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2025年、カルダノは何を終わらせ、何を始めたのか──制度・技術・ガバナンスが揃った一年を振り返る

2025年、カルダノは何を終わらせ、何を始めたのか──制度・技術・ガバナンスが揃った一年を振り返る

はじめに|2025年を振り返るということ

2025年のカルダノを振り返るとき、

まず共有しておきたい前提があります。

この一年は、「一番盛り上がった年」ではありませんでした。

むしろ逆で、派手さや熱狂とは少し距離のある、

腹をくくった年だったと言ったほうがしっくりきます。

■ 盛り上がらなかった。でも、止まらなかった

価格は確かに上下しました。

ニュースも多く、話題も途切れませんでした。

それでも、2017年や2021年のような

「全員が同じ方向を向いて熱狂する感じ」は、

最後まで戻ってきませんでした。

ですが、2025年のカルダノは、

そこで立ち止まることも、方向転換することもありませんでした。

静かに、しかし一貫して、

やるべきことをやり続けた一年だったのです。

■ 変わったのは、価格ではなく“構造”でした

2025年に本当に変わったのは、

チャートの形ではなく、中身の構造でした。

  • 完全分散型ガバナンスが実装され
  • 予算と投票が現実の責任を伴い
  • 技術は「研究」から「使われる前提」へ進み
  • 他チェーンや制度、国家との接点が具体化した

こうした変化は、短期的な価格には反映されにくいものです。

ですが一度組み上がると、後戻りができません。

2025年は、まさにその

「後戻りできないライン」を越えた年でした。

■ エポック531〜602を貫く一本のストーリー

この総集編で振り返るエポック531から602までには、

一見するとテーマの違う記事が並んでいます。

ガバナンス、技術、Midnight、Bitcoin DeFi、ETF、法制度、地方創生。

バラバラに見えるかもしれません。

ですが、一本の軸で見ると、とてもシンプルです。

それは、

「カルダノが“理想のプロジェクト”でいることをやめ、

“運営され続ける前提のインフラ”になるまでの記録」

でした。

■ もう「時間が解決してくれる段階」ではない

2025年のカルダノは、

「いつか完成する」

「将来に期待する」

という立場を、少しずつ手放していきました。

代わりに引き受けたのは、

  • 今、決めなければならないこと
  • 今、責任を持たなければならないこと
  • 今、説明しなければならないこと

です。

それは、楽な選択ではありません。

でも、その選択をしたからこそ、

Cardano は

次の段階に進むことができました。

この先の各章では、

2025年のカルダノがどこで腹をくくり、何を引き受けたのかを、

技術・ガバナンス・制度・ユースケースの視点から、

順に振り返っていきます。

それでは次に、

第1章|カルダノ2.0の幕開け──分散型ガバナンスが「現実」になった年

へと進みましょう。

第1章|カルダノ2.0の幕開け──分散型ガバナンスが「現実」になった年

2025年のカルダノを語るとき、

どうしても避けて通れないのが、分散型ガバナンスが“実装された年”だったという点です。

それは理想が語られた年でも、理念が更新された年でもありません。

実際に動かし始めてしまった年でした。

■ 「カルダノ2.0」は、アップデートではなく段階の移行だった

これまでカルダノは、

技術・研究・設計思想の面で、常に一歩先を見据えてきました。

ただし2025年を境に、その立ち位置が変わります。

カルダノ2.0とは、

新機能が増えることでも、速度が上がることでもなく、

「誰が決め、誰が責任を持つのか」が不可逆に変わった状態を指していました。

■ Plomin(Chang#2)が示した、引き返せない地点

年初に実施された Plomin(Chang#2)ハードフォークは、

技術的には通過点のひとつです。

しかし意味としては、

カルダノが完全分散型ガバナンスを“選んだ”のではなく、“引き受けた”瞬間

だったと言えるでしょう。

  • 憲法があり
  • DRepが存在し
  • 投票が機能し
  • 予算がオンチェーンで決まる

ここから先、

「決定の失敗」は、誰かのせいにはできません。

■ 分散型ガバナンスは、想像以上に“重かった”

2025年のガバナンス関連エポックを振り返ると、

印象に残るのは盛り上がりよりも、空気の変化でした。

議論は増えました。

意見の衝突もありました。

不満や戸惑いも、正直たくさんありました。

それでも、どこかにあったのは

「これはもう実験ではない」という共通認識です。

分散化は、自由の象徴ではありませんでした。

責任の分散でした。

■ 予算と投票が「現実」を連れてきた

特に象徴的だったのが、

2025年の予算プロセスと、それに伴う投票です。

ここでは、

  • 技術的に正しいか
  • 理念として美しいか

だけでは、判断できません。

  • 継続できるか
  • 説明できるか
  • 失敗したときに誰が引き受けるのか

そうした問いが、

初めて“現実の重さ”を伴って突きつけられました。

これは、

Cardano が

投資対象ではなく、運営される公共インフラへ近づいた証拠

でもあります。

■ 完成していない。でも、後戻りはしない

もちろん、

2025年時点で分散型ガバナンスが完成したわけではありません。

改善点も多く、

試行錯誤はこれからも続きます。

ただ一つ確かなのは、

「中央に戻る」という選択肢が消えたことです。

カルダノは、

不完全なままでも前に進む道を選びました。

■ 2025年は「覚悟の年」だった

振り返ってみると、

2025年のカルダノはとてもカルダノらしい一年でした。

派手な演出はなく、

短期的な評価も気にせず、

ただ淡々と、次の段階に進んだ。

分散型ガバナンスは、

ゴールではありません。

それは、

本当に社会の一部になるためのスタートラインでした。

第2章|技術は揃った──Leios・Hydra・Babel Feesが示した到達点

2025年のカルダノを技術面から振り返ると、

ひとつ、はっきり言えることがあります。

「もう足りないものを探す段階ではなくなった」

ということです。

この一年で起きたのは、

新しい夢の提示ではなく、

長年語られてきた技術が、同時に“使われる前提”に揃った瞬間でした。

■ 研究のカルダノ、という言い訳が終わった年

カルダノは長い間、

「研究が先行しているチェーン」

「設計は正しいが、まだこれから」

と言われ続けてきました。

それは事実でもあり、

同時に便利な言い訳でもありました。

ですが2025年、

Leios・Hydra・Babel Feesという三つの柱が出揃ったことで、

この言い訳は使えなくなります。

できるかどうか、ではなく、どう使うか

という段階に入ったからです。

■ Leios──スケールは“夢”ではなく“設計”になった

Leiosが示したのは、

「いつか速くなる」という話ではありませんでした。

  • セキュリティを落とさず
  • 分散性を犠牲にせず
  • ベースレイヤーの哲学を壊さず

それでもスケールできる、という

カルダノ流の現実解です。

重要なのは、

Leiosが単体の魔法ではなく、

他の仕組みと組み合わさる前提で設計されている

という点でした。

■ Hydra──スケールを“現場”に持ち込んだ存在

Hydraは、

理論を現場に下ろした存在だったと言えるでしょう。

  • DEX
  • 決済
  • 地方創生や業務用途

これまで「重くなるから難しい」とされてきた領域で、

実際に動かせることが示されました。

ここで重要なのは、

Hydraが“未来の話”ではなく、

すでに使われ始めている技術になったことです。

■ Babel Fees──UXの壁を、技術で壊した

そして2025年、

多くの人が「これは大きい」と感じたのが Babel Fees でした。

  • ADAを持っていなくても使える
  • トークンで手数料が払える
  • ユーザーにブロックチェーンを意識させない

これは単なる便利機能ではありません。

Web3が一般層に届くための、最後の摩擦を削った

という意味を持っています。

FluidTokensの事例が示したのは、

「できる」ではなく

「もう動いている」という現実でした。

■ 三つが同時に揃った、という意味

Leios、Hydra、Babel Fees。

それぞれは以前から存在していました。

ですが2025年の本質は、

これらが同時に“使われる前提”として揃った

という点にあります。

  • ベースは詰まらない
  • 現場で処理できる
  • UXが破綻しない

この三点が揃ったとき、

ブロックチェーンは初めて

社会システムの候補になります。

■ 技術の完成は、ゴールではなかった

ここで勘違いしてはいけないのは、

技術が揃った=完成、ではないということです。

むしろ逆で、

言い訳ができなくなった

という状態に近いと思います。

  • なぜ使われないのか
  • なぜ広がらないのか
  • 何が足りないのか

それを「技術が未完成だから」とは言えなくなった。

2025年は、

Cardano が

本当に“選ばれるかどうか”を問われる段階に入った年

だったのです。


第3章|InterChainとBitcoin DeFi──カルダノが“外”と本気で繋がり始めた

2025年のカルダノを語るうえで、

もう一つ大きな転換点だったのが、「外とどう向き合うか」という姿勢の変化です。

これまでカルダノは、

自前主義、あるいは“内側を固めること”に重きを置いてきました。

それは、設計思想としても正しい選択だったと思います。

ですが2025年、

そのフェーズははっきりと終わりを迎えました。

■ 「全部カルダノでやる」という発想の終わり

2025年に見えてきたのは、

「カルダノがすべてを飲み込む世界」ではありませんでした。

むしろ逆で、

カルダノが“繋ぎ役”として機能する世界です。

  • ビットコインの価値
  • 他チェーンの流動性
  • 既存金融や制度の枠組み

それらを否定するのではなく、

安全に、壊さず、組み合わせるという方向へ舵が切られました。

■ Bitcoin DeFiが動き出した理由

2025年、Bitcoin DeFiという言葉が

単なる概念ではなく、現実味を帯びて語られ始めました。

その背景にあったのは、とてもシンプルな事実です。

「ビットコインには価値がある。でも、動けない」

この巨大な“眠った価値”を、

どうやって安全に使えるようにするのか。

その問いに対して、カルダノは極めて相性の良い立ち位置にいました。

  • eUTXOによる安全性
  • スマートコントラクトの検証可能性
  • 余計な信頼を挟まない設計

Bitcoinを変えずに、

Bitcoinの価値を動かす。

この思想は、

短期的な派手さよりも、長期的な信頼を重視するカルダノらしい選択でした。

■ InterChainは「マルチチェーン」とは違う

2025年に語られたInterChain構想は、

よくある“マルチチェーン戦略”とは少し違っていました。

単に、

  • どことも繋がる
  • なんでもブリッジする

という話ではありません。

重要だったのは、

どこまでを信頼し、どこからを分離するか

を明確に設計している点でした。

繋がること自体が目的ではなく、

壊れない形で繋がることが目的だったのです。

■ Pentadと「協調するカルダノ」

この流れを象徴していたのが、

Pentad(五大機関)による協調的な動きでした。

ここでカルダノは、

「思想の正しさ」を競うのではなく、

エコシステム全体として、どこに資源を投じるか

という、極めて現実的な問いに向き合い始めます。

InterChain、オラクル、Bitcoin連携。

それらはすべて、

「外と繋がるためのコスト」を正面から引き受ける判断でした。

■ “孤高”から“基盤”へ

2025年の終わりに見えてきたカルダノの姿は、

孤高の理想主義者ではありません。

かといって、

何にでも迎合する存在でもない。

それは、

自分の原則を保ったまま、他と繋がれる基盤

という、最も難しいポジションです。

この時点で、

Cardano は

「どれだけ優れているか」よりも、

「どれだけ多くの価値を、安全に受け止められるか」

を問われる段階に入りました。

■ 外と繋がるということは、試されるということ

InterChainもBitcoin DeFiも、

完成形が見えているわけではありません。

リスクもありますし、

失敗の可能性も当然あります。

ですが2025年のカルダノは、

試される立場に自ら立つことを選んだ

という点で、これまでとは明らかに違っていました。

内にこもる時代は終わった。

そして、外と向き合う覚悟を決めた。

それが、

2025年のカルダノにおけるInterChainとBitcoin DeFiの本質だったと思います。


第4章|Midnightという“別解”──プライバシーを後付けにしなかった理由

2025年のカルダノを語るとき、

技術やガバナンスと並んで、もう一つ外せないテーマがあります。

それが Midnight です。

この存在は、

「カルダノに何かを追加した」ものではありません。

むしろ、カルダノが“やらなかったこと”を、最初から別解として切り分けた

という点に、本質があります。

■ なぜプライバシーを“本体”に入れなかったのか

多くのブロックチェーンは、

あとからプライバシーを足そうとします。

  • オプション機能として
  • レイヤー2として
  • 拡張モジュールとして

ですがカルダノは、この道を選びませんでした。

理由は単純で、

プライバシーは、後付けすると必ず設計と衝突する

と分かっていたからです。

  • 規制対応
  • 監査可能性
  • 公共インフラとしての説明責任

これらと、完全な秘匿性は、同じレイヤーでは共存しにくい。

だからこそカルダノは、

別のチェーンとしてMidnightを設計する

という選択をしました。

■ Midnightは「逃げ」ではなく「正面解」だった

プライバシーは、

いつも“グレーな領域”として扱われがちです。

だから多くのプロジェクトは、

  • 触れない
  • 曖昧にする
  • 規制と対立する

という道を選びます。

Midnightは、そのどれでもありませんでした。

  • 規制と向き合う
  • 検証可能性を捨てない
  • それでも個人のプライバシーを守る

この矛盾を、

設計で解こうとしたチェーンです。

■ Glacier DropとNIGHTが示したもの

2025年に進んだ Glacier Drop、

そして NIGHT トークンの配布と解凍プロセスは、

単なるトークンイベントではありませんでした。

そこにあったのは、

「誰に、どう配るか」という思想です。

  • 投機目的ではなく
  • 長期参加を前提に
  • ネットワークの健全性を優先する

この設計は、

カルダノ本体と同じ哲学を、

別レイヤーで再現しているようにも見えました。

■ 「全部を一つにしない」という勇気

Midnightが象徴しているのは、

万能チェーンを目指さなかった勇気です。

  • パブリックに向いた処理
  • プライバシーが必要な処理

それぞれに、

最適な居場所を用意する。

これは一見、遠回りに見えます。

ですが長期的には、

最も衝突が少なく、持続可能な設計です。

■ プライバシーは、未来のための“前提条件”

2025年時点では、

プライバシーの重要性は、

まだ多くの人にとって切実ではないかもしれません。

ですが、

  • AI
  • データ経済
  • デジタルID
  • 国家と個人の関係

これらが進むほど、

「何を隠せるか」ではなく

「どう検証しながら守るか」

が問われるようになります。

Midnightは、その問いに対する

早すぎるほど真面目な回答でした。

■ カルダノは「後で考える」を選ばなかった

2025年のカルダノは、

多くの場面で「後で何とかする」という選択をしませんでした。

ガバナンスも、

InterChainも、

そしてプライバシーも。

Midnight Network は、

その姿勢を最も端的に示す存在だったと思います。

後付けではなく、

別解として最初から用意する。

それは、

カルダノが短期の効率より、長期の整合性を選んだ

という証でもありました。


第5章|制度と国家が動いた年──ETF・法整備・地政学とカルダノ

2025年のカルダノを振り返ると、

「ついに制度の側が動き出した年だった」という実感があります。

それは、暗号資産が受け入れられた、という単純な話ではありません。

国家・制度・地政学の文脈に、カルダノが“耐える存在”として入り始めた

という変化でした。

■ ETFは「追い風」ではなく「試験紙」だった

ETFの話題は、どうしても価格や資金流入に目が行きがちです。

ですが2025年において、ETFが持つ意味はそれだけではありませんでした。

ETFとは本質的に、

  • 説明責任
  • 監査可能性
  • 継続運用への信頼

が前提になる金融商品です。

つまりETFの議論が進むということは、

「このチェーンは制度の光の下に置いても大丈夫か」

という試験にかけられている、ということでもありました。

カルダノは、

派手さではなく、設計思想と実績で

この試験に耐えうる数少ない存在だったと思います。

■ 法整備は“敵”ではなく、前提条件になった

2025年は、米国を中心に

暗号資産に関する法整備が一気に現実味を帯びた年でもありました。

ここで印象的だったのは、

カルダノ界隈がこれを

「規制リスク」としてだけ捉えていなかった点です。

むしろ、

  • どうすれば制度と共存できるか
  • どこまでをオンチェーンに残すべきか
  • 何を透明にし、何を切り分けるか

といった議論が、

かなり具体的に進みました。

これは、

Cardano が

反体制の象徴ではなく、制度に耐えるインフラ

として見られ始めた証拠でもあります。

■ 地政学の中で、暗号資産は「戦略」になった

2025年は、

暗号資産が「投資テーマ」から

国家戦略の一部として語られる場面が明確に増えました。

  • 準備資産
  • デジタルインフラ
  • 通貨主権
  • 国際決済

こうした文脈の中で、

重要になるのはスピードや流行ではありません。

  • 止まらないこと
  • 改ざんされないこと
  • 誰か一人に依存しないこと

つまり、

長期で信頼できるかどうかです。

カルダノが評価されたのは、

まさにこの点でした。

■ 「無難」ではなく「説明できる」存在へ

制度の世界では、

一番嫌われるのは「よく分からないもの」です。

その意味でカルダノは、

決して分かりやすいチェーンではありません。

ですが、

  • なぜそう設計したのか
  • どこにリスクがあり
  • どう制御しているのか

を、時間をかけて説明できる。

この“説明可能性”こそが、

2025年の制度環境では最大の強みになりました。

■ 国家と近づいたからこそ、重くなった責任

ただし、

制度や国家に近づくことは、

決して楽な道ではありません。

  • 中途半端な分散化は許されない
  • ガバナンスの失敗は即座に信頼低下につながる
  • 「実験中」という言い訳が通用しない

2025年のカルダノは、

この重さを引き受ける覚悟を見せました。

それは、

「自由な暗号資産」でいることよりも、

「長く使われる基盤」でいることを選んだ

ということでもあります。

■ 制度が動いた年は、戻れない年でもある

一度、制度の視野に入った技術は、

元の“周縁的存在”には戻れません。

2025年は、

カルダノがその地点に到達した年でした。

評価される代わりに、

厳しく見られる。

期待される代わりに、

失敗が許されにくくなる。

それでも前に進むと決めた。

それが、

制度と国家が動いた2025年における

カルダノの立ち位置だったと思います。


第6章|Project Catalystと現実のユースケース

2025年のカルダノを「現実に近づいた年」と感じさせた最大の要因は、

Project Catalystが、いよいよ“実験段階”を越え始めたことでした。

構想やアイデアは、以前から数多くありました。

ですが2025年は、それらが

実装され、運用され、評価されるフェーズに入った年

だったと思います。

■ Catalystは「夢を語る場」ではなくなった

Project Catalystは、長い間

「世界最大の分散型イノベーションファンド」

と紹介されてきました。

それ自体は間違いではありません。

ただ2025年を境に、その性格が少し変わりました。

  • どれだけ面白いか
  • どれだけ新しいか

よりも、

  • 継続できるか
  • 誰が責任を持つのか
  • 実装後に何が残るのか

が、明確に問われるようになったのです。

これは、

Project Catalyst が

資金配布の仕組みから、公共投資の仕組みへ近づいた

という変化でもありました。

■ 投票は「参加イベント」から「意思決定」へ

2025年のCatalyst投票を通じて感じたのは、

投票がもはや

「参加して楽しいイベント」ではなくなった、という点です。

どの提案に賛成するかは、

同時に

どの未来を切り捨てるか

という選択でもあります。

  • 全部は支援できない
  • 優先順位をつけなければならない
  • 判断の理由を説明する必要がある

これは、

カルダノが本当に

民主的なインフラになりつつある証拠

でもありました。

■ ユースケースは「語るもの」から「使われるもの」へ

2025年のCatalyst関連エポックを振り返ると、

印象的だったのは

「それ、本当に使われるんですか?」

という問いが、当たり前に投げかけられるようになったことです。

  • 地方創生
  • 行政DX
  • 業務システム
  • 決済・CRM

これらは、

ホワイトペーパー映えはしません。

ですが、動き始めると止まりません

カルダノのユースケースは、

派手なDeFi一辺倒ではなく、

生活圏に近いところへ降りてきた

という印象が強くなりました。

■ 「現実の制約」を引き受けたプロジェクトたち

現実のユースケースには、

必ず制約があります。

  • 法規制
  • 既存システムとの接続
  • 人的コスト
  • 運用の泥臭さ

2025年のCatalystでは、

これらを正面から引き受ける提案が

目立つようになりました。

それは、

「カルダノなら何でもできる」

という幻想を捨てた上で、

それでもやる、という決意だったと思います。

■ 成果が出るほど、評価は厳しくなる

ユースケースが現実になると、

評価は一気に厳しくなります。

  • 本当に役に立っているか
  • 続いているか
  • 想定通り動いているか

これは、

成功の証でもあり、

同時にプレッシャーでもあります。

ですが2025年のカルダノは、

このプレッシャーから逃げませんでした。

Cardano は

使われることで鍛えられる段階

に入ったのです。

■ Catalystは「カルダノの社会実験場」になった

振り返ってみると、

2025年のProject Catalystは、

  • 技術
  • ガバナンス
  • 制度
  • 現実社会

これらが交差する、

巨大な社会実験場だったと言えます。

そして重要なのは、

その実験が

机上で終わらなくなったことです。

成功も失敗も含めて、

「次に何をすべきか」を示す材料が、

確実に積み上がりました。


第7章|2026年へ──2025年は「助走」だったのか?

ここまで振り返ってくると、

自然と浮かんでくる問いがあります。

2025年は、結局「助走」だったのでしょうか?

技術が揃い、

ガバナンスが動き、

制度や国家の視野に入り、

ユースケースが現実になり始めた。

これだけ見ると、

「本番は2026年から」と言いたくなる気持ちも分かります。

ですが、少し視点を変えると、

違う答えが見えてきます。

■ 助走にしては、背負ったものが重すぎた

助走という言葉には、

どこか「まだ本気ではない」ニュアンスがあります。

ですが2025年のカルダノは、

あまりにも多くのものを引き受けました。

  • 完全分散型ガバナンスという責任
  • 技術が揃った後の“言い訳の消失”
  • 制度・国家からの視線
  • 現実社会で使われるという評価軸

これらは、

助走の段階で背負うには重すぎます。

2025年は、

すでに本番の中に入っていた一年

だったと見るほうが自然です。

■ 2026年に問われるのは「できるか」ではない

2026年に向けて、

よく語られるテーマは価格、普及、成長です。

ですが、カルダノに関して言えば、

問われる軸は少し違います。

  • 本当に使われ続けるか
  • ガバナンスは機能し続けるか
  • 外と繋がったときに壊れないか
  • 社会の一部として信頼されるか

これは、

「できるかどうか」の段階を越えた問いです。

2025年は、

その問いを投げかけられる位置まで

カルダノが進んだ年でした。

■ 「期待が壊れ、制度が定まる」地点に立った

2025年を象徴する言葉として、

「期待が壊れ、制度が定まる」

という表現がありました。

これは、失望ではありません。

  • 夢だけでは足りない
  • 熱狂だけでは続かない

という現実を受け入れた先に、

初めて安定した成長が生まれる

という段階に入った、という意味です。

2026年は、

その制度の上で、

どんな価値が積み上がるのかが問われます。

■ カルダノは、もう「説明する側」ではない

かつてカルダノは、

「なぜ自分たちは正しいのか」を

説明し続けるプロジェクトでした。

ですが2025年を経て、

その立場は変わりました。

今後は、

  • なぜ使われているのか
  • なぜ残っているのか
  • なぜ信頼されているのか

が、

結果として示されるフェーズに入ります。

Cardano は

証明する側になったのです。

■ 2025年は「準備の終わり」だった

振り返ると、

2025年はカルダノにとって

非常にカルダノらしい一年でした。

派手ではない。

遠回りに見える。

でも、一貫している。

だからこそ、

この一年で積み上がったものは重く、

簡単には崩れません。

2025年は、

「助走」ではありませんでした。

準備の終わりであり、

本番が始まった最初の年だったのだと思います。


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