NFT市場の動向とカルダノ
現時点でのNFT市場動向
今年の9月、カルダノがスマートコントラクト機能を搭載し、スマートコントラクトが搭載されDAppsの開発が可能になりました。カルダノエコシステムは、DeFi市場、そしてRealFi市場に参入するための開発環境が整い、水面下では様々なプロジェクトが開発を続けています。
そしてその間に世界のNFT市場も大きな成長を見せていました。ロイターの記事によると、NFTの市場は、2020年上半期のわずか1370万ドルから、今年2021年の上半期までの売上高が25億ドルと、第2四半期に大きく急上昇しています。
また、NFTの主要市場であるOpenSeaのイーサリアム上の月間販売量は、9月に過去最高を記録しています。
Googler Trendで『NFT(青)』と『DeFi(赤)』を比較すると、『NFT(青)』は一旦7月には落ち込みを見せているものの、9月初旬には、今年の3月頃に見せた盛り上がりを超えており、年末から来年にかけて次のトレンドを形成する雰囲気が感じられます。
日本でも今年の夏は多くのユーザーが『NFT』に関心を寄せ、世界でのランキングは41位であるものの、多くのプロジェクトが発表されるなどし、下記のグラフのようにトレンドを形成し盛り上がりを見せていると言えます。
ちなみに、世界で最もNFTを検索したのは中国で、その後、シンガポール、香港、ベネズエラ、フィリピンと続きます。アメリカは7位となっています。
企業の動きとしては、Twitter社はNFT認証機能の追加を発表し、TikTokもNFT市場に参入するなど企業の参入も目立ってきており、日本でもブロックチェーンベースのファンタジーフットボールゲームソラレに、ソフトバンクが主導する資金調達ラウンドで6億8000万ドルを調達しました。
そのほか、漫画ONE PEACE、腕アトムなど有名いくつものプロジェクトがNFTに参入してきており、今後の盛り上がりが期待される展開となっています。
カルダノとNFT市場
そしてカルダノのNFT市場への参入も始まっています。まだ開発が始まったばかりのカルダノ・エコシステム上で、Dapps開発が進められているNFT/Gaming関連のプロジェクトは、90近い数に登っており、すごい勢いで増えていることが見て取れます。これは今後の展開が大変楽しみになっています。
その中で、現在最も人気を博しているプロジェクトのうちの一つである『CNFT.IO』では、pool.pm によれば、現在カルダノコミュニティが持っているCNFTの入ったウォレット数は10万近い『99369』で、
少なくとも1個の #CNFT があるウォレットは、75,854個
10個は、20,845個
100個は、2,605個
1000個は、65個
となっており日々かなりの勢いで増加しています。
現在、CNFTは17万以上のアセットをプラットフォームに載せており、100万ドル(*訂正)以上の売り上げを記録しています。
2021年7月にローンチしたCNFTは、カルダノのアップグレード前からローンチしており、スマートコントラクトを使わずに資産が取引されており、他のチェーンに対抗するカルダノのNFTハブとなっています。また、すでにイーサリアムの人気NFTプラットフォームのOpenSeaと比較されています。
*訂正:記事中で100万のNFTが発行と記載していましたが、100万ドルの売り上げの間違いでした。
現状NFTはイーサリアムおよびイーサリアムのセカンドレイヤー市場で主に盛り上がっていますが、一方で今後の課題も見えてきています。イーサリアムのスケーラビリティ問題や手数料(ガス代)の高騰、NFTの価値を既存する可能性があるそしてイーサリアムのPOWシステムにおけるエネルギー問題に起因する環境への影響などが主に欧米で論じられ始めています。
こうした中、カルダノでまた一つ注目されるNFT関連のプロジェクトが発表されています。
これはカルダノの開発会社であるIO Globalと、市場では数少ないエンド・ツー・エンドのNFTプラットフォームの1つであるBondlyは、カルダノとイーサリアムのネットワークをつなぐ、公式のクロスチェーン「ブリッジ」の作成が可能になるというものです。
これによりNFTクリエイターは、エネルギー消費の大きいイーサリアムブロックチェーンからカルダノにNFTを簡単に移行できるようになります。
また、カルダノは、既に価格の予測可能性と取引コストの安定性を提供しており、クリエイターは、取引の損失や予期せぬコストの上昇といったリスクを負うことなく、NFTの鋳造や送金を行うことができます。これはイーサリアムにはできないことであり、今後の展開においてカルダノの優位性の一つでもあります。
IO Global社とBondly社は、2022年初頭にこの新しいブリッジをリリースする予定です。
NFT市場はまだまだ発展途上
NFTは非代替性トークンであり、ブロックチェーンの台帳上に刻まれた、ユニークなデジタルアイテムを表すことができるため、他のトークンで代替することはできないとされています。唯一無二のコンテンツを作れるトークンと言われることがありますが、それをそのままの意味で受け取るとかなりの誤解が生じる事になってしまうようです。
問題は『誰が』『何を』NFT化したのかということにおいて、それが本当に本物で個別なもので、一意的なものかを証明することが難しいということです。これにより所有権などの法的な問題が生じている事例が出始めています。これは正しいデーターをブロックチェーン上に持ってくる時に起きる『アイデンティティ問題』と『オラクル問題』、『デジタルデータの保管問題』などがあげられます。
簡単に言えば、これは現実をそのまま仮想空間に持ってくるという通りに受け取れば、全ては『複製』されたものです。その中には『現実世界に存在する偽物(偽物という現実)』を複製するというものまで含んでいます。これらのどう識別するのかといった問題です。
そして、これらは、デジタルアートだけではなく、コンテンツ、トレーサビリティ、アイデンティティ、真贋証明、分散型組織などにつながるテーマであるので、それらを取り巻く現実世界の環境や文化、思想、時代のニーズ、課題によって変化してくると想定され、その中で様々な方法やアイディアでNFT関連のサービスが出てくることになると考えられます。
また、こうした問題はこれまでの現実世界よりも発展した地点で起きたことなので、その重宝さゆえ今後も問題を解決しながら、より便利に、より良いサービスへと変化していくと考えられます。
そういう意味でNFTは『何がどのように、誰によって複製されたのか』という『文脈』がコード化され、それ自体が価値を持つものとも言えます。
そもそもこれは、0101というデジタルで表現することが不可能な(量子の世界でいうところの)現実世界、揺らぎや曖昧さをどうデジタル化するのかといった問いにつながる話であり、宇宙の成り立ちとは?現実とは?といった永遠のテーマに繋がる意味を含んでいるのでそう簡単ではありません。だからこそこれまでにない試みであり、興味深く、面白いのです。
繰り返しになりますが、NFT市場のみならずDAO(分散型組織)やDID(分散型ID)が追求する世界は、こうした現実世界の揺らぎや曖昧さの上に定義されていくものであるので、時代背景によって変わるという前提があると認識する必要はあると考えます。そういう意味でNFTは始まったばかりでまだまだ発展途上な世界であることは疑いようのない事実だと思います。
今回は数が多すぎて紹介できませんが、上記の意味で現在出てきている既存のNFTプロジェクトには、とても面白い試み、アイディアのものがたくさんあるようです。(故に一つ一つのプロジェクトを理解するのは至難の業です。。。)
例えば、一つのNFTを共同で所有するとか、NFTのメタデータにSNSアカウントをID証明を盛り込むとか、ケースバイケースで利用されるNFTのあり方が出てきています。
そして、これらは実際に触ってみないとわからないことであり、今後これをキュレーションしてくれるインフルエンサーの存在は、ますます重宝されるようになってくるでしょう。
チャールズ・ホスキンソン氏が考えるNFT
チャールズ・ホスキンソン氏が以前の動画『NFTs』で、”最近、Algorand、Tezos、EOSなど、他のブロックチェーン上の数多くのNFTマーケットプレイスも試して、ユーザーエクスペリエンスやそれぞれの長所と短所を探っている”ことを明らかにしました。
そして、ホスキンソン氏は次のように述べています。
私たちにできることは、彼らに顔を出してサポートやアドバイスをしたり、場合によってはCatalystが提供する以上の資金を提供して、彼らをインキュベートしたり、立ち上げたりすることです。
しかし、実際には、ビジネスモデルの核心に迫るための会話が必要なのです。5年後、10年後、15年後のNFTはどうなっているのか、そして、どのようなビジネスモデルが成功する可能性が最も高いのか、といったことです。
このようにホスキンソン氏は、『5年後、10年後、15年後のNFTはどうなっているのか』ということに加え、非ファンジブルトークン(NFT)を中心とした現在のトレンドの中で、カルダノがインパクトを与えることも必要だと考えており、NFTのマーケットプレイスを組み込むために必要な能力をスケールアップし、ネットワーク上でシームレスに運用できるようにすでに取り組んでいると述べています。
DeFiからDeFi2.0そしてRealFiへの進化をもたらそうとしているカルダノは、NFTの世界でも新たなるNFT2.0をもたらすことになるかもしれません。
来年の今頃はどんな世界になっているのか、とっても楽しみですね!
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ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
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IOG社のCEOであるチャールズ・ホスキンソン氏をはじめ、IOGの技術責任者であるロマン・ペラン、商業責任者であるジェリー・フラジスカトス、法務責任者であるジョエル・テルプナー、カルダノ財団のボスであるフレデリック・グレガード、そしてIOG以外の地元のヒーローであるAvanti Bank and Trustの創設者兼責任者であるケイトリン・ロングが参加し、モデレーターは、IOGの企業戦略担当副社長であるロブ・アダムスが務めました。
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10月のCardano開発月例報告
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