Midnightから2026年のCardanoまで──チャールズ最新動画をやさしく総まとめ
チャールズ・ホスキンソンが最新動画「Midnight, Unison, FBI, and Tweets :)」で語った内容は、単なるMidnightアップデートに留まらず、**Cardano全体の今と未来をつなぐ“総合ロードマップ”**でした。
Midnightの巨大ディストリビューション、LeiosやHydraの開発状況、Solanaとのやり取り、RealFiの展開、そしてメディアや政治への洞察まで、多岐にわたる内容をまとめてご紹介します。
1. Midnight Glacier Dropは暗号史上最大級に
Midnightのネイティブトークン「NIGHT」は、Glacier DropとScavenger Mineを通じて、
45億枚以上/800万アドレス超が請求され、業界最大規模のディストリビューションイベントとなりました。
参加方式の特徴
- Lost & Found:後から秘密鍵を見つけた人も請求可能
- 取引所経由の請求:Kraken、OKX、Bitpanda、NBX などが協力
- 450日かけて4回の償還フェーズ(12月8日から開始)
Midnightは最初から「広く・公平に・長期に」価値が行き渡るよう設計されており、コミュニティ自身が成長の主役になる構造になっています。
2. Midnightエコシステムは本格加速フェーズへ
動画でも強く強調されていたように、Midnightはもはや単なる新規プロジェクトではありません。
Cardanoの成長を押し上げる“第二の心臓”として、次のフェーズに入りました。
具体的な動き
- 2週間に1回のハッカソン開催
- Midnight Summitには140〜150名が参加
- ホワイトボード動画は 400万再生目前
- アンバサダー応募は600件以上
- 2026 Q1:フェデレーテッドメインネットローンチ
さらに、Midnight FoundationはDeFiに積極参加していくことが明言されており、Cardano全体のTVL増加にも直結しそうです。
3. Discordが“新しい中心地”に
チャールズは、2026年からDiscordを「シングル・ソース・オブ・トゥルース(唯一の正確な情報源)」として扱う方針を表明しました。
- 本人がDiscord限定イベントを開催
- Slackを廃止 → 全メンバーをDiscordに統合
- 選択的開示(プライバシー認証)をDiscordに実装予定
- ウォレット連携、NFT配布、マイクロチップなどを追加
Midnightのプライバシー技術を“身近に体験できる場”として、Discordが強化されていきます。
4. Cardano技術ロードマップ:Leios・Hydra・AIの三本柱
Leios
- 「来年中に必ずローンチ」と明言
- チームは過去最速で成長中
Hydra
- すでに複数DAppでメインネット稼働
- コミュニティと開発チームの一体化を推進
- 次世代アプリに向けてさらに機能強化へ
AI活用
- Lace開発でAIを導入 → 開発速度が約2倍に向上
- これをAcropolisやMidnightにも展開予定
- TX Pipeの「Super Node」構想とも連動
Cardanoは徐々に“AIネイティブな開発基盤”へ移行しており、2026年はその成果が一気に現れそうです。
5. RealFiの中核としてReali&Reevが躍進
チャールズはRealFiについて、今年もっとも熱く語った領域のひとつです。
Reali(個人向け金融)
- ケニアとウガンダで100万件以上の小口ローンを実施
- これをDeFi化しCardanoへ移す準備が完了
- 来年のTVL・トランザクションの主役に
Reev(企業向け基盤)
- ERPアダプターを備えた企業向け台帳システム
- ただしプライバシー層が不足 → Midnightとの統合で「完全版」に
これは、
Cardano Foundation × Midnight Foundation が初めて本格的に協力する可能性
を示す案件であり、コミュニティの関係改善にもつながりそうです。
6. Solanaとのミームの裏で進む“本物の協力”
動画では、Solana公式がチャールズのツイートを引用したことを面白く紹介しつつ、
- SolanaのスマートコントラクトにMidnightのプライバシーをのせる
- Solanaの流動性・DEXをRWAで活かす
といった“本物の協業”が同時進行していることも明かされました。
ミームの表ではふざけ合いながら、裏では真剣に互いの強みを組み合わせている──
このあたりのバランス感覚は、チャールズならではですね。
7. 暗号メディア・政治への痛烈な批判と“次の戦場”
チャールズは、ADAバウチャーやFBIの件での報道を例に挙げながら、
- 真実の“意図的な省略”
- 最悪の解釈を前提とした記事
- クリック数のための対立煽り
といった暗号メディアのスタイルを痛烈に批判しました。
同時に政治にも強い違和感を示し、
「誰も絶対悪ではない。協力と軽やかさを取り戻す必要がある」
というメッセージを強調していました。
そして彼はこう言います。
Midnightは、より良い情報・より良いソーシャル・より良いメディアのための“情報インフラの基盤”である。
これこそが、Midnightの本質的な意味だと語っています。
8. 2026年のチャールズは“Discord中心・AI補助のX”へ
来年以降は、
- チャールズ本人 → 主にDiscordに滞在
- X(Twitter) → AI“デジタル・チャールズ”が一部運用
- 本人は主に各チェーンのXスペースで対話
という形に切り替えるとのこと。
これは、
Midnightコミュニティのアイデンティティ育成に集中するため
でもあります。
9. 最後に:2026年はCardanoが“本気で反撃する年”
チャールズが動画の最後で語ったメッセージがとても印象的でした。
- Midnight
- Leios
- Hydra
- RealFi
- Reev
- AI開発
- チェーン間連携
- 情報インフラとしてのMidnight 2.0〜
これらがすべて揃うのが2026年。
そして彼はこう締めくくりました。
「みんなのおかげで、自分の人生は生きる価値のあるものになった。
2026年が本当に楽しみだ。」
技術も、エコシステムも、コミュニティとの関係性も、
すべてが新しいステージに入ろうとしています。
CardanoとMidnightにとって、来年は間違いなく“転換点になる一年”です。
以下はチャールズ・ホスキンソン氏動画「Midnight, Unison, FBI, and Tweets 🙂」を翻訳したものです。
チャールズ・ホスキンソン氏動画「Midnight, Unison, FBI, and Tweets :)」全翻訳
どうも、チャールズ・ホスキンソンだ。暖かくて晴れたコロラドから生放送している。いつも暖かく、いつも晴れていて、ときどきコロラドである。
今日は「お好み焼き動画」みたいな感じで、いろんな話題をごちゃ混ぜで少しずつ話していく回である。オフィスに戻ってきて気分もいいし、今日はカラフルなシャツも着ている。
では本題に入ろう。まず最初に、これを見せたい。
これはMidnight FoundationのコピーライターであるIanが書いたものだ。とても素晴らしい人である。「State of the Network – November 2025」。
これは、Glacier Dropのディストリビューションイベントが一段落したタイミングでの振り返りである。「Midnight Glacier Dropは暗号通貨の歴史上、最大の配布イベントだった」と言うと誇張だと思われるかもしれないが、これは誇張ではない。数字が手元にあり、それが裏付けている。いくつか読み上げるが、実際にはまだ進行中でもある。
Scavenger Mine──Nightトークン配布の第2フェーズ──は11月20日深夜にクローズし、45億枚以上のNight請求が登録され、参加アドレスは800万を超えた。800万である。
Glacier Dropのディストリビューションは、参加ウォレット数と請求量の両面で、現在業界最大規模となっている。Midnight Glacier Dropのマルチフェーズモデルは、ネイティブ資産Nightのトークン配布に新しい標準を打ち立てたと言える。
この構造は、コミュニティ主導の広い配分と、公平性とシステミックな健全性を高めるための仕組みを組み合わせたものになっている。
そこから各フェーズの話や、この先の流れ、いわゆる「償還フェーズ(redemption phase)」の説明に入る。12月8日から「解凍」が始まる。合計450日かけて進行し、その間に4回の均等なインストールメント(分割開放)が行われる。
それから「Lost and Found」の仕組みもある。Glacier Dropに参加しなかったとしても、あとから秘密鍵を見つけた人は、後日Nightを請求できる。
ちなみに、これは将来の取引所上場を促す非常にクリエイティブなメカニズムでもある。Midnightの価値が上がってくると、取引所は「ユーザーに代わって請求して、自分たちの取り分を取りつつ、取引所内で配布ができる」と気付くからだ。
つまり、ネットワークローンチ後に取引所が入ってくる強いインセンティブになる。
取引所経由の請求について言えば、Kraken、OKX、Bitpanda、NBXが、条件を満たした参加者に対してNightを分配することに合意している。
これはすでにKYC済みのユーザーであるため、潜在的には何千万人規模の人々が対象となり得る。
つまり、マルチネットワークのドロップ、Scavenger Hunt(スカベンジャーハント)、取引所経由、さらにLost and Foundを合わせると、「検証済みの何百万人もの人々」が関わることになる。
さらに「Midnight Network Pulse」というセクションもある。
エコシステムは10月を通して安定した開発を続けており、9月に3つの大型ハッカソンが集中して行われたフェーズのあとも、開発者活動は一貫したペースを保っている。
そして11月19日には、Midnight史上最大の対面ハッカソンで締めくくられた。Midnight Summitには開発者やアドボケイトが140〜150人ほど参加した。
そこで哲学やロードマップ、そして今後どのようなアーキテクチャでやっていくのかを語った。Midnightチャンネルには素晴らしいコンテンツがたくさんあるので、ぜひ見てほしい。Fumiの話も少し、自分の話も少し、Bobと一緒にアーキテクチャの話もしている。
そしてNightとDustの話もした。
要するにMidnightは今、爆発的なフェーズにある。12月8日にトークンが出て、流動性もつき、すごい数の発表が続く。Cardanoネイティブ資産としては初めてTier1取引所への上場もある。
そして翌年Q1には次のフェーズとしてフェデレーテッドメインネットがローンチし、さらに多くのパートナーと発表が出てくる。
つまり「ファンアウト戦略」である。まずコアから始め、そこから外側へと広げていく。
Discordは「シングル・ソース・オブ・トゥルース(唯一の信頼できる情報源)」になっていく予定だ。
12月からは自分自身がDiscord内でイベントをやるようにするつもりであり、それはDiscord限定のイベントになる。
また、NFD(NFT)の発行、ギブアウェイ、ハッカソンなどのためのツールやインフラもDiscordにどんどん追加していく。今後のアナウンスを待っていてほしい。
アンバサダープログラムもすでに募集を始めており、600件以上の応募が来ている。そこからまずトップ50人を選ぶところからスタートする。
同時に「Midnight Shift」というポッドキャストも12月中のスタートを目指している。かなり積極的に進めている。
ホワイトボード動画はすでに400万再生近くまで来ている。
史上最大のディストリビューションイベントがあり、基礎となる解説動画が数百万再生され、トークンがもうすぐ出て、フェデレーテッドメインネットも「みんなが少し慣れた」タイミングで、そして全パートナーがオンラインになったところで出てくる。
また2週間に1回のペースでハッカソンを行っており、CardanoとMidnightの二重統合(dual Cardano–Midnight integration)に関する素晴らしいニュースもある。
多くの人たちと深い交渉を続けており、近いうちに提案が出てくるはずだ。かなりクールなものになると思う。
詳細はまだ伏せておきたいが、これまでCardanoが抱えてきたDeFiの多くの問題を解決し、Midnightが前に進むうえで引っかかっていた部分を一気に解きほぐしてくれるだろう。
というわけで、Midnightはかなり良い感じである。
さて、Midnightとは別の話だが、ずっとフォローしてきたとてもクールなプロジェクトがもうひとつある。
Unisonチームに心からお祝いを言いたい。彼らはバージョン1.0到達を発表した。
Unisonは特殊なプログラミング言語で、ざっくり言えば「HaskellとErlangとNixがマッシュアップされて生まれた子ども」のような言語である。
もし、このレベルの完成度・成熟度を持ち、RustとFFIで組み合わせられる現在のUnisonが当時すでに存在していたなら、自分はCardanoをUnisonで書いていただろう、というくらいだ。
基本的なアイデアとしては、「人間に優しい名前」ではなく、その実体の中身=コンテンツそのもので定義を識別する、というものだ。
システム内部のあらゆるものはイミュータブルでリファレンスベースになっている。
ほんの少しでも何かを変えると、それは「別物」であることがすぐに分かる。
これは分散プログラミングのモデルとして本当に素晴らしく、自分がCloud Haskellに求めていたものが全部乗っている。
UnisonのバックエンドはHaskellであり、とにかく「めちゃくちゃクール」なシステムである。
チームには「本当によくやった」と言いたい。彼らは長い時間をかけて取り組んできた。
実際、下にスクロールするとこう書いてある。コミット26,000件、PR 3,400件、ライブラリダウンロード152,000回、Unison定義139,000個、著者1,300人。
つまり、言語として大きく成長してきたということである。
多くの人が、DAOやスマートコントラクト、その他のビジネスロジックのテンプレートとして、特にRustと組み合わせた高性能な用途で、Unisonの価値に気づき始めていると思う。
そしてその二つをつなぐインターフェイスを用意すればいい。
というわけで、ここでもかなりクールなことが起きている。
次の話題に行こう。
なんと初めて、Solanaの公式アカウントが自分をフォローし、自分についてツイートしてきた。
「自分が何を仕事にしているか分かっているのか?自分は文字通り、分散型金融プラットフォームを作り、ウォール街をブロックチェーン上に作り直した人間だぞ」という引用である。
これは今バイラルになっている自分のツイートへのリアクションだ。
このツイートは、いわば「チャールズ・ホスキンソンに対するロールシャッハテスト」のようなものになっている。
ファンであれば、あれが冗談半分のものだと分かっているし、インターネットの馬鹿馬鹿しさを示す一例として受け取る。
そうでない人は、あれを悪意ある解釈で捉え、「ナルシシズムとエゴの極致だ」と見る。
そしてSolana界隈と遊ぶつもりで、自分は「Karen Charles」とツイートし返した。
これは、以前Cardanoネットワークのハッカーに対してFBIに告発がなされたときに生まれたミームである。
そんな感じでTwitterもかなりヒートアップしている。
面白いのは、TwitterでのCardanoの話題が「Cardanoのソフトフォークとハッキング事件」から、「自分個人」「連邦当局との関わり」「自分のツイート」へと完全に移ってしまったことだ。
これはCardanoエコシステムにとって実はかなり良いことである。
誰もソフトウェアのことを話していない。つまり「ミッション・アカンプリッシュ」である。
ニュースサイクルは切り替わり、今や「分散型中央銀行」ネタのツイートの方が、Cardanoインシデント関連よりも遥かにバイラルになっている。
そのおかげで、Cardano側は落ち着いて後片付けをする時間を十分に確保できるわけだ。
インターネットはインターネットであり、ツイートは現実そのものではない。
みんなそれで楽しんでいる。実際、Solanaエコシステムがこのネタに乗ってきたのはとても楽しかった。
自分が古い任天堂カートリッジをフーフーして出し入れする写真を投稿したときも、あれは善意の遊びだった。
向こうがパロディツイートをしたのも、善意の遊びだと受け取っているし、彼らもそう受け取っていると思う。
現実には、今や自分たちは「友人」である。
Solanaのスマートコントラクト向けのプライバシー層としてMidnightを使う話や、SolanaのDEXや流動性を活かせるようなRWAの扱いなど、舞台裏では協力話がたくさん進んでいる。
ただ、統合の部分で少し遅れが出ているのも事実で、ここは優先度が非常に高い。
そして、とんでもなくコストがかかる。
自分たちも相応の負担を負うし、みんなが望んでいる数々の統合をまとめた「パッケージ」として、トレジャリー提案を出すつもりだ。
そうすれば6〜12か月の間に全部入り、もう議論のテーマではなくなる。
その時点では「実際にプロダクトを作り、実際に使われるものを出す」フェーズに完全に移ることになる。
Midnightの良いところは、バイラルなコンテンツを育て、インフルエンサーと連携し、アンバサダープログラムを立ち上げる機会を得られたことだ。
ようやくDiscordという「単一の真実の場」を持てるようになったし、2週間ごとにハッカソンを開催して膨大な学びを得ている。
パートナーともリアルタイムで連携し、彼らを本気でワクワクさせられている。
全体として、これは自分たちにとって非常に教育的なプロセスだった。
人・プロセス・手続きのどこが強みで、どこが弱くて遅いのかを教えてくれた。
そして一歩一歩前に進むたびに、Cardanoはより良くなっていく。Midnight統合が進むということは、そのままCardano統合が進むということだからだ。
自分は、MidnightこそがCircleとTether、ブリッジやオラクルをCardanoにもたらす「マクガフィン」だと本気で信じている。
その山をようやく越えつつあり、Cardanoエコシステムに大量のTVLをもたらす多くのものがこれから入ってくる。
少なくとも知っておいてほしいのは、Midnight FoundationはDeFiに積極的に参加する組織であり、Cardano Foundationとは違うということだ。
それだけでTVLはかなり増える。よく考えてみてほしい。
そこにはリアルワールドアセットも乗ってくる。その中でも「Reali(リアリ)」は、まだ市場が十分理解していない「隠れた本命」だと自分は思っている。
自分はAbu Dhabi Finance Weekに出席するため、アブダビに行く。これはその年最大のフィンテックカンファレンスであり、王族や巨大ソブリンウェルスファンド、超大物たちが集まる場だ。
John O’Connorもそこに来て、Realiについて登壇する。
自分たちは彼にこう言っている。「そろそろローンチしよう」と。
ケニアとウガンダで、自分の資金を使って100万件以上の小口ローンを実行し、クレジットモデルやマイクロファイナンス機関(MFI)との関係、そしてどのように処理するかを実地でテストした。
30〜90日の短期ローンであり、これをSundayなどの協力も得ながらDeFiの世界に翻訳し、Cardano上でローンチしようとしている。そこにはTVLも利回りも生まれる。
この領域では本当にワクワクすることがたくさん起きており、それをやり切ることにかなり興奮している。
これは来年ローンチ予定で、Midnightと並んでCardanoエコシステムにおけるTVLとトランザクションの最大ドライバーになると思う。
その周辺には、いわゆる「ハロー効果」を受けるプロジェクトもたくさん出てくる。
今まさに仕込んでいるIonのようなプロジェクトや他の開発者たちにも、明るい未来があると信じている。
だから、まだ全然終わっていない。
また、明日はLeios(レイオス)ダッシュボードをローンチする。
自分たちはLeiosのために24時間365日動いていて、機能をどんどん追加し続けている。
このチームは自分たちの過去どのチームよりも速いペースで立ち上がっている。
自分はチームにこう言っている。「来年中にLeiosを出さなければならない。言い訳は一切なしだ」と。
また、Hydraコミュニティとエコシステムをどう一体化し、Hydraプロジェクトを次のレベルに押し上げるかについて、Kyle、Adam Dean、Sam Leathersと素晴らしいミーティングを行った。
すでに気付いているかもしれないが、Hydraはメインネットで、Delta DeFi、Glacier Drop、HydraDoom、それからSamたちが作った自販機プロジェクトなどで稼働している。
ここからさらに次の段階へ進めなければならない。DAppごとに加速度的な展開ができるようにするためだ。
StarStreamは多くの新しい言語機能を追加するし、Plutus V4もAikenとともに多くをもたらす。
そしてベースレジャーとしてのLeiosが加わることで、全体のスピードは劇的に上がる。
つまり、非常に肥沃な世界になりつつあり、クールなことが本当にたくさん出てきている。
ここで、ある質問に答えたい。「なぜCoinbaseはMidnightのエアドロップに対応していないのか?」というものだ。
多くの取引所が対応してくれているし、どうすれば彼らも参加できるかについてはたくさん議論を重ねている。
いわゆる「いつものメンバー」は、自分たちとの連携も含めて素晴らしい仕事をしてくれている。
一方でCoinbaseには、Aloという競合プロダクトがある。彼らはそこに多額の投資をしている。
同じカテゴリのプロジェクトに数億ドル単位の投資をしている以上、どうしてもMidnightに対しては出足が遅くなる。
とはいえ、自分はCoinbaseにMidnightを上場させる道筋があると信じているし、それは時間の問題だと思っている。
ただ、それが「ローンチセット」の一部ではなかった、というだけだ。
これは、取引所がプロジェクトにポジションを持つと「中立性を少し失う」という現実でもある。
そのため、話がややこしくなりがちである。
とはいえ、Baseと何かやる話など、Coinbaseエコシステムにとって価値があると自分たちが考えているものはたくさんある。
だから「永遠にノー」という話ではなく、「ネットワークのライフサイクルのどの段階で何をやるか」という違いである。
スマートコントラクトトラックとともにCardanoネイティブ資産としてローンチしたタイミングなのか、フェデレーテッドメインネットが立ち上がったタイミングなのか、完全な最終形メインネットが立ち上がったタイミングなのか。
その辺りはいろいろな段階があり得る。
自分は、12月8日のローンチで良いスタートを切れると思っている。
そこから今年末から来年にかけて、6週間ごとに何かが起きるような形で進める。
パートナーがオンラインになり、新しい技術がオンラインになり、新しい取引所がオンラインになっていく。
そして徐々にエスカレートし、より大きなプレイヤーへとファンアウトしていく、という「マネージドなローンチ」である。
最初の90日間はかなりクレイジーで、いろんなことが猛烈なペースで動いていくと思う。
Consensus Hong Kongでは、みんながかなりワクワクするような話をたくさん用意している。
初期セットに参加してくれた取引所もあれば、そうでないところもある。Coinbaseは後者だったというだけだ。
しかし、初期セットの取引所も十分に大きく、著名なプレイヤーばかりであり、名前を見ればすぐ分かるようなところばかりだ。
何よりクールなのは、Midnightが今後も成長し続け、進化し続けるということだ。
特にブリッジインフラを見ればそれがよく分かる。
自分たちは「Midnightのraison d’être(存在理由)は、あらゆるチェーンに対するLayer2である」と言っているが、それが「一瞬で全部同時に」実現するわけではない。
それぞれのエコシステムに追いつく時間と余裕を与える必要がある。
ロードマップを進める中で、2か月ごとにどこかのブリッジが開き、それぞれのチェーンにハイブリッドDAppができていくようなイメージだ。
それに合わせてローンチパートナーが各エコシステムに紐づいていく。
こうすることで、各エコシステムに「自分たちのクールな事例」を披露する機会が生まれる。
最初はCardanoネイティブから始まり、Cardano+Midnightになり、そこからMidnight+他のエコシステムへと広がっていく。
そのたびにユーザー、流動性、トランザクションボリューム、パートナーシップの機会が開ける。
そしてそれに伴って、プロダクトのニュースサイクルも途切れないものになっていく。
同時に、進めながらテストする余地もできる。
今は、スマートコントラクト側で全てが正しい状態になっているかに集中している。
その次に、Midnightのベースネットワーク自体がしっかり正しい状態かを確認することに集中する。
その後、ITN(インセンティブ付きテストネット)でステークプールオペレーター全員を入れることに集中し、
その次にJolianへのハードフォークに集中し、
最後に、トラスレスな再帰型ブリッジ構造とともに、レイヤー1とレイヤー2を含めた全体をエンド・トゥ・エンドで統合することに集中する。
レイヤー2とレイヤー1の連携についてはかなりクールなものがある。
前回の教訓は、「1を作って2年寝かせたあとにHydraを作る」のではなく、「最初から一緒に作り、手袋と手のようにピッタリ合うようにするべき」ということだった。
そうすれば加速のための仕組みやクレイジーなことをたくさん実装できる。
Consensus Hong Kongでは、この考え方を体現した「とんでもないプロダクト」を紹介する予定だ。
マーケティング的なインパクトだけで言えば、HydraDoomの10倍はあると思う。
これも非常に楽しみにしている。
全体として、Cardanoは非常に健全な状態にある。
自分たちはすでに復旧し、みんなも「もう回復したんだ、すべて大丈夫なんだ」という感覚に慣れ始めている。
Piが今回の出来事について素晴らしいレポートを書いてくれているので、まだ見ていない人はぜひ目を通してほしい。
もう「こちら側」に来ていて、今はクリーンアップモードである。
取引所とのセミナーやポストモーテムなど、細かいことはまだたくさん残っているが、自分はチェーンインテグリティについての動画も出した。
ウェットコードとドライコードの概念、それをどう整合させるかなどを話しているので、ぜひ見てほしい。
KPIの観点から見ると、年末に向けてCardanoはかなり良い形で着地すると思う。
たとえばMidnightのローンチ、トレジャリーの整備と最初の支払い、憲法委員会の完全な分散化、憲法の批准など、多くの社会的メトリクスは非常に力強く達成できた。
一方で、統合やDeFiエコシステムの成長については出遅れた。
調整がうまく進まず、常に準備不足な感じが拭えなかった。
しかしMidnightの存在によって、2026年にはこの議題を避けられなくなる。
「やらなきゃいけない」「やらざるを得ない」ものになる。
非常にアグレッシブな組織が、その実現を事実上強制している。
嫌がろうが嫌がるまいが、引きずり出される形でやらざるを得ない。
また、エコシステム全体に人間関係の軋轢やドラマも多々あった。
自分も含め、みんなその渦中に巻き込まれた。
自分はもっと「軽やかな時代」が懐かしい。
これから先、何かが起きたとき、それを軽やかに受け止めるか、ネガティブに受け止めるかは自分で選ぶことができる。
特に暗号メディアは本当に奇妙になってしまった。
彼らは常に「最悪の解釈」を選び、起きた出来事に対して可能なかぎり悪意ある読み方をし、ほとんどの場合、ろくに裏取りもしない。
関係者に電話もしなければ、話を聞きもしない。
ADAバウチャーの例もそうだし、今回のFBIの件もそうだ。
なぜそうするのか、自分には理解しがたいが、「ドラマ=クリック」「クリック=収益」という構造だけが理由だろう。
ただ、自分たちは前に進むしかない。
2026年を見据えると、誰もが「24時間365日のドラマ」にうんざりしている。
終わりなきドーパミンのジェットコースターにも疲れ切っている。
業界全体がバーンアウトの瀬戸際にあり、そろそろ「軽やかなノーマル」へ戻るべきときだ。
それが意味するところはこうだ。
Midnightは来年、大活躍する。Leiosも来年やってくる。
MidnightとCardanoの両方でDeFiサイドは大きな前進を遂げるだろう。
そしてカルダノの原点である「銀行口座を持てない人に銀行サービスを届ける」という理念へと戻っていく。
RealFiは、この10年間、どうやってそれを実現するかを考え抜いてきた集大成である。
自分たちはそれをスケールさせる方法を理解していると思う。
実際、100万件のローンを実行し、多くの人々の生活を大きく変えた。
自分の資金をリスクの高い市場──ケニアやウガンダのような「普通ならお金を投げ込みたいとは思わない」市場──に投じて、このモデルをテストしてきた。
その過程で多くを学んだ。
組織間の協力に関しても同じだ。
先日Fumiと話し、「Midnight FoundationとCardano FoundationがReevプロジェクトで協力できる道があると思う」と伝えた。
Reevはバージョン1.2に入ったところだ。
Reevに欠けているもののひとつは、「選択的開示とプライバシー層」である。
どんな組織であれ、帳簿のすべてを丸裸でブロックチェーンに載せる現実的なシナリオは存在しない。
ReevにはERPアダプターがあり、Javaで書かれた非常にスマートなアプリケーションだ。
アイデンティティシステムも備わっている。
ただし、選択的開示レイヤーとプライバシーレイヤーが必要だ。
これは、Cardano FoundationとMidnight Foundationが一緒に取り組む「1.0の基盤プロジェクト」として、まさに理想的なテーマである。
自分とCardano Foundationの個人的な関係とは切り離して、両財団がどう協力関係を築けるかを試す場になる。
「父の罪は子の罪ではない」。
自分には不満やグリievanceがあるが、それに同意しない人たちがCardanoエコシステムにいることも、きちんと理解している。
彼らは「今のやり方で問題ない」と考えており、自分の意見は変わらないかもしれないが、それを独立した組織に押し付けるつもりはない。
Midnight Foundationは、この「協力関係のリセット」と、分断を部分的にでも癒していくチャンスだと自分は思っている。
そうすることで、より多くの人が協力し合い、共に前へ進むことができる。
Reevがうまくいけば、Midnight FoundationをMidnightチェーンとCardanoチェーンの両方に乗せることもできるかもしれないし、組織マネジメントを扱うDAOの世界にこうしたコンセプトを持ち込むこともできる。
これらは、2026年に「より軽やかな気分」で実現可能だと思っていることのごく一部に過ぎない。
また、自分たちは2026年に向けて、ソーシャルメディアやコミュニティエンゲージメント、ポッドキャストなどのアウトプットのやり方を大きく変えていくつもりだ。
自分個人としてはMidnightのDiscordにもっと集中し、史上最大のGlacier DropをDiscordの人数という形に変換していきたい。Discordに100万人を集めたい。
そのため、かなり高い頻度でDiscordに参加し、コミュニティに自分の時間を割く一方で、Twitterに費やす時間を減らしていく。
Twitterは正直、ディストピア的な地獄になってしまった。
2026年には、Twitterの運用の一部、もしくは全部をオートメーションに引き継ぐ予定だ。
自分たちはSunhaven向け、そして来年2月に発表予定の別プロジェクト向けに非常に高度なAI機能を開発してきた。それは多くの人の度肝を抜くだろう。
Twitterのキュレーターとしてはこれ以上ない存在だと考えている。
自分がX(旧Twitter)でフォーカスしたいのは、Xスペースである。
Avalanche、Solana、Bitcoin、Ethereum、Cardanoなど、コアな8つのコミュニティの定例スペースのリストをまとめ、順番に参加していきたい。
戦略的にローテーションしながら、それぞれのコミュニティと継続的に会話していくつもりだ。
コンテンツ自体の配信は、今と同じようにブロードキャストを通じて行う。
ただし、その後のインタラクションの大半は、少なくとも今後90〜180日間はMidnightのDiscordで行う。
そこにコミュニティのアイデンティティを育てる時間と空間を与えたいからだ。
子どもが成長するように、そのコミュニティにも人格とアイデンティティが必要だ。
Xに関しては、ボットが多すぎる。
浅い意見が溢れ、エネルギーを吸い取る吸血鬼のようなシステムになっている。
アルゴリズムは建設的な会話やニュアンスを促すために作られておらず、怒りを増幅・エスカレートさせるために作られている。
人々を「悪意ある解釈」に閉じ込めるような設計だ。
正直なところ、そんな場所に時間を使う意味があるのかと問いたくなる。
トランプのようにドラマに依存していたいなら別だが、自分はそうは思わない。
そこには前向きな道はない。
だから、やり方を変えなければならない。
そして率直に言えば、「火には火で対抗する」必要がある。
自分たちは「デジタル・ツイン」として、超高度なデジタル・チャールズを作る。
2026年には、時々このデジタル・チャールズが舵を取り、時々リアルな自分が舵を取る。
みんなが両者の違いを見分けられるかどうか、見てみようと思う。
これによって、ドラマの大半をデジタル・ツイン側にオフロードできる。
パラドックス的だが、それによってコンテンツとエンゲージメントはむしろ増えるだろう。
デジタル・ツインにとってはそれがフルタイムの仕事になるし、専属チームもつくからだ。
一方でDiscordでは、もっといろんなことができる。
ウォレットを統合し、NFTを配ったり、マイクロチップ(少額チップ)をしたり、楽しいエンゲージメント企画をたくさんできる。
人口が増えれば増えるほど、できることは増えていく。
また、自分はShieldedやMidnight FoundationのSlackを閉じて、全員をDiscordへ移すように依頼した。
これによって、組織の従業員がコミュニティから切り離されることなく、直接コミュニティとつながれるようになる。
つまり「ワンチーム、ワン会話」である。
初期のCardanoでの反省点は、IOのSlack、EMURGOのSlack、FoundationのSlack、そしてバラバラのコミュニティチャンネルがあり、
それらを一つに統合することができなかったことだ。
今度は全部を一つの場所、一つのエンゲージメントレイヤーに集約する。
しかも、きちんとキュレーションできる形で。
レイヤーやオートメーションを駆使して、場が暴走したりカオスになったりしないようにできる。
さらに、選択的開示機能をDiscordに組み込むこともできる。
たとえば「別名義のアカウント」で参加しつつ、「自分が特定のグループのメンバーであること」や「アンバサダーであること」「特定の組織に所属していること」だけ証明する、ということが可能になる。
実名アイデンティティを使う必要はない。
ドックス(個人特定)を恐れる人たちも多いので、それこそが合理的なプライバシーのポイントでもある。
これこそ、今後のキラーアプリになるだろう。
全体として、非常に活気に満ち、クールなことがたくさん起きている。
Braveのような、実際にボリュームを持つパートナーもいる。
Glacier Dropで見たように、人を集めるのは何も問題ではないし、市場とのインターフェースや流動性を確保することも特に問題ではない。
課題はむしろ「速度」と「プロダクトを市場に出すペース」である。
Laceは、バイブコーディングとAIの最大の実験場だった。
この3か月で開発サイクルタイムを約半分に短縮することができた。
生産性はホッケースティックのように伸びているが、コード品質の低下は見られない。
Laceは、こうした能力を試すペトリ皿のような存在だった。
今、自分たちはその能力をAcropolisに移行しつつある。
Acropolisは、将来Cardanoに持ち込みたいさまざまな技術の「未来の姿」である。
TX Pipeが「Super Node」コンセプトを出してきたのも見ただろう。
多くの人が「こうしたものは一緒に組み合わせるべきだ」と気付き始めている。
自分たちは、こうした能力を組織全体と今後のすべてのプロジェクト、Midnightも含めて展開していくつもりだ。
これにより、コードの品質を落とさずに開発速度を大幅に上げることができると考えている。
最近のPig chain/Chicken chainのインシデントからも多くを学んだ。
そのため、2026年の優先課題として「Canary net(カナリアネット)」を位置づけている。
PubSubも必ずやり遂げる必要がある。
つまり、より統合され、協力的で、軽やかな世界へ向けて動いている、ということだ。
そして、自分の身体的・精神的な健康を心配して、個人的にメッセージを送ってくれたり、公に言及してくれたりした人たちに心から感謝している。
自分は大丈夫である。本当にありがとう。そう言ってくれる人がいることは、自分にとって世界そのもののような意味を持つ。
今年は信じられないほどハードな一年だった。
200日以上旅をし、多くの場所を訪れた。
今もアブダビへ向けて飛行機に乗ろうとしているところだ。
また、今年は自分のごく近しい人が4人亡くなり、それに向き合わなければならなかった。
ロンドンのインシデント後には、そこから直接葬儀に向かい、その後また仕事に戻る、といったこともあった。
永遠に続くかのような感覚だ。
そのうえ、複数のビジネスを同時に運営している。
最近開いたクリニックの拡張についても対応しなければならないし、建設会社のことや牧場のことなど、いろいろな案件が積み重なっている。
本当に忙しい。
当然ながら、常にベストコンディションというわけにはいかない日や週もある。
だからこそ、2026年の目標のひとつは「認知的負荷を減らし、自分にとって本当に重要なことに集中する」ことだ。
プライバシー強化技術の世界には、とてつもなく変革的なテーマがいくつもある。
先週Agalosと会って、こうしたテーマについてじっくり話すのはとても楽しかった。
たとえば「ブロックチェーン全体がひとつの秘密鍵を持つことはできるのか?」
「それをトラストレスかつノンインタラクティブに実現できる条件は何か?」
といった話だ。
これは次世代の能力であり、この業界を根本から変えてしまうポテンシャルを持っている。
こういったことについて、感情面も含めてじっくり考えるには、それなりのヘッドスペース(心と頭の余白)が必要だ。
世の中には、自分のインテグリティや心理状態、人格の安定性について「肘掛け椅子の専門家」気取りで語りたがる人が大勢いる。
驚くべきことに、彼らのインプットはTwitterの投稿だけであり、それをもとに人格を診断し、「歴史認識」を語っている。
精神医学には「ゴールドウォーター・ルール」という考え方があるが、それにはちゃんと理由がある。
浅い情報レイヤーだけをもとに人を精神分析するのは本当に良くないアイデアであり、「全部分かったつもり」になるのは危険だ。
つい先日も、自分のホームオフィスの背景写真を見て「これはナルシシストの部屋だ」と診断し、Grokに肩入れさせて、自分を自己愛性パーソナリティ障害と断じるツイートを見た。
こうしたことが堂々と行われている社会に、自分たちは生きている。
それでも自分は大丈夫である。
時間も取るし、アマゾンでブレットアリの儀式を受けてみたり、Sky Cavesでダークネス・リトリートに参加してみたりもした。
うまくいったものもあれば、そうでなかったものもある。
いつも新しいことに挑戦し続けている。
今年の健康面での一番のフラストレーションは体重だ。
かなり真剣に体重を落とそうとして、25ポンドくらいまでは減らしたが、その後極端にストレスフルな時期に入り、全部戻ってしまった。
これは10年以上続いている問題である。
自分は食べるのが好きで、食べ物が大好きだ。Twitterを見れば分かるだろう。
アメリカの何千万人もの人と同じように、自分も肥満に悩んでいる。
「病的肥満」ではない。ズボンはまだ入る。ただ、余計な分は確かにある。
ひとつの場所に留まることができれば、自然と週ごとに体重は減っていく。
問題は旅とストレスだ。
睡眠サイクルが乱れ、コルチゾールレベルが高止まりし、食事も安定しない。
ジムに通う習慣も維持できない。
こうなると、体重を安定させるのは非常に難しい。
だからこそ、2026年には旅を減らし、できる限りひとつの場所に留まりたいと思っている。
自分は年間で200〜300件近いイベントに招待され、そのうち30〜50件に参加してきた。
来年はおそらく4〜8件程度にまで減らすつもりだ。これは移動の大幅な削減である。
ジェットのクルーはがっかりするだろう。自分が使わないときは機体をチャーターとして運用するが、ほぼ24時間体制で他の人を乗せることになる。
ただ、自分の健康を考えれば、その方が圧倒的に良い。
日ごと週ごとに体重が落ちていくのを感じられるはずだし、気分もずっと良くなる。
自分は瞑想や変性意識の状態も大好きだ。
今年はMonroe Instituteにも行き、リモートビューイングやGatewayプログラムを学ぶのがとても楽しかった。
以前から文献で読んでいたものの、実際に体験したことはなかった。
それが本物かどうか、少なくとも自分の主観としてどう感じるかを確かめることができた。
来年もそうしたことをもっとやっていきたい。
要するに、少しペースを落とし、頭のスペースを広げ、AIにはAIの仕事をさせる、ということだ。
AIに支配されたプラットフォームでは、AI同士に戦わせればいい。
一方で、Discordのように「人間であること」を確保できる場では、人に必要な時間と空間を与える。
人は来て、去っていく。
最近もIOの社員が一人退職した。FBIの件での彼の論点は、正直言って自分にはまだ完全には理解できていないが、意見の違いがあること自体は認めなければならない。
Romanは少し変わっているが、非常に頭の良い人物だ。
彼はこのエコシステム内でも別のエコシステムでも、きっとクールなことをやるだろう。
StarStreamや次世代のPlutus、あるいはMidnightのような隣接するプロジェクトに行って、素晴らしい仕事をするはずだ。
この仕事の一部は「手放すこと」である。
人は来ては去り、時に戻ってきて、時に戻ってこず、その繰り返しである。
その中で前に進み続けなければならない。
毎月のように原点に立ち返り、「なぜ自分たちはここにいるのか」というファーストプリンシプルに戻る必要がある。
それは瞑想に似ている。
心が落ち着いているように見えても、呼吸を続けているうちに、突然スーパーで買うものを考え始めたり、ガソリンを入れたかどうかを気にしたり、明日の予定を考え始めたり、次のミーティングで何を言うべきかを考え始めたりする。
そのとき何をすべきか。
平静さ(エクイアニミティ)を保ち、思考を流し、鼻から4秒吸って、1秒止めて、6秒で吐く。
その呼吸に戻る。
エコシステムも同じだ。
人は入ってきて、出ていき、また入ってきて、また出ていく。
Twitterもそうだ。
そのたびに、息を吸い、息を吐く。
落ち着きを表現し続けなければならない。
もちろん、週によって簡単なときもあればそうでないときもある。
事柄によって簡単なものもあれば難しいものもある。
最後のポイントとして、今年は「自分のインテグリティ」にとって非常に難しい年だった。
ワシントンDCで起きていることの中に、自分を深く不快にさせる出来事がいくつもあった。
しかし暗号通貨エコシステム全体のために、できる限り協調しようと努力してきた。
ただ、もはや黙っていることはできなくなってきた。
自分にとって、あらゆる政治家──大統領であれ誰であれ──がミームコインを発行する世界は、ひどく嫌悪感を覚える。
それはこのエコシステムにも会話にも何の価値ももたらさない。
自分たちはそれを「仕方のない現実」として受け入れてきたが、
その結果、バイパーティザンな物語から「暗号=トランプ=悪」という物語に書き換えられてしまった。
それは、自分がこの空間で何をし、なぜそれをしているかという認識と大きくかけ離れている。
家族ビジネスについては好きに言えばいい。自分は特に気にしない。
人には自分の事業を行う権利があり、それをしっかりとしたファイアウォールで区切るなら、必ずしも問題ではない。
しかし、それが多くの混乱や誤解を生み出しているのも事実だ。
ベネズエラへの爆撃のような話もある。
自分はAnwar al-Awlakiがオバマによって殺害された頃から、この手の行為に一貫して反対してきた。
民主党がやろうが共和党がやろうが、間違っているものは間違っている。
それは何度も発言してきた。
同様に、「アメリカの英雄たちの委員会」を復活させて、宇宙飛行士である彼らを軍法会議にかけようとするのも間違っている。
彼らが「違法な命令には従わない権利がある」と言っただけで、である。
それは軍の統一規則に書いてあることだ。
もしFBI長官や元FBI長官を訴追するのであれば、せめて有能な検察官をつけて、訴えが棄却されないようにするべきだ。
そして、彼らを訴えるのであれば、「地下室でニューヨークの犯罪ファミリーと会い、賄賂を受け取っているところ」をテープに収め、その後現金を押収するくらいのレベルで「現行犯」でなければならない。
そのぐらいの精度があって初めて、そうしたスケールの公職者を訴追することが正当化される。
自分が見る限り、MAGAは「より小さく狭いクラブ」に変質しつつある。
純粋性テストがあり、そのテストを通るには「大統領に24時間365日全面的に賛同し、一度たりとも逆らってはならない」ことが求められている。
自分の意見を持つことは許されない。
そして、Marjorie Taylor Greeneのような熱心な支持者ですら、「アメリカ史上最悪の児童性虐待リングについて透明性を持つべきかどうか」で大統領と意見が分かれると、追放され、プラットフォームから外され、破壊される。
自分はそんなシステムの中で生きることはできない。
だから自分は「Article 2モード」で動こうとしてきた。
つまり、上院と下院の「クリーチャー」として振る舞う、ということだ。
それでも限界点に達した。
自分はMike Johnsonとのミーティングを予定していたが、キャンセルした。
なぜなら、自分には「違法な命令に従うな」と伝えただけの、軍服を着て国に仕えた人たちが罰せられることを「許容する」価値観を受け入れることができなかったからだ。
党のラインに合わせなければならないのは理解するが、「もう十分だ」と言うべきときがある。
また、「法律が成立した途端に突然捜査が始まる」というシェルゲームにも疲れ果てている。
2か月前には「エプスタインは単独で動き、ひとりで1000人の子どもを虐待した」というメモを出していたのに、
今になって急に「捜査が活発なので法的にファイルを開示できない」というロジックにすり替わる。
そこには何のインテグリティもない。
そして、民主党がそれよりマシだと信じるのも間違いだ。
自分は政治的には長いキャリアの大半を通じて「どこにも属さない」と感じてきた。
最近は「大政党ではなく、小さな政党の余地はあるのか」と考えている。
小さな政党は立候補そのものよりも、多くの有権者の支持を集め、その推薦を使って人事や投票行動の交渉を行うような形だ。
まだ考えが固まっているわけではないが、いずれ文章にまとめるかもしれない。
ただ、今はそうしたゲームに関わりたくない。
自分にはインテグリティがあり、間違っていると感じるものについては声を上げ続けたい。
だからこそ、自分はブロックチェーン、ブロックチェーン、ブロックチェーンを信じている。
インテグリティはプロセスとシステム、そしてルール・オブ・ロー(法の支配)から生まれる。
スタックの各レイヤーで異なるルールは必要かもしれないが、
誰一人として批判の対象から外れてはならない。
自分の最も厳しい批判者の多くはCardanoエコシステム内部にいる。
Cardano Foundationとの対立が良い例だ。
それでも全員が同じ場所に共存し、前に進んでいる。
ある日は批判し合う関係であっても、翌日には「大義のためのウォールーム」で協力し合うことができる。
それがリーダーシップのあるべき姿であり、自由社会のあるべき姿だと思う。
自分は決して、アメリカ政府が「チームAかチームBのどちらかに入らなければならない」という全体主義的なマインドセットに堕ちることを容認しない。
誰一人として「絶対悪」ではない。
はっきり言っておきたい。
MAGA側にいる人にとって、民主党員は誰も「絶対悪」ではない。
そして民主党側にいる人にとっても、MAGA支持者のすべてがナチではない。
伝統的な家族観を持っているからといって、伝統的な結婚観やライフスタイルを信じているからといって、その人が社会の敵であり、破壊されるべき存在だというわけではない。
2026年に向けて、我々は哲学的な決断をしなければならない。
「軽やかさ」「協力」「コラボレーション」に戻るのか、それともこの「狂気の渦」にさらに沈んでいくのか。
それは一分一秒ごと、毎時間、毎日、自分で選ぶことだ。
Solanaは自分のツイートをパロディにした。
それを侮辱として受け取ることもできるし、善意のジョークとして受け取ることもできる。
イベントそのものは同じであり、片方を選んだからといって50ドルもらえるわけでも、もう片方だと100ドルもらえるわけでもない。
違いは自分の頭の中にしかない。
社会全体を見渡すと、我々を結びつけるものの方が、引き離すものよりもずっと近くにあることに気付く。
2026年、自分たちはもっとフォーカスされた状態になるつもりだ。
目標もKPIも明確であり、何をすべきか、どうやってそれを達成するかも分かっている。
Midnight、Lace、RealFi、Cardano──それぞれが、その成熟度、役割、エコシステムを持つプロダクトとして、それを体現していく。
自分たちにはテクノロジーがあり、プロトコルがあり、哲学と人材がある。
心をひとつにすれば何だってできる。
毎朝起きるたびに、自分たちはその選択をしなければならない。
どのツイートをどう受け取るか。
そして、関係性がもはや生産的でなくなり、毒になっていると感じたら、その関係を切るか、関係の在り方を変える必要がある。
政治に関しても同じだ。
政治とTwitterは本質的に同じものである。
我々は両方に対して、健康的とは言えない関係を持っている。そのせいで、みんな少しずつおかしくなりつつある。
ある意味、全員が精神的な病を抱え始めていると言ってもいい。
だからこそ、2026年、自分たちは決めなければならない。
関われるのか、関わらないのか。
関わるのであれば、どんなセーフガードをつけるのか。
離婚した元配偶者と子どもの共同監護をしている場合を考えてみてほしい。
互いにうまくいっていないとしても、子どものために、子どもの前では礼儀正しく振る舞う方法を見つける。
今の政治も同じだ。
政治的には互いにうまくいかなくても、その関係の中で礼儀正しさを保つ方法を見つけなければならない。
その先に、関係性を変える道が見つかるかもしれない。
自分は今でも、CLARITY法は最終的に成立すると信じている。
自分たちが言うべきことはすでに言った。
大部分の重労働は、官僚機構によるルールメイキングによって行われるだろう。
そこには、直接・間接に関与するための多くの方法がある。
自分もBrad Garlinghouseも、Brian Armstrongを含む業界の多くの人たちも、そこに膨大な時間を投じてきた。
彼らもまたヒーローだと思う。
彼らは業界のために素晴らしい戦いをしてきた。
テキスト(法案の中身)は悪くない状態まで来ている。
あとはそれを「超党派のもの」にするだけだ。
そこには多少の取引や妥協が必要だろう。
しかしCLARITY法が通れば、Gary Genslerの悪夢は終わる。
そこから先には、新しい課題が待っている。
それは、特定の政権や行政機関の枠を超えたものになる。
自分たちは彼らの健闘と成功を願う一方で、「深み」と「人格」と「他者の成功を本気で願う気持ち」を持った政治に戻りたいと思っている。
自分が作るあらゆるプロダクト、あらゆるプロトコルについて言えることだが、
それを使う人には成功してほしい。
Cardanoの上に何かを構築する人には、素晴らしい経験と素晴らしい結果を得てほしい。
だからこそ、自分はシステムを攻撃されると強く防衛的になるし、
スタックのあらゆるレベルでそうした攻撃を防ごうとしている。
自分は「すべての人が成功できる政治システム」が欲しい。
自分が好きな人、自分と政治的に一致する人だけが成功できるシステムではなく。
だから、自分はそうした狭い視野を持つ政党を支持できない。
その結果、自分は共和党としても民主党としても中途半端な立ち位置になる。
しかし今の自分は、どちらの陣営にも心から属しているとは言えない。
White Houseでマクロンとトランプが並んでいるのを見たとき、自分は少し希望を持った。
哲学的にも世代的にもこれほど相容れない二人が、なぜか同じ場で会話をしていた。
メディアはありとあらゆる質問で、喧嘩を焚きつけ、分断を煽ろうとしていた。
会談の目的は、共通点を見つけることだったにもかかわらず、質問はすべて「相違点にフォーカスさせる」ものだった。
ここが最後のポイントだ。
我々には、より良いリーダーシップだけでなく、より良い情報源が必要である。
自分がMidnightを作った理由のひとつは、「より良い情報基盤」「より良いソーシャルネットワーク」「より良いメディア」を作るための土台を作ることだった。
それはまだ「未完の仕事」である。
もし自分が人生で何かを成し遂げるとすれば、それは「こうしたひどい連中のビジネスモデルをプロトコルレベルで葬り去る」ことだろう。
腐臭を放つ虚報の死体を土に埋め、その上に新しいジャーナリズムを築くことだ。
「不作為の嘘」も嘘である。
UnchainedのLaraのハック記事を思い出してほしい。
彼女は「ハッキング後、Cardanoは16%下落した」と書いた。
その日は暗号通貨市場全体で50兆円近い価値が吹き飛び、Bitcoinから他の全銘柄まで、ほぼ同じ割合で下落していたにもかかわらず、だ。
それは記事の中で事実として触れておくべき重要な情報ではないのか?
しかしそれは意図的に省かれている。
なぜなら、彼らは真実の対話や正確な報道には興味がないからだ。
もし我々が協力し、対話を始めたら、彼らは恐怖を覚える。
彼らのビジネスモデルは「我々が互いに憎み合い、分断され続けること」に依存しているからだ。
ニュースとは、人々を煽り立てる素材のことであり、もし我々が仲良くし始めたら、彼らは何を報道すればいいのか?
天気予報くらいしか残らない。
だから、自分たちはそれを終わらせなければならない。
唯一の方法は「イノベーション」である。
自分たちは、レガシー世界とDeFi世界の「和解」をほぼ終えつつある。
Midnightを先頭に、CardanoとBitcoinも巻き込み、今後5年でそこはやり切れると自分は固く信じている。
その先には、情報の世界がある。
AIを敵ではなく味方にし、「真実のマーケットプレイス」を作り、新しいジャーナリズムとソーシャルエンゲージメントの形を作る必要がある。
それは人々を「競争的均衡」ではなく「協調的均衡」へと導くものだ。
Midnightを世に出した後は、それが自分のライフワークになるだろう。
次のプロダクトは何かとよく聞かれるが、おそらくGlacier Drop 2.0/3.0/4.0のような形で配布されるものになると思う。
今回の経験から学び、それをパートナーチェーンとして展開する可能性が高い。
Cardanoも適切な取り分を持ち、業界全体を巻き込む形になるだろう。
そして、そのたびにスケールは大きくなっていく。
自分はこの業界から去るつもりはない。
だからこそ、運動して体重を落とさなければならない。
だからこそ、負荷を下げて良い状態に戻る時間を作らなければならない。
何より、自分はみんななしにはここまで来られなかった。
聞いてくれているすべての人に支えられてきた。
みんなからの応援や友情、そして自分に与えてくれる「目的と意味」に、心から感謝している。
自分は毎朝、こう考えて起きる。
「自分に良くしてくれた人たちのために、今日は何ができるだろうか?」と。
そうでもしないと続けられない。
障害は多すぎるし、壁は高すぎるし、タフな日はあまりにも多い。
もしそれが単なる金儲けだけだったら、とっくにこの列車から降りて、バイソンを飼い、馬に乗って暮らしているだろう。
しかし「人」のためであれば、どれだけ状況が悪くなっても、最後にはかならず光がある。
一日の終わりには、必ず誰かがいる。
最後に、昨日オフィスの片付けをしていたときの話をしたい。
オフィスには、世界中から送られてきたものがたくさんあった。
その中でも一番楽しかったのは、どれだけ多くの手紙やNFTプロジェクトのグッズがそこにあったかを再発見することだった。
まるで暗号通貨の考古学のようだった。
2022年のものを見つけて、「ああ、あのJPEG Storeの頃だ」と思い出したり、
2019年のもの、2018年のもの、Cardanoローンチ当時のもの、
2周年記念のときにブルガリアで受け取ったTシャツなど、いろいろ出てきた。
そのすべてに通底していたのは、ひとつの共通した「糸」だった。
それを作って送ってくれた人たちはみんな、自分に「うまくいきますように」と願い、自分が彼らのためにしたことに対して「ありがとう」と言ってくれていたのである。
だから自分は、毎朝そうした人たちの顔を思い浮かべ、「彼らのために頑張らなければならない」と自分に言い聞かせることができる。
この長い旅路、この大家族の一員でいてくれたすべての人たちへ──
今ここにいる人も、もういない人も、まだこの世界にいる人も、すでに去ってしまった人も(Vosselのように)。
自分に「意味ある人生」を与えてくれたことに、心から感謝している。
みんなのおかげで、自分の人生は「生きる価値のあるもの」になった。
総じて言えば、自分たちは良い場所に立っている。
そして自分は、2026年が待ちきれない。
























