カルダノの未来を切り開くカルダノ・コミュニティの交差点「Intersect」について知る
Voltaireフェーズの現在
カルダノは、ビットコインと同様に、非中央集権化されたプロトコルです。誰も所有していません。カルダノは完全に分散化されたエコシステムであり、公式の代表者が存在しません。
そのため、カルダノコミュニティは、カルダノを前進させるために最善の参加方法と統治方法を確立しなくてはなりません。そのためには、メンバーベースの組織（MBO）が必要であり、議論のプラットフォームを提供し、議論を収束させ、最終的には決定点や責任を果たすことが必要です。また、カルダノの公的資金であるトレジャリーを動かし、カルダノプロトコルを最適な方法でアップグレードすることも必要です。
これが、分散型オンチェーンガバナンスであり、暗号通貨およびブロックチェーンが真に成熟するために必要な運営方法のコアベースとなります。
現在、カルダノは開発ロードマップの最後の取り組みであるVoltaireフェーズに入っています。Voltaireは、分散化と意思決定権の民主化に焦点を当てたカルダノ台帳に新しいガバナンス（統治）システムを導入することを目的としています。
このカルダノ1.0のためのロードマップの最終段階であるVoltaire時代は、カルダノレジャーに新しいオンチェーンガバナンスシステムを導入します。これが完成することで、カルダノプロトコル1.0が完成し、カルダノは次のプロトコル2.0へと進み、第4世代のブロックチェーンへと更なる成長に向けて舵を切っていくことができます。
これを形作るための提案がCIP-1694です。今年は5月から7月にかけて世界中でワークショップが開催されました。現在まさにCIP-1694の開発が急ピッチ進められており、オンチェーンガバナンスを動かすための実際の機能を、カルダノプロトコルへの導入が進められています。
具体的には、近々Cardano Node 8.2がリリースされ、Sancho Netが搭載されます。これには、CIP-1694の完全な実装のためのマイルストーンが含まれており、ユーザーは憲法の更新を提出したり、Draps用のカスタムコードを書いたり、複数のユーザーを管理したりすることができるようになります。
最新のCIP-1694に関する情報は、以下の記事でご紹介していますので、ご参考ください。
Intersectをローンチ
そうした中カルダノは、今年7月13日（日本時間）カルダノの未来を形作るメンバー制組織（MBO）である「Intersect（インターセクト）」をローンチさせ、その公式サイトを公開しました。
Intersectは、カルダノのコア技術とコミュニティ主導のガバナンスの維持および開発に重点を置くMBO（member-based organization：メンバーベースの組織）です。
Intersectの意味は「互いに交わる」という意味です。
またこのことは、これまでカルダノの開発を中心的に担ってきたIOGの代わりに、コミュニティがこれからのカルダノの未来を担っていくことになり、これによりカルダノは真の意味で業界最大かつ最高峰の分散型の組織により運営されるブロックチェーンになることになります。
Intersectとは？
Intersectについて詳しくみて行きましょう。
Intersectは、カルダノ・エコシステムの継続性と将来の発展を担当する、カルダノ・エコシステムのメンバーベースの組織です。共有のビジョンの下でメンバーを結集することで、Intersectは、メンバーがカルダノの未来を主導する、より強靭で安全、透明性があり、革新的なカルダノ・エコシステムを実現します。
Intersectは、カルダノの将来の開発の場であり、コミュニティのガバナンスの集約ポイントになります。良いガバナンスには強い制度が必要であり、Intersectは5つの柱を持っています。また、Intersectは、カルダノの統治に参加するさまざまなメンバー主導の委員会や作業グループを通じて、技術的に妥当なガバナンスアクション提案を作成する可能性があります。
さらにIntersectは、カルダノノード、コア・カルダノライブラリおよびプロトコルを操作するために必要なすべてのコンポーネント、およびその関連文書、知識、および寄稿者を含む、コミュニティの基盤技術設計の管理者として機能します。
Intersectの5つの柱
Intersectは、カルダノの将来の保守と開発をメンバーを通じて確保することに重点を置きます。コミュニティガバナンス型のブロックチェーンであるため、技術進歩と合意形成における議論と協力を可能にする技術とプロセスの両方に配慮することが必要です。
Intersectには、以下の5つの柱があります：
- デベロッパー向けのカンファレンス、ハッカソン、イベントなどを開催し、コミュニティのエコシステム開発を支援すること。
- CIP 1694によって実現されたカルダノのコミュニティ主導のガバナンスを管理し推進すること。
- コミュニティが承認したカルダノ・テクニカルロードマップの配信を調整すること。
- システムの安定性のため、カルダノの定期的なメンテナンスを調整すること。
- カルダノのコア技術のオープンソースの開発を調整すること。
Intersectを定義する中核アーキテクトの一人であるNigel Hemsley氏は、Intersectについて次のように説明しています。
カルダノはグローバルシステムに対する信頼を回復し、個人が取引や交換、システムが運営、企業が成長するためのより安全で透明で持続可能な基盤を科学的に創造しています。カルダノはヴォルテールの時代にあり、Intersectはカルダノの未来を守るために不可欠な機関に成長します。
Intersectの目的
Intersectは、カルダノのガバナンスへのコミュニティ参加を強化するためのツールを作成することに焦点を当てた新しいメンバーベースの組織です。ステークホルダーが発言し、将来の方向性を形成することができるよう、カルダノ・エコシステムを維持および開発することを目的としています。Intersectは、企業に対してブループリント（設計図）と技術への直接アクセス、個人に対して発言権、開発者に対して迅速な決定、カルダノ・コミュニティに対してフィルタリングポイントを提供します。また、資金調達の機会を提供し、イベントを組織し、委員会を立ち上げて、全てのメンバーの声が届くようにします。最終的に、Intersectの未来は、カルダノの参加型ガバナンスと自己持続的な未来に向けた進化を形成する中心的な役割を担うメンバーによって定義されます。
カルダノエコシステムがヴォルテールの時代を迎える準備を整える中、カルダノ・ガバナンスでコミュニティ参加を強化するための新しいメンバーベースの組織が立ち上がりました。
その名前がIntersectです。
参考記事：Intersect — A Closer Look
Intersectに参加する
Intersectに参加することは次のような意味を持つことになります。
Intersectの立ち上げに参加して、創設メンバーとして参加する
カルダノコミュニティは創設メンバーとしてサインアップできます。創設メンバーのフィードバックと関与は、2023年を通じてIntersectが開発する機能、リソース、およびイニシアチブを形成する上で重要な役割を果たします。これには委員会やワーキンググループの作成と参加も含まれます。近いうちに、メンバーは、カルダノ上の幅広いビルディングをサポートするためのツールを開発および改良するための助成金を申請することもでき、2023年後半には将来のエコシステムプロジェクトに入札することもできるようになります。
カルダノ・コミュニティ（ADAホルダー）の誰もが、未来を形作るステアリンググループ（運営委員会のことです。ステコミと略されることもある）、委員会、アドバイザリーボードへ参加することで、カルダノの戦略的方向性を指導することが可能です。Intersectの創設メンバーとして参加することで、新しい委員会を設立し、カルダノのガバナンスの未来を形作ることができます。
参加方法はこちらのサイトから：https://www.intersectmbo.org/join
カルダノの開発と構築に参加する
Intersectに参加することで、カルダノのコードベースを引き続き開発し、ブロックチェーンの次世代を構築するためのグラントやワークパッケージにアクセスが可能になります。仲間のメンバーと協力して包括的なグラントプログラムを指導し、プロトコルとエコシステムを支援・強化しましょう。
ネットワークを強化する
明るいカルダノの未来を導くことに専念する、多様な専門家のネットワークと協力しましょう。他のメンバーと協力して、つながりを強化し、新しいパートナーシップを育成し、一緒に働きましょう。
自分のプロフィールを向上させる
イベントやカルダノ開発者会議、マーケティング、ウェブサイトの存在、定期的なレポートのハイライトなどを通じて、カルダノエコシステムへの貢献と成功を紹介し、コミュニティにアピールすることができます。
Intersect：その重要性、そして進歩を促す方法
カルダノとそのコミュニティの交差点で進歩を推進する
カルダノのコア技術を維持し、将来のロードマップを開発することは、多様なステークホルダーを引き付けます。自然な集約ポイントであるカルダノのタウンスクエアであるIntersectは、エコシステムに貢献している企業や組織が、カルダノの進化方向について声を上げ、昇格させることを可能にします。
すべての声が届くべきという感情から生まれ、権力を少数の手に集約するのではなく、多くの人々に分散させるべきであるという信念から、Intersectは、カルダノの安心で安全な協力的なエコシステムを作り上げ、カルダノの持続的な成長と進化を保証する共有ビジョンの下でメンバーを団結させます。
Intersectで共同で構築する意味
カルダノは、現在のグローバルなレガシーアーキテクチャが時代遅れであり、目的に合わなくなっているという信念に基づいて設立されました。より多くの人々が参加し、信じ、Intersectに貢献するほど、私たちは共にこのアーキテクチャを破壊し、より公正なグローバルシステムを構築できます。
そのため、Intersectメンバーは、カルダノの将来的な方向性を形成する中心的な役割を担います。Intersectメンバーが個別におよびカルダノ・コミュニティ全体として提供できることを以下で探索してください。
企業
企業にとって、Intersectは、Cardanoノード、コアCardanoライブラリ、および関連するドキュメント、知識、貢献者を含むコミュニティの基盤と技術への直接アクセスを提供します。
個人
個人にとって、Intersectは、カルダノの将来に発言権を持ち、自分たちが選択を理解するために必要なすべてのリソースを持っていることを保証しながら、すべての人を結集させます。
開発者
開発者にとって、Intersectは、提案に関する迅速な決定、CIPプロセスにおけるより多くの可視性、問題を提出および発信する場所に関する透明性をもたらします。
コミュニティ
Cardanoコミュニティにとって、Intersectは、Cardanoの特徴的な声、リソース、プロジェクトを集約するフィルタリングポイントです。これは、プロトコルを維持するために必要な最新のCardanoニュース、オープンソースプロジェクト、レポ、ドキュメント、ガイド、および知識の哲学的なハブおよび管理センターであります。
2023年以降のIntersectの未来
Intersectは、共に構築するためにカルダノ・コミュニティを中心に置いています。
この目標を追求するため、Intersectは、Cardanoのコア技術を前進させ、Cardanoの将来のロードマップを開発するためのコミュニティのタウンホールになります。これには、メンバーが申請できる助成金や作業パッケージの形での資金調達、コミュニティを結集するためのイベントの組織、そして、Cardanoの未来についての議論で各メンバーの声が届くようにするための委員会の立ち上げが含まれます。
助成金および作業パッケージ
これらは、カルダノおよびインスティチューション（Intersectを含む）がベンダーサポートを必要とする要件を捕捉した調達ブリーフと考えることができます。Intersectは、ワーキンググループ、委員会、およびガバナンスボードを介して、カルダノ・コミュニティの投票と命令の推進に基づいて、現在のカルダノの状態を維持するための作業パッケージまたは将来の方向性を定義する技術ロードマップに貢献する作業パッケージを特定します。
Intersectは、コミュニティの検討および承認のために作業パッケージを提案することもあります。承認および作成が承認されたら、Intersectは経験豊富で能力のあるメンバーを入札に招待し、監視を容易にします。
大規模な作業パッケージについては、Intersectは進捗状況を促進し、メンバーを通じて企業に対して責任を負います。メンバーは、さまざまなメンバー主導の委員会およびワーキンググループを通じてCardanoのガバナンスに参加し、最終的には技術的に優れたガバナンスアクション提案を作成することができます。
イベント
Intersectメンバー、最初の創設メンバー、は、バーチャルおよびローカルのミートアップとして、仲間のメンバーにイベントを提案および運営する機会も楽しむことができます。
これらのイベントの目的は、カルダノ・エコシステムを結集し、より強い働き関係を構築することであり、カルダノ・エコシステムの究極の可能性を実現するために必要なものです。これらのメンバーコンファレンスには、イベントとコンテンツを計画する責任が必要なワーキンググループが必要となるため、すべてのメンバーにマーケティングの機会が存在します。
委員会
Intersectの立ち上げとともに、委員会とワーキンググループが形成され、カルダノが実現できるすべてのことの鼓動と刺激となります。最初に、パラメータ委員会がIntersectで開催され、目的を整列させるためのサポートを提供し、その後、技術指導委員会が続き、進捗を導くために役立ちます。
その他の委員会やワーキンググループは、CIPまたはメンバーが構造化されたフォーラムを持ちたい特定のトピックについて形成され、広範なコミュニティでの統一を推進するために重要です。
カルダノの未来に参加すること：Intersectの創設メンバーになる
最終的に、Intersectの未来は、そのメンバーが望むものです。メンバーとして、ステークホルダー（ADAホルダーなど）は、カルダノの持続的な進化を形成する上でのステークホルダーが果たす役割と、プロトコルの開発をサポートする方法を定義する機会があります。
参加に興味がある方はこちら：Shape Cardano’s Future | Be Part of Intersect
参考記事：Intersect: What It Is, Why It Matters, and How It Fuels Progress
ブロックチェーン技術の重要な側面である分散化ガバナンスの比較：ビットコイン、イーサリアム、カルダノ
分散化ガバナンスはブロックチェーン技術の重要な側面であり、異なるブロックチェーンプラットフォームによって大きく異なります。以下は、ビットコイン（Bitcoin）、イーサリアム(Ethereum）、およびカルダノ（Cardano）の分散型ガバナンスモデルの比較です。
- ビットコインのガバナンスは主に分散化されていますが、やや非公式です。ビットコインのガバナンスは主にオフチェーンであり、意思決定はブロックチェーンの外で行われます。つまりチェーンを介した投票は行われません。ビットコイン改善提案（BIP：Bitcoin Improvement Proposals）は、ビットコインプロトコルの変更を提案するための主要なメカニズムです。これらの提案は、開発者、マイナー、ユーザーを含むコミュニティによってレビューされ、議論されます。しかし、変更の実装は、ソフトウェアを実行するマイナーに決定されます。このプロセスは遅く、議論が激化し、SegWit2xの論争とその後のBitcoin / Bitcoin Cashの分裂が見られました。
- イーサリアム：イーサリアムのガバナンスは、ビットコインよりもやや形式化されています。イーサリアムもビットコインと同様のオフチェーンガバナンスモデルを使用しています。イーサリアムプロトコルの変更は、Ethereum Improvement Proposals（EIP）を介して提案されます。これらの提案は、イーサリアムコミュニティによってレビューされ、議論されます。ただし、変更を実装する最終的な決定は、イーサリアムのコア開発者によって行われます。イーサリアムはEthereum 2.0に移行する予定であり、オンチェーンガバナンス要素が導入される可能性があります。
- カルダノ：カルダノは、独自のオンチェーンガバナンスモデルで特別な存在感を示しています。カルダノは、現在Voltaireフェーズに入り、ADAホルダーがカルダノ・プロトコルの変更提案に投票できるようにしています。このシステムは、より民主的でネットワークのユーザーにより多くの権力を与えるように設計されています。カルダノは、Cardano Improvement Proposals（CIP）を通じて、ADA保有者がプロトコルの提案された変更に投票できるオンチェーンガバナンスを構築中で、CIP-1694がその提案の土台となります。カルダノのオンチェーンガバナンスは、「リキッド・デモクラシー」の形態であり、コミュニティが直接または間接的に意思決定に参加できるようになっています。 Cardano Foundationもガバナンスに関与しますが、将来的にはシステムがますます分散化し、カルダノ・プロトコルはカルダノ・コミュニティ主導の完全分散化を実現することを目指しています。カルダノのオンチェーンガバナンスは、次のノードバージョンであるcardanoNode8.2（現在テスト版）で実装可能となり、これによりオンチェーンガバナンスの導入は現実のものとなるでしょう。
まとめ
カルダノの分散型ガバナンスの将来については、システムを完全に分散化し民主化することを目指しています。特に2023年はVoltaireガバナンスシステムを開発および改善中であり、Dreps（委任者）に投票権を委任し間接的に参加するか、ADA保有者の誰もが自由に簡単にDreps（委任者）になることで意思決定に直接参加できるシステムを作成するオンチェーン・ガバナンスを構築することが目標です。これにより、カルダノは業界最大のDAOにより運営される最も分散化された民主的なブロックチェーンプラットフォームになることを意味します。
現在カルダノ・エコシステムがVoltaireの時代にある中、Intersectのローンチはカルダノの未来を切り拓くことに大きく前へ前進させ、実際に貢献することになるでしょう。分散型オンチェーン・ガバナンスの核となるCIP-1694の実装に向けて、Intersectはカルダノの将来を担うメンバーベースの組織です。カルダノのコア技術とコミュニティ主導のガバナンスの維持および開発に重点を置くIntersectは、カンファレンスやハッカソン、イベントなどを開催し、コミュニティのエコシステム開発を支援し、カルダノ・テクニカルロードマップの配信を調整することになるでしょう。
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今回は2023年7月に入り成長と進化を遂げているカルダノのエコシステムとDeFiについて最新情報をまとめてお届けします。
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Laceのマイナーアップグレードである1.3.1がリリースされました。DAppコネクタAPIの<getUsedAddresses>機能を改善して、ウォレットから派生したすべてのアドレスを返すように改善。また、Lace内のホワイトリストからDAppsを削除することが可能に。
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