、MidnightのネイティブトークンであるNightトークンも
受け取ることができるようになります。
つまり、SPOは一つのレジャー(カルダノ)だけでなく、複数のレジャーを管理し、
それに応じた収益を得られるようになるのです。
この新しいインフラを効率的に管理するために、
現在、Hyperledger Firefly を活用した実験も行われています。
Fireflyはスーパー・ノード・アーキテクチャを採用しており、
カルダノのステークプールオペレーターがこのインフラを簡単に導入できるようにすることを目的としています。
次のステップでは、FireflyにパートナーチェーンやMidnightを統合し、
SPOがこれらのインフラをシームレスに管理できるようにする計画です。
この仕組みを活用すれば、HydraのオーケストレーションやIagonの管理なども、
すべて同じプラットフォーム上で実行できるようになります。
最終的な目標は、SPOがこれらのサービスを容易に展開できるようにし、
収益の多様化を促進することです。
そうすることで、SPOが持続可能な形でエコシステムを支えることができるようになります。
次のロードマップを超えた未来について
現在のロードマップは非常に野心的で魅力的なものですが、その先にはどのような開発計画を描いていますか?
カルダノで行われる開発と、Input Output Group(IOG)が行う開発は異なります。
この2つの活動を明確に分けることが重要です。
• Input Output Engineering & Research:
カルダノの基盤技術を開発するチーム(Hydra, Leios, Plutus, Aiken など)。
• Input Output Group(IOG):
カルダノの上に構築されるプロダクトを開発するチーム(Lace, RealFi, Midnight など)。
私たち(IOG)の目的は、カルダノのエコシステムを拡張し、新たなトークンや体験を生み出すことです。
それによってカルダノの利用価値を高め、流動性を向上させることを目指しています。
一方で、カルダノの基盤技術自体の成熟度を高める作業も同時に進める必要があります。
IOGでは、毎年1つのパートナーチェーンをローンチする ことを目標にしています。
例えば、次のような分野が候補に挙がっています。
• ソーシャルメディア
• AI(人工知能)
• ゲーム(GameFi)
このようなパートナーチェーンを定期的に開発し、
それをカルダノエコシステム全体に統合することで、
より多くのユーザーをカルダノに引き込むことができます。
その結果、カルダノの利用者が拡大し、流動性が向上し、
より強固なエコシステムが形成されることになります。
Laceの進化も、その一環として進められています。
私たちはLaceを「Windows」や「Android」のようなプラットフォームにすることを目指しています。
現在は単なるブラウザウォレットですが、今後は次のような機能が追加されます。
• Dappストアの統合
• ゲームストアの追加
• デジタルライフの中心となるアプリ
また、マルチアセット対応も進めています。
近日中に Laceでビットコインをサポート する予定であり、
それにより、ビットコインDeFiをカルダノに統合する道が開かれます。
将来的には、ビットコインだけでなく、他のブロックチェーンの資産もサポートし、
モバイル対応も進める予定です。
最終的には、Laceが暗号資産の中心的な管理ツールとなることを目指しています。
また、次のパートナーチェーンの開発計画についても考えています。
現在の市場動向を見ながら、2026年には Quantum Hosky(量子ホスキー)
というゲーム関連のパートナーチェーンをローンチする可能性があります。
これは、ミームコイン、GameFi、メタバース を組み合わせたものになるかもしれません。
ただし、これは市場の状況によって変更される可能性があります。
場合によっては、ソーシャルネットワークやAI関連のプロジェクトにシフトすることも考えています。
すべては、Midnightの成功とパートナーチェーンのフレームワークがどれだけ確立できるか、
そして市場がどの方向に進んでいるかによって決まります。
もし自分のクローンがいて、インフラではなくDapp(分散型アプリ)の開発に専念できるとしたら、今後5年間でどのようなDappを作りたいですか?
Dappの開発にはいくつかのレベルがあります。
まず、「基盤となるインフラ」 を整備することが不可欠です。
例えば、AikenやHydraのような技術は、カルダノ上でのDapp開発を支える重要なインフラです。
しかし、現状ではカルダノには、Lightning Labsのような特定の分野に特化した開発組織がありません。
BitcoinにはLightning Labsがあり、彼らがBitcoinのライトニングネットワークを開発し、推進しています。
カルダノでも、こうしたミドルウェア開発を専門に行うチームを育成し、
エコシステム内でより多くのDappを展開できるようにする必要があります。
次に、実際のDapp開発 に焦点を当てる必要があります。
現在、カルダノには多くのDeFi(分散型金融)やGameFi(ゲームと金融を融合させたDapp)が存在しています。
しかし、これらのプロジェクトは、まだ十分な流動性を確保できておらず、
取引所への上場やTVL(Total Value Locked:総預かり資産)の増加が必要です。
そのため、次の5年間で特に重要になるのは、以下の分野でしょう。
• ステーブルコイン市場の確立
• 分散型取引所(DEX)の強化
• GameFiとメタバースの発展
• パートナーチェーンの拡大
ステーブルコイン市場の確立
現在、ステーブルコイン市場は、Circle(USDC)やTether(USDT)によって支配されています。
しかし、これらの企業は独占的な地位を築きつつあり、競争が阻害されています。
したがって、カルダノ独自のステーブルコインであるUSDMやUSDAを成長させることが重要です。
このために、「ステーブルコイン連合」 を形成し、
既存の市場で不当に扱われている小規模なプロジェクトを統合し、
流動性を共有できるようにするべきです。
この連合が確立されれば、カルダノのDeFiエコシステムはより強固なものになります。
分散型取引所(DEX)の強化
現在、カルダノにはMinSwap、SundaeSwap、MuesliSwapなどのDEXがありますが、
まだ流動性が低く、他のチェーンと比べて競争力が不足しています。
そのため、より多くの流動性提供者(LP)を呼び込む仕組みを構築し、
DEXを強化することが必要です。
例えば、カルダノのパートナーチェーンを活用して、新たなDEXを開発し、
異なるチェーン間の流動性を統合することが可能です。
また、CEX(中央集権型取引所)との提携を進め、
カルダノのネイティブアセットがより多くの取引所に上場するよう促すことも重要です。
GameFiとメタバースの発展
GameFiは今後の暗号通貨市場で重要な役割を果たすでしょう。
現在のGameFi市場は、Axie InfinityやThe Sandboxなどのプロジェクトによって牽引されていますが、
カルダノはまだこの分野で十分な存在感を示せていません。
そのため、「Quantum Hosky」のようなゲーム関連のパートナーチェーンを開発し、
カルダノのエコシステムに新しいユーザーを取り込むことが重要です。
特に、NFTとGameFiを組み合わせたプロジェクトを推進し、
メタバース市場でのプレゼンスを強化する必要があります。
パートナーチェーンの拡大
カルダノの成長には、年間3〜5のパートナーチェーンを立ち上げることが不可欠 です。
このうち、1〜2つは失敗するかもしれませんが、成功したものはカルダノの成長を大きく後押しするでしょう。
これにより、新しいユーザー層を獲得し、カルダノの市場規模を拡大できます。
例えば、Midnightのローンチでは、1億3500万人のユーザーに対してプロモーションが行われます。
仮にそのうち5%のユーザーがカルダノのエコシステムに参加したとしても、
それだけで現在のカルダノユーザー数の2倍以上になります。
このようなエコシステム拡張戦略を毎年繰り返せば、数年後には数千万人規模の新規ユーザーを獲得できるでしょう。
そのため、パートナーチェーンの開発は、カルダノの成長において極めて重要な要素となります。
カルダノ財団の戦略について
カルダノのエコシステムにおける戦略について、
私はしばしばカルダノ財団の方向性に異議を唱えています。
例えば、カルダノ財団はPragmaと提携し、「クライアントの多様性を確保すること」 に多くの時間と資金を費やしています。
しかし、そもそもそれほど大きな需要があったわけではありません。
一方で、より重要な分野、例えば教育、オンボーディング、ステーブルコインやオラクルの整備 には
十分なリソースが割かれていません。
特に、Circle(USDC)を採用しようとした戦略は、結果的にうまくいかなかった のではないでしょうか?
むしろ、その資金をUSDMやUSDAの開発に投じていたら、
カルダノ独自のステーブルコインの流動性を確保できたかもしれません。
また、カルダノのネイティブアセットがCEX(中央集権型取引所)に上場する動きも非常に遅れています。
現在、Tier1取引所で唯一上場しているカルダノのネイティブアセットはSNACK です。
これはSNACKのコミュニティが積極的に動いた結果であり、
他のDeFiプロジェクトが同じような成功を収めるには、さらなる支援が必要です。
そのため、私は次のような施策を提案します。
• TechStarsのようなアクセラレーターに資金を提供し、カルダノのスタートアップを支援する
• パートナーチェーンを活用し、新しいエコシステムの形成を加速する
• 主要な暗号資産イベント(Token 2049、Consensusなど)でのプロモーションを強化する
これらの戦略を通じて、カルダノの成長を加速させることが可能です。
今後10年間で、複数のブロックチェーンが共存する世界において、カルダノはどのような役割を果たし、イーサリアムやソラナのような他のブロックチェーンはどのような立場になると考えますか?
私は、ブロックチェーンの本質について明確な立場を持っています。
それは、「ブロックチェーンとは何か」という原則に忠実であるかどうかがすべてを決める ということです。
中途半端な立場は存在しません。
もし、本当にサトシ・ナカモトの理念に従うのであれば、
分散化に真剣に取り組み、時間が経つごとにより分散化され、レジリエンス(耐障害性)を強化するモデルを持つべきです。
これこそがサトシの目指したビジョンでした。
一方で、分散化を真剣に考えないプロジェクトは、必然的に中央集権化していく ことになります。
これには5年や10年の時間がかかるかもしれませんが、最終的には確実に起こります。
その典型的な例が、ソラナやAptosなどのチェーン です。
彼らのコンセンサスモデルは、より高速で、より安価な取引を実現するために設計されています。
しかし、その代償として、ノードの運営コストが非常に高くなっています。
結果として、ノード運営が一部の富裕層や企業に集中し、最終的には完全に中央集権化されてしまうのです。
仮に、ノードの運営に1億円(100万ドル)かかる状況になったとしたら、
普通の個人がノードを運営することは不可能になります。
その結果、ノードの数は減少し、権力は一部の企業に集中することになります。
そして最終的には、「それならクラウドで動かせばいいじゃないか」という話になり、
Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud、Microsoft Azureなどの中央集権的なインフラに依存することになります。
この時点で、もはや「分散型ネットワーク」ではなく、「ブロックチェーン風の中央管理型データベース」*に過ぎません。
この道を辿るプロジェクトは、最終的に「なぜ分散化が必要なのか?」という問いに答えられなくなります。
すると、市場の最適化の流れに従って、より安価で効率的な中央集権型の仕組みへとシフトしていきます。
そして、最終的にOracle、IBM、Google、Microsoft、Amazonなどの大手企業が、
ほぼすべてのブロックチェーンノードを管理するようになるでしょう。
これでは、「ブロックチェーンの理念」が完全に失われてしまいます。
カルダノの役割
カルダノは、明確な原則を持っています。
私たちには、「カルダノ憲法」 があり、
また、「分散化指標(Decentralization Index)」 に基づいてシステムを管理しています。
この原則に基づき、カルダノのガバナンスは、今後も分散化を維持し続けるでしょう。
問題は、「分散化されたままで、どれだけ競争力を維持できるか?」 という点です。
これは、非常に難しい課題です。
Ouroboros Leiosの開発は、この課題に対する私たちの答えの一つです。
多くの人々は、「カルダノは開発が遅い」と批判しますが、
私たちは、単なる速度競争に巻き込まれるのではなく、分散化を維持しながらスケールする方法を模索しています。
もし、私たちが2018年や2019年に、
単に「ソラナのような超高速チェーン」を作ろうと考えていたならば、
今頃、さらに速いチェーンを作れていたでしょう。
例えば、Red Belly、Narwhal and Tuskのような技術を組み合わせれば、
カルダノは50万TPS以上の処理能力を持つチェーンになっていたかもしれません。
しかし、それは「分散化されたシステム」ではなく、「単なる高速トランザクションネットワーク」になってしまいます。
私たちはその道を選ばず、分散化を維持しながらパフォーマンスを向上させる 方法を追求しました。
その結果、Leiosの研究と開発に6年 もの時間を費やすことになったのです。
しかし、その6年間の研究が完成した時、カルダノは唯一の「高性能かつ分散化されたブロックチェーン」 になっているでしょう。
つまり、市場が分散化の価値を理解し、求めるようになれば、カルダノは生き残る。
逆に、もし市場が分散化よりも中央集権的な効率性を求めるなら、カルダノは淘汰される。
この選択を決めるのは、私たちではなく、市場そのもの なのです。
カルダノの未来
ガバナンスのシステムも、現在の形からさらに進化させる必要があります。
現在のガバナンスモデルは、まだ初期段階にあり、
今後はさらに多くの人々を参加させ、より高度な意思決定を可能にする必要があります。
例えば、次のようなガバナンスの改良が考えられます。
• 二次投票制度の導入(Quadratic Voting)
• リニア・プレファレンス投票(Linear Preference Voting)
• 「1人1票」の仕組みを導入しつつ、ADA保有量による投票も組み合わせる方法の検討
また、カルダノのコンセンサスモデルも進化する必要があります。
現在はPoS(Proof-of-Stake)を採用していますが、
将来的には、「マルチリソース・コンセンサス」(Multi-resource Consensus) を実装し、
ステーク以外の要素も最適化に活用する可能性があります。
この試みは、まずパートナーチェーンで実験的に導入され、
成功すればカルダノのメインネットにも適用される ことになるでしょう。
こうした技術革新と分散化を推し進めることで、
今後5年から10年の間に、カルダノは「唯一の真に分散化されたブロックチェーン」 になる可能性があります。
では、その時に市場はどう動くでしょうか?
例えば、EUや米国が選挙システムをブロックチェーンに移行することを検討した場合、
彼らは中央集権的なブロックチェーンを選ぶことができるでしょうか?
答えはNOです。
もし、5人のノードオペレーターがシステムを管理していたとしたら、
たった1人が裏切るだけで、選挙結果を改ざんできてしまいます。
こんなシステムを政府が採用できるはずがありません。
つまり、最終的にカルダノは、「世界規模の金融システムや政府システムの基盤」として生き残る可能性があるのです。
それこそが、分散化に取り組むカルダノの最大の強みです。
コミュニティからの質問です。トランプ政権において、あなたはどのような役割を果たす可能性がありますか?
トランプは非常にユニークな人物です。
私の人生の中で、これほどまでに効果的にメッセージを発信し、
勢いを生み出し、政治運動を築き上げた政治家を見たことがありません。
彼は、アメリカの政治構造全体を自らの手で変えることができる、稀有な存在です。
アメリカ政治の歴史において、トランプに匹敵する人物は存在しません。
例えば、グローバー・クリーブランド(アメリカ唯一の非連続の2期を務めた大統領)が
再選を果たした際は、両党から強い反発がありました。
しかし、トランプは復帰するだけでなく、共和党全体、さらには国家全体を支配するようになりました。
彼は現在、司法、立法、行政府の全てに影響力を持つ 状況にあり、
強力な支持を受けて統治しています。
彼の政権には、歴史上最も強力な閣僚が揃っています。
普通の閣僚とは異なり、多くのメンバーは億万長者であり、
それぞれが独自の影響力を持っています。
さらに、彼はアメリカの財界トップをも取り込みました。
ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグ、イーロン・マスク など、
以前の政権にはいなかった経済界の大物たちが、今回の政権には加わっています。
彼らはそれぞれの経済圏を支配しており、
それらすべてがトランプ政権の下で統合されつつあります。
さらにトランプは、アメリカ政府内部での権力闘争 にも乗り出しています。
各省庁を順番に見直し、気に入らない人間を解雇し、
自身に忠実な人物を配置することで、権力を集中させています。
これは、過去のどの大統領もなし得なかったことです。
なぜなら、彼はすでに8年間の経験を積んでおり、
「政府機構をどうコントロールすればよいか」を熟知しているからです。
司法が一定の制約を課すことはあるでしょうが、
それも1~2年以内には克服し、権力を完全に掌握する可能性があります。
もし、トランプの後継者としてJD・ヴァンスが当選するならば、
これはレーガン政権以来の長期的な保守主義の支配 となるでしょう。
歴史的に見ると、これと似たケースは、1932年からのFDR(フランクリン・D・ルーズベルト)政権以来の出来事 です。
つまり、アメリカ政治において非常に稀な状況が生まれようとしているのです。
トランプ政権と暗号資産
トランプは、アメリカを 「暗号資産ビジネスにとって最も魅力的な国」 にするという明確なビジョンを持っています。
そのため、政権全体で暗号資産に関する包括的な政策を策定しています。
トランプ政権の動きの速さを示す一例として、
昨年、私はワシントンD.C.でティム・スコット上院議員と夕食を共にしました。
その際、彼と「立法府(議会)はどのように動くのか?」という話をしました。
彼は「大統領は非常に迅速に動いている」と述べていました。
実際に、今年2月には、トランプ政権が暗号資産政策を統括する機関を設立 し、
全ての関連する議会委員会を統合 しました。
通常、アメリカ議会は派閥や政党による対立が激しく、調整が難しいのですが、
トランプが「やれ」と指示を出したことで、わずか100日以内に法案が通る可能性があるのです。
これは通常では考えられないほどのスピードです。
私は現在、主に立法部(議会)との連携を重視 していますが、
行政機関(ホワイトハウス)とも必要に応じて協力する予定 です。
例えば、ロバート・F・ケネディJr. とは個人的な親交があり、
前回の大統領選挙でも彼のキャンペーンに関わっていました。
こうした関係を活かし、行政側とも連携を図るつもりです。
最も重要なのは、「Fit 21(Financial Innovation and Technology for the 21st Century Act)」 という法案を適切な形で成立させることです。
この法案は、暗号資産の分類基準(証券か、コモディティか)を明確にするもの であり、
過去にSEC(証券取引委員会)が起こした数々の訴訟の根本的な問題を解決するものです。
私たちは、この法律の中に、「分散化の明確な定義」 を組み込むことを目指しています。
そのために、エディンバラ分散化指数(Edinburgh Decentralization Index) を
法律の基準として提案する予定です。
私自身も上院で証言を行い、議員と直接協力して法案成立を後押し していきます。
行政機関に対しては、次の点を提案する予定です。
• 暗号資産関連の政策グループを拡大すること
• NIST(米国標準技術研究所)、DARPA(国防高等研究計画局)、NSF(国立科学財団)をこのプロセスに含めること
これらの機関は、暗号資産の学術研究、技術標準化、科学的資金提供に関与しています。
しかし、現時点では、暗号資産政策の策定に十分に関与できていません。
その結果、これらの技術研究が中国へと流れてしまっています。
例えば、量子コンピュータの開発において、中国はすでに大きなリードを取っています。
この状況を防ぐためにも、アメリカ国内での研究支援を強化する必要があります。
また、トランプ政権は AIと暗号資産を統合する方針 を打ち出しています。
これにより、「AI・暗号資産統括官(CZar)」 という新たな役職が設置されました。
これは従来にはなかった試みであり、今後の政策に大きな影響を与えるでしょう。
結論として、
現在のトランプ政権は、非常に強い権力を持ち、短期間で多くの変革を実現できる状況 にあります。
私は、議会との協力を通じて、暗号資産の法整備を進めることに注力する予定です。
さらに、行政側にも助言を行い、より広範な政策の策定に貢献していきます。
イーロン・マスクと暗号資産
もう一つ注目すべき点は、イーロン・マスクが暗号資産分野で何をしようとしているのか ということです。
彼はこれまで、暗号資産市場で様々な影響力を発揮してきましたが、
現在はより本格的にこの分野へ参入する計画を立てている と見られています。
彼は長年にわたり、Dogecoin(DOGE)を愛好し、その普及を後押ししてきました。
しかし、それは単なるジョークや趣味のレベルではなく、
彼が実際に暗号資産エコシステムの中核に位置する計画を持っていることを示しています。
現在、マスクは X(旧Twitter)を暗号資産ウォレットとして機能させる計画 を進めています。
これが実現すれば、世界最大の暗号資産ウォレット となる可能性があります。
Xのユーザー数は約5億人に達しており、
そのすべてが暗号資産ウォレットにアクセスできるようになれば、
市場に与える影響は計り知れません。
ここで注目すべき点は、マスクがどの暗号資産をサポートするのか ということです。
現時点では、イーサリアムやソラナを明確に支持する発言はしていません。
どのブロックチェーンを選ぶのか、また、DeFiにどのように関与するのかは、まだ不透明です。
さらに、マスクは アメリカ政府が暗号資産を正式に採用するための提案 も行っています。
カルダノがそのプロセスに関与できる可能性があるのかどうかは、
まだ明確ではありませんが、議論の中に含まれる可能性は十分にあるでしょう。
カルダノはアメリカ政府の暗号資産導入に関与できるのか?
マスクがどれほど強い影響力を持っていたとしても、
アメリカ政府が新しい技術を導入する際には、正式な調達(procurement)プロセスを経る必要があります。
これは通常、数年単位の時間を要する 非常に複雑なプロセスです。
政府が新たな技術を採用する際には、次のような障害が発生します。
1. 規制の整備 – 政府が新しい技術を採用する前に、法律や規制が適切に整備される必要があります。
2. 公開入札(RFP: Request for Proposal) – 政府は、新技術の導入にあたり、企業間で公平な競争を促すために入札を行います。
3. 訴訟や議会での審議 – 新技術の導入には、競合他社や政治家の反対が生じることが多く、法的な争いになることもあります。
これらのプロセスには数年の時間がかかる可能性 があり、
カルダノとしても、そのプロセスに適切に対応できるよう準備を進める必要があります。
カルダノはアメリカの政策決定プロセスに関与しているのか?
私たちは、表立って大々的に動いているわけではありませんが、
カルダノは確実にアメリカの政策決定プロセスに関与しています。
例えば、ブロックチェーン業界で最も影響力のある人物の一人、ボ・ハインド(Bo Hind) とは
定期的にコミュニケーションを取っています。
また、現在のトランプ政権の暗号資産政策グループには、私たちが関わっている人物も含まれています。
例えば、デビッド・サックス(David Sacks)は、トランプ政権の暗号資産政策チームの中心人物ですが、
私はまだ直接会ったことはないものの、彼と関わる人々とはすでに接触しています。
さらに、アメリカ上院の暗号資産政策委員会を主導するシンシア・ルミス上院議員 は、
私の地元ワイオミング州の議員であり、
彼女とは2022年の段階から連携を取っています。
このように、私たちは政策決定者と直接のコネクションを持ち、
必要なときに彼らと連携できる立場にあります。
私たちは、RippleのCEOのように、Twitter上で派手なアピールをすることはありませんが、
確実に政策決定の場に席を持ち、実質的な影響を与える立場にあります。
アメリカにおける暗号資産規制の方向性
過去4年間、アメリカの暗号資産業界は非常に厳しい状況に置かれていました。
Coinbase、Kraken、Binanceなどの主要取引所が次々とSEC(証券取引委員会)から訴訟を受け、
銀行もFDIC(連邦預金保険公社)から圧力を受けて暗号資産関連企業との取引を停止しました。
私自身も、銀行口座が突然凍結される という経験を何度かしています。
このような状況では、業界全体が成長することは非常に困難です。
私たちの最大の目標は、この不安定な環境を根本から変えること です。
そこで、暗号資産業界にとって最も重要な3つの目標を掲げています。
1. SECやFDICによる不当な規制を取り除き、暗号資産業界が健全に発展できる環境を作る
2. アメリカを「暗号資産にとって最適な国」にするための法律を整備する
3. アメリカ政府が公式にブロックチェーンを採用し、そのプロセスにカルダノを関与させる
特に、3つ目の目標については、今後数年間の取り組み次第で実現可能性が大きく変わります。
私たちは、政府機関や政策決定者と連携し、
カルダノが政府レベルのインフラとして採用される道を探っていきます。
DAO(分散型自律組織)に関する法整備とワイオミング州の役割
多くの暗号資産プロジェクトやブロックチェーン・プロジェクト、
さらにはDAO(分散型自律組織)がアメリカを拠点にしようと考えています。
特に、ワイオミング州はDAO関連の法整備が進んでいるため、多くの企業が関心を持っています。
例えば、a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ) は、
ワイオミング州でDUNA(Decentralized Unincorporated Nonprofit Association) という
DAO向けの法人格を設立しました。
これは、DAOを運営する際の法的枠組みとして、現在最も注目されているモデルの一つ です。
DAOの法整備は100日以内に連邦レベルで実現する可能性があるのか?
私は、アメリカ連邦政府が今後100日以内に暗号資産関連の法律を成立させる可能性があると考えています。
しかし、その中にDAOに関する法整備が含まれるかどうかは不透明 です。
現在、連邦政府が最優先で進めているのは、ステーブルコインの規制 です。
これは、毎月1兆ドル規模の取引 が行われており、
法整備が急務とされているためです。
まずはこの問題を解決し、次に進むのが「資産分類(証券かコモディティか)」という課題です。
DAOに関する法整備は、これらよりも優先度が低いため、
今後すぐに規制が明確化されるとは限りません。
ワイオミング州は引き続きDAOにとって有力な拠点なのか?
現時点では、ワイオミング州は引き続きDAOにとって最適な法的環境を提供している と言えます。
その理由は、すでに40本以上の暗号資産関連法案が成立している こと、
そして州政府が暗号資産業界と密接に連携している ことです。
私は個人的にワイオミング州のステーブルコイン・プロジェクトにはいくつか不満があります が、
それは例外的なケースであり、
全体としてワイオミング州は暗号資産ビジネスにとって優れた環境 を提供しています。
また、日本やアブダビもDAOの法整備を進めており、
事業の性質によっては、日本やアブダビの方が適しているケースもある でしょう。
例えば:
• アニメやコンテンツIPのトークン化 を行う場合、日本が適している可能性が高い。
• 石油先物のトークン化 を行う場合、ワイオミング州の方が適している可能性が高い。
つまり、DAOの拠点を選ぶ際には、法的な枠組みだけでなく、事業の目的に応じた最適な選択をすることが重要 です。
カルダノと日本:日本市場の重要性
昨年のあなたの日本訪問は、日本のカルダノ・コミュニティに大きな影響を与えました。
地方から東京へ足を運び、カルダノのイベントに初めて参加した人も多くいました。
また、日本国内でのメディアの注目度も大きく向上しました。
現在、IOGのイベントチームと協力して、10月の第2週にカルダノ関連のイベントを開催する計画 があります。
(このイベントは、シンガポールでの「Token 2049」の直後に行われる予定です。)
このタイミングで、あなたも日本に来る予定はありますか?
私は10月だけでなく、3月にも日本に行きたいと思っています。
実は3月にハワイへ行く予定があるのですが、
ハワイは日本とも近いため、まず日本に立ち寄る というのも良いアイデアだと思います。
現在、日本ではカルダノの予算や憲法に関する議論が活発に行われています。
そのため、私は日本のDRep(代表者)やADAの大口保有者と直接話をし、
質問に答え、日本のコミュニティをよりエコシステムに巻き込む機会を作りたい と考えています。
なぜなら、日本はカルダノの歴史において最も重要な国の一つ だからです。
カルダノは日本なしでは存在しませんでした。
日本は常にカルダノの強固な基盤を築き、信頼を寄せてくれた国です。
したがって、日本のコミュニティは、グローバルなカルダノの意思決定において、
主要な席を持つべき存在 です。
ガバナンスのリーダーの中には、もっと多くの日本人が含まれるべき だと考えています。
さらに、私は日本発のDapp(分散型アプリ)を増やしたい と思っています。
現在、カルダノ上で開発されているDappのほとんどはヨーロッパやアメリカのプロジェクト です。
しかし、カルダノが日本と深い関係を持つことを考えると、
日本発のDappがもっと増えても良いはずです。
例えば、Sebastian(DC Sparkの創業者) は、
Pimaなどの素晴らしいゲームプロジェクトを開発してきました。
こうしたプロジェクトをさらに増やし、日本のエコシステムを成長させるべきです。
また、Midnight(プライバシー重視のブロックチェーン) は、
日本の文化や価値観に非常に適していると考えています。
Midnightは、完全に匿名なZcashやMoneroのようなものではなく、
「責任あるプライバシー」 を提供するブロックチェーンです。
これは、日本の法規制や倫理観と調和しやすいモデルです。
さらに、日本の企業がカルダノに参入することを促進したい と思っています。
例えば、ソニーのような企業がカルダノのエコシステムに参加することができるかもしれません。
しかし、それを実現するには、実際に現地へ行き、直接対話することが不可欠 です。
私は、あなたや日本のカルダノ・コミュニティと協力し、この対話を進めていきたい と思います。
そのため、3月と10月の両方で日本を訪問することを検討しています。
私は日本が大好きで、過去の暗号資産関連の取り組み以前から日本文化に親しんできました。
例えば、私はハワイで育ちましたが、ハワイでは相撲(スモウ)が唯一放送されている州 でした。
そのため、日本文化とのつながりは非常に深いものがあります。
日本でのカルダノ推進活動と個人的な関心
日本のカルダノ・コミュニティは、世界の中でも特に重要な存在です。
そのため、私たちは日本国内でのカルダノの普及活動をより積極的に進めるべきだと考えています。
日本のDapp開発者を増やすこと は、その一環として重要な要素です。
現在、多くのDappがヨーロッパやアメリカで開発されていますが、
カルダノの歴史を考えると、日本からより多くのプロジェクトが登場するべきです。
例えば、Sebastian(DC Sparkの創業者) は、
Pimaなどの素晴らしいゲーム関連プロジェクトを開発してきました。
こうした日本発のプロジェクトがもっと増えれば、
カルダノのエコシステムにおける日本の影響力もさらに強まるでしょう。
また、Midnight は、日本市場に特に適したブロックチェーンプロジェクトだと考えています。
Midnightは完全に匿名なZcashやMoneroのようなシステムではなく、
「責任あるプライバシー」を提供するブロックチェーン です。
このコンセプトは、日本の法制度や文化と非常に相性が良いと考えています。
日本企業との連携も、今後の重要な課題の一つです。
私は、ソニーのような企業がカルダノのエコシステムに参加する可能性について話し合いたいと考えています。
しかし、そのためには実際に日本へ行き、直接対話することが不可欠 です。
そのため、私は3月と10月の両方で日本を訪問することを検討 しています。
カルダノのロードマップを推進するだけでなく、
より多くの日本の開発者や企業をエコシステムに取り込むための活動 を行う予定です。
また、個人的な関心として、日本のゲーム文化や歴史にも触れたい と思っています。
私の兄は、「Hosk Brew」 という企業を経営しており、
古い任天堂ゲーム機(Nintendo、Super Nintendo)を修理・復元するビジネスを行っています。
私たちは現在、LaceウォレットにNintendoエミュレーターを統合する計画を進めており、
その一環として、日本のゲーム業界に関わることに大きな興味を持っています。
また、日本にはゴジラの博物館があり、私はぜひ訪問したいと思っています。
私は現在、クリニックの一部として「ゴジラ vs キングギドラ」の巨大ジオラマを制作中 です。
東京の街並みを再現し、ゴジラ(約180cm)とキングギドラ(約210cm)が戦っている
ダイナミックなジオラマを制作しています。
このような趣味を通じても、日本文化への関心を深めていきたいと考えています。
日本の地方都市との連携も重要です。
例えば、昨年Chris、Jack、Roman、Ben らが徳島の地方都市を訪問し、
カルダノ関連プロジェクトを支援 しました。
そこでは、カルダノのロゴをユニフォームに掲げたサッカーチーム も存在し、
彼らと実際に試合をしたり、地域の人々と交流したりしました。
こうした地方都市でのカルダノの普及活動も、今後さらに強化すべきだと考えています。
また、Roman(CTO) は、今後日本で半年間暮らす予定です。
彼は、日本文化に深く興味を持ち、日本に拠点を置くことを決めました。
さらに、Dan Friedmanも日本に滞在し続ける予定です。
このように、日本市場におけるカルダノのプレゼンスは、
ますます強まっていくことになるでしょう。
私の個人的な目標としては、日本の田舎で2〜3ヶ月過ごし、
禅や茶道を学びながら静かな時間を持つことも検討しています。
私は本格的な休暇を取ることがほとんどないのですが、
日本の地方で過ごすことは、精神的なリフレッシュにもなると思っています。
日本における量子コンピュータとシンセティックバイオロジーの可能性
私は、日本が量子コンピュータとシンセティックバイオロジー(合成生物学)の分野で
世界のリーダーになれるポテンシャルを持っている と考えています。
例えば、日本には東京工業大学(Tokyo Institute of Technology)のような
量子コンピュータ研究の最前線を行く機関 があります。
私は、日本に量子コンピュータの研究拠点を設立することに興味がある と思っています。
特に、都市部ではなく地方にイノベーションセンターを設立し、
優秀な研究者を招致すること が、
地域経済の発展にもつながるのではないかと考えています。
また、もう一つの興味分野として、シンセティックバイオロジー(合成生物学) があります。
具体的には、蜘蛛の遺伝子を組み込んだ蚕(シルクワーム)を開発し、
超強力な「蜘蛛の糸」を生産する技術 に関心を持っています。
蜘蛛の糸は、同じ重さの鋼鉄よりもはるかに強く、
しかも非常に軽量な素材です。
これは、日本の伝統的な繊維産業とも親和性が高い分野です。
かつて栄えた繊維産業のインフラを活用し、
バイオテクノロジーを活用した新たな市場を創出することが可能 だと考えています。
現在、アメリカと中国の関係は悪化しており、
技術協力に関しても制約が増えています。
この状況を考えると、日本が量子コンピュータや合成生物学の分野で
アメリカとの強力なパートナーシップを築くことが重要 になるでしょう。
このような技術革新の分野においても、カルダノは重要な役割を果たせる可能性があります。
例えば:
• 蜘蛛の糸のサプライチェーンをカルダノブロックチェーンで管理する
• 遺伝子データのライセンス管理をMidnightのプライバシー技術で実現する
• 量子コンピュータの実験データをブロックチェーン上で検証する
これらの応用例を考えると、カルダノと日本の技術革新は非常に相性が良い ことがわかります。
これからの10年で、日本とカルダノの関係をさらに強化し、
新しい産業を生み出すことができるかもしれません。
私の人生における遺産(レガシー):カルダノの先に目指すもの
カルダノは、私がこれまで築き上げてきた中で最も大きなレガシーの一つです。
しかし、私は暗号資産だけでなく、医学、数学、バイオテクノロジー、量子コンピューティングなど、
様々な分野に関心を持ち、それらにも積極的に関わっています。
例えば、私は現在、クリニックを運営し、再生医療や抗老化(アンチエイジング)分野に取り組んでいます。
また、発光する植物を開発したり、ビジョンを持ってバイソンを育てたり、
数学の分野でも貢献しようとしています。
医学と再生医療:家族の伝統と未来の技術
私の家族は1950年代から医学に関わってきました。
• 祖父 は医師でした。
• 父 も医師です。
• 兄弟 も医師です。
• 叔父 も医師です。
私はこの伝統の中で育ちましたが、数学に強い興味を持ち、最終的に異なる道を選びました。
それでも、私は医学を深く理解し、それに基づいてクリニックを設立しました。
現在、私のクリニックでは12,800人の患者を抱え、40人の医師が働いています。
専門分野も多岐にわたり、
• 循環器科(Cardiology)
• 神経科(Neurology)
• 腎臓内科(Nephrology)
• 内科(Internal Medicine) など、
さまざまな診療を提供しています。
しかし、私の本当の目的は単なる医療提供ではなく、「未来の医療の開発」 です。
このクリニックは、バイオテクノロジーの臨床研究拠点として設立されました。
特に、私は抗老化(アンチエイジング)と再生医療(Regenerative Medicine) に興味を持っています。
なぜ、抗老化なのか?
多くの疾患(糖尿病、心臓病、認知症など)は、「加齢」が原因で発症します。
もし、体を再生し、若返らせることができれば、これらの病気を予防できる可能性があるのです。
私たちの目標は、「幹細胞を活用した定期的な若返り治療」 を開発することです。
具体的には、体脂肪(脂肪組織)から幹細胞を抽出し、それを強化して体に戻す というプロセスを研究しています。
これにより、毎年または四半期ごとに治療を受けることで、加齢による影響を最小限に抑える ことが可能になります。
さらに、私たちはこの治療をFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を受けた標準的な治療として確立すること を目指しています。
この分野で成果を上げれば、私はジェロントロジー(老化科学)の分野において、大きな貢献をすることができるかもしれません。
個人的な動機:家族の健康と遺伝的リスク
私の家族には、神経変性疾患(Neurodegenerative Diseases)のリスクが高い という問題があります。
• 祖父母4人のうち3人は、アルツハイマー病またはパーキンソン病で亡くなりました。
• 彼らは亡くなる前に記憶を完全に失い、最後の数年間は家族のことも分からなくなっていました。
この現実を目の当たりにしたことで、私は**「老化による病気を防ぐ技術を開発しなければならない」** という使命を感じています。
この分野の研究が進めば、認知症や神経変性疾患の予防 にも大きく貢献できるはずです。
未来への展望:バイオテクノロジーと量子コンピューティング
私はバイオテクノロジーと量子コンピューティングの分野にも強い関心を持っています。
1. シンセティックバイオロジー(合成生物学)
私が特に興味を持っている研究の一つが、遺伝子編集による新素材の開発 です。
例えば、蜘蛛の糸の遺伝子を蚕(シルクワーム)に組み込み、超強力な「蜘蛛の糸シルク」を作る ことが可能になります。
• 蜘蛛の糸は、同じ重さの鋼鉄よりも強靭であり、しかも非常に軽量です。
• この技術が実用化されれば、航空宇宙産業や医療用素材の分野で革命を起こす可能性があります。
この研究は、日本の伝統産業とも関連が深く、日本の繊維産業との協力によって大きな成果を生み出す可能性があります。
また、供給チェーンをカルダノのブロックチェーンで管理し、
遺伝子データのライセンス管理をMidnightのプライバシー技術で保護する という応用も考えられます。
2. 量子コンピューティング
もう一つの関心分野は量子コンピュータの開発 です。
日本には東京工業大学などの優れた研究機関があり、
私は、日本で量子コンピューティングのR&Dセンターを設立することを考えています。
量子コンピューティングが実用化されれば、次のような革新が可能になります。
• ブロックチェーンのセキュリティを飛躍的に向上させる
• 新しいタイプの暗号通貨(量子通貨)の開発
• 複雑な医療データの解析による新薬の発見
量子コンピュータの開発が進めば、
「ブロックチェーンが不要な時代」さえ訪れる可能性があります。
なぜなら、量子通貨(Quantum Money)を使えば、
完全にオフチェーンでの取引が可能になり、ブロックチェーンを介さずに価値交換ができる からです。
私は、カルダノと量子コンピューティングの組み合わせが、
未来のデジタル経済において重要な役割を果たすと考えています。
結論:カルダノの先にあるもの
カルダノは、私の人生において最も大きなプロジェクトの一つですが、
私はそれだけで終わるつもりはありません。
今後数十年の間に、私は
• ブロックチェーン技術の発展
• 再生医療と抗老化治療の確立
• 合成生物学の実用化
• 量子コンピューティングの研究
といった分野で、さらなるレガシーを築いていきたいと考えています。
私の最終的な目標は、「人類がより健康で、より持続可能な未来を築けるようにすること」です。
カルダノはその第一歩ですが、私はこれからも新しい挑戦を続けていきます。
未来の医療:加速された治癒と感染症対策
この技術が発展すれば、未来の世代は現在の私たちが抱える医療の問題を経験せずに済むでしょう。
そのため、早い段階で投資し、継続的な研究開発を行うことが重要です。
私は医学に対して強い情熱を持っていますが、特に興味を持っている分野がいくつかあります。
1. 加速された治癒(Accelerated Healing)
老化を遅らせるだけでなく、怪我や病気の回復を早める技術の開発 も非常に魅力的です。
例えば:
• 手術後の傷を素早く治癒する特殊な包帯
• 嗅覚を再生する治療法
• 失った四肢の再生
これらは、バイオテクノロジーの進化によって可能になると考えています。
この技術が30〜50年後に成熟すれば、怪我や病気の回復期間を劇的に短縮できる でしょう。
この研究を進めるために、私は「カルダノ的アプローチ」を採用しています。
つまり:
• 第一原理から考える(First Principles)
• 大学や研究機関と協力する(現在、老化研究で世界的に有名な「Buck Institute」と提携中)
• 科学コミュニティと連携し、論文を発表する
• FDA(アメリカ食品医薬品局)の臨床試験を行う
これが、私がクリニックを設立した理由の一つです。
単なる診療所ではなく、新しい医療技術の実証試験を行うための施設 なのです。
2. 感染症への対策:抗生物質耐性の問題
世界が直面しているもう一つの大きな課題は、抗生物質の効力が低下していること です。
このままでは、抗生物質に耐性を持つ感染症が世界的に拡大する可能性 があります。
例えば:
• 薬剤耐性結核(MDR-TB)
• 薬剤耐性淋病(Super Gonorrhea)
• メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
結核は特に深刻な問題で、
アメリカの元大統領リチャード・ニクソンは、子供時代に兄弟2人を結核で失っています。
これは決して過去の話ではなく、中央アジアやフィリピンでは、すでに公衆衛生上の脅威になっています。
私は、これらの問題に対して、「バクテリオファージ療法」(Bacteriophage Therapy)を活用することを考えています。
バクテリオファージとは、細菌を攻撃するウイルス です。
これを遺伝子工学によって改良すれば、特定の病原菌だけをターゲットにする治療法 を開発できます。
つまり:
• 抗生物質が効かない細菌にも有効な治療が可能になる
• 腸内細菌(マイクロバイオーム)を調整できる
この技術が実用化されれば、感染症の治療法に革命をもたらすことができる でしょう。
私は、この研究を家族の医学の伝統の一環として、次世代の医療技術に組み込みたいと考えています。
合成生物学(シンセティックバイオロジー):生命をデザインする
私はもう一つのバイオテクノロジーの分野、合成生物学(Synthetic Biology) にも強い興味を持っています。
これは、「生物を遺伝子レベルで設計し、地球環境を改善する技術」です。
1. 光る植物の開発
私の会社では、すでに「発光する植物」 を開発しました。
これを近い将来、一般公開する予定 です。
これは単なる装飾ではなく、都市環境やインフラに革命をもたらす可能性があります。
例えば:
• 街路樹が発光すれば、夜間の街灯を削減できる
• ゴルフコースや公園が自然に照らされる
• 屋外広告や建築デザインに活用できる
2. 合成生物学による環境の修復
合成生物学を活用すれば、地球環境を根本から修復することが可能 です。
例えば:
• 砂漠を森林に変える
• 汚染された海洋に新しい生命を導入し、生態系を回復させる
• 地球温暖化を抑制するための微生物を開発する
かつて、地球の酸素はすべてシアノバクテリア(藍藻類) によって作られました。
たった一種類の微生物が10億年以上かけて地球の環境を劇的に変えた のです。
同じように、私たちが合成生物学を活用すれば、意図的に地球環境を改善できる のではないでしょうか?
数学の未来:AIとホスキンソン数学センター
私のもう一つの大きな関心は、数学の進化 です。
現在、私たちはカーネギーメロン大学(CMU)に「ホスキンソン数学センター」を設立し、
数学をAIが理解できるようにするプロジェクト を進めています。
1. すべての数学をAIが理解できる時代
このプロジェクトの目標は、数学をAIが「完全に理解」できるようにすること です。
もしこれが実現すれば、次のような成果が期待できます。
• 数学の未解決問題をAIが解決する
• リーマン予想、ゴールドバッハ予想、ナビエ・ストークス方程式などが解決される
• 数学の進化が何世紀も加速される
現在、どんな天才数学者でも、一度に理解できる数学の分野はせいぜい3〜4種類です。
しかし、AIならば50以上の数学分野を同時に理解し、未知の関連性を発見することができます。
これは、数学の進化において「スーパーインテリジェンス」の誕生 を意味します。
2. 数学の進化が人類の進化を加速する
数学は、物理学、化学、生物学、コンピュータサイエンスなどのすべての科学の基盤 です。
もし数学の理解が飛躍的に進めば:
• 新しいエネルギー技術が生まれる(例:核融合、ナノテクノロジー)
• 新しい物質が発見される(例:ナノマテリアル)
• 宇宙開発が加速される(例:火星移住)
数学の理解が深まることで、人類は次のステージへと進化できるのです。
まとめ:人生をかけて達成したいこと
もし私がこの人生で成し遂げられるなら、以下の3つのことを実現したいと思います。
1. 病気を治し、老化を防ぐ
2. 合成生物学を用いて地球を修復する
3. 数学の進化を加速し、人類を新たな段階へ導く
これが私の人生の目標です。
もしこれらが実現できれば、私は自分の人生を誇りに思うことができるでしょう。