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シリーズ連載『進化するカルダノ・ベーシック』【#2】カルダノ独自の「開発アプローチ」と「ロードマップ」、そして現在、過去、未来:ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック398

シリーズ連載『進化するカルダノ・ベーシック』【#2】カルダノ独自の「開発アプローチ」と「ロードマップ」、そして現在、過去、未来

シリーズ連載『進化するカルダノ・ベーシック』は、カルダノについて初心者や、既に知っているが日々進化し続けるカルダノの現在進行形について知りたい方向けに、様々な視点と角度から、カルダノの基礎知識を、最新アップデート情報を交えてお伝えする企画(不定期)です。

前回は、最初の記事として『[#1]カルダノの始まりと、ビジョン、主な特徴、運営組織と開発チーム』についてお届けしました。

今回は2023年中には開発完了する予定のカルダノ・プロトコル1.0へのロードマップについて、これまでの歩みと現在、そして今後の未来と展望についてお届けします。

他のブロックチェーンプロジェクトと一線を画すカルダノ独自の開発アプローチ

カルダノは、2015年にブロックチェーン技術および暗号通貨の設計および開発のあり方を変えるために発足され、その進化に大きく貢献することを目指した、パーミションレスの分散型プラットフォームを構築するためのプロジェクトです。

カルダノが他のプラットフォームと異なる点は、包括的なロードマップや権威のあるホワイトペーパーを策定する代わりに、設計原則、工学的なベストプラクティス、そして探求のための方法論を収集して採用している点です。

例えば下記のようなものがあります。*ソース:『https://why.cardano.org/en/』より

  • 台帳システムと計算処理を別々の階層に分離する
  • コアとなるコンポーネントをモジュール性の高い関数によって実装する
  • 査読が行われる研究と競合する学者や開発小規模グループを作る 
  • InfoSecの専門家を早期に採用するなど学際的なチームを多用する
  • ホワイトペーパー、実装、そしてレビュー中に発見された問題を修正するための研究を迅速に行う
  • ネットワークを破壊することなく、導入後のシステムをアップグレードする機能を構築する
  • 今後の研究となる分散型資金調達の仕組みを開発する
  • モバイルデバイス上で安全に動作するための長期的な仮想通貨の設計の改善を行う
  • 仮想通貨を運用および維持するために、ステークホルダー同士の関係を密接にする
  • 同じ台帳システムで複数の資産を運用する必要性を認識する
  • 従来のシステムのニーズに応えるために、オプションとしてメタデータを含むことができるようにトランザクションの抽象化を行う
  • 約 1,000 のアルトコイン から理にかなっている機能を学習し、採用する
  • 最終的なプロトコル設計を決定するためにインターネット技術タスクフォース(IETF)に触発された規格駆動のプロセスを採用する
  • 商業の社会的側面を探求する
  • ビットコインから継承した基本原則を損なうことなく、規制機関が商取引と対話するための健全な妥協点を見つける

このようにカルダノの開発アプローチは、科学的な厳密さと査読済みの研究に注力する点で、数あるブロックチェーンプロジェクトの中でもユニークな存在となっています。

例えば、Decryptが記事「Vitalik Buterin Takes Swipe at Cardano, Charles Hoskinson Strikes Back」でヴィタリック・ブテリン氏とチャールズ・ホスキンソン氏の決定的な開発アプローチの違いを紹介しています。

記事によれば、イーサリアムの共同創業者であるヴィタリック・ブテリン氏は、動画インタビュー『Vitalik Buterin on Charles Hoskinson and Cardano | Lex Fridman Podcast Clips』で、ブロックチェーンの設計において「ヒューリスティック・アーギュメント」と呼ばれる実践的な解決策を好むと述べています。

また、ブテリン氏はヒューリスティックとは、理論的に汚れのない公式ではなく、実用的な解決策で解決する問題を指しています。一方、カルダノのアップデートは、変更のたびにピアレビューを行う厳格な学術委員会の承認を得なければならないと指摘しています。

これに対しカルダノの創業者でありイーサリアムの共同創業者でもあるチャールズ・ホスキンソン氏は、カルダノが「エビデンスに基づくソフトウェア」というアプローチを貫くのは、ユーザーの金銭やプライバシーに関わるリスクが高すぎるからだと述べています。

チャールズ・ホスキンソン氏は「Bitcoin 2021」カンファレンスに(ブテリン氏と一緒に)参加しているマイアミのホテルの部屋からビデオスピーチで、このブテリン氏の見解に下記のように答えています。

ホスキンソン氏は、「私たちのやり方がもう少し成熟していて、責任感があると信じています。なぜなら、私たちのやり方は、私たちが構築するシステムが失敗しないことをより確実にするからです。」と述べ、万が一の場合にはユーザーのお金とプライバシーが危険にさらされると説明しました。

もしも開発を急ぎ、変更を加えられないほど採用率が高まれば、「悲劇的で残酷な欠陥のある」ソフトウェアになってしまうかもしれないと述べています。

また、IOGの最高技術責任者であるロマン・ペラン(Romain Pellerin)氏が、マイアミのBitcoin2021で行われたCryptoPotatoの独占インタビュー「Cardano Will Be On Par With Ethereum: Interview With IOHK CTO (Exclusive)」で、カルダノの開発手法について次のように述べています。

私たちは研究に重点を置いており、ゆっくりと構築していますが、私たちのシステムは明日のオープンな金融システムを支える強固なものです。イーサリアムを見てみると、彼らのアプローチはラピッドプロトタイピングで素早くリリースしていますが、最終的にはそれはプロトタイプであり、我々はプロトタイプを作っているわけではありません。

カルダノは、証明可能な正しいセキュリティモデルを用いてプロトコルを開発するために、ソフトウェアコードの正確性を数学的に検証するフォーマルメソッド(形式的な仕様と検証:Formal Specification And Verification)の使用とその方法論を優先しています。証明可能な正しいセキュリティモデルを用いてプロトコルを開発することの大きな強みは、敵対者の力の限界を保証することです。プロトコルが守られ、証明が正しい限り、敵は主張されたセキュリティ特性を破ることはできないという契約が与えられるのです。

フォーマルメソッド(形式手法)は、航空宇宙や医療機器などの安全性に関わるシステムでよく使用され、攻撃者による脆弱性やセキュリティ上の脅威を特定するのに役立ちます。カルダノのフォーマルメソッドの使用は、ブロックチェーン技術のセキュリティと信頼性を向上させるための可能性があります。

カルダノの開発アプローチのもう一つの特徴は、査読済みの研究の使用です。カルダノの会社であるIOHKは、ブロックチェーン技術の様々な側面に関する研究を行い、その成果を論文で発表しています。この研究は、分野の他の専門家によって査読され、最高の学術的厳密さと正確性を満たしていることが保証されています。

全体的に、カルダノの開発アプローチは、証明可能な正しいセキュリティモデル、科学的な厳密さ、査読済みの研究、コミュニティの参加にコミットしています。このアプローチにより、拡張性、セキュリティ、分散型ガバナンスに焦点を当てた最も有望なパーミションレスなパブリック・ブロックチェーンプロジェクトとして、カルダノは位置付けられています。

カルダノ開発ロードマップの現在地

カルダノは、世界中の何百万人ものユーザーにサービスを提供するよう設計されています。将来は10億人の金融プラットフォームになることを目指しています。カルダノプロトコルの特徴は、真のスケーラビリティを実現するために設計されていることです。これにより、長期的に真のグローバルな完全分散型OSを提供できるだけでなく、価格変動、ネットワークの飽和、需要の増加などに柔軟に対応できます。多くのプロトコルパラメータを用意しており、システムの動作を調整することができます。また、HFCを用いて大幅なアップグレードを管理することができます。

カルダノは5つの開発フェーズによるロードマップを設定し、開発とアップグレードが行われて来ました。カルダノのロードマップは、最終目的地に向かって一歩一歩進むためのステージで考えられています。

カルダノは、既に第3世代ブロックチェーンの基礎となる重要なマイルストーンを達成しています。2017年の最初のフェーズであるByronで行われた最初の基礎的なステップから、2022年のBasho v1.0を完成させ、既にDeFiおよびRealFiに必要なスマートコントラクトプラットフォームとして必要な機能と性能を搭載しています。

そして現在2023年のBasho v2.0より、業界トップクラスのとなるスケーラビリティを実現し、最後のフェーズとなるVoltaire期の本格始動により、自己統治され、自律した完全分散型ブロックチェーンを提供するところまで来ています。これにより、2023年中には2017年以来続いたロードマップは、暗号史上最大のマイルストーンとなる、カルダノ・プロトコル1.0の完成を実現することにる予定です。

前述したカルダノの開発アプローチは、時間をかけてゆっくり開発するという意味で、イーサリアムなどの他のプロジェクトと比べると、開発が遅いという見方がありました。しかし現在のカルダノ・ブロックチェーンの堅牢で柔軟な開発を可能にするプラットフォームの基礎が完成しています。

更にカルダノは、エコシステムの成長に必要な戦略を柔軟に導入可能なモジュール化されたパラメータベースのアプローチにより、カルダノは真のスケーラビリティを念頭に置いて設計されている点で、今後はスケーラビリティなどの基盤拡張のための開発に集中し、カルダノ・エコシステムを加速度的に成長させる戦略が投入されている段階になっています。

2023年のカルダノの戦略については下記の記事をご覧ください。

次にカルダノがこれまでどのように進化してきたかその軌跡をロードマップで辿ってみましょう。

カルダノ・ロードマップとは?

カルダノロードマップは、カルダノ開発の概要を示すものです。下記に紹介するカルダノの各開発期は順を追って実行されますが、研究、プロトタイピング、開発が、異なる開発ラインで同時に並行して進行しています。また、終了したフェーズにおいてもスパイラルなアップデートが導入され、カルダノの堅牢で拡張性の高い、完全分散型ブロックチェーンとしての能力と魅力を拡張させています。

カルダノ・ロードマップの5つフェーズは下記の通りです。

カルダノロードマップより:https://roadmap.cardano.org/ja/

BYRON:カルダノの基礎(終了)

SHELLEY:ブロックチェーンの非中央集権化(終了)

GOGUEN:ネイティブトークンとスマートコントラクトの導入(終了)

BASHO:カルダノのスケーリング(現在Basho v2.0が進行中)

VOLTAIRE:自己持続性とガバナンス(2023年より現在本格始動)

それではカルダノ・ロードマップの各フェーズについて一つ一つ見ていきましょう。

BYRON基礎』フェーズ:2015年に開発が始まり、2年後の2017年に連合型ネットワークが開始

カルダノは2015年に始まり、それから2年、数千のGitHubコミット、数百時間の研究を経て、2017年9月にカルダノの最初のバージョンである『Byron』がメインネットで公開されています。

Byronは、Ouroborosコンセンサス・プロトコルを実行する連合型ネットワーク上で、コミュニティに対して暗号通貨ADAの流通を開始しました。

カルダノネットワークの心臓部であるOuroborosは、学術的な査読を受けた研究に基づいており、数学的に証明されたレベルの安全性を持つ、初のプルーフ・オブ・ステーク・プロトコルです。

その後Byronリブートを経て、Cardanoノード、Cardanoエクスプローラー、ウォレットバックエンド、Daedalusデスクトップウォレット、Yoroiライトウォレットを含む複数のコンポーネントを更新し、提供しています。

Byronはまた、カルダノの基軸通貨であるADAが、30以上の暗号通貨取引所でホストされることでカルダノのグローバルコミュニティを構築するのに役立ちました。

SHELLEY:ブロックチェーンの分散化・非中央集権化

第2フェーズであるShelley期では、カルダノ・ブロックチェーンプラットフォームは分散型の経済システムを導入し、Byron時代の連合型ネットワークからコミュニティ主導による分散型ネットワークへ移行しました。分散化はパーミッションレスのパブチックブロックチェーンにとって最大の価値基準となるものです。

そして、Shelleyはプルーフ・オブ・ステーク・ブロックチェーンとして、ユーザーが自分のADAをステークしてネットワーク・コンセンサスに参加することを可能にしました。

ゲーム理論とプルーフ・オブ・ステーク・ネットワークに関する最新の研究を駆使して丹念に設計された委任とインセンティブの仕組みは、ユーザーが自分のステークをステークプール(常時稼働するコミュニティ運営のネットワークノード)に委任し、ネットワークへの誠実な参加に対して報酬を受けることを奨励するものです。

Shelleyローンチ以来、現時点(Epoch398)でカルダノはコミュニティからのステークプールオペレーター(SPO)3,205以上のノードがカルダノネットー枠をサポートしています。

また、カルダノ・ブロックチェーンにおけるステーキング・サービスは、常に70%以上を超えるADAがステーキングに参加しており、執筆時点ではトータル供給量34.4bA ADAの72.08%に当たる24.77b ADAがステーキングされています。

また、staking rewardsによると、カルダノはイーサリアムに次ぐ2位のPOS(proof-of-stake:プルーフ・オブ・ステーク)ネットワークとしてランクされています。

2021年3月にはdパラメータが0に設定され、ブロック生産の責任を100%SPOコミュニティに移行させ、完全分散化達成のための三つのステップのうちの、一つ目であるブロック生成の完全分散化を達成しています。

エポック257(シェリーエポック49、2021年4月1日午前6時43分51秒

二つ目のステップは、P2Pネットワーキングの導入で、2023年の上半期に導入が予定されています。そして三つ目は、これも2023年中にVOLTAIRE期の分散型ガバナンスの導入が予定されており、この三つの分散化が揃うことで、カルダノは自律型完全分散型ブロックチェーンとなります。

GOGUEN:ネイティブトークンとスマートコントラクトの導入

三つ目のフェーズとなるGoguen期では、カルダノにスマートコント機能をもたらし、分散型アプリケーション(DApps)構築、カスタムトークン発行のためのグローバル、金融、多機能システムの確立をもたらしました。

Goguenフェーズは、サプライチェーン、トラック&トレース、金融、医療記録、ID投票、不動産登記、ピアツーピア決済などのアプリケーション領域に関するソリューションを構築するための多用途なプラットフォームを確立しています。

具体的には、トークンロック、マルチアセット(MA)サポートの導入により、ユーザーはカルダノ上でネイティブにサポートされる独自のトークンを定義、作成、破棄、交換できるようになり、カルダノの機能が拡張されました。

またマルチアセット(MA)対応により、カルダノの会計台帳ではスマートコントラクトを必要としないカスタムトークンの取り扱いが可能となり、業務処理が大幅に効率化され、トークンの移動が簡素化されました。

また、複数の暗号通貨を含むスマートコントラクトやDAppsの統合が容易になったこともメリットでした。

そして、スマートコントラクト・プラットフォームの実現に重要なステップである新し開発プラットフォームであるPlutusを導入しました。Plutusは、Haskellをベースにした、スマートコントラクトを記述するための言語として開発されPlutusを使用することで、カルダノの開発者は、高度なスマートコントラクトを作成することができます。

Plutusアプリケーション(DApps)の開発も、Goguen内の大きな特徴です。Plutusアプリケーションは、Haskellを利用したスマートコントラクト開発・実行プラットフォームであるPlutusプラットフォーム上に構築されています。Haskellを使用することで、開発者は、最高レベルのセキュリティと使用効率を付与する、わかりやすく、簡潔で、再利用可能なコードで、安全で信頼性の高いアプリケーションを構築することができるのです。

その機能性により、カルダノをビジネスニーズを満たす相互運用性と拡張性の高いプラットフォームに変えるための最初のイネーブラー(実行環境)を設定しました。

また、GoguenはMarloweを通じてカルダノをより多くの人に開放し、技術的な知識を持たない金融やビジネスの専門家がスマートコントラクトを作成できるようにします。Marloweは高水準のドメイン特化型言語(DSL)であり、視覚とコーディングの両方でコントラクトを構築することが可能です。金融機関はMarloweを利用して、顧客や取引先向けのカスタム商品を開発・展開することができます。MarloweにはMarlowe Playgroundが付属しており、サンドボックス環境でスマートコントラクトの記述プロセスの開発、シミュレーション、テストが可能です。

PlutusとMarloweの組み合わせは、実世界での大規模な実装を支えることができる、検証された機能を持つ新しいクラスのエンタープライズレベルのスマートコントラクトを可能にします。

このようにGoguenフェーズは、トークンロック、マルチアセット、スマートコントラクト、開発環境などの機能が実装され、カルダノはDApp開発のための多機能なプラットフォームを実現しています。

BASHO:カルダノのスケーリング

Basho期は、ネットワークの最適化、スケーラビリティ、相互運用性に焦点を当てています。2022年の9月のVasilハードフォークで、Basho v1.0が導入され、今後のスケーラビリティを改善する基盤が構築されました。

そして現在2023年はBasho v2.0(Vasilアップグレード以降のBashoフェーズ)の開発と導入が進んでいます。

Bashoは、スケーラビリティのための中核的な機能を備えた上で、カルダノ・ネットワークの基本性能を向上させ、取引量の多い何千ものアプリケーションの成長と採用をより良くサポートすることを目的としています。

現在のBasho v2.0期間では、IOGは新しいレイヤー1およびレイヤー2のソリューションを継続的に展開することで、カルダノ台帳の容量とスループットを着実に向上させることを目指しています。これらのソリューションには、ブロックサイズの拡大、オンチェーンストレージ、拡散パイプライン、Plutusメモリ、速度強化などのオンチェーンの改善や、コストモデルの改善などが含まれます。

オフチェーンソリューションには、取引処理のスループットとコスト効率を最大化するHydra Headsや、フルノードとライトノードのクライアントでチェーン同期時間を改善するMithrilなどがあります。

Bashoは、他のブロックチェーン・システムとの双方向通信を可能にするサイドチェーンやクロスチェーンブリッジなどのソリューションを用いた相互運用性にも重点を置いており、2023年に発表されたサイドチェーン・ツールキットにより、開発者は独自のサイドチェーンを起動し、カルダノの最高クラスのセキュリティ、コスト効率、環境に優しい影響の恩恵を受けることができるようになりました。

サイドチェーンは、異なるルールやコンセンサスメカニズムの下で運用されている可能性のあるブロックチェーン間での価値移転を可能にします。その結果、カルダノの相互運用性が高まり、ネットワーク上で新たな種類のユースケースをサポートすることが可能になります。

サイドチェーン参考記事:

さらにBasho v2.0では、カルダノが業界で最も高性能で、回復力があり、柔軟なブロックチェーン・プラットフォームの1つになることを意味します。2023年2月14日バレンタインアップグレードを実施し、相互運用性を高め、クロスチェーンDAppの開発を安全にするために、カルダノのPlutusプラットフォームに新しい暗号プリミティブを追加しています。

これにより、ネットワークインフラは持続可能で安全な方法で拡張できるようになり、また、ネットワークの中核となる信頼性を損なうことなく新しい機能を追加できるようになりました。

これにより、開発者はCardanoでより幅広いマルチ署名や閾値署名のデザインを使用できるようになり、ブロックチェーン全体のセキュリティを向上させることができるようになります。

今後カルダノのBasho v2.0の開発計画は下記の記事でお伝えしていますので、下記の記事もぜひご参照ください。

VOLTAIRE:自己持続性とガバナンス

ロードマップの最後の時代となるVoltaireきは、ネットワーク開発のアップデート、技術的な改善、プロジェクトの資金調達を決定する能力となる分散型ガバナンスと意思決定をカルダノコミュニティに提供します。

カルダノネットワークが真の意味で分散型になるためには、Shelleyの際に導入された分散型インフラだけでなく、分散型の方法で長期的に維持・改善される能力が必要です。

Voltaireは、カルダノネットワークが自立したシステムとなるために必要な最終コンポーネントの実装に焦点を当てています。トレジャリーシステムの導入は、カルダノの改良に必要な資金を継続的かつ自立的に確保するために設計されたコンポーネントの1つです。トレジャリーシステムは、ステークプールの報酬、コイン、手数料の一部から毎エポック補充されます。これらの資金の使い道を公平に決定するために、Voltaireは分散型ソフトウェア更新プロセスも導入しています。これにより、ADA保有者は意思決定に参加し、システムの進歩に影響を与えるための投票に積極的に参加することができます。

この作業は進行中であり、IOGはすでに社会実験の実施と、これらのニーズに対応したエンジニアリングツールの設計を開始しています。例えば、Cardano improvement proposals(CIPs)は、Voltaire内でソーシャルコミュニケーションシステムとして展開され、カルダノ・コミュニティのガイドラインとなる正式な技術指向の標準、コード、プロセスを記述したリソースを透明かつオープンソースで提供するライブラリとして機能します。

分散型ガバナンスに向けたもう一つの大きなステップは、提案と投票手続きを組み合わせたトレジャリーシステムの機能を支えるProject Catalystの立ち上げです。Project Catalystは、ADAホルダーが提案するイニシアチブと改善をサポートするための資金源を維持すると同時に、生産的な意思決定を行うために時間と労力を捧げる人々に報酬とインセンティブを与えています。

Voltaireは、コンセプト、ツール、実験の拡張と開発を行い、カルダノ・ネットワークを民主化するための完全な分散型エコシステムを推進します。すべてのコンポーネントが揃うことで、カルダノはもはや創設者の下にはない、真の分散型プラットフォームとなり得ます。

最終的なVoltaireの成果物により、カルダノの未来はコミュニティの手に委ねられ、彼らはIOGが確立した安全で分散型の基盤からカルダノを成長、進化させるために必要なすべてを手にすることになります。

今後カルダノのVoltaireの開発計画は下記の記事でお伝えしていますので、下記の記事もぜひご参照ください。

カルダノの未来と展望

いかがだったでしょうか?2015年以来続いた壮大な開発計画であるカルダノ・ロードマップは、遂にスマートコントラクトプラットフォームとしてのパブリック・ブロックチェーンに必要とされる機能を備えた基盤を完成させ、それを拡張する段階に入っています。

2023年現在最後のフェーズに突入する中、今後スパイラル成長して世界の変化に対応して持続可能な進化を遂げるための最後の取り組みが進行中です。カルダノの未来は、スケーラビリティ、安全性、分散型ガバナンスの向上によって、より広範囲なグローバル規模のユースケースをサポートすることにあるからです。

具体的には、Vasilハードフォーク以降のBasho v2.0フェーズでは、新しいレイヤー1およびレイヤー2のソリューションが展開され、カルダノ台帳の容量とスループットが向上される予定です。さらに、相互運用性に重点を置いたサイドチェーンやクロスチェーンブリッジの導入により、カルダノは業界をリードする分散型プラットフォームになることができます。

Voltaireフェーズでは、コミュニティ駆動型のための分散型ガバナンスが導入され、コミュニティによる意思決定がカルダノの進化に大きく貢献します。

さらに、カルダノは最近、Plutus v2.0プラットフォームに新しい暗号プリミティブを追加し、より幅広いマルチ署名や閾値署名のデザインを使用できるようになり、ブロックチェーン全体のセキュリティと相互運用性を向上させることができるようになりました。

また様々なプログラム言語で開発可能な環境の構築と導入により、カルダノはより多くのユースケースをサポートし、より多くの開発者がプラットフォームを利用することができます。

参考記事:

カルダノの未来は、今後大きな世界の変化に柔軟に対応しより多くのユースケースを取り込んでいくことになるでしょう。カルダノは、分散型プラットフォームとしての役割を果たし、ブロックチェーン技術の進化に大きく貢献することができます。カルダノは、これまで以上に多くの開発者や企業に利用され、世界中の多くの人々にとって、より安全で信頼性の高い未来を実現することができます。

2023年は、より高度なセキュリティの維持、スケーラビリティの確保、web3への最適化、相互運用性、現実世界の各国の規制への対応や、より高度な持続可能性を獲得するための分散化の導入が進む事で、前回の記事でお伝えしたカルダノの壮大なビジョンは、カルダノ・プロトコル v1.0の完成によって、実行に移され、10億人が利用する金融プラットフォームへの階段を確実に加速度的に登っていくことになるでしょう。

それでは次回もお楽しみに!

もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。
ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。

ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル

ニュース動向 in エポック398

Voltaire最新情報、3つのガバナンスの柱とProject Catalyst、SVE、Fund10

2023年入り本格始動するVoltaireとProject Catalystの進捗状況について最新情報を交えてお伝えします。

Plutusアプリケーションフレームワークv1.2.0リリース

Plutus Platformの一部であるPlutus Application Frameworkは、Cardanoブロックチェーンを利用した分散型アプリケーションを開発するためのフレームワーク

チャールズ・ホスキンソン氏動画『Why I Care』要約・翻訳:COVID-19の起源と米国の制度への信頼の破壊について

カルダノの創設者であり、カルダノの開発会社IOGのCEOチャールズ・ホスキンソン氏による動画「Why I Care – YouTube」では、 米国の『制度への信頼の破壊について』自身の考えを公開しました。

カルダノ週間開発レポート:2023年3月10日

開発ハイライト

ouroboros-networkとouroboros-network-protocolsの新バージョンを公開
新しいv.0.6.0リリースで、LaceにCIP-30を実装
Marlowe Runtimeプロトコルを使用するようMarloweコンポーネントを更新
Hydra-node v0.9.0をリリース

カルダノ・ネットワークの現時点での統計

開始されたプロジェクト:117
開発中のプロジェクト:1210 ネ
ィティブトークン:7.92m
トークンポリシー:70484
Plutusクリプト:5979
トランザクション:62.6m

ステーキング状況 in エポック398

エポック398開始時点ステーキング動向
SIPO、SIPO2、SIPO3エポック398ステーキング報告
SIPOエポック398ステーキング報告
SIPO2エポック398ステーキング報告
SIPO3エポック398ステーキング報告
[SIPO2]5900個目のブロック生成に成功
[SIPO]は8200個目のブロック生成に成功

カルダノエコシステムとSITION

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