カルダノ主権ファンド構想がついに明らかに──チャールズ・ホスキンソンが語る「受動的トレジャリーからの脱却」
カルダノの共同創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏が、YouTubeのホワイトボード動画「Brief Whiteboard on CSWF」にて、カルダノ財務(トレジャリー)の抜本的な改革案を発表しました。その名も「CSWF(Cardano Sovereign Wealth Fund)」。これまでの“受動的・単一資産・無管理”の体制から、“能動的・複数資産・戦略的”なトレジャリー運用へと移行する構想です。
背景:いまのカルダノ財務は「受動的で脆い」
現在のカルダノのトレジャリーには、およそ17億ADAが保管されていますが、その運用形態は以下の通り。
- 受動的(Passive):一切運用されていない
- 単一資産(Single Asset):保有しているのはADAのみ
- 無管理(Unmanaged):責任者が不在で自律的な管理体制がない
ホスキンソン氏は「ADAが3ドルから25セントまで暴落したことで、トレジャリーの購買力が大幅に低下した」と述べ、リスク分散のない単一資産体制の危うさを指摘しました。
CSWF構想:トレジャリーを“国家ファンド”のように機能させる
彼が提案するCSWFのビジョンは明快です。
「カルダノの財務を、“能動的・複数資産・管理型”の主権ファンドへと進化させる」
その具体的ステップは以下の3つに集約されます。
- Divest(売却):一定量のADAを、市場価格への影響を抑えつつ分散的に売却
- Purchase(購入):得た資金でステーブルコインやビットコイン、RWA(実世界資産)などを購入
- Placement(配置):それらの資産をDeFiなどの運用先に配置し、利回りやエコシステム成長に寄与させる
目指す3つの目的
ホスキンソン氏は、主権ファンドによって以下の目的を実現できると述べます。
- ✅ 購買力の成長(Wealth Creation)
- ✅ 即時使用可能な資産(Liquidity)
- ✅ カルダノ全体のエコシステム拡大(Ecosystem Growth)
加えて、ビットコイン保有などを通じた「戦略的パートナーシップ」や、DeFi支援による「取引量・TVLの拡大」にも言及しました。
現実的な仕組み:レイヤード構造のDAO+オフショア法人
構想を実現するためには、以下のような運営体制が組まれます。
- DAO構造:トレジャリー全体を統治する分散型組織
- オフショア法人(BVI/Cayman):ADA保有・運用の法的器
- 管理者(Administrator):資産運用会社との契約、監査人との連携
- ガバニングボード:DAOによって選出された監督者集団
これにより、リターンは「ADAの買い戻し」か「再投資」に使われ、全体が持続的に循環していきます。
最大の問題:「我々は動いていない」
ホスキンソン氏は、業界全体がこの方向へ進んでいることを強調しました。
- RippleやSolana、Aptosなどはすでにトレジャリー運用を実行中
- BlackRockやMicroStrategyの資産形成も、こうした戦略の一環
- カルダノだけが“議論で止まっている”状態
彼は「このままでは業界に真剣に扱われない」と強い危機感を示しています。
カルダノコミュニティへの挑戦状:「行動する覚悟があるか?」
ホスキンソン氏は明確に語ります。
「この提案にYesと言うか、Noと言うか。それは皆さん次第です。」
さらに、自身の立場についてもこう述べました:
- ✅ 提案が採択され成功すれば、残る
- ✅ 採択され失敗すれば、自らの誤りとして受け入れる
- ❌ 採択されず信任が得られなければ、静かに退く
まとめ:技術は揃った、あとは「決断」だけだ
カルダノは、Babelフィー、Midnight統合、Glacier Dropsなどを通じて、否応なくマルチアセット環境へと進んでいます。
CSWFはそれを前提とし、未来に備える提案です。
「これは、単なる提案ではない。未来への設計図だ。」
チャールズ・ホスキンソン氏の情熱的な問いかけに、私たちはどう応えるべきなのでしょうか。
以下は、チャールズ・ホスキンソン氏動画「Brief Whiteboard on CSWF(カルダノ主権ファンドに関するホワイトボード解説)」の日本語訳です。
チャールズ・ホスキンソン氏動画「Brief Whiteboard on CSWF(カルダノ主権ファンドに関するホワイトボード解説)」全文翻訳訳

序文と現状分析
こんにちは、チャールズ・ホスキンソンです。ここコロラドの暖かく晴れた場所からライブ配信でお届けしています。今回は簡単なホワイトボード動画として、私たちの“友人”である「主権ファンド(Sovereign Wealth Fund)」について少しお話しします。
さて、現時点におけるカルダノの財務の状況ですが、これは「受動的・単一資産・無管理型のトレジャリー(財務)」です。
- 受動的(passive):何の運用もされていません。
- 単一資産(single asset):ADAだけを保有しています。
- 無管理(unmanaged):誰も管理しておらず、ただブロックチェーン上に置かれているだけです。
現在、約17億ADAがこのような形でトレジャリーに保管されています(多少の変動あり)。
カルダノ主権ファンドのコンセプト
「カルダノ主権ファンド(Cardano Sovereign Wealth Fund)」のコンセプトとは、以下のように転換することです。
- 能動的(active)
- 複数資産(multi-asset)
- 管理された(managed)
- 財務(treasury)
これを「価値のα(アルファ)」と呼ばれる考え方で捉えることができます。つまり、全体の資産価値のうち、何%を運用するかということです。たとえば
- α = 10%
- α = 20%
- α = 30%
というように、どれくらいを運用に回すかを決めるわけです。
リスクの視点:安全と不安定のバランス
現行の体制では、管理リスクはありませんが、単一資産リスクがあります。たとえば、ADAの価格が暴落した場合、購買力も急激に落ち込みます。実際に、3ドルだったADAが25セントまで下落したことにより、5億ドル近い購買力が失われた例があります。
つまり
- 受動的:何も行動しない=リスクもチャンスもなし
- 能動的:定期的な意思決定に基づく運用
このように、見る角度によって安全性や価値の捉え方は変わってきます。
トレジャリーの目的とは?
トレジャリーをどう使うかを考えるにあたり、私たちはまず「目的」を定義する必要があります。たとえば
- 資産価値の成長(wealth creation)
- ポートフォリオ全体の価値、購買力を高める。
- 流動性の確保(liquidity)
- 使いたいときにすぐに使える資産形態で保有。
- エコシステムの成長(ecosystem growth)
- 投資がカルダノエコシステム全体の価値向上に寄与する。
ここで具体的な指標(KPI)を用いて成長を測定することも可能です。
KPIの具体例
- 取引ボリューム(transaction volume)
- TVL(Total Value Locked:ロックされた総価値)
- ステーブルコインとTVLの比率
- 月間アクティブユーザー(MAU)
- 日間アクティブユーザー(DAU)
- そして、必要ならばADAの価格さえもKPIと見なすことができます。
これは私たちが分散型エコシステムとして、自主的に選択できるのです。
戦略的パートナーシップとは何か?
戦略的パートナーシップ(Strategic Partnerships)という言葉を聞いたときに、少し曖昧に感じるかもしれません。では、これは一体どういう意味なのでしょうか?
「もし私があなたの資産の一部を保有していれば、私たちは友人である」とチャールズは述べています。
たとえば、もし私があなたの会社の株式を10%持っていて、しかも取締役会に名を連ねていたら──私たちはもはや敵ではなく、同じ船に乗ったパートナーです。
つまり、カルダノのトレジャリーが他のエコシステムの資産を保有する「マルチアセット型トレジャリー」となれば、それらのプロジェクトやエコシステムとの提携が圧倒的に容易になります。
なぜこれまで議論されてこなかったのか?
理由は単純で、カルダノはこれまでずっと「受動的・無管理・単一資産」の世界に生きていたからです。
そのため、エコシステム全体として次のような問いを真剣に議論してきませんでした。
- 我々のゴールは何か?
- 受動的なトレジャリーから、能動的なマルチアセット型トレジャリーに移行することは正しいのか?
初めての取り組み:Catalyst以外への支出
私たちは今、初めてCatalyst以外の用途にトレジャリー資金を使おうとしています。これは「エコシステム成長への投資」の第一歩です。
多くの人々は、これらの資金がKPI(TVLやトランザクション量、ユーザー数など)に良い影響を与えることを期待して賭けているのです。
しかし、注意が必要なのは
- それらの支出は、直接的な財産的利益(利益=富)を生むわけではない
- ADA価格の上昇に依存する間接的な影響にとどまる可能性がある
- 戦略的パートナーシップや、エコシステム内の即時的な流動性を生み出すとは限らない
DeFi成長の可能性と現在の制限
カルダノのDeFi成長を考えるとき、重要な要素がいくつかあります(詳細は本動画では省略)。
ここでの基本的な問題提起は次の通りです。
単なる助成金や年次のプロジェクト支援ではなく、「真の主権ファンド」として資産運用を行うべきではないか?
ここで、具体的に議論されているのが「1億ドル相当のステーブルコイン」という構想です。
ステーブルコインと資産タイプの分類
カルダノ上には以下のような異なるタイプのステーブルコインや資産が存在します。
- CDP型(担保型):例:IUSD
- フル・アルゴリズム型:例:JED
- 資産担保型:例:USDM、USDA
- 非ステーブル資産(デジタルゴールド):例:Bitcoin
それぞれに固有の価値提案と用途があります。
アクティブ運用型トレジャリーへの移行:3ステップ
私たちが「アクティブなマルチアセット運用型トレジャリー」へ移行する場合、以下の3段階のプロセスを踏む必要があります。
① 売却(Divestment)
まず最初に、ADAの一部(ここでは「X ADA」と表現)が売却されます。
- 通常は時間加重平均価格(TWAP)やOTC(相対取引)を用いて実行
- これは「アイスバーギング(Iceberging)」と呼ばれる手法で、価格への影響を最小限に抑えながら大規模な資産を売却する技術
- 仮想通貨業界では一般的な慣行であり、多くのトレーダーやファンドが日常的に実施
例えばビットコインの約30%は機関投資家が保有しており、中には100億ドル超を保有するプレイヤーも存在します。
- 市場への影響を最小限にするためには、30〜90日程度の期間が必要になる可能性
- まずはOTCデスク(相対取引の相手)を使い、数ヶ月以内に大口で買いを入れる予定の相手と調整
- もしOTCが飽和した場合には、取引所市場に入る
このような売却業務は専門業者が担い、手数料(0.25〜1%)を徴収します。
② 購入(Purchase)
ADAを売却して得た資金(例:現金やUSDCなど)を用い、以下のような「代替資産(alternative assets)」を購入します。
- ステーブルコイン(USDM、USDA、IUSD、JEDなど)
- BTC
- 他のエコシステムのトークン
- リアルワールドアセット(例:不動産ローンや保険契約)
③ 配置(Placement)
購入した資産を、カルダノのDeFiエコシステム内に配置・活用します。これがいわゆる「アクティブ運用」部分です。
- 利回り(Yield)と成長(Growth)のバランスをとることが鍵
- 利回り=DeFiで得られる収益
- 成長=アプリケーションやエコシステム全体への波及効果
実行主体:アセットマネージャーと戦略策定
この一連の運用は、次のような体制で行われます:
- プロのトレジャリーマネージャー(資産管理会社)と契約
- 毎四半期、または毎年の投資戦略(配分比率や資産クラス)を策定
- 利回り機会の探索と展開
- 例:保険業界におけるリアルワールドアセット(RWA)
- 例:SpaceXとの打ち上げ保険モデル──新しい保険設計で高い利回りを得る
- 例:ローンのトークン化→オンチェーン化→DeFi運用
ビットコインとの戦略的パートナーシップ
- カルダノが「ビットコインDeFi」に全面的に取り組むというシナリオ
- トレジャリーがBTCを保有することで、その意図を市場に明確に示すことができる
- BTC資産の利回りがカルダノ上で生まれることで、BTC保有者にとっての魅力も向上
- 結果として、カルダノは「ビットコインDeFiの主要な舞台」として台頭する可能性がある
ステーブルコインの実態とカルダノの立ち位置
現在、ステーブルコイン業界では資産担保型(Asset-backed)が主流です。
- 毎月数兆ドル規模の取引がステーブルコインで行われています。
- 一方で、カルダノ上で発行された資産担保型ステーブルコインは、たった3,300万ドル分しかありません。
その比率は:
- ステーブルコイン/TVL比率(資産に占めるステーブルコインの割合)
- カルダノ:9.8%
- ソラナ:110%
- イーサリアム:198%
👉 この数字はカルダノのエコシステムがいかに遅れているかを示しています。
アルゴリズム型ステーブルコインの利点と限界
一方で、アルゴリズム型(例:JED)は次のような特徴を持っています。
✅ 利点
- 価格への影響がない(市場で買う必要がない)
- 担保の管理がすべてオンチェーンで完結(スマートコントラクト)
❌ 課題
- 高コスト:1ドルの価値を出すのに、1ドル以上の担保が必要
- オーバーコラテラル(過剰担保)必須
- アルゴリズムの信頼性に依存
- 発行者の信頼を前提とした「信用ベース資産」
利益はどう扱うのか?(再投資 or ADA購入)
では、DeFiなどで得られた収益(利益)はどうするのでしょうか?
選択肢は主に以下の2つです。
- 再投資:
- 利益で新たな資産を購入し、DeFiに再配置
- ADAの買い戻し:
- 利益でADAを購入し、トレジャリーに戻す(Buyback and Return)
どちらを選ぶかは、その時点の戦略や状況に応じて判断されるべきです。
組織モデル:レイヤード・ガバナンス構造
A16Z(アンドリーセン・ホロウィッツ)のブログ記事にもあるように、これからの組織は以下のような構成が必要です:
- ハイブリッド型組織(Cybernetic Organizations)
- 一部はスマートコントラクトで運営
- 一部は現実世界の法人(ミートスペース)で運営
このような「レイヤー構造」が理想的です。
実際の組織構成の例(DUNAモデル)
- DAO構造(分散型自律組織)を最上位に設置
- DAOの下に、BVI(英領ヴァージン諸島)やケイマンなどのオフショア法人を配置
- このオフショア法人がADAを保有
- DAOのガバニングボードが、管理者(Administrator)を任命
- 管理者が、資産運用会社(Asset Manager)と契約
- 運用ルール(成長を重視するか、利回りを重視するか)を明記した「目論見書(Prospectus)」を作成
- 利益が出たら:
- ADAを買い戻す
- もしくはファンドに再投入(recycle)
監査体制と透明性の確保
このようなトレジャリー管理構造においては、監査(Audit)の層が非常に重要です。
- ガバニングボードの下に監査レイヤーを設置
- すべての運用や取引、利益の処理が正しく行われているかを定期的にチェック
- 第三者の監査機関により、プロセス全体のコンプライアンスと透明性が確保される
清算(Liquidation)とADAへの復帰
運用された資産を最終的にADAに戻すためには、プロトコルベースの清算機構が必要です。
- ステーブルコインなどの資産を売却
- ADAを買い戻し
- それを再びトレジャリーに戻す
このサイクルにより、「利益の循環」「αの調整」「トレジャリーの安全性の維持」が実現します。
動的αの設定と成長の道筋
たとえば:
- トレジャリーに17億ADAあるとする
- そのうち10%(1.7億ADA)をαとして運用に回す
- 翌年、「αを20%に増やす」ことも可能
このようにして、受動的・単一資産型から徐々に能動的・マルチアセット型へとトレジャリー全体を進化させることができます。
戦略的メリットと統治権の強化
この構造により、カルダノは以下のことを実現可能になります。
- 他エコシステムに対する戦略的出資(株式・トークンなど)
- DeFiエコシステムへの本格的な流動性供給
- トランザクション量とTVLの実質的な拡大
- 年利5〜15%のリターン創出(リスク評価に基づく)
これはカルダノトレジャリーにとって、持続的で強力な収益源になります。
将来的に不可避となるマルチアセット化
仮に受動的な運用のままであっても、カルダノのトレジャリーはいずれマルチアセットになる運命にあります。その理由は、
- Babelフィー(Babel Fees)の実装
- Midnight(AVS機能)との統合
- Glacier Dropsなどによるトークン配布がトレジャリーに到達するケース
また、Bitcoin DeFiが普及した場合、たとえば「取引税の20%」が自動的にトレジャリーに入るといった仕組みが生まれるかもしれません。
つまり、多様な資産が自然にトレジャリーへ蓄積されていくのです。
現状の限界:管理システムが存在しない
現時点では、これらのマルチアセットを管理・運用する仕組みが存在しません。
たとえトレジャリー内の資産を売りたいと思っても、
- オンチェーンから取り出して
- 別の管理法人に渡し
- その法人が市場で売却
──というプロセスが必要になります。
しかし、前述のような構造を用いれば、これを自由かつ効率的に行うことができます。
- アセットマネージャーの数は任意に追加可能
- ガバニングボードはあらゆるロジックで選出可能
- オフショア構造を用いることで税制面でも有利
他の主要プロジェクトはすでに実施している
カルダノがまだ議論をしている間に、他のメジャープロジェクトや企業は、すでにこのようなアクティブなトレジャリー運用を日常的に行っています。
具体的には
- Ripple:XRPの大量保有と売却
- Solana Foundation
- Avalanche Foundation
- SUI、Aptos など
これらのプロジェクトは皆、トレジャリーを用いた運用戦略により「収益」を生み出しており、そこにはバイ・アンド・セル(売買)で稼ぐ専門集団の存在があります。
「BlackRockがどうやってビットコインを手に入れたと思う?MicroStrategyがどうやって買ってる?GrayscaleがどうやってADAを取得した?──全部、こういう市場のプロの仕組みだ。」
この業界はもはや「運用の仕方を知らない」などという段階ではなく、運用に失敗すれば敗北する世界に入っているのです。
「価格が下がる」という批判への反論
ホスキンソン氏はこう言います。
「もし『1億ドル分のADAを売ると価格が崩壊する』というのが本当なら、カルダノはとっくに崩壊していた。」
過去に数十億ドル規模のADA売却があったにもかかわらず、ネットワークは生き残っています。
- 特に、日本の古参ホルダー(通称「日本のクジラ」)たちは、0.2セントで買ったADAを1ドル以上で売却
- OTCデスクを通じて売却された大量のADAがあり、それでも価格は維持された
- この種の売却は、市場にとって日常的なものであり、崩壊の原因にはならない
ステーブルコインとDeFiエコシステムの未成熟
カルダノは現在、以下の課題を抱えています。
- 強力なステーブルコインエコシステムが存在しない
- → DeFiの基盤が弱い
- TVLやステーブルコイン発行量が低すぎる
- → エコシステム全体の信頼性が不足
それを変えるには、
- ADAとビットコインのパートナーシップを打ち出す
- 1億ドル規模のトレジャリー運用を実行し、利回りを生む
- 既存のDeFiアプリに戦略的投資を行い、スケール対応を支援する
これにより、「成長→収益→再投資→ADA買い戻し→価値向上」という循環が生まれるのです。
安全装置(シャットダウン)とガバナンス
この構造では、常に以下の選択肢が確保されます。
- 撤退(RIP Core):何か問題があったら、資産を売却してADAに戻し、トレジャリーに返還できる
- 明確な意思決定:ガバニングボードをカルダノのガバナンス機構で選出できる
- 分散型かつ合法的な管理構造:Wyoming DAOやMidnight財団と同様の構造を採用可能
- 市場経験のある運用担当者・監査人もすでに存在
ホスキンソン氏のフラストレーションと主張
ホスキンソン氏は、次のように強い口調で訴えています。
「私がこの業界で15年過ごし、現場のすべてを知っていて、明確な提言をしているのに、ただ”意見のひとつ”として扱われるのは非常に不条理だ。」
- 数十億ADAが売却された現場を実際に見てきた
- 日本のクジラ、OTCデスク、マーケットメイカー、交渉手数料まで熟知
- 自身の見解は「主観」ではなく「客観的知識」に基づいていると強調
「600ミリオン盗難疑惑」──信頼の決定的な断絶
「私は600ミリオンドルを盗んだとまで非難された。8年間誠実にやってきたにもかかわらずだ。」
この出来事により、ホスキンソン氏の中で何かが決定的に壊れたと語ります。
- 「私はもう人の感情を守ろうとは思わない」
- 「もう誰かに好かれようとは思っていない」
- 「ただ、業界の現実と必要なことを真摯に語る」
カルダノの成功を願っている
「私はカルダノを世界最大のプラットフォームにしたい。」
そのために、以下のように進むべきだと語ります。
- 能動的で構造化されたトレジャリー運用
- 分散型組織によるガバナンス構築
- アクティブ戦略によるエコシステムの拡張
そして、最終的にはあなた(コミュニティ)がYESかNOかを決める。
提案が採択されなければ「退く覚悟」
ホスキンソン氏はこう述べます。
「もし私の提案が支持されなければ、それは私のリーダーシップに対する信頼が失われたということ。」
- 自分が価値を提供していないなら、引退する用意がある
- 採択されて成功すれば、残って貢献し続ける
- 採択されて失敗すれば、自分のアイデアが悪かっただけの話(エゴではなく、客観的事実)
Twitterでの混乱と「被害者意識」への批判
「最近のガバナンスやTwitterでのやりとりはひどすぎる。もううんざりだ。」
- 被害者ポジションを取って感情論に走る声に、深い苛立ちを示す
- 「VCに嫌われてるから仕方ない」ではなく、数字で信頼を勝ち取るべき
カルダノのステーブルコイン市場規模やTVLの現状は、業界から真剣に扱われない水準であり、それを改善しなければならないと強く訴えます。
結論:投票によって未来を決める
「だから、近々この提案が出ます。それを見て、気に入ればYes、そうでなければNoと投票すればいい。」
- これは感情論や陰謀論ではなく、構造と戦略の問題
- 現実に立ち向かい、実行する意思があるかどうかが問われている
最後のメッセージ:それでも私は信じている
「たとえ私は壊れたとしても、私はまだカルダノを信じている。」
- 私たちには巨大な資金と技術がある
- 足りないのは「明確な構造」と「実行力」
- それを補えば、カルダノは再び前に進める
























