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Voltaire最新情報、3つのガバナンスの柱とProject Catalyst、SVE、Fund10:ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック397

特集:Voltaire最新情報、3つのガバナンスの柱とProject Catalyst、SVE、Fund10

Voltaireの分散型ガバナンスシステムとProject Catalystとは?

Voltaire時代

2023年カルダノはカルダノ・プロトコル1.0を完成させるためのロードマップの5つのうちの最後のフェーズであるVoltaire時代に突入しています。

  • Byron:カルダノの基礎
  • Shelley:ブロックチェーンの非中央集権化
  • Goguen:ネイティブトークンとスマートコントラクトの導入
  • Basho:カルダノのスケーリング(現在、Basho2.0)
  • Voltaire:自己持続性と分散型ガバナンスシステム

Voltaire(ヴォルテール)は、カルダノ・コミュニティがプロトコルの開発と進化に参加し、プラットフォームのガバナンスに関与することを可能にするために、カルダノの自律した完全分散型ガバナンスを構築し、流動性民主主義を達成するための投票システムを導入することを目的としています。

このVoltaireによる分散型ガバナンス・システムが完成すれば、カルダノ・コミュニティは、プロトコルのアップグレード、改善、変更の提案を行うことができ、投票を通じて採用の可否を決定することができオンチェーン、オフチェーンを含め分散型ガバナンスをカルダノに組み込むことができます。これにより、カルダノはコミュニティのニーズに合わせて柔軟かつ透明な開発ができるようになります。

分散型ガバナンス・システムは、カルダノの持続可能性と成長の重要な要素であり、コミュニティの参加と共同作業によって、より公正で透明なプラットフォームを実現することを目指しています。

Project Catalyst

カルダノにおけるVoltaireの取り組みの一つとして、社会実験としてのProject Catalystの取り組みが進められてきました。Project Catalystは、2020年9月17日よりスタートし、これまでにFoud9を数えています。現在世界最大の分散型イノベーションファンドの1つにまで成長しており、カルダノコミュニティが推進するエコシステム開発とイノベーションの中心的存在となっています。

Project Catalystは、投票システムを使用して、カルダノ・コミュニティメンバーが提案されたアイデアを評価し、最も優れたアイデアを実施するための資金を提供します。これにより、カルダノ・コミュニティメンバーは、プラットフォームの発展に直接関与し、自らのアイデアを実現することができます。

2022年11月1日の記事『Repositioning Project Catalyst ahead of the next funding round』によれば、Project Catalystは、610万件以上の提案を受け、処理し、170万件以上の投票を達成し、約120万件のプロジェクトに資金を提供しました(2022年だけで800件)。

Project Catalystシステムでは、カルダノユーザーがトランザクション手数料の一部をTreasuryに寄付することができ、その資金がカルダノの開発、マーケティング、教育、コミュニティの支援に使用されます。これにより、カルダノはより持続可能な経済的モデルを実現することができます。

Project Catalystは、3つのフェーズで実施されます。最初のフェーズは、アイデアスケッチフェーズであり、コミュニティメンバーは、自分たちのアイデアを提出することができます。次のフェーズは、提案フェーズであり、コミュニティメンバーは、提出されたアイデアに対して投票し、最も優れたアイデアを選択することができます。最後のフェーズは、実行フェーズであり、最も優れたアイデアに対して資金提供が行われ、プロジェクトが実行されます。

カルダノ・コミュニティメンバーが、Project Catalystに参加するには、提案や投票などを行うための専用のアプリケーションをダウンロードし、ADAを所有している必要があります。このプログラムにより、カルダノ・コミュニティメンバーは、プラットフォームの開発と進化に貢献し、プロトコルの改善や新しいアイデアを実現することで、報酬を獲得することができます。

現在、カルダノの開発会社であるIOGは今後のProject Catalystについて、次のFund10資金調達ラウンドを開始する前に、戦術的なクールダウン期間(一時停止して振り返る時間)を取り、その間新しい仕組みづくりとその導入の準備をコミュニティの協力の元進めています。

今回は2023年入り本格始動するVoltaireとProject Catalystの進捗状況について最新情報を交えてお伝えします。

なお、Voltaireフェーズの要とされ、現在提案中の『CIP-1694』がもたらす新オンチェーン・ガバナンスについても、詳細をお届けしている記事がございますので是非ご参考ください。

参考記事

Voltaireの取り組み:3つのガバナンスの柱

現在カルダノはVoltaireを本格始動させ、カルダノのコミュニティのガバナンスを実現するための取り組みを進めています。カルダノの最新の取り組みを届ける『Essential Cardano360 monthly update』の2月号の中では、Voltaireの進捗と、コミュニティメンバーがカルダノの変更について投票できるCIP-1694、Project Catalystについての進捗と最新情報が報告されました。その内容を下記にご紹介します。

11月のエジンバラのScott Fest以来、IOGのVPとしてVoltaireを指導し、カダノの開発の次の段階を推進するNigel Hemsley氏は、Voltaireの時代について、コミュニティの完全な潜在能力を引き出し、完全に自己持続可能なシステムを実現するガバナンスが実現されると説明しています。

THREE GOVERNANCE PILLARS

11月のScott Festで発表されたVoltaire時代で構築しようとしている分散型ガバナンスシステムは、下記の3つの柱から成り立ちます。

  • MBO(MEMBER-BASED ORGANIZATION):会員制組織
  • CONSTITUTION:憲法
  • DEMOCRATIC CONSENT:民主的合意

最初の柱はMBO:会員制組織で、これはすべてのコミュニティメンバーの集約点であり、カダノの継続的なロードマップ、配信、および開発を可能にするすべてのガバナンスプロセスの管理者です。

そしてCONSTITUTION:憲法はカルダノ・コミュニティのルールセットであり、エコシステムへの参加においてすべてのコミュニティメンバーが遵守する一連の権利と規則です。

最後の柱であるDEMOCRATIC CONSENT:民主的合意は、これが有効化されることによって、広範なガバナンスとブロックチェーン技術によって可能になる大規模なコミュニティ参加を実現する技術的実装です。

そしてその鍵は、カルダノの変更に対してもコミュニティメンバーが投票または貢献できるようにするCIP-1694の実装によって実現されます。

*CIP-1694に関する参考記事:CIP-1694がもたらすカルダノ新オンチェーンガバナンス

Nigel氏によれば、IOGは現在今年の計画を組織し、カダノ財団、エマーゴ、およびVoltaire全体の他の主要企業と協力して、ワークショップ、新しい開発の更新、ブログ投稿などを設定準備しています。これにより、より広範なコミュニティがVoltaireの進捗状況を追跡できるようになるとのことです。

また、近日中に、コロラドでCIP-1694に関するコミュニティワークショップが開催される予定とのこと。このワークショップでは、コミュニティメンバーが主要なエンジニアやガバナンス専門家と協力して、CIP-1694のすべての側面について議論がされる予定です。このすべてのアウトプットは、通常のチャンネルやオンラインで入手可能とのこと。

現在、CIP-1694やフォーラムのリンクに加えて、MBOへの参加意向を表明するリンクも以下に用意されています。カルダノのコミュニティガバナンスの未来を形作りたい方は、誰でも参加可能です。

Project Catalyst

次は、Project Catalystについての最新情報です。

IOGの製品リードであるHarris Warren氏によれば、Project Catalystは現実世界の課題を解決するための世界最大の分散型イノベーションエンジンです。

Project Catalystは、コミュニティからのアイデアをコミュニティが投票し、コミュニティ自身が実行した400以上のプロジェクトのマイルストーンを最近達成しました。

実際に資金提供を受けたプロジェクトは1100以上あり、カルダノ上のイノベーションを提供するイノベーション基金です。

IOGはウェブサイト(projectcatalyst.io)を最近公開しており、カルダノでの革新に参加したい人々のホームでありエントリーポイントを提供しています。このサイトでは、カルダノ・コミュニティメンバーは、プロジェクトの成果を探索し、進行中の進捗状況を追跡することが可能で、これによりProject Catalystがカルダノ上のイノベーションに与えた影響を確認できるとのこと。

Warren氏は、現在Project Catalystには、世界中の100以上の国々が参加し、地域コミュニティから生まれた素晴らしいプロジェクトを構築し、地域社会のためのカルダノエコシステムが拡がっていることを強調しました。

さらに、Project Catalystはカルダノのコミュニティによるイノベーションを推進することに関するものであり、コミュニティがすべての中心にあると述べています。次のProject CatalystのフェーズFund10では、さらにコミュニティの開発力を引き出し、自立持続可能型のエコシステムを支援するとのこと。

続いてWarren氏は、近日中に特別な投票イベントが行われる予定で、このイベントは、Project CatalystのFundサイクル外で行われる『SVE』投票について紹介しています。

これは、SVE(スペシャル・ボーティング・イベント)と言われるもので、この特別な投票イベントは、カタリストのファンドサイクルとは関係ない意思決定についてコミュニティの承認を得るために行われます。この特別な投票イベントは、コミュニティの声を代表するものであり、Catalystが取る方向を定義するために重要な役割を果たします。

SVEは間もなく開催され、これがコミュニティの声を代表するものとなります。

Warren氏は、次のFund10はコミュニティの同意によって定義されるため、SVEはCatalystにとって重要な瞬間であるとし、広くカルダノ・コミュニティにこの特別な投票イベントに参加してもらうために、投票登録を呼びかけています。*記事公開時点では、まだSVEは実施されていません。

投票スナップショットの日程が間もなく発表され、詳細についてはProject Catalystの新しいウェブサイト https://projectcatalyst.io/を閲覧くださいとのこと。

続いてFund10に関する情報です。

Fund10には、オープンなコラボレーション、新しい役割、バウンティ(報奨金)、インターフェースがもたらされる予定とのこと。

Fund10から、デリゲート(委任)された代表者(Catalyst dReps)をプロセスに導入する予定であり、参加者は自分の投票権を1人または複数の代表者に委任することができます。このCatalyst dRepsは、ADAを使ってコミュニティの参加者をより多く獲得することを目標としています。

最後にWarren氏は、より使いやすい新しいユーザーインターフェースを構築するために、コミュニティからのフィードバックに大きく依存してきたとし、この経験はカルダノの投票センターdApps(分散型アプリ)の一部となり、これはFund10の一部となる予定であると伝えています。

また、IOGはすでに大きな進歩を遂げ、完全なプロトタイプを持っており、ウォレットコネクターを介して統合されたコミュニティウォレットと共にテストされているとのことです。

数週間以内に特別な投票イベントSVE(スペシャル・ボーティング・イベント)を発表する予定とのこと。

Catalyst dRepとカルダノdRepの違い

今後新しく導入されるdRepには、二つのものがあるとして、その名称と区別が分かりにくいとの意見がります。

Catalyst dRepは、Project Catalystで導入され実行されるdRepで、カルダノdRepはCIP-1694定義されているdRepの様です。

今後この名前の定義は何らかの形で修正されるかもしれませんが、とりあえずこの違いがあることを頭に置いておく必要があるでしょう。

分散型ガバナンスは暗号の究極のコアバリューの一つ

分散型ガバナンスは暗号の究極のコアバリューの一つであり、近々カルダノの分散型ガバナンスの重要な未来への一歩(新しい歴史)を踏み出すことになります。

まだまだ多くの議論とプロセスを必要としていますが、これをコミュニティの同意のもと構築することができれば、カルダノは完全な自律分散型のプラットフォームとして、誰にも止められないプロトコルとなる道が開かれ、長年開発を続けてきたカルダノ・プロトコル1.0の完全版が完成することになります。

また、今後厳格化する規制の波にもより柔軟に対応することが可能になります。これにより規制準拠を必要とする様々なプロジェクトを取り込むための舵取りも可能になり、莫大な採用と経済効果をもたらしうる可能性があります。

この舵取りが今後コミュニティに委ねられるため、カルダノの未来に大きな影響を与えるだけに、慎重な議論と真の意味で機能する分散型ガバナンスシステムの構築が必要になってくることは間違い無いでしょう。

もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。
ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。

ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
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