分散型ガバナンスの入口を支えるために──GovTool予算提案へのSIPOの「条件付き賛成」声明
2025年7月、SIPOはCardanoのガバナンスにとって極めて重要な提案──GovToolの12ヶ月開発・保守予算提案に対して、「条件付き賛成」の立場を表明します。
この決定は、Cardanoが真に分散型・民主的なガバナンスへと移行していく歴史的転換点において、GovToolが果たす役割の重要性を評価したうえでの判断です。
GovToolは分散型市民社会の“公共インフラ”である
GovToolは、すべてのADAホルダーが提案し、委任し、投票し、結果を確認する──その一連のオンチェーンガバナンス参加を可能にする開かれたインターフェースです。これは単なるアプリケーションではなく、Cardanoにおける「民主主義の公共アクセス空間」であり、技術的なフロントエンド以上の価値を持つ社会的インフラです。
SIPOは、この提案によって以下の点が実現されると期待しています:
- 開発チームによるGovToolコンソーシアムの正式形成と協調体制の強化
- オープンソース、再利用性、分散開発の原則に基づいた公共財モデルの持続
- 他の主要ツール(1694.io、budget.cardano.africaなど)との高い相互運用性の維持・拡張
Intersect新体制の始動──次の段階へ進むとき
この提案は、Intersect理事会において選挙で選ばれたメンバーが過半数に到達した初のタイミングで提出されました。これはCardanoが「市民が意思決定を担うネットワーク」へと本格的に移行し始めたことを意味しています。
SIPOはこの変化を歓迎するとともに、GovToolの継続的な支援がこの制度的転換における実行力の核になると考えます。
SIPOの賛成判断とその条件
SIPOは、GovTool予算提案の基本方針に賛同し、分散型ガバナンスの基盤整備という観点から賛成票を投じる方針です。ただし、提案の透明性と持続可能性を担保するために、以下の3つの条件を提案者および実行主体に求めます:
1. 明確なKPIとロードマップの提示
各開発ピラー(提案、委任、投票、成果、予算議論)について、定量的な進捗指標(KPI)と四半期ごとの報告義務を設定すること。
2. 6ヶ月時点での中間レビューの実施
12ヶ月予算という長期スパンに対し、6ヶ月経過時点で中間評価を実施し、後半資金の執行判断材料とする体制を確立すること。
3. インセンティブ配分の公平性と文書化
提案に含まれる ₳100,000(他ツール支援)および ₳150,000(個人貢献者向け)について、配分基準と審査フローを文書化・公開し、透明性を確保すること。
公共財をみんなで守り、育てていくために
GovToolは、誰もがCardanoの未来づくりに参加できる民主的空間への入り口です。こうした公共財は、ただ提供されるのではなく、コミュニティが合意し、資源を投入し、責任を持って支えていくものです。
SIPOはこの理念に基づき、本提案を「条件付き」で支持するとともに、今後もCardanoの分散型ガバナンスにおいて、DRepとしての責務を果たし続けてまいります。
SIPO
Delegated Representative(DRep)
Cardano Governance
























