EUTXO上に構築される新時代DEXの到来はカルダノに新規参入者をもたらす
2022年に向けて準備は整った
2021年11月も終わり今年も残り1カ月を切ることとなりました。カルダノは、昨年2020年に完成したシェリー(SHELLEY)時代の分散化を達成し、マイルストーンとなる世界でトップクラスのプルーフ・オブ・ステーク・プロトコルを完成させました。
そして今年2021年はゴーグエン(GOUGUEN)により更なるマイルストーンを刻み、スマートコントラクトの統合により、カルダノネットワーク上にDapps(分散型アプリ)構築することを可能にしました。
いよいよカルダノは本格的にDeFi、NFT市場に参戦、さらに万全の準備を整えつつ、2022年は、カルダノ・エコシステムは大きな飛躍を遂げることが明らかとなってきています。
既に100以上のプロジェクトがパイプラインに並んでおり、12月のクリスマス前までには、いくつかのプロジェクトがリリースされ、年始から多くのプロジェクトリリースのラッシュが始まることが予想されます。
来年の桜の花の咲く頃には、私たちは全く今とは違う景色と、新しいカルダノエコシステムを見ることになるでしょう。
2022年以降の暗号市場とその先へ
2021年の暗号市場はDeFiやNFTをはじめとして大きな成長を遂げました。最近ではGameFi、メタバースといった新しいキーワードも注目されており、分散型暗号市場の台頭は世界政府(中央集権)による規制や圧力、また世界経済の減速による調整を余儀なくされているものの、それらを超越して更なる発展に向けた勢いは止まる気配はないようです。
世界経済はインフレーション(物価上昇)とテパーリング(中央銀行が超金融緩和状態から抜け出す過程で採用する出口戦略)が噛み合わず、海外のメディアではスタグフレーション(景気が後退とインフレが同人進行する現象)も囁かれる中、それでも2022年は暗号市場は更なる発展を遂げると考えられます。
ちなみに今年暗号界隈で話題になった(色んな意味で)エコノミストの2022年を予測する『THE WORLD AHEAD 2022』では、エコノミストの編集長の10の予測が書かれており、そのうちの一つに暗号市場の台頭が挙げられています。そして表紙にはビットコイン、イーサリアム、カルダノ、ライトコインのロゴを見つけることができ大変興味深いものとなっていました。
11月のDeFi市場の動向
11月のDeFi市場の動向についてみてみると、後半から世界経済の警戒感(減速!?)や暗号市場への規制の動きなどを理由に下落相場が続いていましたが、前月比のTVL(Token Value Locked:プラットフォーム内にロックされているトークンの時価総額)は上昇しています。12月に入り回復傾向にあるともいえます。
SundaeSwapがテストネットを開始
そうした中、いよいよカルダノエコシステムから、大きな注目を浴びているプロジェクトの一つSundaeSwapが、テストネットを開始するというニュース『いくつかのフレーバーを試してみよう SundaeSwapテストネット発表』が飛び込んできました。
発表によるとテストネットは12月5日(日)夜(米国東部時間)に開始されることになりました。
EUTXO上に構築されるDEX
SundaeSwapは、カルダノブロックチェーンのために作られたDEX(分散型の取引所)で、現在DeFi領域全体で7位となっているUniswapで普及したプロトコルをモデルとし、カルダノブロックチェーン向けにいくつかの革新的な改良を加えたものです。
SundaeSwapのホワイトペーパーによると、このDEXでは、ブロックチェーンの参加者が流動性を提供し、他の参加者が自分のネイティブトークンを交換できる市場を作ることができます。その見返りとして、交換者は少額の手数料を支払い、流動性提供者は預託金の再回転を得ることができます。
従来の古典的な金融では、取引所が中央機関として機能し、オーダーブックを維持し、買い手と売り手をマッチングして取引を促進しますが、取引所は、市場を操作して利益を上げる可能性を秘めているため、膨大な量の既存の規制が存在しています。
一方、分散型金融がもたらしたイノベーションの一つに、Uniswapによって普及した「オートメーテッド・マーケットメイカー」(AMM)という概念があります。このようなモデルでは、資産の価格設定と分配は、数学的な公式やアルゴリズムによって満たされます。アルゴリズムを用いて行われます。
SundaeSwapは、この自動化されたマーケットメーカー(AMM)を提供します。
カルダノへの新規参入者を率きつけるDEX新時代の到来
SundaeSwapはカルダノエコシステムにおけるDEX新時代を牽引するプロジェクトの一つであり、Uniswapによって切り開かれ、Uniswapのハードフォークとして誕生したSushiSwap、DeFiプラットフォームのメインストリームであるイーサリアムの牙城を切り崩しつつ発展過程にあるプラットフォームの一つである、バイナンススマートコントラクトチェーン上に誕生したPancakeSwapの流れを汲みます。
そしてEUTXOというカルダノプラットフォーム独自の技術の上に構築された新しいDEXとして、カルダノコミュニティはもちろん、暗号業界全体からの注目も集まっており、将来的にカルダノへの新規参入者をも惹きつけると筆者は考えています。
IOGブログによると、カルダノのEUTXOモデルは、アカウントベースのモデルと比較してより高いスケーラビリティを可能にする並列トランザクション処理を容易にし、強化されたセキュリティ設定を提供するため、分散型金融(DeFi)や分散型アプリケーション(DApp)開発の強固な基盤となっていると述べています。
SundaeSwapは、シームレスなアップグレードを可能にする
SundaeSwapは、ホワイトペーパーでDeFiの分野が急速に進化しており競争が激しいことを認識しており次のように述べています。
この分野が急速に進化していることを考えると、私たちが実装した最初のモデルがベストであると仮定するのは思い上がりも甚だしいでしょう。さらに、改良された新しいプロトコルを再リースすると、流動性が以前のバージョンの契約に固定されているため、初期流動性がないという不利な点があります。したがって、そのアップグレードの道を早めに計画することが重要です。
SundaeSwap ホワイトペーパーより
SundaeSwapは、”シームレスなアップグレードを可能にすることを計画しており、これを実現するために、流動性を保持しているバリデータのコントラクトは、将来のバージョンのプロトコルで使用できるようにしている”としています。
また、”この将来のバージョンのリストは、最初はnull(何もない、という意味で、プログラミング言語などコンピュータ関係では、「何も示さないもの」を表すのに使われる。)ですが、SUNDAEトークン保有者の投票により、この値を更新して新しいコントラクトを指すようにすることができる”と述べており、”この値が更新されると、このロックされた流動性は、ユーザーの操作なしにプロトコルの新バージョンに直接支出することができる”としています。
これこそがSundaeSwapが見据えているビジョンであり、ガバナンス領域においてもトップを走るカルダノプラットフォームの利点を最大限引き出し、競争の激しい暗号業界の中で生き残り競争に勝つことを目的に動いていることは注目に値します。
ちなみに現時点でカルダノのDEXプロジェクトでは、次のようにフォロワー数の多い順になっています。コミュニティの多さはプロジェクトの成功にもつながるという点で、これも注目すべき点です。
1:@SundaeSwap
2:@adax_pro
3:@CardaxDEX
4:@adaswapapp
5:@ArdanaProject
更なる成長を誘発するカルダノエコシステム内でのパートナーシップ
また、最近COTI社とSundaeSwap社がカルダノベースのステーブルコインであるDjedの統合を探るために提携したことも大変興味深い動きです。
これによりSundaeSwapは、DEX内でDjedを他のコインとペアにし、SundaeSwapのユーザーは、Djedの取引ペアを通じて流動性を提供することができるようになります。
アルゴリズムを用いたステーブルコインは、暗号取引においてますます重要な役割を果たすようになるとし、Djedのサポートは、カルダノのエコシステムにおけるDEXを選択する際の重要な要素になると思われるとSundaeSwap社の最高経営責任者であるMateen Motavaf氏は述べています。
こうしたカルダノエコシステム内でのパートナーシップは、より魅力的なプロジェクトの強化につながり、大きな可能性と飛躍をさらにもたらすことになるでしょう。
まとめ
これはまだ始まりに過ぎませんが、2022年に向けてカルダノが他のブロックチェーンとの競争に向けて、ハイレベルな準備が整いつつある点は、カルダノコミュニティに限らず暗号業界全体にとっても、刮目すべき流れです。
また、イーサリアムやイーサリアム互換のブロックチェーンとは一線を画す、EUTXOモデルによるカルダノ独自の技術基盤の上に構築されるDAppsのリリースと展開においても、暗号業界に新しい潮流を作り出すことにもつながり、暗号市場全体におけるカルダノへの注目度は、更に高まることとなるでしょう。2022年のカルダノの活躍は本当に楽しみですね!
参考記事
もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします!10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。
ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
ニュース動向 in エポック305
ダイダロスマニュアル4.5.2対応
IOGブログ:ネットワークトラフィックと階層化された価格設定
Philip Lazos(フィリップ・ラゾス)研究員が、安定報酬のアイデアで導入された乗数の概念を拡張・明確化した、段階的なカルダノの価格設定モデルを検討しました。その結果、予測可能な低価格の料金で、需要を管理しながら公平性を保つことができます。
カルダノのトランザクション処理の柱(予測可能性、公平性、安価なアクセス)を維持しつつ、需要の増加から生じる可能性のある問題を軽減するものです。私たちのアプローチは、ブロックチェーンのための新しい取引手数料メカニズムを提示します。
刻々と成長し加速度的に進化を遂げるカルダノエコシステム
2022年にはさらに大きな勝利を収める by 『DApp certification and Community Curation』
チャールズ・ホスキンソン氏の動画『DApp certification and Community Curation』で、DAppsのライフサイクル全体の要件を管理・処理するためのバックエンドサービスであるPlutus Application Backend (PAB)が最近公開されており、SundaeSwapなどのDapps開発者との膨大な量の機能性などの技術的な質問のやりとりをおこなっているという。
カルダノのネットワーク活動は増加し続けている
MELD社の10億ドル規模のISPOは、カルダノ、暗号資金調達の新たなユースケースを浮き彫りにした by Cointelegraph
ステークを持つカルダノ(ADA)を自社プロトコルに誘致したことで話題になりましたが、これはアーリーアダプターがブロックチェーンのスタートアップを支援する方法における重要なイノベーションを示しているとCointelegraphが伝えています。
Cointelegraphは、MELDのCEOであるKen Olling氏と接触する機会を得て、ISPOの意義や、ステークプールへの広範な参加を促進するカルダノの役割について議論しています。
カルダノの開発者が新たなアップグレードを導入し、ネットワークがロードマップの次の段階へと進む by Daily Hodl
IOHKによると、2020年11月には1日あたり1万件以下だった取引件数が、1日あたり20万件以上になり、1年の間に20倍以上に増加しており、ブロックチェーンの開発の次のフェーズに向けて、ネットワークをアップグレードしていることをThe Daily Hodlが伝えています。