カルダノ創設者ホスキンソン氏、暗号メディアの「誤報」に強く反論
「カルダノユーザーを非難したことは一度もない」──真意は“エコシステム全体での議論”にあり
2025年11月、カルダノ創設者のチャールズ・ホスキンソン（Charles Hoskinson）氏が、自身の発言が一部の暗号メディアによって歪曲報道されたとして、強い口調で反論する動画を公開しました。
発端は、CryptoBasicsなど複数のメディアが「ホスキンソン氏がADAユーザーをDeFiの停滞の原因と非難した」と報じたことにあります。
■ 「一度も非難していない」──本来の発言の意図
ホスキンソン氏は動画の冒頭で、この報道を「根本的に不誠実で不正確」だと強調しました。
氏によると、自身が指摘したのは「カルダノのステーキング・ガバナンス参加者」と「DeFi参加者」との間に存在するミスマッチであり、それを問題として挙げただけであって、誰かを責めたわけではないと明言しました。
「私は誰一人としてカルダノ・エコシステム内の人を非難していません。
ステーキングとDeFiの参加者が一致していれば、TVLは50億〜100億ドル規模になっていた、という話をしただけです。」
■ 真の問題は「なぜ参加が分かれているのか」
ホスキンソン氏は、カルダノには130万人以上のステーキング参加者がいるにもかかわらず、DeFi（分散型金融）に参加しているユーザーはごく一部にとどまっていると指摘します。
一部の分析者が「カルダノの実ユーザーは1万〜5万人しかいない」と誤解しているのは、このギャップが原因だと説明しました。
そして、この乖離を「責任追及の問題ではなく、エコシステムとして解決すべき課題」として捉えています。
「私たちはユーザーも資本も持っています。
それがDeFi側で活用されていないのはなぜか。
その理由を、手数料・UX・安全性・教育など、あらゆる観点から議論すべきです。」
■ 「2026年に向けた修正と成長」──カルダノへの呼びかけ
ホスキンソン氏は、2026年に向けたカルダノ・ガバナンスのアジェンダとして、この「ミスマッチの是正」を重要課題に位置づけるべきだと述べました。
ステーキング参加者がDeFiに自然に移行できる仕組みを整えれば、カルダノのTVL（預かり資産）は50〜100億ドル規模に拡大し得るとしています。
「解決策を見つけることができれば、カルダノはTVLランキングでトップ5〜10に入るでしょう。
これこそが、私の本当のメッセージです。」
■ 暗号メディアへの苦言：「クリック狙いの歪曲報道はやめてほしい」
ホスキンソン氏はまた、今回の報道のあり方そのものにも強い不満を表明しました。
「暗号メディアは扇情的で、クリック数のために事実を歪めて報じる」と批判し、こう訴えました。
「私は慎重に言葉を選んで話した。
にもかかわらず『ユーザーを責めた』と報じるのは嘘です。
そんなメディアのあり方は健全ではありません。」
■ まとめ：課題提起としての「ミスマッチ」発言
今回の発言を整理すると、ホスキンソン氏の意図は「批判」ではなく「提案」にあります。
つまり――
カルダノの中にある“資本とユーザーの潜在力”をDeFi領域にも活かすために、エコシステム全体で議論と改善を進めようという呼びかけです。
暗号メディアの見出しが伝えたような「責任転嫁」ではなく、
むしろ「建設的な自己分析と成長の提案」だったことが、今回の動画で改めて明確になりました。
カルダノのDeFi参加率の低さは、外部からしばしば「成長の遅れ」と指摘される部分でもあります。
しかし、130万人のステーカーという圧倒的なユーザーベースを持つカルダノが、その力をDeFiに還流できれば、確かにホスキンソン氏の言うように「5〜10倍規模のTVL成長」は現実的な未来です。
この「ミスマッチ」の議論こそ、カルダノが次の進化段階──2026年の本格的なエコシステム成熟期──へ向かうための起点と言えるでしょう。
以下はチャールズ・ホスキンソン氏動画「The Crypto Media」を翻訳したものです。
チャールズ・ホスキンソン氏動画「暗号メディア」全翻訳
みなさん、こんにちは。
今日はとても短い動画を撮りたいと思います。
最近、いくつかのメディアサイトやツイートで私の発言が誤って報じられているのを見ました。
非常に不誠実な内容なので、ここで明確にしておきます。
CryptoBasics というメディアがこう書いています。
「カルダノ創設者、ADAユーザーをDeFiの低迷の原因として非難。TVLは最低でも50億から100億ドルになるはずだった」
――つまり、私が最近のポッドキャストで、カルダノのユーザーがDeFiの苦戦に寄与していると示唆した、というものです。
しかし私は、カルダノ・エコシステムの誰一人としてDeFiの問題を非難したことは一度もありません。
私はただ、「ステーキングやガバナンスに参加している人々」と「DeFiに参加している人々」との間にミスマッチ（不均衡）があると指摘しただけです。
Cryptoメディアの皆さん、あなたたちは本当にひどい。
クリックを稼ぐために誤った見出しをつけて報じるのはやめてください。
これは正しくも公平でもありませんし、私はこのようなタイトルを絶対に放置しません。
カルダノ・エコシステム内の誰かを「DeFiの現状の責任者」として非難したことは一度もありません。
私が言ったのはこうです。
「ステーキングやガバナンスに参加する人々」と「DeFiに参加する人々」との間には明確な違いがある。
もし両方に比例的な関係があり、双方に参加していれば、我々のTVLは少なくとも50億から100億ドルになっていた――と。
でも、それを「非難」だとは一度も言っていません。
「彼らのせいだ」「悪いことをした」とも言っていません。
それを私が言ったと報じるのは完全に誤りであり、事実無根です。
Cryptoメディアがそんなことを言うのは、無責任以外の何物でもありません。
さて、なぜこの話をしたかというと――
一部のデータ分析者たちが「カルダノには1万〜5万人程度しか実際のユーザーがいない」と主張しているからです。
しかし現実には、130万人がステーキングに参加しています。
130万人ものユーザーがいるのに、「1万人しかいない」と言うのは明らかにおかしい。
問題は、この130万人のうちの多くがDeFiには参加していないことです。
では、なぜそうなっているのか？
私たちエコシステム全体で議論する必要があります。
理由はスリッページ、手数料、ユーザー体験、利回り、安全性、教育など、いくらでも考えられます。
原因は15万通りあるかもしれません。
でも、その議論を私たち自身が行わなければならないのです。
ここで明確にしておきます。
私たちにはユーザーがいます。
私たちには資本があります。
でも、その資本をDeFi側（TVL側）に活用できていないのです。
私はそれを誰のせいにもしていません。
「ユーザーを非難した」と言うのは、事実にもとづかない完全な誤報です。
そんな報道をする暗号メディアは、正直言ってクズです。
私は単に、「ステーキング／ガバナンス参加者」と「DeFi参加者」との間にミスマッチがあると指摘しただけです。
カルダノには大きなユーザーベースがあり、ガバナンスやステーキングへの参加者数は非常に多い。
一方で、DeFiへの参加者は少ない。
このギャップを埋める必要があるのです。
エコシステムとして、この不均衡の原因を突き止め、2026年に向けた是正策を講じなければなりません。
人々がA（ステーキング）からB（DeFi）へと移行しやすくなる仕組みを作る――
それだけでTVLは50億から100億ドルに達する可能性があります。
私が言いたかったのはそのことです。
「カルダノの人たちが悪い」と言いたかったわけではありません。
しかし、暗号メディアの世界ではいつもこうなります。
ある人が特定の文脈で正確に言ったことが、切り取られ、誤解され、
見出しだけが独り歩きして「誰かを批判した」とされてしまう。
私はそんな風に言葉を歪められることを絶対に許しません。
カルダノのユーザーもエコシステムも、誰も非難していません。
私は言葉を慎重に選び、注意深く説明しました。
それを「非難」と報じるのは、嘘です。
暗号メディアは扇情的で、クリック狙いの見出しばかり。
でも、もう一度はっきり言います。
ステーキングやガバナンスに参加している100万人以上の人々と、DeFiに参加している人々の間にはミスマッチがあります。
私たちはその理由を突き止め、どうやって修正するかを話し合わなければなりません。
それが2026年に向けたガバナンスの課題です。
デリゲートされた資金やリソースを使って、この不均衡を正す努力をしなければなりません。
ただし――
私はカルダノのユーザーを責めていません。
彼らのせいだとも言っていません。
手数料やUXなど、さまざまな要因があるかもしれません。
それを一つずつ検証し、原因を突き止めていくことが必要なのです。
私はすでにいくつかの関係者から不満や課題を聞いています。
しかし最終的には、分散的なエコシステムとして全員で議論し、
共通の方針と計画を立て、少しずつ問題を解決していく必要があります。
もしこの課題を解決できれば、それだけでカルダノはTVLランキングのトップ5〜10に入るでしょう。
――これこそが、私の言いたかったことです。
報じられるべきなのはこの点であって、
暗号メディアのようなゴミ記事ではありません。
