ビットコインから“協調する暗号経済”へ──伝説のCardanoホワイトボードからMidnightホワイトボードへつながる、暗号の最終系への8年

第0章. 導入:なぜ“ホワイトボード動画”が伝説なのか?
暗号資産やブロックチェーンの世界には、たびたび「伝説」と呼ばれる瞬間があります。
その中でも特に象徴的なのが、チャールズ・ホスキンソン氏が白いホワイトボードの前で語り尽くす“ホワイトボード講義”シリーズです。
2017年、Cardanoのホワイトボード動画が公開されたとき、
多くの人が「ブロックチェーンってこういうふうに進化していくのか!」と視界が一気に開けました。個人的にはこれをきっかけにカルダノに大きな関心を持ったことを今でも鮮明に覚えています。
難解な技術を、専門用語に頼らず、図とストーリーだけで誰でも理解できる形に落とし込んでしまう。
このスタイルが世界中の開発者や投資家の心をつかみ、「あの動画で暗号の全体像を初めて理解した」という声が続出したのです。
そして2025年。
同じ男が、同じホワイトボードの前に8年ぶりに戻ってきました。
今回のテーマは “Midnight”──暗号の最終形とされる第4世代の幕開け です。
Cardano白板が示したのは、「ブロックチェーンはここまで来られる」という設計思想の未来図でした。
そしてMidnight白板が示したのは、「ここから先、世界が本当に求めているのはこれだ」という次の答えでした。
この2つのホワイトボードをつなぐ8年間には、
暗号の技術が成熟し、社会の課題が変化し、AIが爆発的に伸び、
“誰も予想できなかった暗号の新しい役割”がはっきりと姿を現します。
つまり、CardanoとMidnightのホワイトボードを見比べるだけで、
暗号の 「過去 → 現在 → 未来」 が自然と理解できるのです。
本稿では、2017年のCardano白板と2025年のMidnight白板を軸に、
暗号は何を解決してきたのか、そしてこれから何を解決するのかを、
これから暗号を学ぶ初心者の方にもわかりやすく紹介していきます。
次の章からは、まず暗号の歴史をざっくり振り返りながら、
今なぜ「第4世代」が必要とされているのかを見ていきます。
第1章.暗号の歴史をざっくり3分で:第1〜第4世代の流れをつかむ
暗号資産やブロックチェーンは、ここ16年の間に“4つの世代”として進化してきました。
まずはこの流れをザッと押さえておくと、CardanoとMidnightの位置づけや重要性が自然と理解できます。
第1世代:ビットコイン(2009〜)「価値を中央なしで送る」発明
最初の革命は、とてもシンプルでした。
- 誰にも止められないお金
- 仲介者(銀行)がいらない
- 世界中のノードが記録を検証
これだけで、ビットコインは「インターネット上に初めて誕生した、誰も管理者のいないお金」として爆発的に広まりました。
しかし、できることは「価値の送金」のみ。
複雑な条件やアプリケーションは扱えません。
第2世代:イーサリアム(2015〜)「プログラムできるお金」へ拡張
イーサリアムが登場し、世界は一変します。
- 送金に“条件”を書ける
- 契約をプログラム化できる(スマートコントラクト)
- DeFi・NFTといった新しい経済圏が誕生
ビットコインが「電卓」だとすれば、イーサリアムは「パソコン」。
アプリが作れ、価値の表現も多様化しました。
しかし、ユーザーが増えると…
- 手数料が高い
- トランザクションが詰まる
- ガバナンスが分裂(ハードフォーク問題)
といった限界が露わになります。
第3世代:Cardano(2017〜)「世界規模で動くための基盤作り」
Cardanoは、第2世代の弱点に真正面から取り組んだ最初のプロジェクトでした。
チャールズの2017年ホワイトボードが示したのは、以下の3課題の徹底解決です。
- スケーラビリティ(たくさんの人が使える仕組み)
- 相互運用性(他チェーン・銀行システムとつながる)
- ガバナンスと持続性(アップグレードと資金の仕組み)
Cardanoはこの3つを学術的に検証しながら実装し、
Ouroborosによる安全なPoS、Mithril、Hydra、トレジャリーなどを備えた「長期運用できるL1」として確立されました。
Cardanoは“ブロックチェーンを世界レベルの公共インフラとして成熟させる”という役割を担った存在
(参照:Cardano Whiteboard )
第4世代:Midnight(2025〜)「協調する暗号経済」へ。プライバシー・ID・AIまで統合
そして今、チャールズが語った最後の白板で提示されたのが “第4世代の課題” です。
- プライバシー(合理的な秘匿・選択的開示)
- アイデンティティ(DID × ZKの統合)
- 協調経済(Cooperative Economics)
- AIエージェントと人間が共存する取引の基盤
- クロスチェーンをまたぐアプリの標準化
Midnightは、これら“最後に残った大問題”を全て扱います。
特に画期的なのは以下の点です:
- オンチェーンとオフチェーンのプライバシー設計を統一
- ゼロ知識証明とDIDで、規制に適応しつつ個人情報は保護
- 全チェーンの「調停レイヤー」になり得る
- AIエージェントが安全に経済活動できる基盤を提供
- 意図(Intents)ベースの新しいUXを可能にする
Midnightは“暗号を社会の中で本当に使えるものへ”進化させる第4世代の中心となるプロトコル
(参照:Midnight Whiteboard )
まとめ:第1〜第4世代の進化を一言で
- 第1世代: お金を中央なしで送る
- 第2世代: 契約・アプリを動かす
- 第3世代: 世界級インフラとしてスケールさせる
- 第4世代: 人・AI・あらゆるチェーンを“協調”させる
そして、この「第3世代 → 第4世代」の橋渡しを
ホワイトボードの8年が鮮やかに描いています。
第2章. Cardano白板(2017)が示した“第3世代の答え”──世界スケールのブロックチェーンをどう作るか?
2017年に公開された「Cardano Whiteboard」は、暗号史に残る名動画です。
その理由は、当時ほとんど誰も明確に言語化できていなかった
“ブロックチェーンが本当に世界規模で使われるために必要な条件” を、
チャールズ・ホスキンソン氏がたった1枚のホワイトボードで整理してみせたからです。
初心者にも理解しやすいように、ここではCardano白板の核となる3つの課題を
やさしく紹介していきます。
第3世代が解くべき3つの問題
(1)スケーラビリティ
(2)相互運用性
(3)ガバナンスと持続性
チャールズはこう言いました。
「ブロックチェーンは、スケール・相互運用・持続性の3つを同時に満たす必要がある」
(Cardano Whiteboard )
この3つをまとめて“第3世代の要件”と呼び、Cardanoはこれを徹底的に追求します。
(1)スケーラビリティ — 数十億人が使える仕組みを作る
暗号が世界で使われるなら、
- トランザクション数
- ネットワーク帯域
- データ容量
の3つの負荷が爆発的に増えていきます。
白板の中では、これをわかりやすく「3つのスケール」だと説明しています。
① TPS(秒間取引数)
世界中で同時に使うと、現在の数百倍〜数千倍が必要。
② ネットワーク帯域
P2Pネットワーク全体が巨大なトラフィックに耐えられるか。
③ データ容量
チェーンが“テラ→ペタ→エクサ”に膨れ上がる世界でも維持できるか。
この難問に対するCardanoの答えが、Ouroboros(ウロボロス) です。
- 初の学術的に安全性が証明されたPoS
- エポックとスロットの仕組みで効率的にブロック生成
- 将来の並列化や多チェーン運用を想定した設計
Ouroborosは「研究論文として正式採択されている」という点が、
他プロトコルと大きく異なります。
“安全性が証明され、かつ未来の拡張を前提にしている”
(Cardano Whiteboard )
Cardanoが「システムとして壊れにくい」と言われる理由はここにあります。
(2)相互運用性 — 他チェーン、そして銀行システムともつながる
2017年当時、ブロックチェーンは“島のように孤立したネットワーク”でした。
- BitcoinはBitcoinしか理解できない
- EthereumはEthereumしか理解できない
- 銀行はどれともつながらない
- メタデータや本人情報(KYC)の扱いは完全に別世界
つまり、世界は「サイロ化」していた のです。
Cardano白板はこの課題を鮮やかに指摘し、
そのための技術コンセプトとして サイドチェーン を提示しました。
- 他チェーンの状態を圧縮して証明する(NIPoPoW)
- 信頼できる仲介者を必要としない
- “インターネットのようにチェーン同士がつながる世界”を念頭に設計
さらに、伝統金融との相互運用の話では、
- メタデータ
- アトリビューション(誰が送金したか)
- コンプライアンス(AML/KYC)
といった“現実世界の要求”を暗号空間にどう持ち込むかを語っています。
「価値が世界をまたぐには、暗号とトラディショナルの橋が必要だ」
(Cardano Whiteboard )
これは、後にMidnightの「合理的プライバシー」へとつながる重要な伏線になります。
(3)ガバナンスと持続性 — チェーンは“壊れない国家”のように運営されるべき
ブロックチェーンは企業ではなく 公共インフラ に近い存在です。
だからこそ、次のような根本課題が存在します。
- 誰がお金を払って開発を続けるのか?
- 誰がアップグレードを決めるのか?
- ハードフォークで分裂する体質をどう防ぐのか?
Cardano白板の大きな貢献は、
この問題を“国家の制度設計”に例えて説明したことです。
トレジャリー(国庫)
- ブロック報酬の一部が自動的に貯まる
- コミュニティ投票で配分
- 自律的なプロジェクト運営が可能
CIP(Cardano Improvement Proposal)
- プロトコルの変更を民主的に提案・審議
- 憲法のように、改訂プロセスをチェーンに組み込む
この「ガバナンスの制度化」こそ、
Cardanoが他チェーンよりも“長期的で壊れにくい”と評価される理由です。
「チェーンは創業者の手を離れ、ユーザーのものになるべきである」
(Cardano Whiteboard )
この考え方はMidnightにも引き継がれ、
より高度で“協調的”な経済デザインに発展していきます。
第3世代Cardanoが示した結論
Cardanoは、次の問いに「現実的な答え」を提示しました。
- 世界中の人が同時に使えるブロックチェーンはどう作るのか?
- 他チェーン・銀行・IDシステムとどうつながるのか?
- プロジェクトを100年続くインフラとして維持する方法は?
そして、8年後に登場したMidnight白板は、
このCardanoの土台の上で 「第4世代はここから始まる」 と宣言します。
第3章. なぜ“第4世代”が必要になったのか?──Cardanoだけでは解決できなかった“最後の3つの問題”
第3世代であるCardanoは、多くの根本課題を解決しました。
しかし、社会全体がWeb3・AI・デジタルIDへ動きだした2020年代、
新たに“避けては通れない問題”が一気に浮き彫りになっていきます。
それは、Cardanoだけでは対処できない3つの領域でした。
(1)プライバシーの限界──「全部公開」はもう通用しない
ブロックチェーンは透明性が強みですが、
世界中に永遠に公開されるという性質は、逆に大きな弱点にもなります。
- 医療データ
- 経済活動
- 学歴/資格
- 移動履歴
- 企業間の秘密の取引
- 国ごとのコンプライアンス
こうした情報は、
“全世界に公開すべきではない”
にもかかわらず、現行のL1チェーンでは「隠す」ことが非常に難しいのが現実です。
Zcashなどの匿名系もありますが、
- スマートコントラクトの柔軟性がない
- データの一部だけ選択的に開示したい(Selective Disclosure)が困難
- 規制・法制度との両立が難しい
という問題を抱えています。
ビットコインもCardanoもEthereumも、プライバシーの“細かな調整”はできません。
これが、最終的に世界に広がるための最大の壁のひとつでした。
(2)アイデンティティ(DID)の導入が必須になった
ブロックチェーンは「匿名で使える」ことを前提に進化してきました。
しかし、現実社会との接続が進むほど、次のような問題が噴出します。
- 誰でも参加できるが、誰かを証明できない
- KYC/AML対応ができないと、金融用途は拡大しない
- AI・ロボット・IoTデバイスは「身元」を表現する必要がある
デジタルID(DID)はこの問題を解決する存在ですが、
「DIDをブロックチェーンに書く=全世界にIDが丸見え」
となるため、そのままでは実用化できません。
Midnight白板( )でチャールズが語った通り、
IDとプライバシーは“セットで解決”しないと未来は作れないのです。
- DID
- ゼロ知識証明
- 選択的開示
- オフチェーン・オンチェーンの統合
この条件が揃って初めて、
人間・AI・ロボット・企業が同じ基盤で公平に動ける 世界が実現します。
(3)複数チェーンが広がりすぎて“協調”が欠かせなくなった
2017年〜2025年の間に、ブロックチェーンは爆発的に増えました。
- Bitcoin
- Ethereum
- Cardano
- Solana
- Cosmos
- Avalanche
- L2(Arbitrum、Optimism、Base etc.)
- 企業チェーン・独自チェーン など多数
しかし、どれも互いに“つながりが弱い”ままです。
- 価値移動はブリッジに依存
- ブリッジはしばしば攻撃される
- 各チェーンは自分の経済圏のみを拡大しようとする
- どのチェーンでも使えるアプリはほぼ存在しない
世界は「ブロックチェーンの群雄割拠」に陥ってしまいました。
この状況は、暗号が本当に社会で使われることを妨げています。
Midnight白板では、ここを強く問題視していました:
「みんなが勝者になれる“協調経済”が必要だ」
(Midnight Whiteboard )
つまり、第3世代の「互換性」から一歩進んだ
“全チェーンを公平につなぐ調停レイヤー” が求められていたのです。
Cardanoだけでは不十分だった理由:社会が変わりすぎた
Cardanoが解いた問題は、第2世代の限界を克服するものでした。
しかし、その後の世界は次のように大きく変化しました。
- AIエージェントが人間以上の商取引を行う時代へ
- 個人情報の扱いが世界的な問題に
- 国家レベルのデジタルID整備(EU、アジア、中東)
- 企業は「秘密を守れるチェーン」でなければ採用できない
- ブロックチェーンが複数チェーン併用前提に
- 規制とコンプライアンスの自動化が不可欠に
- 取引は「トランザクション」から「インテント(目的)」へ
この変化のスピードは想像を超えており、
Cardanoの枠組みだけでは“現実世界で求められるニーズ”に追いつかない場面が出てきました。
つまり第4世代が求めるのは、
- 規制に耐えるプライバシー
- 証明可能なID
- チェーンをまたいだ協調
- AIエージェントとの共存
- 公平で信頼できる経済設計
これらを“ひとつに統合”した新しい暗号基盤 だったのです。
結論:第4世代は「避けられない必然」だった
暗号は次のステージに入っています。
- 社会で本格的に使われる
- AIが経済活動に参入する
- 規制と法制度が追いつく
- 企業や政府がオンチェーン化を進める
この世界に必要なのは、
「透明性とプライバシー」
「自由と規制」
「人間とAI」
「複数チェーン間の協調」
これらの“矛盾する要素を全てまとめて扱えるレイヤー”です。
チャールズはそれを Midnight として提示しました。
そして、これが「第4世代」と呼ばれる理由です。
第4章. Midnight白板(2025)が宣言した“第4世代の正体”──プライバシー・ID・協調経済で暗号の未解決問題に終止符を打つ
2025年に公開された「Midnight Whiteboard」は、
チャールズ・ホスキンソン氏が“8年ぶり”にホワイトボード前に立って語った、歴史的な動画です。
2017年のCardano白板が
「第3世代とは何か?」
を定義したものだとすれば、
2025年のMidnight白板は
「暗号の最終世代=第4世代とは何か?」
を宣言する内容でした。( )
ここでは初心者にもわかるように、Midnightが解決する“3つの最後の問題”を軸に整理します。
Midnightの核心はこの3つ
- 理的プライバシー(Rational Privacy)
- 暗号ネイティブID(Identity)
- 協調経済(Cooperative Economics)
そしてこの3つを、
単なる部分解決ではなく 「1つの統合されたシステム」として扱う のがMidnightの革新です。
(1)合理的プライバシー:“全部隠す”でも“全部見せる”でもない、開示のコントロール権をユーザーに戻す
チャールズが最も強調したのがこの点です。
「すべてのものには公開面と非公開面がある。暗号にはその“陰と陽”の両方が必要だ。」
(Midnight Whiteboard)
従来のブロックチェーンは極端でした。
- Bitcoin:すべて公開
- Zcash:ほぼすべて隠す
- Ethereum:スマコンは作れるがデータは公開
Midnightのアプローチはまったく違います。
◆ Midnightのプライバシーは“合理的”である
- 自分のメディカルデータは医者には見せたい(世界には見せたくない)
- 投票の事実は証明したいが、誰に投票したかは秘密にしたい
- 取引は規制に準拠したいが、個人データは開示したくない
こうした“現実的なプライバシー”を実現するために、Midnightは以下を統合します:
- zk-SNARKs / Plonk / Halo2
- Kacina(スマートプライバシーの基盤)
- Nightstream(GPU・FHE・量子耐性を統合する次世代暗号レイヤー)
- オンチェーンとオフチェーンのプライバシー設計の完全統合
特にNightstreamは画期的です。
- AI用GPU(Nvidia等)の演算力を暗号計算でもそのまま利用
- プライバシー処理が年々自動で速くなる(ハードの進歩に追随)
- FHE(完全準同型暗号)で暗号化したデータのまま計算できる
「プライバシーを“ひとつの統合スタック”として扱うのはMidnightが初めて」
これがMidnightが“第4世代”と呼ばれる最大の理由です。
(2)ID(Identity):DID × ZK × プライバシーで“次世代アイデンティティ”を実現する
チャールズは白板でこう語っています:
「IDとプライバシーはセットで解決しなければならない」
理由は簡単です。
- IDをブロックチェーンに書くと全世界に公開される
- しかし現実社会のアプリケーションにはIDが必要
- AIやロボットも“身元”が必要になる時代
- 規制・AML/KYCを避けて通れない
Midnightはここを“暗号ネイティブID”として解決します。
◆ Midnightが扱うIDは以下のすべてが対象
- 人間
- AIエージェント
- ロボット(Tesla botなど)
- 企業
- IoTデバイス
- 金や証券などの資産
すべてがDIDで表現でき、
ゼロ知識証明で必要最小限の情報だけを開示可能。
例:
「アメリカ国籍であることは証明するが、生年月日は開示しない」
「所得証明は出すが、給与明細は出さない」
「医療情報は医師には開示、雇用主には非公開」
これは、今のインターネットには存在しなかった“理想のIDレイヤー”です。
Midnightはこれを Layer 2 to Everybody(すべてのチェーンの上の調停レイヤー) として提供します。
(3)協調経済(Cooperative Economics):すべてのチェーンが勝者になる新しい暗号経済モデル
Midnight最大の革命がこれです。
従来の暗号は“ゼロサムゲーム”でした。
- Aチェーンが伸びる → Bチェーンが沈む
- VCが先に買い占めて、後から買った人が損をする
- ブリッジが攻撃され資産が失われる
- チェーン間の資本移動は危険で不透明
Midnightはこの構造そのものを変えます。
Cooperative Economics を支える4つの柱
① Glacier Drop:史上最大の公平な配布
- VC特権がない
- 8つの主要エコシステム+500万人以上を対象
- 価値は「最初に来た人」ではなく「利用者全体」に広く分配
チャールズ曰く:
「これでPonzi経済(Ponzanomics)は終わりだ」
② Dual Tokenomics:Knight(価値)とDust(計算)
- Knight:Cardanoと同じように価値とガバナンスを司る
- Dust:計算コストを支払うトークン。安定しやすい
これにより:
- 価格が乱高下しやすい“価値トークン”と
- 予測可能な“計算トークン”
を完全に分離できるため、企業・政府が安心して利用できる仕組みになります。
③ Capacity Exchange:どのチェーンの通貨でも手数料を支払える
ユーザー視点では革命的です。
- BitcoinユーザーはBTCのまま使える
- ETHユーザーもETHのまま
- ADAユーザーもADAのまま
裏側ではDustと自動交換され、
Midnight側は常に同じように処理できます。
「観光客がドルで払っても、店側は円で受け取れる」
という構造を暗号で実現。
④ Multi-Resource Consensus(Minotaur):複数チェーンのバリデータが力を合わせてネットワークを守る
これはMidnightの中でも最も技術的に革新的なポイントです。
- BitcoinのPoW
- CardanoのPoS
- Solanaなどのバリデータ
- その他ネットワークのリソース
これらを“同時に利用する”という初の試み。
バリデータが複数チェーンにまたがって動くことで:
- セキュリティが劇的に向上
- 価値の偏りがなくなる
- すべてのチェーンが“運用の恩恵”を受ける
- Midnightが“調停者(Arbitrator)”として機能できる土台が整う
Midnightの正体とは?
まとめると、Midnightは単なるプライバシーチェーンではありません。
Midnight = プライバシー × ID × 協調経済 × AI × クロスチェーンの統合基盤
そして、
- Bitcoin
- Ethereum
- Cardano
- Solana
- 企業チェーン
- AIネットワーク
……すべての“上に位置するレイヤー”として設計されています。
つまり、
「暗号の世界の“交通管制塔”であり“交差点”であり“仲介者(Arbitrator)”でもある」
これが第4世代の姿であり、Midnightの本当の価値です。
第5章. Cardanoがもたらした基盤、Midnightがもたらす未来──“公共インフラ”から“協調インフラ”へ
CardanoとMidnightのホワイトボードを並べてみると、
まるで 8年前と現在をつなぐ“2部作” のように見えてきます。
- Cardano(第3世代) は「大規模に動くための土台(インフラ)」を作り、
- Midnight(第4世代) は「その土台の上で世界全体をつなげる仕組み」を築く。
この章では、両者がどんな役割を担っているのかを初心者にも分かる形で整理します。
Cardanoがもたらした基盤:“世界スケールの公共ブロックチェーン”
Cardano白板( )が解決したのは、次の3つでした。
(1)スケール
- Ouroborosによる安全なPoS
- Mithril・Hydraなど高速化・軽量化の実装
- 将来の並列処理・データ圧縮を視野に入れた設計
Cardanoは「世界中の人が同時に使える」インフラとして成長し続けています。
(2)相互運用性
- サイドチェーン構造
- NIPoPoWによる圧縮証明
- オフチェーンや銀行システムとの互換性を想定したメタデータ設計
Cardanoは“現実世界の制度”とつながることを前提に作られています。
(3)持続性(ガバナンス
- トレジャリーによるプロジェクト支援
- コミュニティ主導のCIPプロセス
- ハードフォークが分裂せずに行われる(HFCプロトコル)
Cardanoは、開発者・利用者・企業・政府が10年スパンで安心して使える“公共インフラ” です。
Midnightがもたらす未来:“つながり・協調・AI時代の調停レイヤー”
Midnight白板( )を見ると、第4世代の本質が浮かび上がります。
それは、
「すべてのチェーン・すべてのID・すべてのAI・すべての規制を“ひとつ”にまとめる層」
を提供することです。
中でも重要なのは3つのポイントです。
(1)プライバシーとIDの完全統合
Cardanoでは扱いきれなかった
- 秘密保持
- 選択的開示
- 規制対応
- DIDの安全な運用
- オンチェーン・オフチェーンの統合
といった現代の複雑な要求を、Midnightは暗号的に解決します。
結果として、
医療、金融、企業利用、AIエージェントなど“実社会そのもの”がブロックチェーンと統合可能に。
(2)クロスチェーンをまたぐアプリを実現する
Cardano単体では、
- BTC
- ETH
- Solana
- あらゆるL2
- 企業チェーン
と“完全に対等”に協調することは難しいものでした。
Midnightではこれが自然にできます。
- ステート証明(Folding)で、各チェーンの全履歴を小さくまとめて理解
- Minotaurで複数チェーンのバリデータが協調
- Capacity Exchangeでどの資産でも手数料支払い可能
- Dust(計算トークン)で価格の安定性を確保
Web3のアプリが“どのチェーン上のユーザーでも使える時代”が始まります。
(3)AIエージェント時代の標準インフラを担う
Midnight白板のテーマで意外と重要なのがAIです。
チャールズははっきりこう言っています。
「2030年にはインターネットの大半が“AIエージェント同士のやり取り”になる」
そのとき課題となるのは:
- AIがユーザーの情報を持ちすぎる
- AI同士の取引が不透明
- 意図(Intents)が公開されるとフロントランされる
- 人間・AI・ロボットのIDをどう管理するか
- 商取引の規制(AML/KYC)にどう対応するか
Midnightの
- 合理的プライバシー
- 暗号ネイティブID
- 意図(Intents)を安全に扱う能力
- AIと同じGPU計算を活用するNightstream構造
は、この“AI時代のWeb3インフラ”として設計されています。
Cardano × Midnight の関係を一言で言うと…
これが最も分かりやすい表現です:
Cardanoは“都市の道路と電力”
Midnightは“都市をつなぐ高速道路と空港の管制塔”
Cardano単体では世界は動かせません。
Midnight単体では基盤がありません。
両者がセットではじめて、世界級のデジタル経済が完成する。
これはチャールズ自身が8年の時を経て見つけた「結論」でもあります。
第3世代 → 第4世代への連続性
Cardanoで作った基盤があったからこそ、Midnightが本来の力を発揮できます。
- Cardanoの安全性 → Midnightの調停レイヤーの土台に
- Cardanoのトレジャリー → Midnightの協調経済に
- Cardanoの相互運用性研究 → Midnightのクロスチェーン統合に
- CardanoのHaskell哲学 → Midnightの高信頼性へ継承
MidnightはCardanoの延長線ではなく“Cardanoの進化形”でもある、
というのが大きな特徴です。
第6章. Cardano+Midnightで何が変わる?──初心者にも直感的にわかる“未来の使い心地”

ここまで、Cardano(第3世代)が作った“土台”と、Midnight(第4世代)がもたらす“統合レイヤー”について整理してきました。
では、これらが 実際にユーザーの生活や体験をどう変えるのか?
初心者にも一番イメージしやすいポイントを、具体例で解説します。
(1)DeFiが“誰でも使えるレベル”に進化する
今のDeFiは、
- ガス代が高い
- ブリッジが危険
- KYCが必要になると中央集権化しがち
- 違法利用や不正資金が混ざりやすい
という矛盾を抱えています。
Midnightが入ると、これらが一気に解決します。
◆ Midnightがある世界のDeFiは?
- 規制が必要な取引はMidnightが自動で判定 → DEX側には個人情報が一切渡らない
- 不正資金の流入を自動で除外
- ガス代はStablecoinでもBTC・ADAでも支払える
- クロスチェーン取引は“ブリッジなし”で自然につながる
初心者にとっては、
「普通のアプリを使うみたいに、裏側のチェーンを気にせずDeFiが使える」
という体験になります。
(2)AIエージェントが安全に“買い物・投資・情報収集”を代行してくれる
Midnight白板の中でチャールズが強く語ったテーマのひとつがAIでした。
これからの世界では、
- 買い物
- 投資
- チケット予約
- 調査・相談
など多くの行動を AIエージェント が代行するようになります。
問題は、
- AIに全ての個人情報を渡すと危険
- AI同士の取引は不透明で規制しづらい
- AIが意図(Intents)を公開するとフロントランされる
ということ。
◆ MidnightがAIを安全にする理由
Midnightの合理的プライバシーは、
- “必要な情報だけ”をAIに分け与え
- 取引はZK(ゼロ知識)で証明
- 意図(Intents)も秘密裏に処理
- AIのID(DID)も安全に管理
- 処理はGPU加速で高速
これにより、
「AIにすべてを任せても、プライバシーを失わない」
「AIエージェント同士の取引を安全に監査できる」
という、現代のWebには存在しない環境が実現します。
(3)医療データ・学歴・資格の共有が“自分でコントロール”できる
例えば…
あなたが突然海外で病院に行く必要があるとします。
今は:
- 過去の診療データ
- アレルギー情報
- 投薬履歴
を、病院側に提示できず、初診扱いで手間がかかります。
Midnightを使うと、
- 個人の医療情報は暗号化したまま保存
- 病院に必要な部分だけを安全に開示
- 誰がアクセスしたか記録
- 第三者には一切漏れない
という、現代でも非常に難しいことが可能になります。
学歴証明や資格証明、職歴なども同様で、
必要なときだけ、安全に証明できる社会
が実現します。
(4)クロスチェーンの壁が“事実上消える”
初心者にとって最もストレスが大きいのが、
- ウォレットを複数使い分ける
- ETH、SOL、BTCなど毎回ネットワークを切り替える
- ガス代のための別トークンが必要
- ブリッジで資産を移動するとリスクが高い
という現状。
Midnightではこれが劇的に変わります。
◆ Midnightが可能にすること
- BTCでETH系アプリをそのまま使える
- ADAでSolana系アプリにアクセスできる
- “どのチェーンにいるか”を気にしなくていい
- ブリッジなしでクロスチェーン操作ができる
- ガス代は手持ちのコインでOK(Capacity Exchange)
つまりユーザー視点では、
「全部1つのアプリみたいに使えるWeb3」
が完成します。
(5)企業・政府がブロックチェーンを“安全に採用できる”
Cardanoはすでに国・自治体・大企業で採用が進んでいますが、
Midnightによってこの流れはさらに加速します。
採用の最大ハードルだった
- プライバシー
- コンプライアンス
- データ共有の権限管理
が、すべてクリアされるからです。
企業は:
- 商取引の機密部分だけ暗号化
- 監査に必要な部分だけ開示
- AIを安全に活用
- 複数チェーンを跨ぐアプリを構築
- 金融取引も完全自動化
政府は:
- 国民ID
- 医療データ
- 税務
- 証明書
- 投票システム
といった領域で、
“中央集権にもなりすぎず、非中央にもなりすぎない”絶妙な運用が可能になります。
(6)Web3が「ゼロサム」から「協調モデル」へ変わる
最も大きな変化がこれです。
従来の暗号は:
- どのチェーンが勝つか
- どのトークンが生き残るか
- どこにユーザーが流れるか
が“奪い合い”の構造でした。
Midnightでは、
Minotaur(マルチリソース合意)によって
- Bitcoinも
- Ethereumも
- Cardanoも
- Solanaも
全てがネットワークの“協力者”になれる ようになります。
「みんなが勝つ可能性を持つ暗号経済」
これこそ、Midnightが生み出す未来の本質です。
Cardano+Midnightの未来を一言でまとめると
「チェーンの違いを意識しないWeb3」
「AIと人が安全に経済活動できるWeb3」
「誰もが自分のデータとプライバシーをコントロールできるWeb3」
これこそが、
Cardanoが築き、Midnightが完成させる“協調する暗号経済” です。
第7章. 他のブロックチェーンと+Midnightが何をもたらすのか?──“孤立したエコシステム”から“協調するWeb3経済圏”へ
これまでのWeb3は、各チェーンが独自の文化・道具・ウォレットを抱え込み、
いわば「小さな国同士が並び立つ状態」 にありました。
- BitcoinはBitcoinのやり方
- EthereumはEthereumのやり方
- SolanaはSolanaのやり方
- CardanoはCardanoのやり方
ユーザーも開発者も、チェーンごとに学び直しが必要で、
資産をチェーン間で動かすたびに危険な橋を渡る必要がありました。
Midnightは、この状況を根本的に変えます。
Midnightは“Layer 2 to Everybody”として設計されており、
全てのチェーンがそれぞれのまま存在しながら、
Midnightを通じて 相互に協調・連携する世界 が実現されます。
ここでは具体的に「他チェーンとMidnightが組むとどんな未来が開けるか?」を見ていきます。
(1)Bitcoin × Midnight──“裸のビットコイン”にプライバシーとスマート性が宿る
Bitcoinは最も堅牢なネットワークですが、
- 基本的に送金しかできない
- プライバシーは弱い
- 複雑なロジックやAIには対応できない
- クロスチェーン連携が苦手
という限界があります。
しかしMidnightが加わると、Bitcoinはこうなります:
◆ MidnightによるBitcoin強化ポイント
- BTCのままDeFiに参加(Capacity Exchange)
- BTCユーザーが“規制対応”した取引に参加できる
- ZKプライバシーをBTCに付与できる
- BTC保有者がMidnightのコンセンサスに協力し報酬を得られる(Minotaur)
- BTC送金+AI判断+データ保護が一体で行える
つまり、Bitcoinは初めて“Web3時代のフル機能”を手に入れます。
特に革新的なのは:
Bitcoinが他チェーンと“信頼不要で”つながるようになる
という点です(Folding+Minotaur)。
BitcoinはBitcoinのままで、世界に接続できるようになるのです。
(2)Ethereum × Midnight──“世界最大のスマートコントラクト機能”を強力に補完する
EthereumはdApp・DeFiの中心ですが、
- ガス代が高い
- プライバシー処理が弱い
- KYC/AMLが絡むと中央集権化する
- クロスチェーン連携はブリッジ頼み
- AI利用が不透明
という課題を抱えています。
Midnightはここにピタッとハマります。
◆ MidnightがEthereumにもたらす価値
- AIエージェントが安全にETHの上で取引可能
- 規制対応DeFiがDEXのままで実現(Uniswap例)
- プライバシースマコンをMidnight側で実行しETHで決済
- ブリッジ不要のクロスチェーン実行
- “意図(Intents)”を前提とした新UXを実現
- ガス代はETHのままでOK
特に革命的なのは、
Uniswapなど既存のEthereum dAppが、Midnightを挟むだけで“規制対応+完全プライバシー対応”に進化する
という点です。
dApp側はほぼ変更なしで済むのが強みです。
(3)Solana × Midnight──超高速チェーンに“守れるデータ”と“AI親和性”を付与する
Solanaは圧倒的な処理速度が魅力ですが、
- プライバシー
- DID
- 規制対応
- クロスチェーン安全性
などが弱点です。
MidnightのNightstream構造(GPU高速化)は、実はSolanaと非常に相性が良く、
◆ SolanaがMidnightで得るもの
- オンチェーン計算の負荷をMidnight側で吸収
- Solanaアプリが“秘密計算”“ゼロ知識”“規制対応”を獲得
- Solana資産のままでCardano/ETHユーザーを取り込める
- AIエージェントによる高速売買を安全に運用
- Midnightの意図ベース取引(Intents)をSolanaが利用可能に
SolanaのスピードとMidnightのプライバシーは補完関係として機能します。
(4)他のL1 / L2 × Midnight──“チェーンの壁”を完全になくすハブになる
Cosmos、Avalanche、BNB、Polkadot、Base、OP Stackなど
どのチェーンであっても、Midnightが提供するのは共通です。
◆ Midnightと組むと得られる“共通メリット”
- IDとプライバシーのレイヤーを丸ごと利用できる
- 意図(Intents)ベースのアプリを利用可能になる
- 規制がある国・地域のユーザーを取り込める
- 他チェーンユーザーを取り込んでもアプリは壊れない
- AI・ロボット・IoTが安全に利用できる
- 手数料は全チェーン資産に対応(Capacity Exchange)
- バリデータ報酬が各チェーンに分配(Minotaur)
つまりMidnightは、どのチェーンにとっても
“つながりと利用者拡大のための中立インフラ”
になる設計です。
これにより、Web3はこれまでの
“勝者総取り” → “みんなで育てる協調経済”
へと構造転換していきます。
(5)企業チェーン・政府チェーン × Midnight──本格的な社会実装のための橋渡し
企業向けのチェーン(Hyperledger系、Consortium系)や
政府のDIDシステムともMidnightはつながります。
- 医療データ
- 保険
- 税務
- 住民ID
- 証明書
- サプライチェーン
- 金融インフラ
こういった領域は、必ずプライバシー・規制・機密性が絡むため、
“公開チェーン単体”では実現がきわめて困難でした。
Midnightは、
- オフチェーンDB
- 企業チェーン
- 公開チェーン
- AIシステム
すべての橋渡しとして機能します。
結果として、
“ブロックチェーンが社会の裏側で普通に動いている世界”
が実現します。
ユーザーは意識すらしないでしょう。
まとめ:Midnightは“つなぐ”だけではなく“調整する”
Midnightは単なる相互運用レイヤーではなく、
- プライバシーを調整する
- IDを調整する
- 規制対応を調整する
- 意図(Intents)を調整する
- AIの行動を調整する
- 複数チェーンの状態を調整する
- ユーザー体験を調整する
という高度な“調停者(Arbitrator)”です。
これが「第4世代」と呼ばれる理由そのものです。
第8章. まとめ:暗号は“対立”から“協調”へ──CardanoからMidnightへ、8年のホワイトボードが示した未来

2017年と2025年。
8年の時間を挟んで公開された2本のホワイトボード動画は、
まるで “暗号史の前半と後半をつなぐ2部作” のような存在でした。
- Cardanoは「暗号を世界規模のインフラとして成立させるための土台」 を作った。
- Midnightは「その土台の上で、すべてのチェーン・ID・AIを協調させる仕組み」 を完成させた。
この8年間は、暗号の世界が「夢の技術」から「社会基盤」へと変貌した時期でもあります。
Cardanoが示したのは“インフラとしての暗号”
Cardano白板( )が明確にしたのは、
ブロックチェーンが本当に世界で使われるには、
- スケーラビリティ
- 相互運用性
- ガバナンスと持続性
という3つの柱が不可欠である、ということでした。
Cardanoはこの原則を守りながら
世界レベルで動くチェーンへと育ち、現在も“堅牢な公共インフラ”として進化を続けています。
Midnightが示したのは“社会とAIのための暗号”
Midnight白板( )が示したのは、
Cardanoの延長線にある “第4世代の答え” でした。
第4世代が解決するべき課題は、次の3つ。
- プライバシー(合理的な秘匿と選択的開示)
- アイデンティティ(人・AI・ロボットを含む共通IDレイヤー)
- 協調経済(複数チェーンが“対立せず協力する”Web3モデル)
Midnightはこれらを“統合レイヤー”として扱い、
世界のあらゆるチェーン・ユーザー・AIが安全に協調できる環境を作り出します。
暗号は「勝者がすべてを奪う時代」から「みんなで成長する時代」へ
これまでのWeb3の主流はゼロサムゲームでした。
- どのチェーンが勝つか
- どのトークンが残るか
- どこからユーザーを奪うか
- 誰が先にVCから資金を引き出すか
しかしMidnightが持ち込んだのは、
“Cooperative Economics(協調経済)”
という全く新しい思想です。
- Minotaur によって複数チェーンが共にネットワークを支える
- Capacity Exchange によってどの通貨でも手数料支払い可能
- Glacier Drop によって公平な配布
- Dual Tokenomics によって価値と計算を分離
- Rational Privacy によって銀行・政府・AIも含めた“安全な利害調整”を実現
その結果、
“誰かが勝てば誰かが負ける”という構造は大きく変わり、
「全チェーン・全ユーザー・全AIが協力できるWeb3経済圏」
が成立しはじめています。
暗号は「対立」ではなく「協調」で広がる世界へ
CardanoとMidnightが描く未来は、技術的な革命以上の価値があります。
- プライバシーと透明性の両立
- 自由と規制の両立
- 人間とAIの共存
- 国家とWeb3の連携
- 企業と個人データの調停
- 複数チェーンの協調
これら“矛盾する要素”をすべて扱えるのが第4世代であり、
Midnightはその中心に位置するプロトコルです。
チャールズが8年越しに白板で語ったのは、
単なるブロックチェーンの話ではなく、
これからの社会システムの話 でもあります。
そして、こう締めくくることができます。
「Cardanoが道を作り、Midnightが世界をつないだ。」
「これが第4世代──協調する暗号経済の始まりである。」
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