Project Catalyst Fund 8の詳細と今後の展開
『VOLTAIRE:ガバナンス』期とProject Catalyst
今回は現在Fund8の投票が始まっているProject Catalystについて詳細と今後の展開について解説していきたいと思います。
カルダノの開発は、下記のカルダノ・ロードマップが示すように5つの開発段階があり、現在はこれまでの『BYRON:基礎』、『SHELLEY:分散化』、『GOUGUEN:スマートコントラクト』を経て、『BASHO;スケーリング』期(時代)にあると言えます。
しかし、これらのフェーズは、これまでそれぞれが並列に研究・開発が進められてきており、スパイラルに成長を遂げてきました。最後のフェーズである『VOLTAIRE:ガバナンス』期も例外なく開発と導入は進められています。
既にこのガバナンスの社会実験となる2021年に始まった『Project Catalyst』と言われるものがそうです。
カルダノの開発ロードマップによれば、『VOLTAIRE:ガバナンス』は、カルダノ・ネットワークが自給自足型システムとなるために必要とされる最後のパーツが組み込まれ、具体的には投票システムとトレジャリーシステムの導入により、ネットワーク参加者はステークと投票権を使って、ネットワークの将来の開発に影響を及ぼすことができるようになると説明しています。
また、カルダノ・ネットワークが真に分散化されるためには、SHELLEY期に導入された分散型のインフラストラクチャーのみではなく、長期にわたる維持と改良を分散化された方法で行うことができる機能も必要です。これを目標として、VOLTAIRE期では、ネットワーク参加者にカルダノの改良案を提示する能力が付与されます。提案は、ステーキングや委任に使用される既存のプロセスを活用した、ステークホルダーによる投票システムにより実行の可否が決定されます。この社会実験が『Project Catalyst』ということになります。
また、ホスキンソン氏は以前のインタビューの中で、カルダノの開発の中で「最も難しい部分」をVOLTAIREと表現しており、これによりネットワークが自分自身をサポートできるように、ガバナンスシステムを確立することが可能になります。
そして、将来のネットワーク開発の資金源として、VOLTAIREではトレジャリーシステムが追加されており、すべてのトランザクション手数料からわずかな額ずつがプールされ、投票プロセスに従って決定される開発のための資金を提供します。
投票システムとトレジャリーシステムが搭載されてはじめてカルダノは真に分散化を果たし、その将来はIOHKの管理下から離れてコミュニティの手にゆだねられると説明しています。そしてその手には、IOHKによって確立された安全で分散化された基盤から、カルダノを成長、進化させるために必要なすべてが握られているのです。これこそがカルダノが真の完全分散化を成し遂げ、歴史上類を見ない全く新しい分散型システムと流動性民主主義を人類が手に入れる最後の天蓋とも言える偉大な社会実験なのです。
そして忘れてならないのは、コラボレーション、競争、人間の可能性を高めるための実験として始まった『Project Catalyst』は設立以来、四半期ごとに資金を倍増させており、世界最大の分散型イノベーションファンドとなっており、「世界最大のDAO」へと進化も遂げ、1年余りで世界最大の分散型イノベーションファンドになりました。
Project Catalyst FUND8の投票が開催中
そして、3ヶ月ごとに開催されているProject Catalystは、現在Fund8への投票が二週間にわたり(*)開催されています。
Project Catalystの過去7回のファンドでは、どのサイクルでも新しい、驚くべきマイルストーンがもたらされています。
IOGの報告によれば、Fund7では、投票と集計の結果、269の新しい提案がADAを受け取ることになりました。52,500以上のウォレットが投票に登録し、コミュニティアドバイザーが今回900以上の提案のレビューに参加し、投票者の意思決定に役立てたとのことです。
この短期間のうちに、カルダノ・トレジャリーから資金提供される提案の数は、ほぼ2倍の575プロジェクトとなりました。そして重要なのは、Fund2での最初のProject Catalystコミュニティ投票以来、現在100万票以上の投票が行われているという事実です。
そして、今期は資金提供を受けるプロジェクトの数が倍増する可能性があるとし、Fund 8に寄せられる提案書は1000を超えました。
カルダノ財務省は、Project Catalyst Fund 8に1600万ドル(Fund8ローンチガイドより)を確保する予定で、ちなみにFund 7では269のプロジェクトに800万ドルの資金が提供されており、資金はこれまで倍増で増えてきました。
そしてFund8 の目標は、カルダノのオープンソースフレームワークの中で、開発者とDAppのエコシステムを加速させることと設定されています。
23のチャレンジは、カルダノ・エコシステムの基礎と開発、コミュニティ開発、アウトリーチと採用、アイデンティティと相互運用性、Project Catalystの改善などのテーマにまたがっています。
詳しくは下記をご覧ください。
『Fund8ローンチガイド』
『Fund8 Town Hall #10』
参考記事
Catalyst FUND8の投票期間
現在、Project Catalyst FUND8 の投票が開催されています。投票期間は次の通りとなっています。
*IOHKの日本語のドキュメント『Catalystプロジェクトについてよくある質問』では、投票開始日2022年4月21日20:00 投票終了日2022年4月28日 20:00となっていましたが、アプリや海外の情報では下記の日程となっており、Telegramで @danny_cryptofay さんに確認したところ、最初は4月28日とアナウンスされたが、後で5月5日までに延長されたとのことで確認が取れました。現在、『Catalystプロジェクトについてよくある質問』の日程も修正されています。
正式投票期間
投票開始:2022年4月21日(木) 20:00(日本時間)
投票終了:2022年5月05日(木) 20:00(日本時間)
Apr 21, 2022 @ 11:00 VOTING START [UTC]
May 5, 2022 @ 11:00 VOTING END [UTC]
投票するためには!?有権者登録が必要です。
今回Fund8では、登録と投票ができなくなったようですので、注意が必要です。今登録すると最短でFund9にしか参加(投票)できなくなりました。
登録は継続的に行われ、いつでも新しいQRコードとPINコードを作成することができますが、各ファンドに一度だけあるスナップショットの前に、有権者登録が必要となります。このスナップショットは、通常、投票期間の1~2週間前に行われます。
*投票権スナップショットは、4月7日にFund8ですでに行われました。
重要:以前のファンドで登録し、投票することができた場合、あなたの登録は自動的に次のファンドのラウンドで有効になります。
参考記事
登録および投票方法については『Catalystの登録および投票方法』をご覧ください。
Project Ctalystに関する詳細は『Catalystプロジェクトについてよくある質問』をご覧ください。
Fund8のコミュニティアドバイザーによる最終提案のレビュー
Project Catalyst Fund8から1161の提案(最終MVP候補)が提出されています。これを一つ一つ精査することは膨大な時間を要するかもしれません。そこで、Project Catalyst には、専門のコミュニティアドバイザーによる最終提案のレビューがなされ、これを活用することで最適な決断を下せるよう支援しています。
詳しくは『プロジェクト・カタリスト・ファンド8 – 評価QAプロセスの概要』のProposal scores:プロポーザルスコアのタブをご参照ください。このタブにはすべての提案のリストが含まれます。各提案について、与えられた評価 (関連するすべての有効な評価の平均で得られる) と最終スコアを構成する評価数を確認することが可能です。
これは、今週初めの最初の集計結果での議論に従って、現在の資金調達ラウンドの上位vCA(9k以上のレビュー)の仕事を排除した最終MVP候補文書バージョン(更新)とのことです。
これは、投票アプリに入力される最終出力であることが期待されており、追加のvCAアピールは、vCAガイドの最後のセクションで説明されている解決プロセスのパイロットを通じて、報酬と評価のアルゴ(例:ランキングの合意率)に影響を与えるとのことです。
イザナミの評価は?
ちなみに、今回SIPOとSymons Labが参加している『イザナミ』プロジェクトは、下記の評価をいただいています。
Expands to 1000cities JP[PointSyst]:4.2
https://cardano.ideascale.com/c/idea/397822
Expands to 1000cities in JP[APP]:3.83
https://cardano.ideascale.com/c/idea/397823
Catalyst Fund8の登録および投票方法
現在行われているFund8の投票を行うには、ウォレットで事前の有権者登録が必要です。詳細は『Catalystの登録および投票方法』をご覧ください。
*投票権スナップショットは、4月7日にFund8ですでに行われました。
有権者登録を4月7日以前に済ませている方は、『Catalystの登録および投票方法』の「8. モバイル デバイスで Catalyst Voting アプリを開き、[Let’s START!] または [SKIP] をタップします。」からご覧ください。
スマートフォンに Catalyst Voting アプリケーション (バージョン 0.1.19)をダウンロードするには、下記のQRコードからダウンロードできます。
Catalyst Voting アプリ内でのイザナミの・プロジェクトの見つけ方と投票方法
イザナミ・プロジェクトの見つけ方と投票方法は下記の通りです。
Catalyst Fund8でのイザナミ提案の見つけ方、投票方法は下記の通りになります。
1:登録後画面下の『Challenges』クリック
2:『izanami』で検索します。
3:下記の二つのエントリーをそれぞれクリックして、投票画面へ
Expands to 1000cities JP[PointSyst]
Expands to 1000cities in JP[APP]
4:それぞれの投票画面の右下緑のボタンをクリックして投票します。
5:投票を送信する準備ができたら、[MY VOTES (私の投票)] セクションに移動し、[CAST MY VOTES(投票を行う)] をタップします。
6: PINを入力して投票を承認し、[CONFIRM(確認)] をタップします。
7:投票がブロックチェーンに送信されたことを示す確認メッセージが表示されます。
これで投票プロセスは終了です。
Catalystアプリ内で「イザナミプロジェクト」のカテゴリーとタイトルから探す場合は、下記の通りとなります。
Expands to 1000cities JP[PointSyst]
F8:Grow East Asia, Grow Cardano 21番目
Expands to 1000cities in JP[APP]
F8:Business Solutions (B2B & B2C) 43番目
イザナミの詳細は、是非Youtuberのmizca(@naturalveginv1)さんによるイザナミ紹介動画をぜひご参考ください。
イザナミ参考記事
イザナミ公式サイト:https://izanami.systems/
『Project Catalyst』の今後の展開
分散型プラットフォームとしてのガバナンスを極めることは、カルダノがより完全体になるための偉大なステップで、『Project Catalyst』はまさにそのためのエンジンとなり素晴らしい成果を遂げて来ました。この社会実験として始まった『Project Catalyst』はFund1から始まり現在Fund8を迎えており、これまでに600のプロジェクトがイノベーションを起こそうとしています。
このカルダノのイノベーションエンジンである『Project Catalyst』を支え牽引してきたDaniel Ribar (@danny_cryptofay)氏のツィートによれば、”これまでCatalystはラウンドごとに資金が倍増して来ており、ペースを調整する時が来ており、その成長には課題がつきもので、いかに健全性と持続性を維持するかが重要だ”と述べ、”資金の増加のバランスを取り、それに合わせてプロセスをキャッチアップさせる必要があります。』と述べています。
そこで今後のCtalaystの展開において次の三つの変更が加えられるとのことです。
- ファンド予算はFund9からADA建になります。
- ファンド総額は1600万ドルまたは最大1600万ドル(いずれか小さい方)が上限
- Fund8/9 では、提案者が効果的な計画を立てられるよう、リクエストは引き続きドル建てで提出される予定です。
なぜ?
その理由として次の三つが挙げられています。
- 私たち全員が カルダノ国庫のために責任ある行動を取らなければなりません。
- 3ヶ月ごとに2倍になるのであれば、これは本当に難しくなる。
- 私たちは少しペースを落とし、息を吐き、私たちの成果を把握し、この素晴らしいプラットフォームを安定させ、強固なものにしましょう。
また、ツィートの最後に、経済としてのADAをより広く採用することを皆で考えるべきだと提案しており、Catalystや一般的なプロジェクトの資金調達をADA建てで行う方法について考え始めることで、そうすることが可能であるとし、”これは、全体としてADAの有用性をより発揮するのに役立ちます。”説明しています。
新たなdRepsの試み
そしてもう一つProject Catalystに新たな重要な取り組みが発表されました。
カルダノのエコシステムが拡大し続けていることは、カルダノコミュニティ全体にとって素晴らしいニュースであることを示唆しています。しかし、指数関数的な成長は課題を提起します。提案の数が増えれば増えるほど、それらをレビューし投票するコミュニティの責任も重くなります。すべての提案が相応の注目を浴びるようにし、継続的な成長を促進するためには、持続可能性を確保するための新しい仕組みが必要であるとし、先日行われたProject Catalyst Town Hallで、IOGは議決権委譲の概念、Delegate Representatives (dReps)の役割を発表し
委任は、ada保有者が自分の議決権を一人または多数のdRepに委任することを可能にします。これにより、受動的な投票者が、個人的に読んで評価できる数よりも多くの提案に対して、引き続き自分の声を届けることができるようになるとのこと。
dRepsは、コミュニティが提起した様々なプロジェクトやトピックについて、一緒に調整し、方針を立て、データを入手し、検討し、専門家と相談し、最終的に投票することになるというものです。
IOGは、dRepsの導入は、コミュニティが学び、成長し続けるための、もう一つのエキサイティングなステップと考えており、今後のProject Catalystファンドに代表を送り出すにあたり、数週間から数ヶ月の間に、さらに多くのことを共有し、議論することになると説明しています。
今後数週間、IOGはdRepになることの意味、インセンティブモデル、dRepがProject Catalystに与える影響について、より詳しく説明する一連のワークショップを開催する予定であると説明しています。
もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします!10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。
ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
ニュース動向 in エポック334
『イザナミ・プロジェクト』が、Twitterアカウント@SymonsLab 、公式サイト日本語版を開設
2022年4月21日20:00(日本時間)より、Catalystプロジェクト Fund8 の投票がスタート
カルダノ開発者がVasil Hardforkに関する最新情報を公開
カルダノ (ADA)開発者兼研究者である@Soorajksaju氏がTwitterで、22022年6月末のVasilハードフォークに関する解説が話題になっており、cryptodailyが彼の注目すべきコメントを交えこれを詳しく伝えています。
カルダノ(ADA)チャールズさんがSingularityNETのERC-20コンバーターの「副作用」を警告!圧倒的歓喜・ヒステリックな笑い・内なる平和
Catalyst Fund8開催中、イザナミも参加しています
Blockpass、EMURGOと提携し、カルダノ・ブロックチェーンエコシステムにオンチェーンKYCを提供
デジタルID認証のリーディングプロバイダーであるBlockpasとEMURGOとの戦略的パートナーシップを発表しました。これにより、BlockpassはBlockpass AppにCardanoのクリプトアドレスを追加し、Cardanoエコシステム・プロジェクトにOn-Chain KYCサービスを提供し、KYC要件の最適化を進めます。
さらに、BlockpassとEMURGOは、このパートナーシップの認知度を高め、Cardanoコミュニティ全体の成長を促進するため、「Fireside Chat」およびその他の共同マーケティング施策を開催する予定です。
【3記事連続】カルダノ(ADA)6月までに購入すべき?!チャールズさんが純資産1兆ドルを目指す!Iagonがイーサリアムから #Cardano へ移行!成長…
カルダノの群集心理は11月中旬以来最もポジティブなレベルに達し、トレーダーはADAのリバウンドを予想
オンチェーン分析会社Santimentによると、ADAに対する群衆のセンチメントは現在、2021年11月中旬以来最もポジティブな水準にあるとzycryptoが伝えています。