CARDANO SUMMIT 2023 パネルディスカッション:Building DApps from Tools and Testing to Business Plans「ツール、テストからビジネスプランまでDAppを構築する」では、DAppをコンセプトから立ち上げるまでに必要な道のりを探っています。
特にカルダノの特徴とコミュニティを活用して、DAppの開発において協力的でオープンソースの環境を構築し、ブロックチェーンの領域でのイノベーションを促進することだと述べています。
ディスカッションで対案されたツール、テストからビジネスプランまでDAppを構築するまでに必要な留意すべき考え方及びポイントは以下の通りです。
- DAppsのコンポーザビリティの問題: 異なるDApps間の相互運用性の難しさは、それぞれが独自のロジックを持っているためであり、異なるアクション(スワッピングや貸出など)に対して複数のトランザクションが必要になることを意味します。
- カルダノのアプローチ: カルダノのレイヤー1(L1)での各トランザクションの最大化の重要性と、そのためには標準が必要であることを強調しています。
- プログラミング言語とフレームワーク: カルダノがHaskellに焦点を当てているという認識と、より広範な開発者コミュニティを惹きつけるために複数の言語とフレームワークをサポートする必要性について言及しています。
- 開発者ツールとオープンソース: TypeScript開発者向けのMesh JSなどのツールを使用してカルダノ上での構築の容易さを強調し、開発者を支援するためのオープンソースの貢献の重要性を強調しています。
- フレームワークの適応性: 異なるプログラミングフレームワークと連携するツールの作成により、開発者がより効率的にDAppsを構築できるようにしています。
- 開発者サポートとエクスペリエンス: コミュニティからプロフェッショナルなエンタープライズサポートまで、開発者に対するサポートの重要性について述べています。
- 実世界のユースケースとビジネスプラン: ブロックチェーンを使用して通信インフラのインセンティブ構造を革新することを目指すWorld Mobileなどの例を取り上げ、ブロックチェーンの透明性を活用して実際の問題を解決するビジネスモデルの作成の重要性について議論しています。
- オープンソースの哲学: オープンソースのコードを公開することが、ブロックチェーンコミュニティの価値と成長に寄与するという信念です。
- セキュリティと監査: DAppsにおけるセキュリティの重要性について、業界標準の監査からスマートコントラクトの形式的な検証までのオプションを提示して、意図どおりに機能することを保証しています。
- 標準と改善提案: CIP(標準改善提案)の議論として、カルダノ・エコシステム内のピアツーピアトランザクションとAPIの標準を作成することを目指すCIP-45などが挙げられます。
より具体的なポイントとして下記があります。
- カルダノでのdAppsの構築に使用するツールとフレームワーク:カルダノはHaskell、Plutus、IELE、Pythonなど複数の言語をサポートしています。MarloweやGlowといったフレームワークは、より高いレベルで、よりアクセスしやすい方法でdAppsを開発することができます。Cardano devkitやCardano Explorerといったツールは、dAppsのテストと展開をサポートします。
- カルダノのdApps間のコンポーザビリティの実現:コンポーザビリティにより、異なるdAppsのトランザクションを組み合わせることができますが、現在は各dAppが独自のロジックを使用しているため、困難です。dAppsが相互運用できるようにするためには、標準が作成される必要があります。Beaconトークンは、dApps間のトランザクションの追跡とクエリに役立ちます。
- カルダノで開発者をサポートする方法:オープンソースのツール、ドキュメンテーション、熱心なコミュニティがサポートを提供します。カンファレンスやオンライングループが開発者をつなぎます。形式的な検証はセキュリティの保証を提供します。CIPsはベストプラクティスを案内します。
- カルダノでの実世界のユースケース:例として、通信インフラのインセンティブを提供するWorld Mobile、NFT音楽プラットフォームのProject NX、不透明な産業における透明性のためのブロックチェーンの利用があります。
- カルダノのdAppsに関するビジネス上の考慮事項:透明性など、ブロックチェーンに適した問題を選びます。まずオープンソースのプロジェクトを構築して価値を示します。開発者からのサポートは企業の採用に重要です。独自の技術よりもコミュニティの成長を目指します。
- セキュリティのヒント:オープンソースのコード、アドバイザーの取得、プロフェッショナルな監査の実施、適切な場所での形式的な検証を行います。”セキュリティのレイヤー”を重視します。
- CIP-45などの相互運用性プロトコル:集中型サーバーなしでdApps/ウォレット間のピアツーピア通信を可能にします。データの可用性を提供し、アクセシビリティを支援します。