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🗳️ SIPO DRep 投票コメント:Constitutional Committee Compensation Epochs 581–653 提案への立場表明

🧭 Constitutional Committee Compensation Epochs 581–653提案の概要

目的

カルダノの「憲法委員会(Constitutional Committee, CC)」のメンバーに対し、

エポック581〜653(=約1年)にわたる活動報酬として合計100万ADAの予算を割り当てるもの。

背景

カルダノはVoltaire期(ガバナンス期)に入り、

  • 憲法(Cardano Constitution)
  • 憲法委員会(CC)
  • DRep(代表投票者)
  • SPO(ステークプール運営者) による三権構造的な分権統治を採用しています。

その中でCCは、「ガバナンス提案が憲法に準拠しているかを審査・認定する機関」として機能します。

しかしこれまで、CCメンバーにはSPOのような報酬メカニズムが存在せず、自己負担で活動していました。

本提案は、この制度的空白を埋める初の報酬設計提案です。

💡 提案の核心内容

🔸 報酬予算
  • 総額:1,000,000 ADA
  • 対象:報酬を希望する5名のCCメンバー
    • Cardano Atlantic Council
    • Tingvard
    • Eastern Cardano Council
    • Ace Alliance
    • Cardano Japan Council
  • 各メンバー最大:200,000 ADA
  • 報酬はカルダノの**トレジャリー(財政基金)**から支払われる。

報酬を辞退するメンバーは:

  • KtorZ
  • Phil_uplc

⚙️ 技術的設計と実装方法

報酬の管理・支払いは、Intersect × Sundae Labs が共同開発した「Cardano Treasury/Vendor Smart Contract」の改良版を用いて行われます。

🧩 仕組みのポイント

1. スマートコントラクトによる管理

  • 各CCメンバーに専用のスマートコントラクトが1つずつ発行される。
  • 契約には「報酬額」「支払いスケジュール」「監査条件」が組み込まれる。

2. 引き出しルール

  • 各メンバーは**6エポックごと(約30日ごと)**に一部を引き出せる。
  • サービス期間(エポック581〜653)の実績に応じて**比例配分(pro-rata vesting)**される。

3. 監査・停止メカニズム

  • 各メンバーのコントラクトは他の4名のCCメンバーによる監視対象となる。
  • 他メンバーは、「役職を離任した」「義務を果たしていない」場合に報酬支払いを一時停止できる。
  • 不正や停止判断もオンチェーン投票で実行され、透明性が確保される。

4. 期限と返却

  • 73エポック(約1年半)の報酬期間終了から6エポック後、未請求のADAは自動でトレジャリーに返還される。

5. 公開性

  • 各メンバーは報酬受取アドレスを公開し、エクスプローラー上で誰でも確認可能。
  • もしコントラクトが停止された場合、その理由もパブリックレポートとして公表が義務付けられる。

🧱 ブロックチェーン・ガバナンスにおける意義

1. オンチェーン報酬設計の民主化

この提案は、従来オフチェーンで行われがちだった組織報酬や運営コスト支払いを完全オンチェーン化するもの。

スマートコントラクトによる「条件付き自動支払い(vesting + audit + clawback)」は、DAO的ガバナンスの模範事例となります。

2. “Meta-Governance”の実現

CCはカルダノの「憲法遵守」を監督する最高監査機関でありながら、その報酬自体をカルダノの憲法と投票制度に則って承認する仕組みを取っています。

つまり、「制度を司る者自身も制度の下にある」というメタ・ガバナンスの透明性を体現しています。

3. Web3行政モデルへの先進例

行政コストや監査報酬をスマートコントラクトで管理するというこのモデルは、

DAO・L2国家・Web3ガバメント分野で求められる「公共資金の自動かつ透明な支出」の実装プロトタイプです。

地方DAOや公共系プロジェクト(例:AIRA、UNDP連携)にとっても、分散的な財務執行の設計雛形になります。

💫 カルダノにとっての恩恵

項目具体的な効果
制度的安定性憲法委員会の継続的運営が保証され、司法的役割が持続可能になる。
人材多様性の確保自己負担なしに参画できるため、経済的背景に左右されず幅広い専門家が委員になれる。
透明な財務運営トレジャリー資金の流れがオンチェーンで完全追跡可能。
分散監査モデルの実装ピア監査(他のCCメンバーによる停止権限)で中央集権的な不正防止。
スマートコントラクト活用の実証実運用レベルの“ガバナンス契約”ユースケースとして他ブロックチェーンにも波及。

🌍 ブロックチェーン業界全体での位置付け

この提案は、「DAOの公共セクター化」を象徴する流れの中に位置しています。

EthereumやPolkadotがコミュニティ報酬をオンチェーン配分しているのに対し、

Cardanoはより制度的・法的な「憲法」概念を取り入れた法治型ガバナンス・ブロックチェーンへと進化している点が独特です。

さらに本提案では、トレジャリー支出・ベスティング・ピア監査・自動返金が組み合わされており、

DAOファイナンス設計としても最新世代(v3.0)に位置付けられます。

これによりカルダノは「自己管理可能な公共財ガバナンス・レイヤー」を備えた最初期のL1チェーンとなりつつあります。

🏁 まとめ:カルダノ・ガバナンスの成熟化

「制度を動かす人々が、制度のもとで透明に報酬を得る」

――この提案は、カルダノのガバナンスが理想論から実装段階に進化したことを示す重要なマイルストーンである。

Constitutional Committee Compensation提案は、

カルダノの「自律的で責任ある公共ネットワーク」としての成熟を象徴する試みであり、

その設計は他チェーンのDAO、公共財プロジェクト、あるいは国家レベルのWeb3運営にも応用可能な

次世代の公共ガバナンス・アーキテクチャといえるでしょう。

🗳️ SIPO DRep 投票コメントConstitutional Committee Compensation Epochs 581–653 提案への立場表明

カルダノのガバナンスが本格的な「憲法期(Constitutional Era)」へと進む中で、憲法委員会(Constitutional Committee, CC)の報酬制度をめぐる提案が上程されました。

提案『Constitutional Committee Compensation Epochs 581-653
投票結果『Constitutional Committee Compensation Epochs 581-653

SIPOはこの提案の重要性を認めつつも、「制度を急いで固定化するよりも、まず透明な対話を通じて成熟を目指すべき」と考え、今回の投票では Abstain(棄権) の立場を取りました。


🗳️ 制度を急がず、対話を優先する──SIPOの「Abstain(棄権)」判断の背景

SIPOは、今回提出された提案「Constitutional Committee Compensation Epochs 581–653」について、Abstain(棄権)の立場を取りました。

この提案は、カルダノ憲法委員会(Constitutional Committee, CC)のメンバーに対して報酬を設定し、委員が独立した立場で活動を続けられるようにするためのものです。

憲法ガバナンス期におけるとても重要なテーマであり、コミュニティの成熟に向けた一歩であることは間違いありません。

SIPOもその意図や背景には深く共感しています。

ただし、SIPOは現時点でこの制度を正式に確定させるのはやや時期尚早であると考えています。

カルダノの新しいガバナンス制度は、まだ運用・監査・報告などの仕組みを試験的に構築している段階にあります。

この段階で報酬スキームを固定してしまうと、将来的な制度の柔軟性や、より良い改善の余地を失うおそれがあります。

また、今回の提案に関しては、現職の憲法委員の中にも報酬を辞退している方、あるいは制度設計に慎重な意見を持つ方もおられます。

こうした多様な意見が存在する状況では、まず透明な議論と合意形成の時間を持つことが重要だと感じています。

SIPOは、カルダノのガバナンスが「経験と対話を通じて成熟していく」プロセスを大切にしています。

報酬制度そのものに反対するわけではありませんが、今回の投票では、ガバナンス全体の方向性をより深く検証し、幅広い合意を得てから前進する方が望ましいと判断しました。

そのため、SIPOはこの提案に対してAbstain(棄権)を選択しました。

これは「判断を保留すること」ではなく、「よりよい制度を共に考えるための猶予をつくる意思表示」です。

今後、カルダノ憲法委員会(CC)、Intersect、DReps、SPO、そして世界中のコミュニティメンバーが対話を重ね、

公平で透明性の高い制度を共同で設計していくことをSIPOは強く願っています。

カルダノのガバナンスが、誰もが信頼できる分散型の「公共の仕組み」として発展していくよう、

SIPOは引き続き責任を持って活動してまいります。

投票行動:⚪️ Abstain(棄権)

意図:制度を急いで固定せず、時間をかけた合意形成を優先する立場

🇬🇧 SIPO has chosen to Abstain on the governance proposal “Constitutional Committee Compensation Epochs 581–653.”’

As Cardano governance enters the full-fledged “Constitutional Era,” a proposal concerning the compensation framework for the Constitutional Committee (CC) has been submitted.

Proposal: Constitutional Committee Compensation Epochs 581–653

Voting Result: “Constitutional Committee Compensation Epochs 581–653

SIPO recognizes the importance of this proposal but believes that, rather than rushing to formalize the system, the community should first aim for maturity through open and transparent dialogue.

For this reason, SIPO has taken the position of Abstain in this vote.

This proposal seeks to provide fair compensation for the Constitutional Committee (CC) members so they can continue to serve independently without external or personal financial burden.

It is a meaningful and timely discussion in Cardano’s governance evolution, and SIPO fully respects the intention and sincerity behind it.

However, we believe it is a little premature to formalize such a compensation framework at this stage.

Cardano’s new governance system — including the Constitution, audit procedures, and accountability mechanisms — is still being tested in its early operational phase.

Locking in a financial structure before these foundational systems are fully validated may reduce flexibility and limit future improvements.

We also note that within the Constitutional Committee itself, there are members who have declined compensation or expressed reservations.

This diversity of perspectives is healthy and important — it shows that the community still needs more open discussion and shared understanding before establishing a lasting model.

SIPO values the principle that Cardano governance should mature through experience, reflection, and dialogue.

Our abstention is not a rejection of the idea of CC compensation, but rather a call for more time and consensus-building before finalizing such an institutional element.

Therefore, SIPO’s decision to abstain reflects a desire to promote careful and transparent dialogue across all governance participants — CC members, Intersect, DReps, SPOs, and the wider community.

We want to ensure that future frameworks for compensation, accountability, and participation are developed through inclusive consensus rather than premature codification.

SIPO remains committed to contributing to a governance model that is fair, transparent, and sustainable — one that truly reflects Cardano’s founding principle of decentralized public infrastructure.

Vote: ⚪️ Abstain

Reason: To prioritize thoughtful dialogue and institutional maturity before formalizing compensation systems.

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