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IOG:カルダノが2026年向け研究公募を開始──基礎科学でブロックチェーンの未来を切り開く

カルダノが2026年向け研究公募を開始──基礎科学でブロックチェーンの未来を切り開く

Input Output Research(IOR)が、カルダノ・エコシステムを科学的に進化させるための研究提案を募集する「Cardano Vision」の2026年公募を開始しました。本プログラムは複数年にわたり進められる大規模研究イニシアティブであり、カルダノをブロックチェーン科学の先端に位置づけることを目的としています。


■ 今回の公募は何を目的としているのか?

IOR は今回の公募を通じて、次のような要素を強化する研究を募集しています。

  • 分散化の強化
  • 透明性の向上
  • システムのレジリエンス(耐障害性)
  • 誰でも利用しやすいグローバルなアクセス性

対象は、大学・研究者グループ・コンソーシアムなど幅広く、科学的に厳密で、エビデンスに基づく研究提案が重視されます。

採択された研究は、基礎科学はもちろん、応用エンジニアリング、外部研究機関との協働などを通じ、人類共通のインフラとしてのカルダノの進化に貢献します。


■ 募集テーマ(4つの重点研究領域)

IOR が今回注目しているのは、以下の4つの領域です。どれも今後のブロックチェーンの進化において重要な位置づけを持っています。

1. スマートコントラクトのための DSL(ドメイン固有言語)

今後は、プログラミングの専門知識がない分野の専門家でも、安全で複雑なコントラクトを作れる世界が求められます。

  • 金融分野では Marlowe がすでに活躍
  • 今後は 法務・トークン化・サプライチェーン などにも展開可能

この研究テーマでは、新しい業界向けDSLの可能性を探ります。

2. グローバル・アイデンティティ(分散型ID)

世界規模で安全・プライバシー保護されたデジタル身分証明をどう実現するかがテーマです。

  • プライバシーを守りながら
  • ユーザー主体で
  • 他のサービスともつながるアイデンティティ

これをカルダノに統合するための「基礎理論づくり」が求められます。

3. 有用作業証明(Proof of Useful Work)

普通の PoW は「ハッシュ計算のための膨大な電力消費」が批判される一方、Proof of Useful Work は「社会的に役立つ計算に対して報酬を与える仕組み」です。

例えば:

  • AI トレーニング
  • 非対話型ゼロ知識証明(NIZK)
  • 科学計算

などの作業をブロックチェーンのセキュリティと両立させる研究です。

既存のハードウェア資源を生かしながら、ネットワークをより強固にするという重要テーマになります。

4. 有効 TPS 指標(Effective TPS Metrics)

単純な「1秒あたりの取引数(TPS)」では、実際の利用価値を反映できません。

  • 複雑なコントラクト
  • データ処理
  • ユーティリティの違い

これを正しく評価するために、カルダノのガバナンスにも使える「より実用的なスループット指標」を定義する研究領域です。

■ スケジュール

  • 公募開始:2025年11月17日
  • 応募締め切り:2025年12月16日
  • 一次面談(ショートリスト):2026年1月中旬
  • 最終評価:2026年初頭

■ まとめ:カルダノの「未来の土台」をつくる研究募集

今回の公募は、カルダノの技術的進化を中長期で支えるための「基礎研究」に焦点を当てています。

  • 新しい言語の設計
  • 世界規模のアイデンティティ
  • 社会に役立つ計算を使ったコンセンサス
  • スループットのより良い指標づくり

これらはどれも、未来のブロックチェーンに欠かせないテーマです。

カルダノが「世界で最も科学的に裏付けられたブロックチェーン」であり続けるための、重要な一歩となる公募と言えるでしょう。


以下はIOGブログ「Call for proposals: fundamental research in blockchain technology to advance the Cardano ecosystem」を翻訳したものです。

IOGブログ翻訳:カルダノ・エコシステムを前進させるブロックチェーン技術の基礎研究募集の公募開始

公募開始:カルダノ・エコシステムを前進させるブロックチェーン技術の基礎研究募集

Input | Output Research が「Cardano Vision」プログラムのもとで、2026年の研究提案募集を開始

2025年11月17日 Fergie Miller

公募開始:カルダノ・エコシステムを前進させるブロックチェーン技術の基礎研究募集

概要:

  • Input | Output Research(IOR)は、「Cardano Vision」と呼ばれる複数年にわたる研究イニシアティブの一環として、ブロックチェーン科学におけるカルダノのリーダーシップをさらに強化するため、研究提案の公募を開始した。
  • このプログラムでは、学術機関、研究グループ、コンソーシアムからの応募を歓迎し、分散化・透明性・レジリエンス・グローバルアクセス性を強化するための厳密でエビデンスに基づく研究を重視する。
  • 提案は、定められた要件に従い、テーマ別の重点領域に沿い、明確な科学的貢献と実現可能性を示す必要がある。
  • 採択された研究は、基礎研究、応用エンジニアリング、主要機関との協働を通じて、カルダノの長期的な発展を支えることを目的とする。

重点テーマ(研究領域)

IOR が2026年向けの第1回公募で焦点を当てるのは、ブロックチェーン革新における高い価値を持つ複数の研究テーマである。

世界トップクラスの研究ポートフォリオを拡充することで、IOR はカルダノの世界的かつ独自の存在意義をさらに強固にすることを目指している。

以下は本公募で募集されるテーマ領域であり、本書類内で個別に詳述される。

1. スマートコントラクト向け DSL(ドメイン固有言語)
  • DSL は、ソフトウェア開発の専門知識がなくても、ドメインの専門家がスマートコントラクトを作成できるようにするもの。
  • Cardano の Marlowe DSL は、金融分野におけるこのアプローチの価値を実証した。
  • 本テーマでは、法務、トークン化、サプライチェーンなど、他の高付加価値領域にも適用可能な新しい DSL の可能性を探る。
2. グローバル・アイデンティティ
  • 分散型アイデンティティは、プライバシー保護、ユーザー主体、相互運用性を備えたデジタル証明書を実現する。
  • 本テーマは、グローバルなアイデンティティ枠組みの基礎を定義し、それをカルダノ・エコシステムにシームレスに統合することを目的とする。
3. Proof of Useful Work(有用作業証明)
  • 「有用作業証明」はコンセンサス研究においてまだ十分に探求されていないが、意味のある計算作業に報酬を与えることで、より堅牢で包摂的なプロトコルを生み出す潜在力を持つ。
  • 既存のハードウェアを活用し、AI トレーニングや非対話型ゼロ知識証明(NIZK)などの有用な問題解決に寄与しつつプラットフォームを保護する、新しい有用作業ベースのコンセンサスメカニズムを開発することが期待される。
4. 有効 TPS 指標(Effective TPS Metrics)
  • カルダノのガバナンスや意思決定では、分散度、コスト、ユーティリティ、相互運用性、パフォーマンスなど、さまざまな次元の影響を定量化できることが重要。
  • 本テーマはエコシステムのスループット定義と測定方法を洗練させ、単純な TPS(1秒あたり取引数)ではなく、複雑性の異なる計算やデータ処理の実際の有用性を反映する指標の確立を目指す。

スケジュールと応募方法

  • 公募開始:2025年11月17日
  • 提出期限:2025年12月16日
  • 一次選考(ショートリスト)の面接:2026年1月中旬予定
  • 最終評価:2026年初頭

応募方法や「意向表明(Expression of Interest)」の提出手順などの詳細は、公募文書をご覧ください。

以上です。続きが必要な場合や、別形式(要約版・丁寧体など)が必要な場合もお知らせください。

ブログ > 2025 > 11月 > 公募開始:カルダノ・エコシステムを前進させるブロックチェーン技術の基礎研究募集

公募開始:カルダノ・エコシステムを前進させるブロックチェーン技術の基礎研究募集

Input | Output Research が「Cardano Vision」プログラムのもとで、2026年の研究提案募集を開始

2025年11月17日 Fergie Miller

読了時間:3分


サマリー(要約)

公募開始:カルダノ・エコシステムを前進させるブロックチェーン技術の基礎研究募集

概要:

  • Input | Output Research(IOR)は、「Cardano Vision」と呼ばれる複数年にわたる研究イニシアティブの一環として、ブロックチェーン科学におけるカルダノのリーダーシップをさらに強化するため、研究提案の公募を開始した。
  • このプログラムでは、学術機関、研究グループ、コンソーシアムからの応募を歓迎し、分散化・透明性・レジリエンス・グローバルアクセス性を強化するための厳密でエビデンスに基づく研究を重視する。
  • 提案は、定められた要件に従い、テーマ別の重点領域に沿い、明確な科学的貢献と実現可能性を示す必要がある。
  • 採択された研究は、基礎研究、応用エンジニアリング、主要機関との協働を通じて、カルダノの長期的な発展を支えることを目的とする。

重点テーマ(研究領域)

IOR が2026年向けの第1回公募で焦点を当てるのは、ブロックチェーン革新における高い価値を持つ複数の研究テーマである。

世界トップクラスの研究ポートフォリオを拡充することで、IOR はカルダノの世界的かつ独自の存在意義をさらに強固にすることを目指している。

以下は本公募で募集されるテーマ領域であり、本書類内で個別に詳述される。

1. スマートコントラクト向け DSL(ドメイン固有言語)
  • DSL は、ソフトウェア開発の専門知識がなくても、ドメインの専門家がスマートコントラクトを作成できるようにするもの。
  • Cardano の Marlowe DSL は、金融分野におけるこのアプローチの価値を実証した。
  • 本テーマでは、法務、トークン化、サプライチェーンなど、他の高付加価値領域にも適用可能な新しい DSL の可能性を探る。
2. グローバル・アイデンティティ
  • 分散型アイデンティティは、プライバシー保護、ユーザー主体、相互運用性を備えたデジタル証明書を実現する。
  • 本テーマは、グローバルなアイデンティティ枠組みの基礎を定義し、それをカルダノ・エコシステムにシームレスに統合することを目的とする。
3. Proof of Useful Work(有用作業証明)
  • 「有用作業証明」はコンセンサス研究においてまだ十分に探求されていないが、意味のある計算作業に報酬を与えることで、より堅牢で包摂的なプロトコルを生み出す潜在力を持つ。
  • 既存のハードウェアを活用し、AI トレーニングや非対話型ゼロ知識証明(NIZK)などの有用な問題解決に寄与しつつプラットフォームを保護する、新しい有用作業ベースのコンセンサスメカニズムを開発することが期待される。
4. 有効 TPS 指標(Effective TPS Metrics)
  • カルダノのガバナンスや意思決定では、分散度、コスト、ユーティリティ、相互運用性、パフォーマンスなど、さまざまな次元の影響を定量化できることが重要。
  • 本テーマはエコシステムのスループット定義と測定方法を洗練させ、単純な TPS(1秒あたり取引数)ではなく、複雑性の異なる計算やデータ処理の実際の有用性を反映する指標の確立を目指す。

スケジュールと応募方法

  • 公募開始:2025年11月17日
  • 提出期限:2025年12月16日
  • 一次選考(ショートリスト)の面接:2026年1月中旬予定
  • 最終評価:2026年初頭

応募方法や「意向表明(Expression of Interest)」の提出手順などの詳細は、公募文書をご覧ください

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