カルダノ財団は、チューリッヒ大学（UZH）と提携し、ブロックチェーン・アナリティクスの博士号をスポンサーすることを発表しました。
以下はカルダノ財団ブログに掲載された記事「A Commitment to Education: the Cardano Foundation strengthens ties with the University of Zurich」を翻訳したものです。
教育へのコミットメント：カルダノ財団がチューリッヒ大学との関係を強化
by Renagh Mooney 2022年10月3日
カルダノ財団は、チューリッヒ大学（UZH）と提携し、ブロックチェーン・アナリティクスの博士号をスポンサーすることになりました。この博士課程では、カルダノ財団とUZHのブロックチェーンデータ観測所の協力のもと、UTXOベースのブロックチェーンの経済的機能を探求します。
この博士号スポンサーシップは、今年初めに発表されたカルダノ財団と、ヨーロッパの主要研究大学の1つであるチューリッヒ大学のブロックチェーンセンター（UZH BCC）とのパートナーシップを基盤としています。この提携により、両者は今後3年間にわたり、ブロックチェーンの教育および研究イニシアチブの開発を模索し、ブロックチェーンの変革の可能性を先導するために協力することになります。
この開発は、当財団とUZHとのより幅広いパートナーシップの一環として行われたもので、UZHは今週、ブロックチェーンを研究できる世界のトップ3大学の1つにランク付けされました。ピアレビューされた研究に基づいて設立された最初のブロックチェーンであるカルダノの保護者として、我々は、高レベルの学術研究だけでなく、教育の力を十分に信じています。
ブロックチェーン研究の最前線における博士号
カルダノ財団とUZHのブロックチェーンセンターとのパートナーシップの核心は、学際的なレンズを通して見たブロックチェーン技術の社会的、経済的、技術的側面を研究しようという意志です。合格した博士候補者は2022年10月初旬に開始し、UTXOベースのブロックチェーン分析を深く掘り下げ、その経済的機能を明らかにすることで、当財団と密接に連携しながら研究を進めていきます。
カルダノが支援する博士号は、ブロックチェーンに関する研究と教育を支援する当財団のコミットメントを示すもう一つの例として挙げられます。カルダノ財団のCEOであるフレデリック・グレガード氏は、UZHのパートナーシップの重要性を指摘し、両者が今後数十年にわたって互いに支援し、学び合うための機会であることを強調しました。
チューリッヒ大学ブロックチェーン・分散型台帳技術教授のクラウディオ・テッソーネ博士は、グレガードとの幅広い会話の中で、ブロックチェーンの採用、分散化、ブロックチェーンの学習と研究を支援する大学の役割など、いくつかの重要なトピックについてさらに詳しく説明しました。
このパートナーシップは、学術研究の支援、教育者やイノベーターとの連携強化、企業展開に向けたブロックチェーンの構築を目指す当財団の基本的価値観に基づくものでもあります。健全な技術を持ち、規制当局の期待に応えることができる成熟したブロックチェーンは、レガシー事業者による大規模な導入をより良くサポートし、結果として金融および社会システムの前向きな変化を促進することができます。
オープンソースで学ぶ夏
2年前から、Cardano FoundationはUZHと協力してインターナショナル・ブロックチェーン・サマースクールを開催しています。サマースクールに参加した学生は、Cardanoとそのエコシステムについて学ぶとともに、ブロックチェーン技術の可能性と使用例についてより深い理解を得ることができました。
実際、この教育パートナーシップは、より広いブロックチェーン・コミュニティに、専門家の洞察、分析、そしてブロックチェーン・ソリューションの構築と開発に最適なツールを提供することを目的としています。ガバナンスとブロックチェーンの実用性は、このパートナーシップの他の2つの最優先事項であり、安全でスケーラブルな分散型システムとしてのカルダノを取り巻く中心的な問題をさまざまな角度から研究しています。
3週間のサマースクールコースは、正式名称を「A Deep Dive into Blockchain」といい、技術だけでなくガバナンスを含む多くのトピックとケーススタディが取り上げられました。このコースは、テッソーネ教授が担当し、カルダノ財団とIOHKの両者がゲスト講師として参加しました。
このコースでは、NFTマイニングやデータ分析のアプリケーションを実際に体験し、ブロックチェーンアーキテクチャの背景にあるさまざまなプロトコルの概要を学びました。このコースは包括的であり、毎年、ブロックチェーンに関するより深い洞察と理解を得ようとする参加者の長いキャンセル待ちリストを集めています。
Cardano Foundationのパートナーシップ責任者兼執行役員であるJeremy Firster氏は、学生にCardanoの概要を説明し、Cardanoプロトコルの主要な特徴と機能を説明しました。
Firster氏はさらに、Ouroboros proof-of-stake (PoS) consensus protocolを取り上げ、proof of work (PoW) に対するPoSの優位性を説明し、分散化のためのStake Poolsの重要性を説きました。同様にFirster氏は、Cardano上のネイティブアセットとトークン化、Cardanoのアーキテクチャ、経済的アイデンティティ、オンチェーンユーティリティについて詳しく説明しました。また、高保証アプリケーションのためのスマートコントラクトの使用について取り上げ、Project Catalystの独自性だけでなく、それがCardanoブロックチェーンにオンチェーンガバナンスをもたらす上でいかに重要な役割を果たすかについて考察しました。
サマースクールのもう一つの要素は、コンセプトから作成まで、NFTに特化したものでした。NFTのマーケットプレイスであるImperiumのCTO兼共同設立者であるChristian Pasquel氏は、一連のワークショップと講義において、カルダノ上でNFTを鋳造するプロセスを学生に指導しました。その後、学生たちは自分たちが作ったNFTがメタバース内に表示されるのを見ることができました。
ブロックチェーンをすべての人のために
2つ目の講義では、Firster氏はブロックチェーンを用いたデジタルアイデンティティの概念を探求しました。プログラマブルな透明性やミッションクリティカルなアプリケーションにおける検証システムの重要性に加え、サプライチェーンのトレーサビリティや偽造防止についても議論されました。これらの議論は、カルダノ財団が最前線で推進しているブロックチェーンに基づくイノベーションと関連しており、私たちはブロックチェーンソリューションを活用してトレーサビリティと偽造防止対策を強化する支援を行っています。
今月、カルダノ財団は、グルジアのワイン庁、ボルニジワインメーカーズ協会、スカントラストと新たにパートナーシップを結び、グルジアワインの品質と真正性を保証するためのソリューションをカルダノ・ブロックチェーン上で構築しました。これは、信憑性と安全性の向上を目指すグルジアの別のブドウ園、バイアズ・ワインとの以前のパートナーシップに基づくものです。エンタープライズソリューションは、ブロックチェーンが世界でどのように展開されているかをサマースクールの学生に示す手段となっています。
また、IOHKは、ブロックチェーン上で金融スマートコントラクトを記述・実行するために開発された言語、Marloweに関する講義を行いました。Marloweは、視覚的かつより伝統的なコードで契約を構築できるため、金融契約やビジネスの分野の専門家、特にプログラミング経験のない人向けに設計されています。
MarloweプロジェクトマネージャーのOmer Husainは、サマースクールが学生にとってMarlowe Playgroundで学び、実験するための理想的な場所を提供するものであると述べています。さらにHusainは、コントラクトがどのようにアフォーダンスと制約を生み出すかについて、学生の好奇心を強調しました。
インターナショナル・ブロックチェーン・サマースクールの参加者は、検証可能な業績と資格のために新たに作成された1870メタデータ標準を使用して、Cardano Foundationが作成したデジタル証明書を受け取りました。さらに、この証明書には、NFTの作成と鋳造プロセスという、NFTの対応するものがありました。これらの証明書は、カルダノ上で鋳造された最初の準拠したオープンバッジであり、ブロックチェーンと教育が業績や学歴を検証するための大きなマイルストーンとなります。
カルダノ財団は、教育とブロックチェーン技術の進歩にしっかりとコミットし続けています。UZHとの広範なパートナーシップは、ブロックチェーンに焦点を当てた革新的な大学院コースを後援するだけでなく、次世代の学生たちがブロックチェーンを動かす技術とアイデアの両方を掘り下げることを奨励することで、これらの取り組みを踏襲しています。
