カルダノはBASHOフェーズでカルダノのスケールアップに取り組む一方、ロードマップの最後の砦となるVoltaire(ボルテール)フェーズも並行して進めていました。そして、Vasilアップグレードが完了した時点で、カルダノ創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏は、ガバナンスと自律分散化への取り組みを更に進めるために、もう間も無くVoltaire(ボルテール)時代が本格的スタートすると述べています。
そして、ホスキンソン氏は自身の動画『Road to a Polyglot Ecosystem for Cardano』で、今後の持続可能かつ更新可能なブロックチェーンを実現するための方法について明らかにしています。
以下は動画『Road to a Polyglot Ecosystem for Cardano』を翻訳したものです。
皆さんこんにちは、チャールズ・ホスキンソンです。
暖かい日差しの中、コロラド州はいつでも晴れ。
今日は2022年9月26日です。
非常に重要なトピックを取り上げたいと思います。実は先週の大半はこのトピックについて議論したり、関連付けたりしていました。多くの人が知っているように、今舞台裏では、会員制の足場である『MBO(Member Based Organization:メンバーベースの組織)』を作るために、舞台裏で膨大な作業が進行中です。
コミュニティの集合体でありハブのようなものです。コミュニティの意思を決定し、そのための戦略を考え出し、それを実行するように人々を実行に移すよう促すためのものです。その素晴らしいところは、誰もが自分の声を共有できることです。それは様々な方法で声を共有し機能することができます。そのようなものにはRedditやTelegramなどのソフトウェアもあります。
健全なエコシステムになるには『Polyglot(*) Ecosystem:ポリグロット・エコシステム』、つまり、複数のクライアントが同時に動作する必要があります。そこには、それぞれ異なる開発チーム、異なる哲学、異なる言語、異なるUSP(Unique Selling Propositionとは、独自の強みを意味するマーケティング用語 )が違うという問題があります。
カルダノの標準的なクライアントは何かという問題という質問と非常によく似ています。カルダノのウォレットの正統なクライアントは?その答えは「なし」であるべきなのですが、その代わり次のような答えを出すべきでしょう。
私たちは標準に合意し、そして、その標準にはしっかりとしたテストフレームワークを導入し、2種類のクライアントが存在することになります。つまりウォレットには、認証されたクライアントと認証されていないクライアントの2種類があるといいうことです。
実は、このビデオは、リック・マクラケン(Rick McCracken)氏が行ったある世論調査が背景にあるものです。彼はツィートでこう言っています。
DCスパークがカタリストというプロジェクトを立ち上げたとします。800万ドルで提案し別のカルダノ・ノードの実装をオープンソースで作るとしたら、あなたはどう投票しますか?
多くの人が「面白いね、いいね」と言い、「いいね、アップブートするよ」と言いました。
それは、公平な質問です。実は私たちは長い間考えていたことで、実際にEUのレガシー・プロジェクトで、私たちは実際にお金をもらって、gurdtime、IBM研究、タルトゥ(TARTU)大学、ソラノ大学、エジンバラ大学、そして私たちIOHKなどが参加しています。
私たちの貢献は、更新可能なブロックチェーンです。ニコスとミカエラ・アギーロスとディオニソスがアイデアを出しています。私たちは、基本的にセキュリティや優れた仕様、優れたテストを実現するために、安全で優れたエコシステムを作るにはどうしたらいいか?長い間話し合ってきました。
同時に、複数のクロック、科学的なエコシステムをどのように構築するかということでした。Agdaと呼ばれる言語を使っています。基本的にはスーパーHaskellです。
多くのインフラを構築し応用する方向に進み始めています。
さて、それではこれからいろいろなことをお話しします。
基本的に私たちがやりたいことは『MBO(Member Based Organization:メンバーベースの組織)』という考えを持っています。『CTFs:Cardano Technical Fellows』のようなアイデアもあります。
基本的に、この人たちはコアに携わる人々で、コミュニティから来た人たちです。そのため、特定の会社に縛られることはなく、どちらかというとコミュニティをベースにしながら組織に出向しており、スタッフでもあります。しかし、いずれにせよ、基本的に私たちができることは『Agda Core:カルダノ・リファレンスフレームワーク』に準拠します。ポイントはプロダクション(生産)とは同じではありません。つまり、生産性とは、あなた方が今持っているものDaedalusです。Daedalusには余分なコードや余計なものが入っています。基本的にはこのプロダクションのポイントは、クライアントが非常に高速であることを保証することであり、高速にすることです。そのためにはセキュア、互換性といった仕様外のものも必要で、エコシステムのために作られるものです。
例えば、dcSparkが自分たちのクライアントを作ったとしたら、おそらくFlintに接続するための特別なインフラを構築すると思います。ウォレットに接続するための特別なインフラを構築し、それを簡単に処理できるようにするでしょう。『Agda Core:カルダノ・リファレンスフレームワーク』はそんなことはしないでしょう。私たちも同じです。
ノードを商品化した場合、なぜなら、良いユーザーエクスペリエンスが欲しいからです。そのため、このアイデアはCTFs(Cardano Technical Fellows)がコアを維持し、そのため、CTFsはコアを維持し、CIP(Cardano Impruvment Process )プロセスと非常に迅速にリンクさせることができます。そして、CIPの最終段階として、何が起こるか?CIPのすべての段階を経て最後には改善提案という地点に到達します。
これはAgdaをコアに持つ正式な仕様であるため、実際にできることはコード抽出と呼ばれるものです。
これは、仕様書からコードを抽出し、テストするためのリファレンス(フレームワーク)として、私たちはまだこれらの断片を組み合わせている段階です。この後、正式なプレゼンテーションを行う予定です。
基本的な考え方は、Agda Coreがあり、そして、抽出された標準リファレンスコードと、その他に更新システムやちょっとしたものがあります。そして、ウォレット、証明書、そして最後にコアとなる暗号技術です。おそらく人々は独自に暗号を開発すべきではないでしょう。暗号を独自に開発するのではなく、それを統合しようとするでしょう。これが『Agda Core:カルダノ・リファレンスフレームワーク』になります。
そして、それと並行してユーティリティ・インフラストラクチャとの統合です。これはまた別の話ですが、Rosettaやdbsyncなどのようなものです。今のところ、クライアントの競合について話すときは、この方法がいいと思います。
Haskellクライアントはもはや標準的なものではありません。HaskellクライアントはただのHaskellクライアントであり、RustクライアントやTypeScriptのクライアント、その他もろもろがあってもいいです。そして、認定されているかどうかという問題があります。認定されたものもあれば、そうでないものもある。
基本的な考え方は、コアのメンバーは5人から10人程度の小さなチームで構成され、その中には先ほど申し上げたように、基本的にはMBOのために働くCTOと、IOやdcSparkのような貢献する開発者の組み合わせです。
彼らは、基本的に抽出されたコードのリファレンス・セットを維持します。そして、それに関するプロパティを証明します。また、ウォレットも管理しています。認証とシステムのコア暗号を維持します。
そして、コミュニティで誰かがクライアントを作りたいと思えば、その際、「自分のクライアントが安全かどうか、どうすればわかるのか」という疑問が生じます。
自分のクライアントがプロトコルに準拠しているかどうか、相互運用が可能なのか?ハードフォークコンビネーターが機能するのか?そのクライアントのために、更新がトリガーされたときすべてのクライアントがアップデートできるのか?などなど、多くの疑問があります。コミュニティメンバーが持つであろう多くの疑問を解決する認証プロセスを導入することで、競争と同時に、規格の安全性を手に入れます。
様々なプラットフォームでテストしなければならないし、互換性を確保しなければなりません。ユビキタスな規格を作るということです。ユビキタススタンダード(標準)があるということです。
もしHaskellクライアントを経済的に成功させれば、私たちは喜んで継続し、もっと多くのことを追加できます。より標準的でなく、より商業的なクライアントにすることができます。そして、厳しい競争を期待したいです。dcSparkがフルノードの管理者になるのを見たいですね。枯れたクライアントの管理者になってほしい。
少なくとも一つ、TypeScriptクライアントとかDartクライアントなどの命令型クライアントが欲しいですね。あるいは教育的な価値が高いですからPythonを使うのもいいと思います。
それから、私たちは基本的にみんなコアにいくつかのCTFsを提供します。CIPプロセスの最後のステップは、コアにあるものを指定することです。コアの内部では、すでに非常に効率的なコード抽出が可能です。
実際、James Chapmanをはじめ、私たちのエコシステムのメンバーはこの分野に非常に長けています。
彼らはそれについて多くの論文を書いていますし、actはこの種のもののための優れたフレームワークとして、大きく成長してきました。
その上で、どのような安全基準を設けるべきかについて、たくさん話し合うことができます。ウォレットの開発者であれば、こう言うでしょう。公式のウォレットとは何か?推奨ウォレットとしてcardano.comに掲載されるべきもの、あるいは他のメディアチャンネルに掲載する必要があります。基本的に、認定された人は誰でもセルフテストができます。認定された人はcardano.orgに掲載されます。
さて、これを立ち上げるにはどれくらいの時間がかかるでしょうか。私たちは、そのMBOを立ち上げるために一生懸命に働いています。MBOを立ち上げ、そしてできるだけ多くの会員を獲得し、コミュニティ・サーブをすべての役員に任命し、それから、クールな投票なども行います。
その他にも、たくさんのガバナンスの問題が山積みです。Voltaire(ヴォルテール)の開発は、現在進行形で進んでいます。それと並行して、私たちは形式的な手法のグループを強化しています。
IOでは今、このアイディアにとても興奮しています。新しいgitリポジトリのもとで、コアの行為がどのようなものかを話し始めるために、新しいメンバーベースの組織で可能な限り早くチームを立ち上げます。多くの人が長い間これをやりたがっています。長い間そうしたいと思っていて、それに向けて努力してきたのは知っているでしょう。
しかし、まだ興味深い問題があります。
ユーティリティ・インフラと統合に関する興味深い問題があります。DBsync、graphql、Rosettaの未来は?、ブロックチェーン エクスプローラは?、これらの多くを問題です。そして、TXパイプのような本当にクールなコミュニティもあります。これらは公平に評価されるに値すると思います。
技術系フェローには2種類あります。ユーティリティやインフラの統合を担当する者と、そして、プロジェクトとプログラムのグループです。そして、Catalystは、このようなコミュニティ活動に資金を提供することができます。
そして、Catalystはそのプールに資金を提供することができます。また、カルダノ・エコシステム内の企業による現物出資も可能です。例えば、カルダノ・エコシステムに貢献するCTFsを提供してくれる企業もあります。このプールは、多くのカルダノ・エコシステムのための素晴らしい場所を提供します。標準的なユーティリティ・インフラストラクチャの多くは、基本的にオープン・コア・モデルのもとで運用されて、それを自分たちで商業化します。
しかし、これが皆さんのお役に立てれば幸いです。
あまり複雑な話でなければいいのですが。基本的な考え方は青写真:設計図が欲しいということです。そして、そのいくつかの受け入れた基準、複数の意見があり、設計図がクライアントです。
その誰が設計図を構築すべきなのか?それはコミュニティによって構築され、標準化されるべきです。
基本的にはコミュニティによってAgda Coreを設定し、ADAの保有者から、次に何をするかという投票を行うのです。そしてカルダノ標準であり、それがTruth(真実)のソースになります。
例えばHaskellのクライアントが仕様外だったとしても、私たちはその仕様に合うようにコードを変更しなければならない。そして本当に素晴らしいのは、形式的な技術の進歩がかなり軽量なプロセスになりつつあります。
もしあなたがProof of Buyのような完全な形式手法で、プルーフ・バイ・シミュレーションを行う場合は超重い作業です。何年もかかりますが、仕様書を書くのはそれほど難しいことではありません。
実は、TLAプラス・コミュニティから、Leslie Lamportが作成した素敵なビデオがあります。彼はチューリング賞を受賞しています。Sylvia Mccauleyもそうですが、彼は分散システムを発明したようなものです。
Leslieは仕様書作成用のTLA Plusという形式言語を発明しました。コード抽出を行わない、より軽量な言語で、マイクロソフトの多くのエンジニアが『実践TLA』という本まで出しています。Xboxのチームではこれを実戦で使っています。メモリ問題を発見しました。Azureでも使っていますし、インフラ全体でも使っています。コードをきれいにするのにとても役立っています。何千人ものエンジニアの間で、真実の源を作ることができます。ほとんどの大企業では、このような種類の作業を行うための何らかの仕様言語があります。
もうひとつは、この仕様言語はスマートコントラクトの標準にも拡張できるのです。カルダノにとってこれほどまでにエキサイティングな時代はありません。とても満足していますよ。完全に異なる方法に近づいており、これは長年の研究の成果です。欧州連合からの助成金と科学者たちが何年もかけて多くの形式的な手法で、人々は高速でシームレスなアップグレード、多くのマジックを、カルダノがそれを継続させるために持っているのです。
ポリグリット・エコシステムには、何らかの形で真実のソースと認証のスタンダードが必要です。サービスに対してお金を払う人は、主観的であってはならず、客観的でなければならないからです。私が思うに、これを実現する唯一の方法は、会員制の組織で、テクニカルフェロー制度があり、技術フェロー・プログラムと、コアとなるスペックメンテナーのグループです。
それを仕様に落とし込む。そしてそれが認証のための基礎となり、さらに特定の実装の詳細、例えばprotobufs(Protocol BuffersはGoogleが取り組んでいるインタフェース定義言語)を使うのか、それともあれかこれか。そんなことはどうでもいいんです。本当に重要なのはあるガイドラインを遵守することです。安全性、セキュリティ、パフォーマンス、そして標準的なテストスイートでが必要です。
イーサリアム財団がEVMのために維持しているテストスイートは、ある意味真実の源です。しかし、私たちはそれ以上のものを必要としています。非中央集権的な更新システムのための標準、ハードフォークコンビネータを抽象化し、移植する必要があります。抽象化し、移植することで複数のコードベースにプラグインできるようにする必要があります。そのため、複数のコードベースに接続できるようにする必要があります。シームレスなアップグレードが可能になります。これを実現する必要があるのです。
ですから、現時点では、もしあなた方がこのプロジェクトに参加するのであれば、最も効果的なお金の使い方だと思います。
もし、みなさんがdcSparkに800万ドル以上の資金を投じ、インフラとユーティリティと統合に取り組んでもらうことであれば、最も有効な使い道だと思います。
ユーティリティとインテグレーションです。より良い開発ツールが必要なんです。彼らがFlintでやったようなこと、そしてdbsyncのバージョンも必要です。スケールアップする必要があります。そのために資金を提供すべきです。
まずはAgadaクライアントを完成させることだと思います。そのための大きな提案があり、それに向けて来年にはMBOを実施する予定です。
そして来年、MBOを実施する際には、私たちもまた、そのために必要なリソースを提供します。また、他のメンバーも同じように期待しています。そして、すぐにでも、多くの人にとっての基礎的な仕様に到達できると思います。そうなれば、コンソーシアムとしても非常に有意義です。
コンソーシアムを設立し、そのコンソーシアムでは今後5年間で、どのように革新的な技術を開発し
このようなイノベーションには多くの競争をもたらします。多くの開発チームが参加するでしょう。
もし、仕様や標準を作りたいと考えている人は、それを実現する絶好の機会があることを心に留めておいてください。もしあなたが競合するクライアントを作りたいのであれば、その時は、ぜひ私たちに声をかけてください。というのも、このようなことをするためにコンソーシアムを作るのは素晴らしいことだからです。
ということで、とにかくこのようなことは、常に慎重に推論したいものです。リックさん、投票をありがとうございました。とても必要なことだと思います。
どのように分権化を進めていくか?そのひとつはガバナンスで、もうひとつはチェーンガバナンスです。
チェーンガバナンスや投票を増やすことです。そして投票のレベルを上げ続けることです。ステークプール・オペレーターの分散化のレベルを高めていくことです。その一環として、より簡単な投票ツールもそのひとつですが、また、開発チーム間の分散化も必要です。
問題は、分散化を進めれば進めるほど、正しく処理しないと、アップグレードができなくなるということです。調整問題が発生し、簡単にアップグレードできない事態になります。そのため、真実(ソース)と誰もが従うべき標準が必要です。
そして、何らかの社会的な構造として、認証制度が必要です。このようなインフラがあれば、私たちは
イノベーションの速度を維持することができると思います。さらにイノベーションの速度を維持しながら、同時に、3つか4つ以上の競合するクライアントが、互いに競い合うように、そのために多くのフレームワークを構築しています。
それではまた。
またお会いしましょう。