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『進化するカルダノ・ベーシック』[#14]カルダノのスケーラビリティ戦略[その1]BASHO v2.0:ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック442

『進化するカルダノ・ベーシック』[#14]カルダノのスケーラビリティ戦略[その1]BASHO v2.0

シリーズ連載『進化するカルダノ・ベーシック』は、カルダノについて初心者や、既に知っているが日々進化し続けるカルダノの現在進行形について知りたい方向けに、様々な視点と角度から、カルダノの基礎知識とその未来について、最新アップデート情報を交えてお伝えする企画(不定期)です。

前回は、第13回目の記事としてカルダノの独自な進化を支える「カルダノのスマートコントラクトとは?その優位性とその可能性を探る」についてお届けしました。

今回はカルダノのスケーラビリティ戦略について深掘りしてお届けします。

スケーラビリティとは?

スケーラビリティは、ブロックチェーンネットワークが増加するトランザクションやユーザーを効果的に処理できる能力を指します。ブロックチェーン技術の世界では、スケーラビリティは常に中心的な課題であり、分散化とセキュリティに逆に影響を与えることが多いため、ほとんどすべてのブロックチェーンは、それぞれ独自のアプローチを採用してこの課題を改善しようとしています。

スケーラビリティが改善することで、何ができるようになるでしょうか?

スケーラビリティが向上すると、ブロックチェーンネットワークはより多くのトランザクションとユーザーを効率的に処理できるようになります。例えば、カルダノのブロックチェーンはスマートコントラクト・プラットフォームとしての能力を最大限に活かすことで、大規模なアプリケーションと統合プロジェクトをサポートし、ブロックチェーン技術の採用と普及を促進することができます。

それではカルダノ・ブロックチェーンのスケーラビリティについて見ていきましょう。まず主要なブロックチェーンであるビットコイン、イーサリアムにおけるスケーラビリティついてその現状から見ていき、その後カルダノのスケーラビリティ戦略について深掘りしていきます。

ビットコインのスケーラビリティ

ビットコインのスケーラビリティは、低いオンチェーンのトランザクションスループットによって制約されてきました。平均して秒間4.4トランザクション(TPS)を処理することしかできませんでした。しかし、Layer 2のソリューションであるLightning Networkの登場により、ビットコインのスケーラビリティが大幅に向上しました。最近のデータによると、Lightning Networkを介したルーティングトランザクションは1,212%の成長を記録し、オフチェーンで2.5 TPSと同等の処理能力を提供しています。これにより、ビットコインのトランザクション容量全体が拡大しました。

参考記事
Bitcoin Lightning Network Sees 1,212% Growth in Routed Transactions in Two Years, According to BTC Tech Company

この進展によって、Bitcoin MagazineはLightning Networkがビットコインのスケーラビリティの問題を解決したと主張しています。

参考記事
DATA SHOWS THAT BITCOIN’S LIGHTNING NETWORK HAS SOLVED THE SCALABILITY PROBLEM

さらに、シャーディング、ネスト型ブロックチェーン、ロールアップ(Layer 2のソリューションの一種)など、スケーラビリティのためのさまざまなソリューションが提案されており、ロールアップは既存のプロトコルの上にゼロ知識証明を利用してスケーラビリティ、効率性、セキュリティを向上させることができます。

参考記事
Bitcoin Scalability: Challenges and Solutions
Bitcoin Scalability: Validity Rollups Will Make Transactions 100x Faster Claims Researcher

イーサリアムのスケーラビリティ

イーサリアムはスケーラビリティの課題に積極的に取り組んでおり、ロールアップなどのLayer 2のソリューションを活用して、重要な「Merge」イベント後にトランザクションの速度とスループットを向上させています。このイベントではイーサリアムがプルーフ・オブ・ステークの合意形成メカニズムに移行しました。

参考記事
After The Merge, Ethereum Looks To Rollups – And Bigger Challenges Ahead
Ethereum in 2023: Here’s What to Look Forward To

特筆すべきアップグレードの1つは、EthereumのLayer 2スケーリングシステムであるOptimismの展開です。Optimismはトランザクション手数料を減少させ、トランザクション速度を向上させることが予想されています。

参考記事
Upcoming Upgrades That Will Shape the Ethereum Ecosystem

Ethereum 2.0は、スケーラブルなブロックチェーンを実現するためのもう一つの大きな進展であり、スケーラビリティと持続可能性の課題を改善するためのものです。

参考記事
Ethereum 2.0 The Evolution of a Blockchain Giant: Scalability And Sustainability

目標は、分散化やセキュリティを損なうことなく、トランザクションの速度とスループットを向上させることです。

参考記事
SCALING

ブロックチェーンのスケーラビリティは微妙な課題であり、ビットコイン、イーサリアム、カルダノの各ブロックチェーンは、ユニークながら時折重なる戦略を用いてそれに取り組んでいます。Lightning NetworkなどのLayer 2のソリューション、さらにはLayer 2のロールアップがこれらの取り組みの中心となっており、分散化とセキュリティの基本原則を犠牲にすることなく、スケーラビリティを実現するための業界の持続的なイノベーションを示しています。

それではこの記事の本題であるカルダノのスケーラビリティ戦略について見ていきます。

カルダノのスケーラビリティ戦略: 未来へのブリッジ

BASHO:カルダノのスケーリング

現在カルダノのロードマップは5つのうちの最後のフェーズであるBASHO:スケーリング、VOLTAIRE:ガバナンスが同時進行しており、2024年中(早ければ前半)にはカルダノ・プロトコルはバージョン1.0が完成し、次の新しい時代の扉を開くことになります。

その中でBASHO期は、ネットワークの最適化、スケーラビリティ、相互運用性に焦点を当てています。2022年の9月のVasilハードフォークで、BASHO v1.0が導入され、今後のスケーラビリティを改善する基盤が構築されました。

そして現在2023年はBASHO v2.0(Vasilアップグレード以降のBASHOフェーズ)の開発と導入が進んでいます。

現在のBASHO v2.0期間では、カルダノの開発会社であるIOGは新しいレイヤー1およびレイヤー2のソリューションを継続的に展開することで、カルダノ台帳の容量とスループットを着実に向上させることを目指しています。これらのソリューションには、ブロックサイズの拡大、オンチェーンストレージ、拡散パイプライン、Plutusメモリ、速度強化などのオンチェーンの改善や、コストモデルの改善などが含まれます。

現在進行形および今後予定されているBASHO v2.0は、主に次のアップグレードと開発が予定されています。

  • レイヤー1最適化
  • Plutus v3.0
  • サイドチェーン
  • Hydra(レイヤー2)
  • Mithril(サイドチェーン)
  • Midnight(サイドチェーン)
  • Input endorsers

これらのアップグレードは、単体でのアップグレードではなく、相互に関連し合いながら2023年、2024年を通して続く予定であり、カルダノ創設者のチャールズホスキンソン氏は、今後のBASHO v2.0におけるスケーラビリティ戦略について次のように述べています。

MithrilとHydraがありますが、これらは相互につながっていて、多数から1つへと変化しています。そして、インプットエンドーサー、これはビッグダディと呼ばれるようなものです。インプットエンドーサーは、基本的に、私たちはこの並列アーキテクチャで行くつもりです。

私たちが長い間考えてきたパラレル・チェーンについてやその他の論文を書きました。このような素晴らしいアイデアがあり、それらをどう組み合わせたらいいのかがようやくわかってきました。より分散化され、ネットワークの停滞を防げるので、素晴らしいことです。

このようなシステムを利用すれば、分散性を犠牲にすることなくスピードを手に入れ、リアルタイムの連続計算ができるようになります。スクリプトの実行時間が0.25%から連続的な実行時間になるわけですから、Ouroboros(ウロボロス)は言い換えればスラムダンクで、そのように設計されてきました。他のすべてがおもちゃのように見えてきます。

ホスキンソン氏はこれらの進化を組み合わせると、カルダノはSolanaを含む上位15位までの暗号通貨に対抗するのに十分な性能を持つことになると述べており、この進化と他のオープンソース・プログラムの組み合わせは、基本的にカルダノが今後5年から10年にわたり使用することができるとしています。

さらに、Ouroboros Leios( ウロボロス・レイオス)についても言及しており、VOLTAIREフェーズにおいてCIPsを発表し、その実装についてコミュニティで大きな議論をする予定とのことです。

これらのBasho v2.0アップグレード群は、Voltaireとの絡みの中で進められ、BashoがVoltaireに提供する機能を使って導入が促進されていきます。

例えば、Mithril上で動作する特殊なアプリケーションや、Hydraヘッド・プロトコルの特殊なケースなどです。オフチェーンでの投票をカタリストに置き換えて、オンチェーンでヴォルテールに導入するような例です。

というのも、これらはすべてに関わっていて、IOが提供できる範囲を超えているからです。つまり、Voltaireが必要であり、インプットエンドーサーの最終デザインを承認する必要があります。

参考記事

カルダノのスケーラビリティ戦略

スケーラビリティは、ブロックチェーン・テクノロジーの成熟と広範な採用において、中心的な課題となっていますが、カルダノはこの課題に対して革新的かつ実用的なアプローチを採用し、分散化、セキュリティ、そして効率的なネットワーク性能をバランス良く保ちながら、スケーラビリティを実現しています。

カルダノのスケーラビリティへのアプローチには、さまざまな取り組みが含まれており、サイドチェーン、Hydra(Layer 2のスケーリングソリューション)、パイプライニング、オフチェーン計算などがカルダノの2023年、および2024年のスケーラビリティ計画において重要な役割を果たしています。

主なスケーラビリティ戦略は、下記のように大きく二つのエリアでアップグレードが行われています。

  • レイヤー1のソリューション:メインチェーンのプロトコルに直接適用されるアップグレード。
  • レイヤー2ソリューション:メインチェーンのパフォーマンスを向上させる追加チェーン(サイドチェーン)またはレイヤー2ソリューション(ZKロールアップ)。

スケーラビリティの向上により、カルダノは大規模なアプリケーションと統合プロジェクトを効率的にサポートすることが可能となり、ブロックチェーン技術の採用と普及を促進します。

カルダノのスケーラビリティ戦略は、ブロックチェーン技術の未来を形作る重要なステップを示しています。カルダノは、革新的な技術と実用的なソリューションを組み合わせることで、スケーラビリティの課題に対処し、ブロックチェーンの広範な採用を促進する道を切り開いています。

次回からは、スケーラビリティの各戦略について特集していく予定です。どうぞお楽しみに!

参考記事

これまでの記事「シリーズ連載:進化するカルダノ・ベーシック」はこちらをご覧ください。

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