カルダノ創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏の動画『Some Thoughts on ISPOs』で、ISPOについての考察を伝えています。
最近10億ドル規模のISPOに成功したMELD社、これから開催予定でかなり注目を集めているSundaeSwapなどのISPOが話題になっています。
ISPO(Initial Stake Pool Offering)とは、プルーフ・オブ・ステークシステムを活用した革新的な資金調達方法です。
簡単に説明すると、まず、プルーフ・オブ・ステークの仕組みは、ADA保有者はステークプールに自分のトークンを委任することで、ADA報酬を得ることができます。
これはステークプールがブロックを生成するために、ADA保有者のADAを委任(預けない)することで、ブロック生成の権利が発生し、実際にブロックを生成することで、カルダノプラットフォームは、ステーク・プール・オペレーター(SPO)は、一部手数料を報酬として受け取り、残りの報酬を委任者(デリゲーター)に配布します。
この報酬はネットワークの維持に貢献したことによる報酬となります。ステーキングについて詳しくは下記の記事をご覧ください。
そして、ISPO(Initial Stake Pool Offering)はこの仕組みを利用し、ステークプールの運営者は、ADAの報酬をプロジェクトの資金とし、そこからプロジェクトが発行するトークンを委任者とSPO配布する仕組みです。
最近では、Polkadot、Solana、Tron、Terraなどのパブリックブロックチェーン上で、この手法を用いたプロジェクトがトークンの配布を行っています。
そしてカルダノプラットフォームでは、 Cardians_によると現在7つのプロジェクトがISPO(Initial Stake Pool Offering)を展開しており、カルダノコミュニティ内で大きな注目を集めています。また、ISPO(Initial Stake Pool Offering)は、新規ユーザーをカルダノエコシステムに惹きつける有用な方法して期待されているものです。
チャールズ・ホスキンソン氏がこの動画で注目したのは、『Cardano Improvement Proposals (CIPs)』というプロジェクトで提案されている『CIP-0022』提案についてです。
CIP(カルダノ改善提案)とは、基準やプロセスを説明したり、一般的なガイドラインや情報をカルダノコミュニティに提供したりするものです。これは、オフチェーンに存在する正式な技術コミュニケーションプロセスです。現在のプロセスは、CIP1-「CIPプロセス」に詳細が記載されています。
そして『CIP-0022』提案はステークプールの運営者が、自分がそのステークプールの正当な管理者であることを確認するための資格情報を提供する方法を提供しています。
『CIP-0022』は、今回ISPOが在定義は曖昧だが厳格になりつつあるアメリカの規制、特に最近暗号業界にとって悪名高いバイデン政権による連邦議会を通過したインフラ法案に対応するために用いられているものです。
今回SIPOもこの『CIP-0022』を使ってSundaeSwapのISPOのための資格情報を提供し、正式なプールの認定をおこなっています。
こうした仕組みを活用することで、米国の規制を乗り越えることができ、KYCも比較的容易に行うことができるようになります。特にカルダノのようにプルーフ・オブ・ステークシステムを採用しているプラットフォームは、プロトコルレベルでSPOを通して報酬のエスクローなど、いろんなことができるだろうとホスキンソン氏は述べています。
これは世界の規制が進められる中、暗号業界が乗り越えるべき一つの新しい手法であり、次のように説明しています。
そして良いニュースは、私たちがカルダノのデザインは将来性があるということです。実際のところ、オプトインシステムを作るのはとても簡単です。
つまり、オプションでメタデータを暗号化して、SPO(Stake Pool Operator)だけが見れるようにして、そして、KYCエンティティとの間で、ある程度のプライバシーを確保することができます。
ホスキンソン氏は、これは、規制が明確になるまで、ISPOを少なくとも米国内で行う方法だと述べています。
認めざるを得ないのですが、私たちはここで革新しようとしているし、作ろうとしているのに、時々、何も知らない人たちが私たちがやっていることに口を出すのは時にはイライラすることもあるでしょう。
しかし……過去の先駆者たちは、インターネットを扱っていたことを思い出してください。
過去のパイオニアたちはインターネットを扱っていて、ナショナル・サイエンス・ファウンデーションの
受け入れ可能な使用ポリシーがありました。
1992年までは電子商取引を禁止していました。つまり、90年代前半まではオンラインで物を売ることはできませんでした。この事実を知っていれば必ずしも世界最悪の問題ではないとあなたは知っています。ただ、忍耐強く、自分の道を切り開いていかなければならないのです。忍耐強く、自分の道を切り開いていかなければなりません。
一部は技術革新で妥協も必要ですし、場合によってはリングフェンシング、つまり、特定の国は取り残されることになります。
これは、私たちが、教育、ロビー活動、説得、そして成長していかなければならないケースだと思います。そうすれば、時間をかけて私たちが行くべき場所にたどり着けるでしょう。
ホスキンソン氏はISPOについて『ISPOのようなものを見ると、これも創造性の一例だと思います。』と述べ、次のように話しています。
おそらく最終的にはそのベンチャーにとっては、おそらく史上最大のICOであったイーサリアムのクラウドセール全体よりも大きな価値を生み出すことになるでしょう。
今回のISPOの創造性は、暗号への規制が進む中で見事な方法でこれを乗り越えた例を示し、今後もこうしたことを繰り返しながら、問題を克服し、多くのイノベーションを実現していくであろう注目すべきケースとなるでしょう。