U .TODAYがカルダノ（IOHK）のCTO（最高技術責任者）であるロマン・ペラン氏への貴重な独占イタービューを行なっています。ロマン・ペラン氏はカルダノの将来についてのビジョンを語り、イーサリアムや他の暗号プロジェクトと比較して何が特別なのかを説明しています。
この中で彼は、ブロックチェーンとは何かについて、下記のように述べています。
私にとってブロックチェーンは “トラストプラットフォーム “です。トラストプラットフォームとは？人々は、相手のユーザーの履歴や、オンチェーンで使用するデータが安全であることを知りながら、安全に取引を行うことができます。
以下はU.Todayの独占インタビュー記事「Exclusive Interview with Cardano’s CTO on Decentralization Process, Next Steps and Dogecoin」を翻訳したものです。
U.TodayカルダノCTOへの独占インタビュー：分散化プロセス、次のステップ、Dogecoinについて
By Rimma Trukhina 金曜日, 05/21/2021 – 16:45
ロマン・ペラン氏は、カルダノの将来についてのビジョンを語り、イーサリアムや他の暗号プロジェクトと比較して何が特別なのかを説明しています。
先日、私はIOHKのCTOであるロマン・ペラン氏と、同社の新しいスマートコントラクト統合時代や、カルダノで今起きているその他の興味深い活動について話をしました。このインタビューでは、実際のユースケースを持つプロジェクトが影に隠れたまま、Dogecoinに多くの注目が集まっていることが良くない理由についても説明しています。この作品をお見逃しなく!
U.Today：U.Todayです。カルダノは現在、Goguenと呼ばれるスマートコントラクト統合時代を展開している最中です。その詳細を教えてください。それはどのようなもので、この時代に何が起こるのでしょうか？
ロマン・ペラン氏：Goguenの時代は始まっています。Goguenの文脈では、ネイティブトークンやNFTをサポートするために、すでに12月（Allegra）と2月（Mary）に2回のハードフォークを行っています。
今年の夏には、スマートコントラクトのサポートを開始する予定です。メインとなる大きなリリースは、開発者がカルダノ上でスマートコントラクトを展開できるようになることです。
U.Today：カルダノはハードフォークコンビネーター（Combinator）を実装しました。これにより、痛みやリスクを伴うチェーンスプリットを行わずに、重要なアップデートを有効にすることができます。あなたの意見では、他のチェーンが同じようなことをしたり、同じメカニズムを実装することを妨げるものは何でしょうか？
ロマン・ペラン氏：私たちがハードフォークコンビネーターで行ったことを、他のチェーンも行うべきだと思います。ハードフォークは、システム内のイベントを動的に見て決定します。特定のブロックで「別のバージョンに移行する必要がある」と決めるのではなく、「新しい時代を始めるべきだ」とみんなが合意したときに行うのです。それはとても素晴らしいことです。ネットワークの明確な多数派が「これは新しい時代の始まりだ」と判断した方が、よりリアルタイムでスムーズなのです。
U.Today：カルダノの次のステップは何ですか？来年以降、あなたの会社に何を期待すればいいのでしょうか？
ロマン・ペラン氏：Catalystプログラムをご存知でしょうか？これは、トレジャリー（財政）をベースにした、私たちの資金調達メカニズムのガバナンスです。これは、新しい開発者や新しい取り組みをカルダノのエコシステムにもたらすために、コミュニティが資金を提供するプロジェクトを運営するものです。
私たちはこれを「ガバナンス」と呼んでいますが、これはコミュニティ自身がカルダノの将来のイノベーションを決定する責任を負っているからです。非中央集権化のプロセスが起きています。私たちはブロック生産を分散化し、ネットワークトポロジーを分散化し、さらにチェーン自体のガバナンスも分散化していきます。
年内には、データやプロトコルのコントロールをコミュニティ自身に提供する最初の機能を導入する予定です。それがGoguenに続くものです。
また、Hydraにも取り組んでいます。これは、企業が高速で取引を行うためのステートチャネルの技術です。例えば、私たち2人が1分間に100万件の取引を行うような高頻度の取引を行いたい場合、ステートチャネルを開設し、2人の間で取引を行い、10分ごと、毎日、毎週など、好きな頻度でオンチェーンで決済することができます。Hydraはスケーラビリティを追求しています。
まとめると、スマートコントラクト、分散型のガバナンス、ネットワーク自体のさらなる分散化、そしてステートチャネルによるスケーラビリティの向上です。
U.Today：今現在、カルダノスマートコントラクトを活用する準備ができている、最も印象的で有望なDeFiプロジェクトについて教えていただけますか？
ロマン・ペラン氏：私たちは現在、Plutus Pioneer Programと呼ばれるプログラムを実施しています。これには2,000人以上の開発者が参加しています。基本的には、私たちのスマートコントラクト言語であるPlutusを学び、DeFiアプリケーションを含む、リリースしたいdappsの開発方法を学ぶことができます。次回のカルダノショーでは、このプログラムの参加者の名前の一部を発表する予定です。コミュニティがすでに知っているものがあります。Liqwid Financeです。Liqwid Financeは、当社の分散型資金調達プログラムであるCatalystによって資金調達されています。
これは最初に発表されたDeFiアプリケーションですが、私たちにはユーザーの大きなコミュニティがあるので、他のチェーンのDeFiアプリケーションもカルダノ上で動作すると思います。企業は当然、利用者を増やして顧客を獲得したいと考えます。SushiSwapやPancakeSwapのようなDeFiアプリケーションが、自社のアプリのバージョンをカルダノ上でリリースすることを決めたとしても、私は驚きません。
U.Today：イーサリアムには6年の歴史があり、強固なコミュニティがあります。Binance Smart ChainやTronには超安価な取引がある。では、小売店での利用やdAppsにとってのカルダノの殺し文句は何でしょうか？
ロマン・ペラン氏：カルダノと他のチェーンとの大きな違いは、堅牢なプラットフォームを作ることを選択したことです。私たちは数年にわたる研究を行いました。形式的な手法を用いて、カルダノに導入するアルゴリズムやプロトコルが正しいことを証明し、検証しています。
そして、仕様が証明された後に実装に入ります。私たちが最も重視しているのは、ネットワークの堅牢性と品質です。カルダノを選択したユーザーのメリットは、堅牢なプラットフォームでアプリケーションを実行できること、つまり安心して使えるプラットフォームであることです。
将来的には、スマートコントラクトを検証するためのツールもリリースする予定です。スマートコントラクトを適切に開発するためには、スマートコントラクトに何か問題がないか、金融アプリケーションを書いたときに見落としていたものがないかを確認する必要があります。Plutusに実装され、Plutusのオンチェーンを活用しているMarloweやGlowなど、人々が利用できる言語がいくつかあります。
私にとっての大きな違いは、アプリケーションを開発する際に、堅牢なプラットフォームと安全なエクスペリエンスを期待できるということです。他にも興味深い機能があります。
例えば、取引コストを安くしたり、低い取引コストを維持したりすることができます。ADAトークンの価格が上昇した場合に、手数料を下げることができるプロトコルパラメータがあります。これは、コミュニティが手数料を市場に適応させることができるように、現在取り組んでいることです。トークンが10倍になったときに、コストが10倍になるようなことは望んでいません。これは現在、他のチェーンで見られる問題です。
U.Today： Dogecoinは、例えばイーロン・マスク（Elon Musk）氏のツイートなどで、最近多くのハイプを生み出しました。この件について、あなたはどう思いますか？
ロマン・ペラン氏：このコインは、ある特定の世代のコインだと思います。つまり、アイロニーの世代ですね。人々はミームを楽しみます。このコインが流行しているのは、一種のミームだからだと思います。
私は、この技術がデジタルファイナンスの未来だとは思いません。開発していた人たちが放棄してしまったプロジェクトです。他のしっかりとした暗号通貨と同じ品質や野心を持っているとは全く言えません。ドメインについては、もしかしたら暗号通貨や私たちの業界に注目が集まるかもしれないので、ある意味メリットがあるのかもしれません。ただ、誰もがDogecoinを話題にし、他のもっと関連性のあるプロジェクトを話題にしないことが少し気になっています。
私たちには、未来の分散型金融システムを革新し、開発するために日々努力している数百ものブロックチェーンエコシステムがあります。Dogecoinについてたくさん読まれ、革新的で堅実な製品についてはあまり読まれないため、他のプロジェクトからスポットライトが消えてしまうのです。
U.Today：最後の質問です。投資すべき暗号通貨を探している読者や視聴者にアドバイスをお願いします。どのような点を考慮すべきでしょうか？
ロマン・ペラン氏：私は技術者です。IOHKのCTOを務めていますが、私は暗号通貨を投機的な手段としては見ていません。私が暗号通貨に注目するのは、明日の世界を変え、サービスを分散させる可能性があるからです。
例えば、私にとってブロックチェーンは “トラストプラットフォーム “です。トラストプラットフォームとは？人々は、相手のユーザーの履歴や、オンチェーンで使用するデータが安全であることを知りながら、安全に取引を行うことができます。
私はブロックチェーンを、仲介者を排除し、世界中での取引コストを下げ、地球上の誰にでもチャンスを与えるための破壊的な技術、あるいは明日の技術と見ています。私は、暗号通貨を投機的な商品とは考えていません。
