次のステージへ動き出したカルダノ
間も無くアフリカ大陸でのツアーを開始
カルダノのアロンゾ・ハードフォークが無事成功を収め、待望のスマートコントラクト機能がカルダノネットワークにもたらされ、現在多くの分散型アプリプロジェクトの開発が水面下で進んでいます。
下記のreddit.comに投稿された動画は、最近のカルダノ・エコシステムをグラフィックで表現しており、かなりのスピードでそのエコシステムが拡張し、動いている様が伺えます。
そしてカルダノ史上最大のビッグイベントとなったカルダノサミット2021も幕を閉じ、IOGのCEOであるチャールズホスキンソン氏はワイオミング州で2週間の休暇をとっていましたが、自身のツィッターを投稿し、間も無くアフリカ大陸でのツアーを開始すること述べています。Crypto News Flashによると、エジプトを皮切りに、ザンジバル、南アフリカ、ブルンドゥ、ケニアなどの地域を回る予定となっています。
『HARVARD INTERNATIONAL REVIEW』インタビュー記事
今後のカルダノは、既に更なるカルダノエコシステムの拡大に向けて、さまざまな取り組みが動き出しています。
そして、世界は暗号資産、ステーブルコインへの規制やCBDC(デジタル法定通貨)の動きも進んでおり、業界全体が次の段階へ動き始めています。
そんな中ハーバード大学の『HARVARD INTERNATIONAL REVIEW』が行った、IOHKのCEOであるチャールズ・ホスキンソン氏と最高法務責任者であるジョエル・テルプナー氏へのインタビューが記事では、ブロックチェーン業界とカルダノの現在地と発展途上国、CDBCおよびステーブルコインなど通貨の未来について、そしてブロックチェーンの規制について、とても深い内容が語られています。
これはカルダノの開発会社IOGが今何を考え、どこに向かおうとしているのかを感じ取れるもので、とても貴重なインタビューとなっています。
このインタビューは3本に分かれそれぞれ下記のテーマについて語られました。
カルダノ、クリプト、そして発展途上国
まず、『その1:カルダノ、クリプト、そして発展途上国』では、第一世代のビットコインから第二世代のイーサリアム、そして第三世代であるカルダノについて語られています。そして話はアフリカへと話が移り、カルダノブロックチェーンがこれからアフリカでどのように展開され、どのような役割を担うのかを語っています。
ちなみにインタビューの中でホスキンソン氏は、アフリカツアーでは5人の国家元首とその省庁に会うと述べています。
その1では、インタビューアーは、暗号通貨やブロックチェーンの導入では、発展途上国がリードするというのは、少し直感的には理解できない点で、暗号の導入は、そのハイテク性からシリコンバレーやヨーロッパ、中国がリードすると思われがちですが、必ずしもそうではないのはなぜか?と質問しています。
その中でホスキンソン氏は、先進国の規制はそこに何兆ドルもの投資が既になされており、それを変えようとすると、多くのリスクがあり、より保護主義的にならざるを得ないと述べています。
それに対し、途上国では白紙の状態から革新を起こすチャンスが現状あり、発展途上国では、より迅速に行動することができると述べています。
テルプナー氏は、例えばアフリカでは、電話用の固定電話を設置するためのコストが非常に高価であったが、アフリカでは先進国よりもはるかに早いスピードで無線携帯電話サービスを導入することができたことを挙げ、つまりレガシーなインフラを心配する必要がなかったと述べています。
規制面でも同様で、ブロックチェーン技術のようにテクノロジーが急速に進歩すると、従来の規制システムを含むレガシーシステムが追いつかなければならないが、新興市場では、従来のような煩雑な規制の枠組みがないため、米国では難しいとされてきた実験や技術革新、適応が可能になると説明しています。
そしてテルプナー氏は、ブロックチェーンのソリューションは、必ずしもインフラを必要とするソリューションではないことを指摘しています。ブロックチェーンでできることの多くは、より限られた予算で実現できると語っており、つまり、昔ながらのインフラに何十億ドルもかけなくても、市民にサービスを提供し、人々が経済に溶け込めるようにするために、実際に多くのことができると説明しています。
通貨の未来について
次に、『その2:通貨の未来について』では、エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用したことによる世界への影響について語っています。
その中でテルプナー氏は、ビットコインが国際的な銀行業務で国と国との間の支払いに利用できるかどうかは、これまでとはまったく異なる動きを見せることになると述べ、エルサルバドルの現状について次のように言及しています。
世界の他の国々が「よし、エルサルバドル、ビットコインが法定通貨だと言うなら、我々もそれを認めよう」と言わなければならなくなるか、あるいは初めて各国が反発し始めるか、という非常に興味深いシナリオになっています。
ホスキンソン氏は、どのように解釈されるかにかかわらず、これらの暗号資産は今後も存続し、たとえ規制しようとしたとしても、このような影響力と成長を続けると言及しています。
そしていつの日か中規模国家、そして最終的には大規模国家にまで拡大し、大多数の国がCBDC(デジタル法定通貨)を行うようになると述べています。
続いて、ADAが国の通貨とみなされることはないとしつつも、アルゴリズム・ステーブルコインと呼ばれるDjedというものを開発したことを取り上げ、暗号通貨や何らかの形の暗号インフラを国家インフラとして採用するという行動(エルサルバドルであればビットコインの採用)に出たときの次は、それを使ってどうやって自分たちのために作られたステーブルコインを構築するか、ということになるだろうと述べています。
エルサルバドルにとって、彼らの仕事の続編はおそらくデジタル通貨になり、そのデジタル通貨は、価値が安定しており、優れた交換手段や会計単位となると述べています。
また、クリプトの特性である、即時性、保存のしやすさ、プログラムのしやすさに加えて、署名による安全性の確保やサポートなど、あらゆる特性を備えており、その関係性をプログラムすることで、あらゆることが可能になると述べています。そしてその利点は、デジタル通貨として、KYC(Know Your Customer)やAML(Anti-Money Laundering)を導入することができることだと語っています。
そして法定通貨は、最初は金から始まって、その後、金を担保にしたお金が生まれ、今は暗号があり、次は暗号を使ったお金ができるかもしれないとホスキンソン氏は述べています。
これはとても興味深いですね。下記の記事では、カルダノのDjedがもたらすものと、ステーブルコインとデジタル法定通貨の動きについて書いていますので、ぜひご参考ください。
そしてデジタル法定通貨と暗号通貨の共存が可能かという問いに対して、両者は共存できるとし、ホスキンソン氏は、さらに素晴らしいのは、CBDCを使うと、これまでできなかった面白いことができるようになることを挙げています。
1つは、世界の基軸通貨を作ることです。これまで、米ドルのようなソフトな基軸通貨や、中国が人民元を基軸通貨にしようとしていることがありました。その前は英ポンドでした。ここでの問題は、どの帝国がトップに立つかということです。グローバルな多極化が進む世界では、これは決して推進すべきことではありません。
アルゴリズムでステーブルコインを作ることができる技術は、実は合成資産を作ることもできるのです。つまり、多くのCBDCを組み合わせてバスケットにすることで、貿易金融や国家・中央銀行にとっての国際的な勘定単位になる可能性があるのです。
そしてユニバーサルベーシックインカムについて言及し、暗号レールはそれに最適であり、なぜなら、その通貨を全国民に配布するためのコストは、基本的に1回の取引で済む、中央銀行は登録された一連のウォレットを持っていて、ボタンをクリックすればそこに行き着きますと述べています。
また、さまざまな税制を導入するのに最適な方法であるとし、経済のすべての商業活動を網羅している場合は、所得税の代わりに売上税や公平税を検討することができ、暗号では、このようなさまざまなことを検討することが可能だと述べています。
ブロックチェーンを規制する
次に『その3:ブロックチェーンを規制する』では、最近のアメリカでのインフラ法案について語っています。
テルプナー氏は法案の内容に満足しているわけではないとし、少なくとも議会では、暗号やブロックチェーンについて、より知的な発言をしている人たちを見ることができたこと、1年前には見られなかったこれはポジティブな明るい兆しだと述べています。
問題は、彼らが考え出した解決策にあると述べ、彼らは、規制対象のブローカー・ディーラーがしなければならないことを、当事者に押し付けようとしていましたが、第一に、そのようなことは多くの場合実現不可能であることを理解していなかったと述べています。
そしてホスキンソン氏は、暗号業界に行く末について、次のように語っています。
つまり、この業界はこれからも続くでしょう。大きすぎて、目立ちすぎて、若者は業界の側にいます。30歳以下の人を見ると、株式や債券よりも暗号通貨を所有している人の方が圧倒的に多いことが分かります。
そしてホスキンソン氏は、この傾向は今後も変わることはなく、彼らは成長して大きな仕事に就き、経済的な影響力を持つようになり、そのような人々の多くが選挙に立候補します。つまり、政治家の次の波、ビジネスリーダーの次の波、米国の官僚機構で働く次の波は、暗号通貨業界に対してポジティブな信念と印象を持って育っているのです。もしそれが奪われたり、規制されたりしたら、レガシーな政府の解体と新しい政府の復活を加速させるだけだと語っています。
これをよくある例え話として、電話業界や航空業界のように、ある業界はかつて完全に独占されコントロールされていが、時が経つにつれて規制緩和や民営化が進み、パラダイムが変わっていったことを例に挙げています。
そして、最近の中国のような規制強化の動きについて触れ、ホスキンソン氏は”自由を嫌う権威主義、全体主義の政権は、暗号通貨を嫌う。それは単純なこと”であり、”これらの(暗号)テクノロジーは、根本的に相容れないものであると述べています。
つまり権威主義的な政権が暗号通貨を受け入れるのに苦労しているという事実は、私たちがこのような暗号を受け入れることで、人類として正しい方向に進んでいることを示していると述べています。また、もしこれらがうまくいけば、独裁者を排除し、全体主義を排除し、問題を解決することができると述べています。
そして暗号通貨とブロックチェーン技術は、嘘をつけないシステムを構築し、包括的な説明責任を果たし、結果を確認することができるとし、そうすれば、人々はその技術を、私たちが重力を非の打ち所のないものと見なすように、非の打ち所のないものと見なすだろうと述べています。
つまり、絶対的なものに基づいて制度を構築することができれば、私たちが必要としている信頼性と信用を再構築することができるのであり、人々に信頼される制度を構築する唯一の方法は、設計上、嘘をつけない制度を構築することだとホスキンソン氏は述べ、さらに次にように語っています。
私たちの業界では、それが効果的に行われています。権威主義的な政権は、このことを熱烈に嫌っています。真実を求めて戦い、正当性を求めて戦い、堅実な制度の包括的な説明責任を求めて戦っている業界にいることを、私はとても嬉しく思っています。私たちは日々、そのために戦っています。
このようにカルダノが完全な分散化を推し進めている背景には、このような独裁主義や権威主義、機能しない民主主義から脱却し、ボトムアップの世界を創造しようとするリアルな戦いがあることがよくわかると思います。これこそがカルダノ・ブロックチェーンが成し遂げようとする未来であり、夢物語ではないことがひしひしと感じられるインタビューとなっています。
その1の翻訳記事は下記をご覧ください。
個人の自由が侵害されないようにするために
いかがだったでしょうか?カルダノがスマートコントラクトを搭載した今、これまでよりも多くのことが実行できる段階に入っており、その影響はブロックチェーン業界だけでなく、具体的にミライの世界を変える、より良いものにする段階に入っていると思われます。
最近発表されたIOGのブログ記事『Cardanoサミット2021概要:ガバナンスは次の重要課題』では、『ブロックチェーン業界をニッチからメインストリームへと導くためのもの』パネルディスカッションの内容がまとめられており、イベントのテーマである「ユーティリティ」「ガバナンス」「アダプション」「インパクト」について語られています。
そしてカルダノを中心としたブロックチェーンの今後の行方を占う上で、これらの中で最も重要なものは何か。そして、その先には何かヒントがあるのだろうかと問いかけています。
その中でアメリカの現地聴衆の反応が最も多かったのは、個人の自由が侵害されないようにするためにはどうしたらいいか、という次の発言だったようです。
- 企業が私たちのデータを盗むのを止めよう
- 立法者を教育してブロックチェーンに親しみを持たせよう
- 政府が国民を欺くことを止め、選挙を公正で透明なものにする
カルダノは本当に世界を変えようとして動いています。そしてカルダノは新しい未来を創造する『個人の自由』という価値を創造し、真の分散型社会を実現しようとしています。
もしカルダノがこれを成し遂げようとしたらどうでしょう?本当にワクワクしますね!
次のホスキンソン氏の言葉は、サミットで最後に登壇した時のものです。
「その通りだ」とホスキンスン氏は続けました。「ここ数年で行った52の国でわかったことはね。不満の第1位は『私の政府は機能していない。』スイス人も、ロシア人も、中国人も、日本人も、アメリカ人も、みんなそう言っているんだ。誰も自分の政府に満足していないのです。
だから、どうにかして、どうにかして、一緒にカルダノのための政府を作らなければならないのです。がんばってください。そして、あなたは知っていますか?私たちはそれを成し遂げるつもりです。」
最後に本日嬉しい出来事がありました。もしかしたら新しいプロジェクトが日本から誕生するかもしれません。皆様にワクワクするような発表ができるかもしれません。少しでもエコシステムに貢献できるよう頑張りたいと思いますので、皆様の熱い応援よろしくお願いいたします。
それではまた!
もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします!10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。
ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
ニュース動向 in エポック294
グレイスケール・ファンドがソラナとユニスワップを追加、カルダノの出資比率を引き上げ
今回のリバランスで、カルダノはポートフォリオの4.26%から5.11%となり、約1%増加
今月はADAの保有者数が243,000人、総額5千500億ADAを保有しており、新たなATHに到達
IntoTheBlockのデータによると、今月はADAの保有者数が243,000人、総額5千500億ADAを保有しており、新たなATHに達しました。
また、現在の価格では、ADAを保有しているアドレスの70%以上が利益を得ています。
IOHKテクニカルサポートの受け方
IOHKサポートチームは、コミュニティが直面する可能性のある問題を解決することを目指しています。 必要なサポートを確実に受けるための方法、どのようにしてチームと連絡を取るか? サポートチケットを提出するプロセスのご紹介動画
cFundがParibusに出資
Paribusは、自身のブログ『cFund Invests in Paribus』で、cFundによる出資を受けたことを発表しました。
ブログによると、Paribusは、カルダノブロックチェーン上に構築された、世界初のクロスチェーン・レンディング/ボローイング・プラットフォームです。
カルダノサミットで流されたワールド・モバイルのドキュメンタリー形式の動画『より強くつながる』
ワールド・モバイルは、すべての人、すべての場所をつなぐことを使命としています。
『カルダノサミット2021』での基調講演の動画が、公式サイトにアップされています。
カルダノのリーダーや著名人による洞察、最新情報、ディスカッション。
公式サイト:https://summit.cardano.org
カルダノサミット2021で総会された新しい『Atala Prism Pioneersプログラム』の公式サイトがオープン
Cardano DAppsにIDソリューションを組み込む開発者や政府機関のための新しいトレーニングコースです。 登録は現在開始されています.
『Atala Prism Pioneersプログラム』の公式サイト
🔽
https://atalaprism.io/pioneers/
千代田区議会インターネット議会中継:『未来のデジタル社会の可能性を千代田のブランディングに』
今後の”デジタル技術を活用した地域ブランディング”において、また日本のブロックチェーンを推進するための布石の一つとなりうる提案『未来のデジタル社会の可能性を千代田のブランディングに』をぜひご覧下さい。
Grayscaleによる『分散型クラウドプラットフォーム』としてのカルダノの分析と評価
10月5日にGrayscaleが発表したレポート『グレイスケール・ビルディング・ブロック|2021年9月』が発表され、現在のカルダノについてのGrayscale社の見解が詳細に述べられています。
今回はこのレポートでカルダノが現在どのように評価されているかについて詳しく迫って行きたいと思います。
カルダノがAIで大躍進、数兆円規模のヘルスケア産業に革命を起こす
カルダノ、世界のヘルスケアを変革するために設計されたAIロボットを歓迎 Emurgo社がエコシステムに1億ドルを投入
Panel: RealFi – opening up opportunity for everyone
ブルームバーグのジョアンナ・オシンガー氏の司会のもと、IOHKのリーダーたちが、経済的な競争条件を公平にして、より多くの機会とより高い平等性と公平性を備えた未来に向けて真の変革をもたらす方法について議論します。