遂にVasilがマイルストーンに到達
いよいよノード1.35.3で最終局面を迎えるVasilハードフォーク
Vasilハードフォークがいよいよ最終局面を迎えています。IOGは新しいノード1.35.3をリリースしました。Githubのドキュメントによれば、カルダノのVasilハードフォークの正式版であるcardano node 1.35.3は完全なVasil時代の機能を提供すると発表しています。
これまでノードv1.35.0からv1.35.3をリリースするたびに、QAテストを実施しなければならず時間を要しましたが、いよいよノード1.35.3で最終局面を迎えることになりそうです。
IOGは、最新のツィートで重要な新しい問題が発生しない限り、これがメインネットでのVasil アップグレードのトリガーとなるバージョンとなると述べてます。
そして、IOGの動画『MidMonth Development Update – August 2022』によれば、この135.3は、これまで指摘されてきた重要な問題をすべて解決しているとのこと。
cardano node v1.35.3には、シリアル化ライブラリー、ウォレットバックエンド、Rosetta、GraphQLがアップグレードされました。そして、CLIに若干の問題(CDDL フォーマットの Shelley era Tx body は一部の CLI コマンドではサポートされない)などがあるものの、根本的な問題は見当たらないとのこと。またこの若干の問題は、今回のハードフォークを必要とせず、これらの問題は適切な時期に安全にロールアウト(将来のリリースで対処)することができると説明しています。
今後IOGは、この最終版となるであろうcardano node v1.35.3を、Dapps開発者、SPO、取引所によるテストネットおよび「クリーン」でより俊敏な環境を提供するために設定された「新しいプリプロダクション環境」でのテストを行い、コンポーネントとの統合テスト、またVasil自身のベンチマークも実施を進める予定です。
ちなみに、今回リリースされた「新しいプリプロダクション環境」は、過去数年にわたるコミュニティとの様々な議論から生まれたもので、これは、本番前の環境の必要性によりもたらされたものです。
また、多くのDAppsがシリアライズを必要としていたので、DAppsの開発者が必要としていたシリアライゼーションライブラリを更新し、これを使用することができるようになったとのこと。
SPO、Dapps開発者、および取引所は、「新しいプリプロダクション環境」で最終的なテストと統合プロセスを開始します。
ローンチ日を決定する3つのクリティカルマス指標
IOGはツィートで、最終的には次の3つのクリティカルマス指標により、メインネットアップデートのトリガーが決定されると説明しています。
- メインネットブロックの75%が最終のVasilノード候補によって作成される。
- 約25の取引所がアップグレードされ、流動性の約80%を占める。
- 主要なメインネットDApps (TVLでトップ10を含む)がプリプロダクションとメインネットで1.35.3へアップグレードしたことを確認する。
DefiLlamaが提供するデータによると、Minswap、WingRiders、SundaeSwap、MuesliSwap、Lending Pond、MeowSwapFi (MEOW)、FluidTokens、ADAX Pro (ADAX)、Aada (AADA)
Lending、VyFinance (VYFI)が上位10に連なっています。
「カルダノ週間開発レポート:2022-08-12」で報告された主な内容
そのほか「カルダノ週間開発レポート:2022-08-12」では、ノードv.1.35.3をリリースのほか、多くの開発が同時並行で行われています。ウォレット関連では、Daedalusチームは、Daedalus v.4.12.1のテストネットリリースを準備しました。また、Laceデスクトップ機能の開発作業は進行中です。
また、Plutusチームは、開発者用のデバッグプロセスの改良、ビルトイン機能、テスト、ドキュメントの更新に取り組みました。Plutusツールをcardano-node v.1.35.3-rc1に更新し、カスタム台帳の検証ルールをcardano-ledgerのものに完全に置き換えました。Plutusコントラクトエミュレーターは現在Babbageトランザクションをサポートしており、tx builderライブラリーもBabbage機能をサポートするよう更新されました。
これについて最新動画では、コンセンサスプロトコルの扱い方を変更し、移行型プリウスと呼ばれるものから、Babbageは完全なプリオフモードになるとのこと。これにより多くのコードの簡素化につながると説明しています。
そして、MarloweチームはMarloweランタイムチェーン同期の作業を終え、Marlowe Playgroundを最新バージョンに更新しました。
Hydraチームは参照スクリプトを使用したトランザクションに関する作業を仕上げ、トランザクション中止機能を有効にしました。Headロジックのリファクタリングを完了し、ドキュメントを更新し、Flakyテストを修正しました。時間処理の改良を進め、Hydrakeyに公開キーインターフェイスを使用し、cardano-nodeを関連する依存関係で更新しました。
カルダノの最新統計情報は下記の通りです。
- カルダノで開発されたプロジェクト:93
- 構築中のプロジェクト:1065
- ネィティブトークン:5.7m
- トークンポリシー:59,670
- Plutusスクリプト:3,057
- GitHubコミット数:2,692
Vasil後のネットワークのトランザクション数は急速に急増すると予想
いよいよ連合体型ブロックチェーンから分散型ブロックチェーンへと移行し、ステーキングプールとステーキングリワードを導入したSHELLEY以来の大型アップグレードであるVasilハードフォークは、最終コーナーのコミュニティによるテストと導入作業を残すのみとなっています。
今後大きな問題が発生しない限り、先ほどの3つのクリティカルマス指標がクリアされた段階で、メインネットの移行が行われることになります。
Vasilアップグレードによる新機能と改善を通じて、機能性、パフォーマンス、スケーラビリティ、相互運用性の向上をカルダノにもたらします。これは現在のビットコイン、イーサリアムを超えた第三世代のブロックチェーンとしての地位を確立し、ブロックチェーンの新時代を切り開き一歩その先へ行くことになると考えられます。
最新の Messariのデータによると、カルダノネットワークは現在、毎日約75,000件の取引を処理しており、カルダノのトランザクション数は1日8万件に迫る勢いです。
Vasilハードフォーク後には、カルダノネットワーク上で様々な開発中の新しいソリューション群が登場するため、ネットワークのトランザクション数は急速に急増すると予想されます。
カルダノのVaslハードフォークのマイルストーン到達のニュースを受け、市場はこれに反応しCardano ADAは一時¥79.25まで高騰しています。
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ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
ニュース動向 in エポック356
カルダノBlockchain Insightsには、興味深い統計が隠されている
ファンメイドのCardano Blockchain Insightsには、カルダノ・ブロックチェーンの活動を説明する最も詳細なメトリクスが1つの場所にまとめられており、いくつかの魅力的な統計が含まれています。
IOGの基礎研究とこれまでのカルダノの道のりまとめ
IOGのツィートと4つのブログを紹介しつつ、Vasilアップグレードを直前に控えたカルダノのこれまでの研究と開発の道のりについてのまとめ。
Bitrue取引所がカルダノ(ADA)の出金手数料を免除
ADAを取引所における数少ない基本通貨の1つにしたシンガポールに拠点を置くBitrueは、8月9日11:00 UTCから、2022年9月15日までBitrueのADAのすべての引き出し手数料を無料にすることを発表しました。
カルダノをテーマにしたレースカーがNASCARに登場
カルダノの生みの親チャールズ・ホスキンソン氏のツィートによれば、カルダノをテーマにしたレースカーがNASCARにデビューしたようです。
カルダノのトランザクション数が75,000件に急増、今後も増加予定
カルダノのブロックチェーン・エクスプローラーのデータによると、このネットワークは現在、毎日約75,000件の取引を処理しているとのことです。カルダノのトランザクション数は1日8万件に迫る勢い、で、しかも今後も増える見込みです。
カルダノ(ADA)のトランザクション件数が1日75,000件に急増!フル稼働すればさらに…?!
カルダノ開発者が重要なマイルストーンに到達、Vasilテストが最終段階に突入
カルダノのGithubのドキュメントによれば、カルダノのVasilハードフォークの正式版であるNode 1.35.3を完全なVasil時代の機能を提供すると発表しています。
IOGツィート:カルダノのVasil のアップグレード最新状況についての説明
カルダノの開発会社IOGは、先日新しいノードバージョン1.35.3を発表し、本日ツィートでVasilハードフォークが「安全」で「安心」な方法で管理されることを確認したいと改めて説明しています。
Vasilハードフォークのメインネットローンチがいつ行われるかを決定する3つの主要な指標などを説明しています。
カルダノ週間開発レポート:2022-08-12
ノードv.1.35.3をリリース
Daedalus v.4.12.1のテストネットリリースを準備
Marlowe Playgroundを最新バージョンに更新
Hydra:Headロジックのリファクタリングを完了
IOG:Fund9の投票時期について延期を発表
投票アプリを徹底的にテストした結果、QA(品質保証)段階のサインオフを通過させるには十分だったため、Fund9の投票を二週間ほど延期すると発表
日程は下記の通り スナップショット(実施済み):Aug 4, 2022 @ 11:00 UTC
投票開始(24時間のソフトローンチ、壊れる可能性あり):Aug 25, 2022 @ 11:00 UTC
投票開始(本格始動):Aug 26, 2022
投票終了:Sep 8, 2022 @ 11:00 UTC
集計・結果発表:± Sep 14, 2022