CardanoのステークプールオペレータであるEarn Coin Poolによって、2023年10月末に20％であるトレジャリー（財務）税を5％に削減する提案「トレジャリー税率を下げるためのプロトコル変更提案（PCP）」がなされました。現在の財務税は20％であり、毎月約3000万ADAがトレジャリーに追加されます。提案の目的は、税率を最初に計画された5％にリセットするか、他の割引率を検討することです。
この提案記事によれば、tauパラメータは、トレジャリーの成長に使用される税率を設定します。現在のトレジャリー税（τ-τ）は20％（.20）に設定されています。トレジャリー税は報酬計算と分配の前に適用されるため、エポックの報酬ポット全体が最初に課税されます。
エポック444の時点でのトレジャリーの現在残高は13.8億ADAです。
エポック431から443までの過去12エポックを見ると、トレジャリーの平均成長はおよそ1エポックあたり約500万ADAです。一方、デリゲータとSPOに割り当てられる残りの報酬は約1000万ADAです。
したがって、毎月約3000万ADAがトレジャリーに追加されます。
記事によれば、IOGの研究者は、トレジャリー課税を設定するパラメータであるtauの適切なミックスを分析しており、tauパラメータを5％（0.05）に設定することを評価し検討しましたが、Shelleyメインネットのローンチ前に、トレジャリー税（tau）の割合は20％に設定するべきと結論づけました。
- 参考文献：Philipp Kant、Lars Brünjes、およびDuncan Coutts。Cardanoにおけるデリゲーションとインセンティブの設計仕様書
デリゲーションとインセンティブの設計仕様書（adatainment.com）
トレジャリーグロースレートなどの更新可能なパラメータのリスト – CFエクスプローラ
プロトコルパラメータ|カルダノブロックチェーンエクスプローラ
提案の詳細はこちらをご覧ください。：PCP_TreasuryTax-tau-parameter_EarnCoinPool：トレジャリー税率を下げるためのプロトコル変更提案（PCP）
コミュニティでは、ADAの価格や現在のトレジャリーバランスなど、税率を調整する際に考慮すべき要素について議論と分析が行われています。
Cardanoのビルダーおよび開発者であるユーザー@SmaugPoolによれば、実際には、現在の実効財務税率は約33％に近づいていると分析しています。そのため、毎月約3000万ADAがトレジャリーに追加されています。
@SmaugPoolは、トレジャリーの成長率に関して受け入れられる割合の合意を形成し、税率をどのくらいの頻度で調整するかを決定することが目標であり、合意が形成された場合、さらなる分析と研究が行われ、パラメータ委員会からの技術的なレビューと推奨が要求されるだろうと述べています。
カルダノのトレジャリー（財務）は、より広範なカルダノ・エコシステムの開発とプロトコルの維持・発展のための資金源です。これによりIntersectやProject Catalystなどの取り組みを通じてコミュニティ主導のプロジェクトをサポートすることができます。現在カルダノ財団がトレジャリーを管理しています。
トレジャリー税の削減は、より多くのステークプールオペレーター（SPO）の参加を促す可能性があり、これはカルダノネットワークを検証し、保護するために不可欠です。この提案とそれがADAの価格やSPOのインセンティブ構造に与える影響は、コミュニティの議論や分析の対象となる可能性が高いと言えるでしょう。
