ブロックチェーン技術、そして、政府とのパートナーシップがどのようにアフリカの生活の質を向上させることができるか?
CNBCアフリカの企業アクセスコーナーのインタビュー「How blockchain technology can help improve quality of life in Africa」で、Zinati Puma氏が、ブロックチェーン・エンジニアリング企業である「IOグローバル」のアフリカ事業ディレクターであるジョン・オコナー氏と一緒に、ブロックチェーン技術、そして、政府とのパートナーシップがどのようにアフリカの生活の質を向上させることができるかについて話をしています。
今回IOGは、エチオピアの教育省とのパートナーシップを締結し、ブロックチェーンベースの国民IDと達成度記録システムを構築することを発表しました。 詳しくは、「カルダノ・アフリカ・スペシャルまとめ」をご覧ください。
ジョン・オコナー氏は5年にわたる歳月をかけて、カルダノのアフリカ事業を推進してきました。
これについて話されたインタビューの内容を以下に翻訳・要約しました。
IOグローバルの背景とジョン・オコナー氏の役割
このインタビューはZinati Puma氏の「IOグローバルの背景とあなたの役割について教えてください。」という質問から始まり、ジョン氏は下記ように答えています。
IOグローバルは、研究とエンジニアリングを行う会社です。
ブロックチェーン・ソリューションの構築と提供を専門としています。
IOグローバルは、世界最大級の暗号通貨を構築しましたが、現在は実在の人々を支援する本物のブロックチェーン・アプリケーションを提供することに注力しています。
IOグローバルでの私の役割は、当社のアフリカ事業の立ち上げと責任者です。アフリカでのビジネス・事業部門のオペレーションをを手掛けています。
そして私たちのブロックチェーン技術をどうやって政府や教育省、民間企業、NGOにとって役立つ有用な製品に変えることに注力しています。
特に、ブロックチェーン技術は、アカウンタビリティー・体験を向上させ、透明性を高め、教育の質を向上させる能力があるとし、今回のアフリカでのカルダノと政府、民間企業のパートナーシップは、全国的な教育と雇用の促進にもつながるとジョン氏は述べています。
また、ジョン氏はブロックチェーンいついて、特に今は”暗号通貨の取引だけでなく、”暗号経済の世界へと移行している”説明しています。
例えば、ディアスポラから、ガーナやエチオピアに送金するために、より迅速で安価な送金を可能にしたり、あるいは、サプライチェーンをよりトレーサブルで公正なものにして、最終的に消費者がそのコーヒーがどこから来たのかがわかるようにします。
つまり、これは一般化された技術を現実の世界で使えるようにするということです。
ブロックチェーンとは何か、そして暗号経済とは何か?
ジョン・オコナー氏は、ブロックチェーンとは、世界中で価値の移転を可能にするツールや技術であると説明し、次のように述べました。
現在、私がイギリスからエチオピアの家族にお金を送ろうとすると、ウェスタンユニオンのようなサービスを利用することができます。送金には20~30ドルの手数料がかかります。
ブロックチェーンでできることは、この価値を、基本的にインターネットを介して限りなくゼロに近い手数料で送金することができます。
送金するのはお金かもしれないし、あるいは、他の価値を表すものかもしれません。例えば、デジタル証書のようなものです。
シンプル言えば、ブロックチェーンはどんな価値の移転でも行うことができます。より安く、より経済的に、そしてもちろんより速く。
基本的にはブロックチェーンはデータハックの影響を受けない。他のプラットフォームよりも安全?
基本的にはブロックチェーンはデータハックの影響を受けないが、他のプラットフォームよりも安全ですか?という質問に対して、ジョン氏は次のように述べています。
ブロックチェーンが他のプラットフォームよりも安全なのは、デジタル世界の環境で信頼を築く方法です。
これはどういうことかというと、もしあなたが銀行の仕事の進め方を考えると、誰がどの口座にどれだけのお金を持っているかを記録する台帳を銀行は持っていて、私たちはその銀行を信頼し正確に記録されていると信じています。
ブロックチェーンの世界では、この台帳を世界中の何十万ものデバイスに配布します。誰もがこの台帳を持ち、正しいコンセンサスを保持できるようになるのです。
送金があった場合には、この何十万、何百万ものデバイスがその台帳を更新して、ネットワーク上に信頼を分散させ、全ての情報を書き換えるためにハッキングが非常に困難になります。
私たちはシステム全体のそれぞれの台帳を見て、コンセンサスが正しいかどうかをチェックし、デジタル環境に信頼をもたらします。
これにより、ブロックチェーンは、単一の当事者に依存したシステムよりも、るかに高い回復力があります。
IOグローバルはエチオピア政府とのパートナーシップを発表について
次にIOGがは発表したエチオピア政府とのパートナーシップについての話題になります。ジョン氏はこれについて次のように述べています。
基本的にエチオピア政府が計画しているのは、エチオピアの教育システムを抜本的に変えることです。
これはおそらく、これまでに行われたブロックチェーンの単独導入としては史上最大です。
私たちがこれから行うのは、私たちの(アタラ・プリズム)プラットフォームでエチオピアの学生に500万の分散型IDを発行します。これにより教育システムの中でデジタル署名により達成したことが証明されることになります
ですから、大学でのキャリアを終えたときに、シングルリンクを雇用者に送ることができます。
雇用者はそのリンクをクリックすることで、デジタル署名された有効な履歴を見ることができます。
ここで重要なのは、偽の学位、偽造教育証明書は、エチオピア国内はもちろんアフリカ全体で大きな課題となっているため、人々の学歴に信頼性を取り戻すために私たちは取り組んでいます。
またジョン氏は、エチオピアは教育システムの改革を計画していますが、これは教育を超えて、さらに世界経済へのリンクを意味すると述べています。
認証されたデジタルアイデンティティを使って、学校を出て融資や保険の決定の基礎として利用できると考えています。
また、ジョン氏はこのシステムを使って、運転免許証、出生証明書、その他のあらゆる形態の証明書へと、このシステムの有用性を拡大するとしています。
カルダノがハイテクソリューションをアフリカで展開、集中していているという理由は何か?
ジョン氏は、アフリカの国々では、国の福祉と経済の向上を自分たちがリードしたい、自分たちが牽引していきたい、飛躍的に改善したいという強い意欲がアフリカ諸国にあると述べています。
また、その欲求は”私が英国にいて、英国政府の大臣と話そうとするよりもはるかに強い”といいます。
英国のレガシーシステムから革新的で先進的なものに切り替えるメリットは英国にはあまりないが、その点アフリカでは、システムがないので、リープフロッグの考え方で前方にスキップして一気に革新的なシステムを導入しやすいという。
アフリカでは、本当に便利で素晴らしいものへと前に進もうとしています。アフリカでは、他のどの大陸よりも、従来の決済を飛び越えて、多くのモバイル・マネー・ウォレットが存在しています。ブロックチェーンでも同じことができると思います。
アフリカ大陸自由貿易地域への導入は可能か?
ジョン氏は、アフリカ大陸の自由貿易地域への導入を期待しているという。
ジョン氏は、このビジネスとテクノロジーの分野で役に立つ経済的アイデンティティーを作ることを進めているという。これにより、さらに、速く、無料で、即時の支払い決済をプログラムが可能になるという。
私たちが話しているのは、ピア・ツー・ピアのローン ピア・ツー・ピアの保険契約、そして大陸中のフィンテック・ビジネスが自由に、そしてすぐに利用できる金融レールを作ることです。
私たちはそのための革新的な金融テクノロジーのフレームワークになりたいのです。
あなたがおっしゃった広範なエコシステムの中でアフリカ全体の国別貿易を促進することを大いに期待しています。私たちのシステムを使ってアフリカ全土での貿易を促進したいと考えています。
うまくいけば、大陸全体の送金コストを下げることで、アフリカ全体の貿易を促進することができます。
そして、今後は?
ジョン氏は今年はアフリカの5つの国で展開する予定で、その後次の年にはさらに20カ国に拡大する予定だという。
また、インキュベーターやアクセラレーターが主催するミートアップを開催する予定で、これにより開発者がプラットフォーム上でのプログラミングを学ぶことができ、また、ビジネスマンや政府関係者がIOGの技術がどのように、私たちの技術がどのように役立つのかを知ることができるようになると述べています。
以上CNBCアフリカのインタビューはいかがでしたでしょうか?このようにカルダノがアフリカから実際に国家レベルの世界最大規模のブロックチェーン展開をスタートさせたことで、近い将来世界中へカルダノのブロックチェーン領域展開が広がる可能性が大きくなっています。
そしてカルダノはこの夏に自身のプラットフォームへのスマートコントラクトの導入を準備しており、多くのアフリカの開発者も、さまざまな分散型アプリをはじめとするプロジェクトの準備を進めています。
ミライのカルダノはもうすぐそこにありますね。
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