[CARDANO SUMMIT 2023 in ドバイ]カルダノの明るい未来を切り開く三つの柱と大注目の新発表
CARDANO SUMMIT 2023で焦点となった三つの柱
カルダノ最大級のイベント「CARDANO SUMMIT 2023が日本時間2023年11月2日(木)から3日間にわたってドバイ(DubaiのNetworking Soirée)で開催されました。
今回はCARDANO SUMMIT 2023から見えたカルダノの現在・過去・未来、新しい発表など、楽しみな情報盛りだくさんでお届けします。
今回のサミットでは171人のスピーカーが参加し、合計84本のアジェンダが話し合われ、キーノート、プレゼンテーション、パネルディスカッション、ワークショップなど、カルダノの採用に向け内容の濃いイベントとなりました。
サミットではカルダノが技術的にも世界最高峰のプラットフォームとしての完成に近づいていることを窺わせる内容があらゆるところに散りばめられていました。これらを俯瞰すれば、いかにカルダノが唯一無二で、暗号業界で独自性と卓越したプラットフォームに成長しているかを確認でき、ADAホルダーにも嬉しい新発表とカルダノの2024年に向けた展開と合わせて、とてもエキサイティングで充実した内容が提供されています。
市場もこれに反応しサミット開催中には、カルダノADAは、今年7月23日以来の高値を更新し、ADA/USD:0.33ドル、ADA/JPY:49.51円を記録しています。
またその後(執筆時点:11月6日午前7時)では、ADAは0.351ドル(52.18円)まで上昇、日足の200日線を超えて推移しており、今後一気に0.4ドルから0.42ドル(60円台)を狙う展開を見せています。
今回のCARDANO SUMMIT 2023 in ドバイでは、スケーリング、ガバナンス、相互運用性の3つの柱に焦点が当てられていました。
具体的には、Hydra、BLS、Input Endorsers、Fast finality、1694、Intersect、Institutions、Self-amendment、Sidechains、NiPoPoWs papers、Mamba、IELE、KEVM experiments、CASL asset settlement layer、CSLs for service layers、およびPartner Chainsなど、カルダノのさまざまな技術的な進歩についても議論されました。
このほかにもCARDANO SUMMIT 2023では、暗号市場、ブロックチェーン業界、暗号を取り巻く環境、様々な社会的課題、カルダノの熱い現在と過去、未来が詰まった情報について、多くのキーノート、パネルディスカッション、プレゼンテーションが披露されました。
下記のリンクではカルダノ財団がYoutubeにアップロードした動画が37本あり、その要約をアップしましたので、暗号とブロックチェーン、カルダノの今を学びたい方は、とても参考になりますので、ぜひご覧ください。
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https://sipo.tokyo/?cat=145
Battle of the Buildersの優勝者が発表
1日目の祝賀パーティではBattle of the Buildersの優勝者が発表され、CV LabsとOfficial Geniusxがコンテストの優勝者に選ばれています。
CV Labsは、ブロックチェーンに特化したベンチャーキャピタルであるCV VCの国際的なエコシステムビルダーで、第四次産業革命の推進者として、働き方、生活、相互作用、取引の方法を変える役割を担っています。彼らはCVサミットでのネットワーキングの機会を提供し、ザグ(Zug)、ファドゥーツ(Vaduz)、リスボン、ケープタウンにある共同作業スペースでオフィス設立や居住地設定のサービスを提供しています。さらに、CV Labsにはスタートアップ企業をサポートするための10週間の集中アクセラレータプログラムがあり、創設者やメンターの専門知識を提供しています。
CV Labsの公式サイト:https://cvlabs.com
Genius Xはスタートアップや成長企業を加速させるプラットフォームとして自らを位置づけており、成功に必要な多くのツールを提供しています。スタートアップは、資金調達戦略、製品開発戦略、マーケティング、法人設立、業界専門家による1対1のコンサルテーションなどのコンサルティングサービスを利用できます。また、Geniusエコシステムへの統合や、ローンチパッドサービスも提供しています。
Genius Xの公式サイト:https://genius-x.co
チャールズ・ホスキンソン氏の基調講演「カルダノ:過去、現在、未来」
2日目はカルダノ創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏が基調講演「カルダノ:過去、現在、未来」カルダノの進捗とビジョンを概説し、カルダノが辿ってきた道と今後の展望について掘り下げています。
ホスキンソン氏は、カルダノのアプローチは、以下の三つの主要な原則に中心を置いているとし、カルダノの技術的な基盤に加えて、カルダノのビルダーとクリエイターからなるコミュニティが独自性を持ち、それがVoltaire時代に向けて前進する原動力となっていると強調しました。
三つの柱は下記の通りです。
- スケーラビリティ: Hydra、BLS、Input Endorsers、Fast finalityなど
カルダノは、Hydra、Mithrilプロジェクトなどの技術を導入してスケーラビリティを向上させ、ロールアップやゼロ知識証明などの高度な機能を可能にする新しい暗号プリミティブなどを追加しています。 - ガバナンスと持続可能性: 1694、Intersect、Institutions、Self-amendmentなど
オンチェーンのガバナンスに向けた取り組みが行われており、憲法委員会、ステークプールオペレーター、さまざまなガバナンスアクションからなる三者のガバナンスモデルでの進展があります。課題はありますが、システムは概念から現実に移行しており、ガバナンスモデルのテストと改善のためのさまざまなプログラムが進行中です。 - 相互運用性: SidechainsおよびNiPoPoWs papers、Mamba、IELE、およびKEVM experimentsなど
強固なサイドチェーンエコシステムの構築、業界からの学び、カルダノパートナーチェーンフレームワークなどのフレームワークとの統合に焦点を当てています。このフレームワークは、さまざまなコンセンサスメカニズムの選択の自由を提供し、多様なニーズに応えるカスタマイズ可能なブロックチェーン体験を実現することを目指しています。
ホスキンソン氏は上記のスケーラビリティ、ガバナンス、相互運用性に焦点を当てたカルダノの野心的な今後のロードマップを紹介し、カルダノが進化し続けるブロックチェーンの世界での適応性と持続性を確保することを目指していると述べています。
スケーラビリティ:Ouroborosの高い先見の明
まず、スケーラビリティを見ると、Hydra、Mithrilがメインネットに到達し、Hydraは素晴らしいミドルウェアで、重要なすべてのdApp(分散型アプリ)でスケールできると自信をのぞかせました。
また、Plutus v3では、BLSをサポートし、15以上の暗号プリミティブが追加され、ロールアップやゼロ知識証明を使えるようになると述べています。
インプットエンドーサーの研究も進んでおりこれが次の5~10年を賭けるべきものだと判断したと述べ、これが必要な場所に導くだろうとし新たなスケーリングの時代の主役となることを仄めかしています。
また、Ouroborosはその先見の明が高すぎて、人々は今になってその魔法と力に気づき始めたと述べました。Ouroborosは流動的で非管理型のステーキング、スラッシングやロッキングのない仕組みは、将来のアップグレードを見据えて設計されており、スケールは達成できるし、それはみんなで達成するだろうと自信を見せました。
ガバナンスと持続可能性
今年はCIP-1694で大きな進歩があったとし、Intersctが設立され、SanchoNetが稼働しカルダノのオンチェーンガバナンス・システムを通して、2024年はこれらを稼働させガバナンスを機能させる年となるだろうと述べました。
相互運用性:インターオペラビリティを促進するパートナーチェーンの発表
今回はカルダノの相互運用性(インターオペラビリティ)について、いくつかの重要な発表がありました。
IOGは、カルダノのコアの強みと新しいテクノロジーを活用して、パートナーチェーンを構築するためのフレームワークを発表しました。パートナーチェーンは、モジュラーなブロックチェーン技術とカルダノのセキュリティ、流動性、信頼性を組み合わせ、新しいブロックチェーンの立ち上げと運用を革新します。
IOGは、Parity TechnologiesのSubstrateスタックを活用し、パートナーチェーンのための組み合わせ可能なコンポーネントを提供しています。このフレームワークは、相互運用性とスケーラビリティを実現し、カルダノのビジョンを継承しています。
このパートナーチェーンは、既存のモジュラーブロックチェーンソリューションの重要な問題である、相互運用性、セキュリティ、トークノミクス、ロックインを解決するとしています。
また、パートナーチェーンにより、カルダノは究極の決済レイヤーとなり、セキュリティはカルダノのSPOによって提供され、Minotaurのマルチリソースコンセンサスプロトコルにより、他のブロックチェーンエコシステムのバリデータが貢献することができます。
さらに、Babel feesは、新しいネットワークのトークノミクスの問題を解決し、SPOがADAで報酬を受け取ることができるようにします。
このようにパートナーチェーンは、トラストレスブリッジにより、パートナーチェーンをカルダノとその先に接続し、リスクのない相互運用性を実現するとしています。
参考記事:
今回IOGが発表したPartnerChains:パートナーチェーンは、マルチリソースコンセンサスと多様な収益ストリームを通じて、暗号通貨の世界に革命をもたらす画期的なプロジェクトになります。
これについて。IOGのCTOであるRomain Pellerin氏(@rom1_pellerin)が、今回発表されたPartnerChains:パートナーチェーン・プロジェクトが、暗号通貨の世界を再定義する画期的な存在であるその理由を、インセンティブと相互運用性、ネットワーク効果の視点から解説をツィートしていますのでそれをご紹介します。
以下はその翻訳です。
Incentives:インセンティブ
パートナーチェーンを考えてみましょう。ブロック生成の28%がBFTノードに割り当てられ、24%がCardanoのステークプールに、24%がEthereumのステークプールに、そして24%がBitcoinのマイナーに割り当てられる、といったマルチリソースコンセンサスの構成です。このモデルにより、収益の多様化(ブロック報酬とその他のサービス料)が実現され、ノードオペレーターとその委任者の持続可能性が強化されます。基本的に、パートナーチェーンは収益をさまざまなエコシステムに送り込み、それらからセキュリティを借りています。
Interoperability:相互運用性
複数のエコシステムが参加することで、パートナーチェーンは安全な相互運用性レイヤーに変身します。各バリデータは分散型オラクルと信頼できるブリッジとして機能し、パートナーチェーンと自身のエコシステムの間で証明を運び、認証します。これにより、価値と情報のシームレスな交換が促進されます。
NetworkEffect:ネットワーク効果
堅牢なコミュニティのバックアップを持つ新しいエコシステムの立ち上げは難しいものです。他のコミュニティとの協力により、パートナーチェーンエコシステムの成長を加速させることができます。まるでdAppsが自身が運営するブロックチェーンプラットフォームを通じてコミュニティを拡大するように、パートナーチェーンは相互成長の環境を可能にします。
まとめると、
PartnerChains:パートナーチェーンは、強化された相互運用性、インセンティブ付与された参加、急速なエコシステムの成長をもたらし、暗号通貨業界を新たな領域に推進します。
これによりカルダノが当初から計画していたカルダノ・プロトコル1.0が完成し、第三世代のブロックチェーンとしての地位を確立し、第四世代のブロックチェーンとしての能力を内包した唯一無二の存在となるでしょう。
カルダノにおける相互運用性の進むべき方向
カルダノにおける相互運用性の進むべき方向としてホスキンソン氏は、相互運用性とは、賢くてスマートにブロックチェーン構築フレームワークを持つことだとのべ、従来はカルダノをカルダノ決済層と呼んだが、今はCASL:カルダノ資産決済層と呼ぶことにし、制御・計算層はCSL、カルダノサービス層と呼ぼうと述べています。これはカルダノ・プロトコルをさらに拡張しアップグレードするものですね。
- CASL asset settlement layer #mainnet
- サービスレイヤー向けのCSLs
そしてこのCSLs層におけるパートナチェーン:PartnerChains (CPF)を次のように紹介しました。
- 真のセキュアな相互運用性のためのMinotaur multi-resources consensus (PoW、PoS、およびその他のコンセンサスメカニズム)
- ベースフレームワークとしてのParity Substrate
- ネイティブアセットのためのBabel手数料
- Midnightは、データ/メタデータの保護のためにシールドとアンシールドの台帳を持つ、第4世代のブロックチェーンであり、デュアルトークノミクス、TypeScript、Visual Studioの開発者体験を提供するカルダノのパートナーチェーンです。ADA保有者はDUSTトークンを受け取ります。MidnightDevnetは11月13日に開催されます。
ホスキンソン氏はこの基調講演で、「カルダノ+このフレームワークは、1990年代のAppleとMicrosoftのように100%のシェアを握る」と述べ次のように続けています。
eUTxO対EVMの対立はなくなり、これが真の相互運用性だ。業界は許容するだろう。
Midnightはパートナーチェーンの一つであり、かつ第4世代ブロックチェーンネットワーク
ホスキンソン氏はMidnightは最初のパートナーチェーンの一つであるとし、Midnightは進化しさらに相互運用性が増し、Midnightはゲーム、IoT、サプライチェーンなど、多くの分野でこのフレームワークが活用されるだろうと述べました。 最も興味深いのはMidnightは第4世代ブロックチェーンネットワークだと述べ、次のように説明しました。
Midnightは第4世代ブロックチェーンネットワークだ。データ保護に焦点を合わせている。ゼロ知識技術でデータとメタデータを保護する。シールド済み帳簿に機密情報を載せられ、シールドされていない帳簿に公開情報を載せられる。私的かつ公的な情報を混在させ、選択的開示が可能になる。メタデータも保護する。トークン取引のプライバシーを保護する。
流動性のため、シールドされていない第2のトークンも用意した。ハイブリッド設計とデュアルトークノミクスにより、規制要件を満たしながら、最高の両方の特徴を備える。素晴らしいブロックチェーンでも十分ではない。エンタープライズが採用しやすいよう、SLAの保証、コスト予測可能性、ガスステーションの改善を行った。
開発者にも優しい。TypeScriptベースのスマートコントラクト言語を採用。Midnightはカルダノのトナーチェーンになりたい。ウィンウィンの関係が必要だ。エコシステムを活用し、分散化を加速したい。
収益源とインセンティブをSPOsと取引所に提供する。開発者にユースケースと資金を提供し、相互運用性を高める。ADA保有者にはエアドロップをする。
ADA保有者には(DUSTトークン)がエアドロップ
11月13日に開催されるMidnightDevnetでは、シールドとアンシールドの台帳、デュアルトークノミクス、TypeScript、Visual Studioの開発者体験、およびADAトークンの配布が紹介されるようです。
ここで大注目なのはADAホルダーには(DUSTトークン)がエアドロップされるという情報で、ADAコミュニティには大変嬉しいニュースです。ぜひこのニュースを知らない人にも教えてあげて下さいね!
ヘーゲル的な総合の先にあるカルダノには明るい未来が待っている
ホスキンソン氏はスピーチの最後に次のように述べて締めくくりました。
カルダノはヘーゲル的な総合が必要だったし、最もヘーゲル的な製品の一つだ。パブリックとプライベート、UTXOとアカウントベースを兼ね備える。複数のコンセンサスプロトコルを持つ第4世代技術であり、最も信頼できるブロックチェーンをバックボーンとします。
同時に新しい暗号を使い、古い暗号も併用する。5年の成果を一つにまとめ上げられたことは魔法のようです。明るい未来が待っていることは確かです。第3世代の相互運用性、ガバナンス、スケーラビリティを実現しました。第4世代では、すべてのサービスを取り込み、分散化と不滅を確保するでしょう。
ヘーゲル的な総合(Hegelian synthesis)は、ドイツの哲学者ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルの弁証法に由来する概念です。ヘーゲルの弁証法では、ある概念(テーゼ)が登場し、それに対立する概念(アンチテーゼ)が生じ、この両者が対立・衝突することで、より高いレベルの真理を含んだ新たな概念(シンテーゼ)が生まれるとされます。
ホスキンソン氏がカルダノを「ヘーゲル的な総合」と表現する際には、この哲学的プロセスを暗示していると考えられます。すなわち、カルダノは既存のブロックチェーン技術(テーゼ)とその限界や問題点(アンチテーゼ)を融合し、これらを超越した新しいソリューション(シンテーゼ)を提供するということを意味しているのでしょう。
カルダノがパブリックとプライベートの特性、UTXO(Unspent Transaction Output)モデルとアカウントベースモデル、さまざまなコンセンサスプロトコルを統合していることを指摘しており、これらの異なる技術や理念を高度に統合して新しい価値を創出しているとホスキンソンは述べています。また、新旧の暗号技術を包括することで、セキュリティと機能性の向上を図り、分散化された不変性を確保することを目指しているとも解釈できます。
そのほかのサミット開催中の注目発表
IOGが製品ファミリーにNamiウォレットを新たな仲間を迎える
IOGは、NamiウォレットをIOGの製品ファミリーに追加することを発表しました。Namiは、Alessandro Konrad氏によって作成された非保管型ウォレットプラットフォームであり、カルダノ・コミュニティ内で使いやすい機能が評価されています。
IOGは、Namiの機能をより広範な製品戦略と調和させる計画を立てており、現在のユーザーにはウォレットの機能を引き続き利用できることを保証しています。Alessandro Konrad氏は、NamiがIOGの指導の下で新たなホームを見つけたことに満足しており、その成長には彼らのリソースと専門知識が重要なサポートとなっていると述べています。
Nami公式サイト:https://namiwallet.io
公式Xアカウント:https://twitter.com/NamiWallet
EMURGO、MatrixportのCactus Custody™と提携し、機関向けのグレードの高いカストディ・ソリューションを提供
EMURGOは、MatrixportのCactus Custody™と提携し、Cardanoネイティブアセットの規制対応機関向けカストディ・ソリューションを提供することを発表しました。このEMURGOとのパートナーシップにより、Cactus Custody™はCardanoのネイティブアセットの安全なカストディアンサービスを提供し、ダイナミックなWeb3領域でのイノベーションに対する取り組みを推進します。
これについてEMURGO CEOのKen Kodama氏は、ADAの規制に対応したカストディソリューションを提供することで金融領域やエンタープライズでのユースケースを促進するとコメントしています。
IOG Catalystチームは、総資金規模が₳50mのProject Catalyst Fund11を発表
IOG Catalystチームは、総資金規模が₳50mのFund11を発表しました。
Fund11は、11月15日17:00 UTCに予定されているProject Catalystタウンホールで始まり、11月16日11:00 UTCに提案の受付が開始され、12月12日に締め切られます。
Fund11には、ブロックチェーンアプリケーションとユースケースに焦点を当てた新しい資金提供カテゴリ、資格基準の更新などが含まれています。
提案のカテゴリは、Cardanoのユースケース、Cardanoオープン、Catalystシステムの改善に分かれています。参加者は、ファンドされたプロジェクトのオンボーディングやコミュニティレビュアーなどのサービスに対する追加の報酬の機会も期待することができます。
参加するには、Catalystコラボレーションプラットフォームでアカウントを作成し、メーリングリスト、Discord、Telegramのコミュニティに参加してください。
カルダノ・ブロックチェーン上でのUSDMステーブルコインが12月19日にリリース予定
CARDANO SUMMIT 2023:基調講演『Cardanoの未来を支える:$USDMステーブルコインが無限の可能性を生み出す』では、カルダノ・ブロックチェーン上でのUSDMステーブルコインの発売について詳細な情報が発表されています。
今回発表された内容は下記の通りです。
- USDMの導入:Mien InnovationsチームのJillianが紹介した、Cardanoベースの法定通貨に裏付けられたステーブルコインです。USDMは米ドルと1:1のペッグとなり、法定通貨とブロックチェーン技術の橋渡しを提供します。
- ローンチ日:USDMのCardanoメインネットでのローンチは12月19日を目指しており、初めは13の州で利用できるようになります。Cardanoブロックチェーン上でのUSDMの直接発行が可能となります。
- 用途:USDMのリモートワーカーへの支払いにおける実用性やCardanoの採用促進上の重要性が示されました。Drip DropsによるMain Streetベンチャーの例が挙げられており、これは小売り事業の支払いをCardanoと統合し、実質的に現金レジを暗号通貨ウォレットに変えることを目指しています。
- DeFiとエコシステムの成長:USDMはCardano上の分散型金融の成長にとって重要であり、ADAの価格の変動を考慮すると特にそうです。USDMはノードオペレーターやクリエイター、サービスプロバイダーなど、さまざまなCardanoプロジェクトと参加者のリスクを軽減すると主張されています。
- 所有権とガバナンス:Mien Innovationsは、USDMの背後にある会社への投資を民主化するための規制CFキャンペーンを発表し、コミュニティの所有権とガバナンス権を提供します。これらの株式を法的にトークナイズ可能にすることを目指しており、wefunder.comを通じて投資を募集しています。
- 大局観:このステーブルコインは、ビジネスや個人に安定かつスケーラブルな支払い手段を提供することによって、Cardanoの採用を促進するための戦略の一環です。これは現行の金融システムからより分散化された未来への移行を支援する役割を果たします。
USDMはCardanoのエコシステムにおいて重要なツールと位置づけられており、安定性、採用、およびブロックチェーン技術の実用性の向上に寄与する可能性があります。
2024年とその先に向けてのクロージング・キーノート
CARDANO SUMMIT 2023 クロージング・キーノート「Looking Ahead to 2024 and Beyond:2024年とその先に向けてのクロージング・キーノート」では、JJ Syler氏とチャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏が2024年に向けたカルダノ・エコシステムの将来について議論しました。
ホスキンソン氏は、サミットの持続的な改善について言及し、カルダノ財団が前夜のデザートパーティを含むイベントの成功した組織を強調しました。チーム内の病気の問題もありましたが、サミットへのコミットメントは明確でした。
2024年を見据えて、ホスキンソン氏はエコシステムの大幅な成長を予測し、スケーラビリティの改善、Plutus言語の進化、Hydraのオープンソースプロジェクトとしての影響を挙げました。ホスキンソン氏は、カルダノのGitHubへの独立した企業の貢献の増加を指摘し、多様な開発の取り組みが示されたことを強調しました。
議論はカルダノのガバナンスフレームワークの開発に移り、ガバナンステストのためのSanchoNetworkへのコミュニティの関与を重視しました。彼らは、自己修正システムが損害を引き起こさないようにするための基準を確立することの重要性、紛争解決と財産権を通じたデジタルエンティティの法的承認に向けた進展を指摘しました。
2024年の重要な側面は、コミュニティの関与と意思決定を促進することであり、カルダノのトレジャリーからのエコシステムの成長とリソース配分における予算編成が特に重要です。ホスキンソン氏は、予算編成を通じて優先事項を設定することの重要性を強調し、年次プロセスを形成する可能性があると述べました。
一般向けの製品であるLaceは、より広範なユーザーに対して安全で使いやすい体験を提供するために重要視されました。Atala Prismなどのアイデンティティソリューションとの統合により、ウォレットの利便性、セキュリティ、回復オプションの革新が期待されています。Laceはまた、カルダノを他のブロックチェーンと結びつけることで、トラフィックとユーザーの採用を増やすことを目指しています。
議論は、エチオピアにおける教育資格の取引や、カルダノをWeb3金融サービスに利用する際の課題と可能性など、実世界の応用についての示唆を終えました。
さらに、Hyperledgerなどの企業システムとの相互運用性の戦略的重要性や、エコシステム内の将来のビジネスモデルに不可欠なIOGによる安定トークンの開発に触れました。ホスキンソン氏は、2024年までに誠実さと価値志向の安定メカニズムを持つ新しい安定トークン会社に期待を寄せて締めくくりました。
以下はクロージング・キーノートの要約です。
- カルダノサミットはドバイで大成功を収めました。チャールズ・ホスキンソン氏はカルダノ財団を称賛し、素晴らしいイベントの開催を手配したことを認めています。
- 2024年を見据えると、Hydra、Mithril、Ouroborosなどのスケーラビリティの改善について非常に期待が持てます。カルダノのロードマップとプロトコルの進化は非常に強力です。
- CIPプロセスを通じたコミュニティの参加は大きな成果を上げており、ガバナンス(CIP-1694)についての50以上のワークショップが世界中で開催されました。
- ガバナンスは2024年の重要な焦点となります。コミュニティの予算設定、Catalyst以外のトレジャーアクセスの改善、監査/監視の確立、カルダノの法的性格の創設などのトピックが重要です。
- Laceウォレットの開発は、エンドユーザーエクスペリエンス、安全性、回復オプションに重点を置いており、最終的にはマルチチェーン/アセットのサポートも目指しています。
- IOGはHyperledgerなどのオープンソースプロジェクトによるエンタープライズの相互運用性の向上に積極的に関与しています。
- アフリカのRealFiは、銀行口座を持たない者に対してローン、マイクロローン、ステーブルコインなどを提供するために活動しています。
- IOGはRealFiやStablecoin Co.などの企業を分割して、リーダーに特定のイニシアチブを推進する権限を与えています。
- コミュニティは、カルダノのガバナンスをプロトコル層を超えて考え、デジタルと既存の法的システムを統合する方法について考え始めるべきです。
全翻訳は下記のリンクにあります。
まとめ
カルダノサミット2023は、カルダノプロトコルとその周辺のエコシステムが今後数年間でどのような進化を遂げるのか、多くの示唆に富んだ内容が示されました。
ホスキンソン氏の基調講演では、スケーラビリティ、ガバナンス、相互運用性の3つが今後のカルダノの成長における重要な柱として強調されました。HydraやIELE、KEVMなどの技術が注目され、2024年以降の大規模な採用に向けた布石が敷かれつつあることがうかがえます。
特にMidnightをはじめとするパートナーチェーンの構想は、カルダノが他のブロックチェーンとの相互運用性を高め、汎用性のあるプラットフォームへと進化する可能性を秘めています。
その他、USDMステーブルコインの発売やLaceウォレットの改良など、実用面での改善も見込まれています。加えて、オンチェーンガバナンスの確立に向けて、コミュニティのエンゲージメントがこれまで以上に重要視されるでしょう。
カルダノはまだ発展途上にありますが、着実な技術革新と戦略的なロードマップが功を奏し、2024年以降に大きな成長が期待できそうです。ホスキンソン氏が言う「ヘーゲル的な総合」が見事に実現し、カルダノがブロックチェーン業界を牽引する存在へと成長する可能性は十分にあると言えるでしょう。
もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします!10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
ステーキング(委任)とは?カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集ダイダロスマニュアルヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
ニュース動向 in エポック446
[その3]カルダノにおける最適化とスケーラビリティのためのオンチェーン・ソリューション
オンチェーン・ソリューションであるレイヤー1領域のスケーラビリティと最適化について
カルダノ最大級のイベント:CARDANO SUMMIT 2023が、日本時間2023年11月02日(木) 22:00 から3日間にわたって開催!
今回のサミットでは171人のスピーカーが参加し、明日明後日で合計84本のアジェンダが話し合われる予定
IOGが製品ファミリーにnamiウォレットを新たな仲間を迎える
IOGは、NamiウォレットをIOGの製品ファミリーに追加することを発表しました。Namiは、Alessandro Konrad氏によって作成された非保管型ウォレットプラットフォームであり、カルダノ・コミュニティ内で使いやすい機能が評価されています。
EMURGO、MatrixportのCactus Custody™と提携し、機関向けのグレードの高いカストディ・ソリューションを提供
EMURGOは、MatrixportのCactus Custody™と提携し、Cardanoネイティブアセットの規制対応機関向けカストディ・ソリューションを提供することを発表しました。このEMURGOとのパートナーシップにより、Cactus Custody™はCardanoのネイティブアセットの安全なカストディアンサービスを提供し、ダイナミックなWeb3領域でのイノベーションに対する取り組みを推進します。
カルダノは過去24時間で市場時価総額が+9%増加し、2週間で+36%増加
Santimentは、これをアドレス活動と、3か月以上の最高値であるクジラの取引の増加が上昇の要因となっていると説明。
CARDANO SUMMIT 2023:チャールズ・ホスキンソン氏基調講演動画「Cardano:過去、現在、未来」要約・全翻訳
ドバイで行われたCARDANO SUMMIT 2023でのチャールズ・ホスキンソン氏による「カルダノ:過去、現在、そして未来」と題した基調講演は、カルダノの進捗とビジョンを概説しています。
IOGは、独立した相互運用可能なレイヤー1ブロックチェーンネットワークのファミリーを育成するための新しいフレームワークを発表:カルダノへのパートナーチェーンの導入
Cardano Summit 2023でチャールズ・ホスキンソン氏は、パートナーチェーンがカルダノに導入され、その進化の次のフェーズが始まったことを告げました。
IOGは、カルダノのコアの強みと新しいテクノロジーを活用して、パートナーチェーンを構築するためのフレームワークを発表しました。パートナーチェーンは、モジュラーなブロックチェーン技術とカルダノのセキュリティ、流動性、信頼性を組み合わせ、新しいブロックチェーンの立ち上げと運用を革新します。
IOGは、Parity TechnologiesのSubstrateスタックを活用し、パートナーチェーンのための組み合わせ可能なコンポーネントを提供しています。このフレームワークは、相互運用性とスケーラビリティを実現し、Cardanoのビジョンを継承しています。
IOG Catalystチームは、総資金規模が₳50mのProject Catalyst Fund11を発表
Fund11は、11月15日17:00 UTCに予定されているProject Catalystタウンホールで始まり、 11月16日11:00 UTCに提案の受付が開始され、12月12日に締め切られます。
Fund11には、ブロックチェーンアプリケーションとユースケースに焦点を当てた新しい資金提供カテゴリ、資格基準の更新などが含まれています。 提案のカテゴリは、Cardanoのユースケース、Cardanoオープン、Catalystシステムの改善に分かれています。
カルダノ・ブロックチェーン上でのUSDMステーブルコインが12月19日にリリース予定
CARDANO SUMMIT 2023:基調講演『Cardanoの未来を支える:$USDMステーブルコインが無限の可能性を生み出す』では、カルダノ・ブロックチェーン上でのUSDMステーブルコインの発売について詳細な情報が発表されています。
カルダノ週刊開発レポート:2023年11月3日
CARDANO SUMMIT 2023「Global Impact Challenge 2023 スペシャルアナウンス」
CARDANO SUMMIT 2023:Global Impact Challenge 2023 スペシャルアナウンス「Global Impact Challenge 2023: スペシャルアナウンス」では、国連開発計画(UNDP)とそのパートナー(イスタンブールのイノベーションチームとAlin lab)の取り組みが紹介されています。
Midnight NetworkがADA保有者にDUSTトークンをエアドロップをするとアナウンス
チャールズ・ホスキンソンさんの基調講演で言及していました、MidnightはADA保有者にはエアドロップをする計画です。
Midnight NetworkはCardanoのPartner Chainとなり、保護されたおよび非保護された台帳、デュアルトークノミクス、TypeScriptとVisual Studioの開発者エクスペリエンスを提供し、ADA保有者にトークンを提供します。MidnightDevnetは11月13日に開始されます。
CARDANO SUMMIT 2023 クロージング・キーノート「Looking Ahead to 2024 and Beyond:2024年とその先に向けてのクロージング基調講演」要約・全翻訳
CARDANO SUMMIT 2023 クロージング・キーノート「Looking Ahead to 2024 and Beyond:2024年とその先に向けてのクロージング基調講演」では、JJ Syler氏とチャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏が2024年に向けたカルダノ・エコシステムの将来について議論しました。
CARDANO SUMMIT 2023 特集記事・翻訳・要約一覧
CARDANO SUMMIT 2023における、カルダノの熱い現在と過去、未来が詰まった怒涛の37本のプレゼン、パネルディスカッション、キーノートをぜひご堪能ください!