シリコンバレー銀行（SVB）経営破綻で、USDCとDAIなどがペッグ崩れする中、カルダノの創設者であるチャールズ・ホスキンソン（Charles Hoskinson）氏は、「今でもアルゴリズムによる長期的なステーブルコインが、ビットコインの本来のビジョンを完全に実現するために最も必要な研究の流れであると固く信じています。」とツィートで述べました。
また、ホスキンソン氏は、銀行が＊フラクショナル・リザーブ（小数または部分準備金）で運営されている限り、銀行は常にユーザーを失望させると述べています。
＊フラクショナル・リザーブ・バンキングは、銀行が手持ちの合計預金の一部を保持することのみを要求されるバンキングの形式です。
連邦準備制度理事会（FRB）は、カストディアのようなフルリザーブ銀行は適切でなく、市場にリスクをもたらすと考えています。そのため、彼らはSVBのようなフラクショナル・リザーブ銀行にサークルの資産を置くことを望んでいます。（FRBは）それがより安全だから（と信じているから）です。
連邦準備制度理事会（FRB）は、フルリザーブ銀行の存在が市場にリスクをもたらすと考えており、代わりにフラクショナル・リザーブ銀行を支持しています。ホスキンソン氏のツイートは、カストディアがフルリザーブ銀行であるため、連邦準備制度理事会から信頼されていないということを示唆しています。一方、連邦準備制度理事会（FRB）によればSVBはフラクショナル・リザーブ銀行であるため、より安全であるとされていたことになります。
今回の問題は、Circle社がSVBに資産を持つことで、連邦準備制度が勧める市場の安定性を維持するための措置を取っていたにも関わらず生じた問題で、皮肉な結果になったということになります。
またカルダノの創始者は、連邦準備制度理事会がフルリザーブ銀行であるCustodia銀行の申請を却下したことを批判しています。
Custodia銀行のケイトリン・ロング最高経営責任者（CEO）は発表文で、連邦準備制度理事会（FRB）の決定に「驚き、失望した」と表明。自行について「伝統的な銀行に適用される全ての要件を上回っている」と主張しました。
この問題の背景とその影響
報道によると、シリコンバレー銀行（SVB）の破綻問題は、経営状態の悪化により、破綻申請を行うことになりました。
シリコンバレー銀行（SVB）は、テクノロジー分野の主要な貸し手の一つでしたが、金利の上昇や不良債権の増加により資金繰りが悪化し、銀行の健全性に対する不安から預金者が急いでお金を引き出したため、銀行は破綻しました。3月10日に銀行規制当局によって閉鎖され、預金は連邦預金保険公社（FDIC）に引き継がれました。これは2008年のワシントン・ミューチュアルの崩壊に次ぐ、米国史上2番目に大きな銀行破綻でした。
この事件は株式市場に大きな影響を与え、他の銀行も危機に陥る可能性があるという恐怖を引き起こしました。SVBの顧客である多くのテクノロジー企業も資金調達や事業運営に困難に直面しています。
シリコンバレー銀行が破綻問題は暗号業界にも波及しています。その影響でCircle社のUSDCおよびDAIのペッグが崩壊したため、暗号市場に影響が出ました。USDCとDAIは、それぞれ米ドルと1対1でペッグされたステーブルコインであり、その価値はシリコンバレー銀行に預けられたドルのバックアップによって維持されていました。しかし、銀行の倒産問題が浮上し、USDCとDAIのペッグは崩壊しました。これにより、暗号市場は混乱し、多くの投資家が損失を被りました。
https://coinmarketcap.com/currencies/usd-coin/
なお、カルダノのアルゴリズム過剰担保型ステーブルコインであるDjedは、400～800%の過剰担保によって維持され、安定とその機能を保っています。
