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🗳️SIPO DRep 投票コメント:『Loan ₳5,000,000 to Expand Cardano’s Global Listings』に対して Abstain(棄権)

🧭 「Loan ₳5,000,000 to Expand Cardano’s Global Listings」提案の概要

提案名: Loan ₳5,000,000 to Expand Cardano’s Global Listings

提案者: Snek Foundation

提案種別: Treasury Withdrawal(財務省資金の引き出し)

金額: ₳5,000,000

金利: 年2.44%(ステーキング報酬2.37%+善意上乗せ0.07%)

返済期限: 5年以内(3年目から返済開始)

管理: Intersect(監査・契約執行)

助言委員会:

Tal Cohen(元Kraken CEO)、Phillip Pon(EMURGO CEO)、Fahmi Syed(Midnight Foundation代表)、Frederik Gregaard(Cardano Foundation CEO)など。

🧩 提案の核心

この提案は、SNEK財団がCardanoトレジャリーから500万ADAを借り入れ、返済義務を負う形で世界の主要取引所への上場活動を推進するというものです。

ここで重要なのは、「助成金(Grant)」ではなく「返済型ローン(Loan)」である点です。

これは、カルダノのガバナンス史上初の「ローンベースのトレジャリー引き出し」であり、公共資金を責任ある形で循環させる新しい仕組みの試みです。

🚀 目的と意義

1. SNEKの上場拡大を通じたカルダノ全体の流動性向上
  • SNEKはCardanoで最も取引量が多く、42,000以上のウォレットで保有される最大のコミュニティトークン。
  • これまでにKraken・Crypto.com・KuCoinというTier1取引所への上場を実現。
  • これらはすべて自己資金($5M超)による実績。

この提案では、さらに多くのトップティア取引所・ブローカー・DeFiプラットフォームにおける上場を目指し、Cardanoネイティブトークン(CNT)の存在感をグローバルに高める。

2. Cardanoの「発見性(discoverability)」問題の解決

現在、EthereumやSolanaのトークンは多くのCEXで自然に見つかる一方、

Cardanoネイティブトークンはまだ主要取引所での露出が極めて少ない

この結果、ADAやCardano DeFiの流動性・新規ユーザー獲得に制約が生じている。

SNEKはこの“入口トークン(gateway token)”として、

DOGE・SHIB・PEPEのように文化的なバイラル効果と市場流動性を両立する存在を目指す。

3. Cardanoトレジャリーの新しい運用モデル

これまでトレジャリーは助成金(grant)として資金を出す形式が中心だったが、

本提案は、利息付きローンとして回収するという点で革新的である。

  • 年利2.44%を5年間で複利計算。
  • 返済はSNEKエコシステムの収益(Snek.fun, Snek Energy, Snek Figuresなど)から行う。
  • 3年目の時点で監査を行い、返済進捗を確認。
  • Intersectが法的契約を締結・監督し、第三者監査を実施。

これにより、Cardano Treasuryのサステナブルな循環モデル(再利用可能な資本プール)が実証される可能性がある。

🌍 ブロックチェーン全体における位置付け

この提案は、広くWeb3ガバナンスにおける「公共金融の進化形」として注目される。

  1. DAOファイナンスの成熟段階への一歩  助成金からローンへ。DAOが公共資金を「投資・回収」するモデルの確立は、  イーサリアムやPolkadot、Cosmosでも試行段階にあるが、Cardanoは法的拘束力と監査体制を伴う形で正式に導入しようとしている。
  2. “Meme-driven liquidity strategy”の制度化  Memecoinを単なる遊びでなく、文化・流動性・採用拡大の戦略的ツールとして扱う流れは、Solana(Bonk, Dogwifhat)やBase(Brett)にも見られる。  SNEKはそのCardano版であり、この提案が通過すれば、カルダノにおけるMemecoin産業の制度的支援が始まる。
  3. 中央集権取引所(CEX)との橋渡しモデルの確立  Cardanoは長らく「CEXに弱い」チェーンと見られてきたが、  SNEK財団は過去にKraken, Kucoin, Crypto.comの上場を自力で実現しており、  今回のローンはCEX連携のナレッジを体系化・共有するプロジェクトでもある。  これはCardanoネイティブトークンの「業界標準上場ルート」を確立する布石となる。

💡 カルダノにもたらされる恩恵

項目期待される効果
流動性強化ADAペア取引の増加、CEX流動性の拡大
文化的浸透Meme文化を通じた一般層への認知拡大
CNTエコシステムのモデル化他プロジェクトも上場・収益モデルを学べる
トレジャリー資金の循環返済型ローンモデルによる再投資可能性
外部監査とガバナンス成熟Intersect・第三者監査・顧問委員会による透明性向上

つまり、「SNEKがDOGEのようにADAを牽引する」という戦略が、

制度的ガバナンスの枠組み内で公式に認められることになる。

🏛️ ガバナンス上の意義

この提案が採択されれば、Cardano Treasuryの運用方針が大きく変わる可能性がある。

従来のCatalyst的な「助成金文化」から、“公共資本ファンド(Public Capital Fund)”型の運用へと進化することを意味する。

さらに、Intersectが法的・契約的に運用を監督することで、

DAO資金に法的拘束力を持たせる新モデルが形成される。

これは、公共ガバナンス×民間金融の融合モデルとして、他ブロックチェーンのDAOにも波及し得る。

🔭 総評:Cardanoの「金融的成熟期」を告げる提案

SNEK財団のこの提案は単なるトークン上場支援ではなく、

カルダノのトレジャリーを「自己回復・循環型の公共金融システム」に進化させる実験である。

それはつまり:

  • DAOが自ら融資し、返済を受けることで公共資金を維持・増殖させる。
  • Meme文化をカルダノの経済入口として制度的に認める。
  • Intersectが「金融機関」に近い役割を果たす。

こうした動きは、ブロックチェーンガバナンスが「理念」から「持続的経済設計」へと進む象徴といえる。

リスク評価
  • 集中リスク:SNEK一極依存は、文化・価格・規制ショックの波及が大きい。→ 公募制フレーム&複線化で緩和。
  • 規制・CEX依存:上場戦略は対外要因に左右。→ 代替KPI(オンチェーン成長・ADAペア拡充)を用意。
  • 情報非対称:費目秘匿は前進を阻む可能性。→ 封印開示+監査要約でバランス。
  • モラルハザード:公共資金の“宣伝費化”。→ 市場操作禁止・KPI連動・トランシェ停止条項。

🗳️SIPO DRep 投票コメント:『Loan ₳5,000,000 to Expand Cardano’s Global Listings』に対して Abstain(棄権)

SIPOは、今回の提案に対して「Abstain(棄権)」の立場を取りました。

理由はとてもシンプルで、この提案が持つ前向きな革新性と、同時に感じる制度的なリスクの両方を慎重に見極めたいと考えたからです。

ローン型トレジャリーモデルという前進

まず、SIPOはこの提案で示された「利息付きローン型のトレジャリー活用」というアイデアを高く評価しています。

カルダノのトレジャリー資金を“助成金として使い切る”のではなく、“返済によって循環させる”という発想は、まさに次の時代のガバナンスにふさわしいと思います。

助成金モデルから一歩進んで、公共資金を持続的に回す仕組みが導入されれば、カルダノのエコシステムはより自立的で強い経済基盤を築くことができるはずです。

そうした意味で、この提案が「トレジャリーの成熟」を象徴する挑戦であることは間違いありません。

ただし、「SNEK特例化」には慎重であるべき

一方で、SIPOが棄権を選んだ理由は、この提案がSNEKという特定トークンを制度的に優遇してしまう構造を持っていることにあります。

SNEKはこれまで、カルダノを代表するコミュニティトークンとして、

・複数のTier1取引所上場(Kraken、Crypto.com、Kucoin)を実現し、

・数万人規模の保有者を持ち、

・Cardanoの知名度を広げる“象徴的存在”となってきました。

その実績は素晴らしいものですが、カルダノのトレジャリー資金が一つのMemeトークンだけを対象に融資する前例を作ることは、

将来的な公平性や透明性の観点から慎重に検討する必要があると思います。

もし「Meme文化をカルダノの経済入口として制度的に取り込む」のであれば、

それは特定トークンを恒久的に支援する形ではなく、

誰でも応募できる透明な枠組み(オープンフレーム)として設計されるべきです。

SIPOの立場

SIPOは、この提案の「方向性」自体には賛同しています。

カルダノのガバナンスが“助成金から投資型へ”、

そして“単発から循環へ”と進化していく流れを歓迎しています。

ただし、その第一歩としてSNEK単体案件が制度化されることには、一度立ち止まって考える必要があると思いました。

カルダノのトレジャリーは、特定のプロジェクトのためにあるのではなく、

エコシステム全体の公平で持続的な発展を支える“公共資本”です。

その理念を守るために、今回はあえて中立的な「Abstain」を選択しました。

今後への期待

SIPOとしては、この提案が「ローン型トレジャリーのパイロット事例」として扱われ、

実施後には返済・成果・監査のすべてが明確に報告されることを期待しています。

そして、今回の経験が他のCardanoネイティブトークンにも応用できる制度的仕組みへと発展していくことを願っています。

公平で再現性のあるモデルが整えば、カルダノ全体の成長スピードはもっと加速するはずです。

まとめ

  • ローン型の発想は素晴らしい前進。
  • ただし、SNEKのみを特例的に扱う制度化には慎重さが必要。
  • トレジャリーを「公共資本」として循環させる方向性には賛成。
  • 今回は中立の立場から「Abstain(棄権)」を選択。

SIPOは、この提案をカルダノの公共金融進化の第一歩として前向きに見守りつつ、

制度の公平性・再現性・透明性がより確立される未来を期待しています。


🗳️SIPO DRep Statement: “Loan ₳5,000,000 to Expand Cardano’s Global Listings” — Abstain

SIPO has decided to Abstain from voting on this proposal.

Our decision reflects both appreciation for its innovative spirit and caution regarding its institutional and fairness implications.

Recognizing the Progress of a Loan-Based Treasury

First, I want to say that I truly value the loan-based treasury model introduced in this proposal.

Transforming Cardano’s treasury from a one-way grant pool into a self-replenishing public fund is a major milestone in governance evolution.

If successful, this model could allow treasury capital to circulate—being invested, repaid, and reinvested—creating sustainable growth for the Cardano ecosystem.

From a governance standpoint, this represents genuine maturity and fiscal responsibility, and I fully support that direction.

Why We Must Be Careful About the “SNEK Exception”

At the same time, I believe we need to be very careful about institutionalizing a single project—in this case, SNEK.

SNEK has achieved remarkable things for Cardano:

  • Multiple Tier-1 listings (Kraken, Crypto.com, KuCoin);
  • Tens of thousands of holders;
  • And strong cultural impact inside and outside the ecosystem.

However, if the treasury begins directly financing one specific meme token, it could set a precedent that challenges fairness and neutrality within Cardano governance.

If Cardano is to formally recognize meme culture as a valid economic on-ramp, that should happen through a transparent and open framework—one that any qualified project could apply for, not just SNEK.

SIPO’s View

I support the direction of this proposal: bringing accountability, repayment, and legal structure to treasury use.

It shows Cardano evolving from “funding” to “finance.”

But as the first-ever loan-based treasury action, this case will set a precedent.

It’s important that the precedent defines a process, not a privileged project.

That’s why I decided to take a neutral stance—Abstain—rather than a direct yes or no.

This is not opposition; it’s a pause for reflection to ensure we establish the right foundation for fairness and replicability.

What I Hope to See Next

I hope this initiative will be treated as a pilot program

with transparent follow-up reporting, repayment audits, and a public review of its outcomes.

If it works, I hope to see the same loan framework extended to other Cardano-native tokens and ecosystem builders through open calls and objective criteria.

That’s how Cardano can grow both responsibly and inclusively.

Summary

  • The loan-based treasury model: a great innovation and a positive step forward.
  • The institutional focus on SNEK: needs careful consideration for fairness.
  • The direction: good, but the precedent must be set through process, not preference.
  • SIPO’s vote: Abstain

I see this proposal as a meaningful experiment in Cardano’s financial governance—

a first step toward a sustainable, transparent, and self-renewing public treasury system.

SIPO will continue to support initiatives that pursue those principles with openness and fairness at their core.

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