最新:カルダノ開発リソース基本ガイド
新規プロジェクトの絶好の参入タイミング
暗号市場が低迷する中、カルダノはAlonzo以来の最大のハードフォークとなるVasilハードフォークを、今月末頃を控えておりカルダノ・エコシステム全体が集中して開発にリソースを注ぎ込んでいます。
カルダノの創設者であり、イーサリアムの共同設立者の一人であるチャールズ・ホスキンソン氏は、最近のCrypto AM誌のインタビューで、「カルダノが最終的にその価値を確立するための最も効果的な方法は、その実用性とどれだけ人々を助けるかである」と語っています。
また、6月9日に公開されたYahoo Finance Liveのビデオインタビューでは、「私自身、これまで6回ほど弱気相場を経験しました。そして、そのたびに大きな進歩を見てきました。」と語っており、スマートコントラクト革命はここから始まったと述べています。
(暗号の冬は)多くのDeFiムーブメントが始まった場所です。多くの個人がこの中で操作性を向上させることに集中しています。
前置きが長くなりましたが、今回はVasilハードフォークのメインネットリリースにより、カルダノ・エコシステムに、新規で多くのプロジェクトが参入してくると予測されます。まさにこのタイミングはカルダノ・プラットフォームで新規プロジェクトの絶好の参入タイミングであると考えられるからです。
事実昨年のAlonzoハードフォークによるスマートコントラクトの登場以来、現在のカルダノ・エコシステムには90のプロジェクトが稼働し、(少なくとも把握しているだけでも)1022の開発中プロジェクトがあります。これらのプロジェクトはVasilハードフォーク後に多くがリリースされる予定です。
また、チャールズ・ホスキンソン氏は最新のインタビューで、DEX、NFTマーケットプレイス、オラクル、ステーブルコインを追加することでエコシステムがほぼ毎日成長し続けており、また、低コスト、高い取引処理、分散化を提供するカルダノのエコシステムで事業を開始するために、ネットワークが想像できるすべてのツールを備えていると述べています。また、カルダノは「ビジネスのためにオープン」で準備は整ったと記者に語っています。
参考記事
そこで今回は、カルダノでの開発に初めて興味を持つ方はもちろん、イーサリアムなどで開発経験のあるブロックチェーン開発者に向けて、これからカルダノ・ブロックチェーンを使ってプロジェクトを開発するために知っておきたい最新の基本情報をご紹介します。
*こちらの記事は、定期的に更新して別リンクでお届けする予定です。
カルダノの開発概要とロードマップ
まずカルダノ歴史を知っておくことが大事です。カルダノがどのようなプロセスで開発され、現在どの段階にあるのかを把握することで、ビジネスモデルの設計や今後の展開を予測することが可能です。
カルダノの開発会社であるIOGは『カルダノロードマップ』サイトを設置して、カルダノ開発の概要を示しています。
カルダノの開発は、Byron(バイロン)、Shelley(シェリー)、Goguen(ゴーグエン)、Basho(バショウ)、Voltaire(ボルテール)の5期に分かれており開発作業は並行して行われています。
Cardanoの各開発期は順を追って配信されますが、開発作業は並行して行われています。研究、プロトタイピング、開発が、異なる開発ラインで同時に進行しているケースが多々あります。
各開発期は特定の機能性に基づいて設定されており、この機能性は複数回のコードリリースによって配信されます。
現在Byron(バイロン):基礎、Shelley(シェリー):分散化、Goguen(ゴーグエン):スマートコントラクトにおける主要な開発段階は完了しており、2022年の今年はBasho(バショウ):スケーラビリティ、Voltaire(ボルテール):ガバナンスを中心に開発を進めています。
現在におけるVasilハードフォークは、Basho(バショウ)のフェーズに該当します。
数年間におよぶ各開発期における取組みの詳細は、それぞれの専用ページで紹介されていますのでぜひカルダノの基本概要を知る上でもぜひご参考ください。
また、ここには、対象となる開発期の目的の概要とともに、主要な機能コンポーネント、関連する学術研究のリンク、進捗状況の更新情報、また、リアルタイムのコードコミットが掲載されています。
カルダノについて知る
カルダノの開発会社であるInput Output Global(IOG)のサイトでは、カルダノにおける最新情報が頻繁に英語と日本語(日本語記事は翻訳のためのタイムラグがあります。)でブログで紹介されています。これらのブログは常に最新の情報が紹介されているのと、これまでのカルダノの歩みが詳細に把握できるので、ぜひチェックしておいてください。知りたいことはこのブログで検索すると多くの答えが返ってくるかもしれません。
*IOGのブログ記事は英語と日本語が選べます。
最新の記事でカルダノの概要について知りたい場合は、カルダノを支える研究の詳細を紹介するブログシリーズの記事が参考になります。ぜひご参考ください。
また、IOGのサイトには、豊富な研究論文がライブラリーページに収録されており、現時点での数は139を数えています。その多くが査読済みであり、トップレベルの学術会議で認められています。
どうしても詳しく、深く知りたい場合は、この論文も参考になるかもしれません。
EUTXOモデルを知る
これまでDappsやスマートコントラクトを開発する上で、ほとんどはイーサリアムやEVM互換のチェーン上でSolidity言語を使った開発がほとんどだったと思います。
そうした方は特に、カルダノで開発する場合に一番最も知っておくべきことがあります。それはスマートコントラクトを提供する仕組みとしてのカルダノの革新的なEUTXOについてです。
これについて書かれた最新の記事がありますのでぜひチェックしてみてください。
参考記事
『Cardanoでスマートコントラクトのサポートを可能にした研究の概要』
『並行性とそのすべて:CardanoスマートコントラクトとEUTXOモデル』
Plutusを使う
Plutusは現在カルダノでスマートコントラクトを開発するための、プログラミングプラットフォームです。
PlutusはHaskell言語をもとに構築されています。Haskellを選択することにより、IOGの研究チームとエンジニアリングチームは、高保証ソフトウェアのための実績が確立された既存のHaskellインフラ、ライブラリー、ツールを再利用することが可能となりました。
Haskellは、望ましいセキュリティレベルに達するために、非形式論理、テスト、形式手法の使用を単純化しながら、簡素で再利用可能なコードを提供します。
コードの正しさにおけるもっとも厳格な論理形式としての形式手法は、高価値のスマートコントラクトにとって特に重要であり、関数型プログラミングパラダイムによって十分にサポートされています。
Input Output Global(IOG)はオープンソースのコミュニティ主導による開発の強化を目指しています。このPlutusを知る上で、最新記事『Plutus Community Docs:開発者による開発者のための新しい情報管理サイト』が参考になります。
Marloweを活用する
MarloweはHaskellに組み込まれたDSL(domain-specific language)で、誰もがコーディングできるブロックチェーン向けの金融契約を提供します。
直接融資、ピアツーピア融資、差金決済取引(CFD)、その他類似の商品をサポートする分散型金融(DeFi)のためのプラットフォームです。
Marloweは、ソフトウェア開発、ブロックチェーン、スマートコントラクトに関連する急な学習曲線なしで、ユーザーが自分のドメイン専門知識を適用して、便利に契約を書き、管理することを可能にします。
Marloweについて下記の記事が参考になります。
『Marlowe Playgroundにディープダイブ』
『Marloweに新たなコマンドラインインターフェイスを導入』
AtalaPRISM:分散型ID
Atala PRISMは、検証可能なデータとデジタルアイデンティティのための自己主権型アイデンティティ(SSI)プラットフォームおよびサービススイートです。
カルダノ上に構築され、DID(分散型識別子)と検証可能なクレデンシャルを発行するためのコアインフラと、エコシステムの拡張を支援するツールやフレームワークを提供します。
「IOG公式サイト:アタラ・プリズム(AtalaPRISM)」
the Atala PRISM Pioneers Programに興味がある方は、こちらのリンクからお申し込みください。
Djed:アルゴリズム型ステーブルコイン
Djedは、自律的な銀行として機能する、暗号化されたアルゴリズムのステーブルコイン・スマートコントラクトです。
Djedは、ベースコインのリザーブを維持し、ステーブルコインとリザーブコインを鋳造して燃やすことで運営されています。
IOGは、カルダノの3つの設立パートナーのうちの1つであるEmurgoと、カルダノと同様にUTXOベースの会計を採用しているErgoブロックチェーンと提携し、Djedと呼ばれるステーブルコインのコントラクトに取り組んでいます。
Djedはアルゴリズム・デザインに基づいていおり、スマートコントラクトを使用して価格の安定性を確保し、このコインが分散型金融(DeFi)の運用に役立つことを意味しています。
参考記事
『 Djed:実証済みの価格安定性のためのアルゴリズムステーブルコイン実装』
『COTIがCardanoでDjedステーブルコインを発行』
開発のための情報をコミュニティコンテンツリソースから入手する
現在カルダノでは、ブロックチェーンではさまざまなコミュニティの人々により管理、キュレートされるコミュニティコンテンツリソースのリストが拡大しています。DiscordのCardanoコミュニティチャネルは開発者コミュニティの中心として機能しています。
コミュニティメンバーと一部のIOGチームメンバーが運営するCardano Stack Exchangeは、 これを一歩進めたものです。Essential Cardano(現在ベータ版を公開中)は、GitHubのオープンリポジトリを使用して、コミュニティコンテンツのためにキュレートされたプラットフォームを提供します。Cardano財団の開発者ポータルは、複数のリソースに達するための、もう1つの貴重なスタートポイントです。
Plutus Community Docs (PCD)は、この拡大するコミュニティによりコミュニティのために作成されたコミュニティ中心のプラットフォームのリストに加わった最新のサイトであり、詳細な技術コンテンツへの高まる要望に応えています。
主なコミュニティコンテンツリソースサイト
『Cardano.org』
『Plutus Community Docs (PCD)』
『Essential Cardano』
『Cardano Stack Exchange』
『Cardano財団の開発者ポータル』
『Cardano Testnet』
『Cardano Docs』
『Cardano Foundation』
『Cardano Africa』
『EMURGO』
『IOHK』
『Lace』
参考記事
『Cardano Stack Exchange:成長途上の活気に満ちたコミュニティ開発者リソース』
フォローしておきたいYouTubeチャンネル
Charles Hoskinson
https://www.youtube.com/c/charleshoskinsoncrypto
Input Output
https://www.youtube.com/c/IohkIo
フォローしておきたいSNS
Charles Hoskinson
@IOHK_Charles
Input Output
@InputOutputHK
もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします!10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。
ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
ニュース動向 in エポック348
IOGの研究論文「Ofelimos: Proof-of-Useful-Workによる組合せ最適化」がCrypto 2022に採択
IOGの研究論文「Ofelimos: Proof-of-Useful-Workによる組合せ最適化。A Provably Secure Blockchain Protocol」がCrypto 2022に採択されました。
今月初め、ICYMI: ファイアサイド・チャットが開催
IOGのCEO のチャールズ・ホスキンソン氏とSimon Bogdanowicz氏が対談し、法整備、未来を導くプラットフォーム構築、新たな非中央集権型エコシステムについて議論しました。
エポックな日々:いよいよVasilハードフォークがカウントダウン開始
いよいよVasilハードフォークがカウントダウン開始
カルダノ・テストネットでのアップグレードがエポック215の開始後に有効
Vasilアップグレードのおさらい
Plutus バージョン2.0がやってくる
Vasil:Crypto primitives:暗号プリミティブの強化(VRF、KES)
スクリプト担保処理:Collateral adjustment(担保の調整)
Vasilの次へ:Chang
Vasilがカルダノを暗号の次の未来を開拓するトップランナーへ押し上げる
動画『Let’s Talk Roadmap and Governance』
チャールズ・ホスキンソン氏の、今後のカルダノのロードマップとガバナンスの進め方について語った動画
Cardano360 June 2022 :6月号
IConsensus2022 の主要ニュースと最高の瞬間、5月末にバルセロナで開催された監査・認証ワークショップのハイライト、Vasilのアップグレードに向けた最新の進捗状況を紹介しています。
カルダノ(ADA)創設者は、過去14年間よりも次の12ヶ月の間に暗号でより多くのことが起こると予測
Consensus 2022を前に、テキサス州オースティンで開催されたCardano Communityのイベントで1800人の参加者を前に話すチャールズ・ホスキンソン氏は、過去14年間よりも次の12ヶ月の間に暗号でより多くのことが起こると予測しています。
カルダノ上で構築されているプロジェクトの数は1022に
カルダノのステーブルコイン「Djed」、Vasilハードフォーク後メインネットに登場の予定
カルダノ・コミュニティが大きく期待を寄せる、COTIネットワークと共同で開発されたカルダノのアルゴリズム・ステーブルコインであるDjedは、Vasil Hard Forkメインネットローンチ後、監査の最終結果とともにすぐにローンチする可能性が出てきました。
カルダノ創設者チャールズ・ホスキンソン、ロンドンで最も読まれている金融・ビジネス新聞で紹介される
カルダノのチャールズ・ホスキンソン氏は、土曜日にIOHKのツイートで明らかになったように、ロンドンで最も読まれているビジネス新聞であるCity AMの子会社であるCrypto AM Magazineに掲載されています。
カルダノ・テストネットのハードフォークに成功
本日20:20 UTCにIOGチームは、メインネットでのVasilアップグレードに向けた重要な次のステップとなる、カルダノ・テストネットのハードフォークに成功したと報告しました。
Vasilハードフォークはカルダノ・ネットワークに、拡散パイプラインによるスループットの向上と、スクリプトのパフォーマンスと効率の大幅な改善による開発者体験の向上(さらにコストダウン)をもたらします。
CryptoAM誌のチャールズ・ホスキンソン氏へのインタビュー:カルダノの成長、期待、長期的な可能性の実現
Crypto AM誌の取材に応じたカルダノの創設者は、成長、期待、長期的な可能性の実現について話しており、取引量などのオンチェーン指標の成長に注目し、これは今も毎月増加しており、信じられないほどポジティブな状況であると伝えています。
カルダノを「博士の墓場」と呼んだ評論家がUターン、今後のアップグレードを賞賛
過去にカルダノを「博士の墓場」と呼んでいた批判者は、その後Uターンし、カルダノの来るアップグレードを賞賛しています。
チャールズ・ホスキンソン氏:カルダノはビジネスのために開かれている
チャールズ・ホスキンソン氏は最新のインタビューで、DEX、NFTマーケットプレイス、オラクル、ステーブルコインを追加することでエコシステムがほぼ毎日成長し続けているため、カルダノは「ビジネスのためにオープン」であると記者に語っています。
また、低料金、高い取引処理、分散化を提供するカルダノのエコシステムで事業を開始するために、ネットワークが想像できるすべてのツールを備えていると述べています。