マイクロファイナンスを実現するイザナミ最新開発状況:カルダノを選ぶ理由
最新のイザナミ・プロジェクト開発状況
SIPOがシリーズ連載するエポックな日々『イザナミ・プロジェクトPhase II:地域住民主体の『持続可能な循環型地域社会』づくりに貢献』でもお伝えしたとおり、Symons Lab開発チームが進めるイザナミ・プロジェクトのPhase1開発は順調に進んでいます。
今年8月までにEUTxO、Haskell、Plutusの習得と評価を完了し、これをベースとして9月からイザナミ・プロジェクトのPhase Iの仕様、設計、開発をスタートさせました。そして現在Phase Iの開発は80%程まで進んでいます。開発チームは本年度12月末までに、株式会社サイモンズの「ポイントによる地域活性化システム」をブロックチェーン展開するための前提段階となるPhase1を完成させる予定です。
Phase1ではブロックチェーンベースの新規『イザナミポイント発行システム』を、株式会社サイモンズの現行システムとAPIで繋げ、『クライアントアプリ』とのAPI連携を行いポイントのトランザクションを台帳に書き込みます。そして、来年Q1にはこのPhase1システムを用いて、秋葉原、日本橋、神田周辺で地元企業や商店の方のご協力の元、社会実験を行う予定です。
Phase2では、カルダノ・ブロックチェーンを使用した独自の新システムの構築を行う計画で、開発チームは既にPhase1と並行してこれに取り組んでいます。まずSymons Lab開発チームは、Layer 2(Hydra)、SideChain(Mithril)分散型ID(Atala Prism)、Marloweなどの評価・研究を行なっています。
そして、これらの技術を用いて、マイクロファイナンスの基盤を実現するために、トランザクションにおける手数料やスピードを克服し、株式会社サイモンズの経験と実績をもとに、システムの更なる実用性や可用性、ビジネスモデルの拡張性の獲得に向けて、設計と仕様書作りに取り組んでいます。
カルダノ・ソリューションの習得に励むSymons Lab開発チーム
今年7月に発足したSymons Lab開発チームは、非常に速いスピードでカルダノの技術を習得してきました。当然カルダノでの開発は未経験のため、イサーリアムとの違い(アカウントモデルとeUTXOモデル)やPlutusの習得からはじめ、カルダノの技術をどう活用し、イザナミモデルをどのように構築するかが最大の焦点でした。この経験は今後の資産となり、来年以降イザナミ関連の新規プロジェクトをはじめ、その他の多くの新規プロジェクト開発をカルダノ・ブロックチェーン上で行うことが可能になるでしょう。
イザナミの『ポイントシステムを活用した持続可能な循環型地域 活性化システム』を構築するためには、最終的にマイクロトランザクションをカルダノで実現しなければなりません。これは現段階ではカルダノでそれを実現するソリューションは提供されておらず、Plutus以外のソリューション群であるLayer 2(Hydra)、SideChain(Mithril)分散型ID(Atala Prism)、Marloweなどは開発の途上です。
しかし、それらはの多くは遅くとも2023年の前半までには、メインネット利用可能なレベルのリリースを完了することになりそうです。その背景には今年9月にカルダノがVasilアップデートをリリースし、状況が大きく変わったことがあります。特にレイヤー2やサイドチェーンのスケーリングソリューションの開発は、Vasilで導入された基盤の上で大きく前進しました。
イザナミが実現したいソリューションをカルダノが提供できるという道筋が明確に見えてきたのです。このタイミングはイザナミがリリースしたいPhase2のタイミングと一致するものです。
2023年のPhase2のリリースはイザナミにとって絶好のタイミング
なぜ2023年のタイミングかといえば技術的な背景もありますが、それだけではありません。今年2022年は『Web3元年』となり、政府はDX(デジタルトランスフォーメーション)を掲げ、企業のみならず国の行政から地方自治体にも浸透し始めています。特に今現在地域通貨・ポイントの導入の要望がSymons Labを運営する株式会社サイモンズに、地方自治体からたくさんの問い合わせが来ていること、大企業の動きもこれに追随し、サイモンズとのパートナーシップの動きが活性化しているのです。
参考記事
『イザナミ・プロジェクトPhase II:地域住民主体の『持続可能な循環型地域社会』づくりに貢献』
また、2023年は暗号資産を含むデジタル金融通貨規制の導入を視野に入れ、日本を含んだ米国欧州勢をはじめ世界各国で導入が始まることが予想されています。中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)の発行も2、3年以内には実現する可能性が高いでしょう。イザナミはこうしたタイミングを図って、少なくとも2023年の中頃にはPhase2のリリースを完了したい考えです。早すぎず遅すぎないタイミングでスタートしたいと考えているからです。
参考記事
デジタル資産規制と暗号の将来
フリーバンキングの歴史と暗号通貨、ステーブルコイン
Symons Labが考えるイザナミの優位性
次にSymons Labが考えるイザナミ・プロジェクトの優位性について述べたいと思います。
株式会社サイモンズが提供するビジネスモデルは、既に稼働しており日本各地の地方自治体への導入が進んでいます。(詳細はこちらの記事をご覧下さい。)イザナミは、実際に稼働し成功しているこのビジネスモデルを、パブリック・ブロックチェーン上で展開し、更にモデルを拡張し、持続可能な分散型社会インフラの構築を実現しようとするもです。
イザナミが地方創生にもたらそうとするものは次のようなものです。
- 日本の地方自治体に地域ポイント(地域通貨)を導入し、暗号通貨エコシステムを作り上げ、地域創生を行う
- 現在サイモンズがビジネスターゲットとしているこの約1000強の数の市町村
- 失効ポイントの寄附
- マイクロファイナンス展開を通じて、新しい社会貢献モデルを構築
イザナミの地域活性化システムの重要な鍵は、デジタル化と高度な分散化の導入です。Web3やDXの波に乗って、地域通貨やポイントシステムが脚光を浴び始めているこのタイミングにおいて、イザナミ・システムを構築し、展開することは理にかなっています。
実際にこのシステムが稼働すれば、より多くの自治体への導入が促進され、地域間の交流、国との連携が進むことになるでしよう。そして既存の様々な企業とのパートナーシップの展開、多くの暗号プロジェクトとの連携が可能になり、これまでにない地域活性化のためのデジタル経済圏が誕生することになります。
更に個人と個人が分散型システムを通じて繋がり、経済活動を促進するためのパワーを得ることが可能になるのです。現在の貨幣制度は多くの人の自由と力を奪うもので、その奪われたパワーは一握りの超資産家をより強くするものになっています。この現状を打破するためには、誰もが簡単に自由に繋がり、セルフガバナンスを搭載した開かれた分散型社会システムが必要なのです。
なぜSymons Labはカルダノを選ぶのか?
先ほど述べたようにSymons Labの開発チームは、これまでカルダノでの開発の経験はありませんでした。それではなぜSymons Labはカルダノを選ぶことにしたのでしょうか?
それはまず第一にカルダノのビジョンと開発の背景にある思想に着目しました。株式会社サイモンズ代表の斉川氏は、企業理念を『競争から共生へ』と定め、20年以上にわたり社会貢献を念頭に入れた独自のビジョンと業績を元に、ビジネスモデルを構築してきました。現在株式会社サイモンズは独自のマーケティング思想(地域、住民及び企業等の組織体の3者がWIN=WIN=WINになる取組構造)により、既に多くの地方自治体に導入が開始され、大きな注目を持って展開されています。その上で地域が主体となり、地域の一人一人の行動が、地域経済を活性化させるための社会インフラとしてのソリューションを提供しています。
またサイモンズの長年培ってきたポイント業界でのリーダー的存在感とこれまでの多大な貢献、また豊富な経験を活かし、ポイントシステムの有用性をさらに発展させるイザナミ・プロジェクトは、現在地域のコミュニティマネーおよびアプリケーションシステムを大きく変貌させると考えています。この思想は、まさにブロックチェーンと親和性が高く、ブロックチェーンを活用することに踏み込んだ最大の理由でもあります。
ポイントビジネスにおいて、失効したポイント(雑収入)を利益に回すのではなく、寄附することで地域に還元するという思想を、透明性を持って実現するために、ガバナンスや分散型金融システム、トークンエコノミーを導入することは、よりオープンな透明性と持続可能性をプロジェクトにもたらすことになる絶好の機会となっているのです。
こうした思想は、カルダノの創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏の考え方や実際のこれまでの行動に共鳴するものです。社会デジタルインフラとしての堅牢なシステムと持続可能なモデルを構築するためには、分散化のあくなき追求とそれに伴う長期的な視野が必要です。
例えば、カルダノは科学的な哲学と研究優先のアプローチから進化した最初のブロックチェーンプラットフォームです。また、カルダノの主要な目標の一つは、現在アクセスできない人々に、信頼性の高い安全な金融サービスを提供することです。そして、カルダノのOuroboros(ウロボロス)は最初のピアレビューを受け、検証可能な安全なブロックチェーンプロトコルであり、カルダノはそれを実装した最初のブロックチェーンです。
カルダノは個人の取引と交流、システムの統治、企業の成長のために、より安全で透明性の高い、持続可能な基盤を科学的に創造しています。カルダノは最終的にP2Pによる完全分散化を実現し、セルフガバナンスを完成させることになるでしょう。イザナミは地方自治体にデジタルインフラを提供し、地域住民主体の『持続可能な循環型地域社会』づくりに貢献することを目的にしています。これもカルダノの思想と合致するものです。
またカルダノが類を見ない堅牢なセキュリティを持ち、常にそれを第一に追求している点にも注目です。カルダノは10億人の金融インフラとなるべく開発されているため、カルダノ・ネットワークのコアとなる技術であるEUTxOモデルと、堅牢なプログラミング’言語Haskellによって書かれたPlutusへの信頼性の高い独自の技術があります。カルダノはチェーンを開始して一度も止まったことはなく、これを実際に自らの力で証明して見せているのです。イザナミは地方自治体や国の事業を支えるインフラとして機能することを前提に取り組んでおり、カルダノの堅牢性は当然の選択肢となります。
カルダノに大幅なパフォーマンス向上と機能強化をもたらしたVasilは、Babbageと呼ばれる新しい開発「時代」も導入しています。地域通貨・ポイントシステムにおけるコストの削減は非常に大事です。また、実際にマイクロファイナンスを実現するためのソリューションがあるかどうかは重要です。これがなければ全ては絵に描いた餅になってしまいます。カルダノは、様々なスケーリング・ソリューションを提供しており、その中でもHydra、Mithrilの提供はイザナミにとって注目に値するものです。
参考記事
最強!Basho v2.0のスケーリングプランとVoltaire時代のガバナンスプランPolyglot Ecosystem
Vasil後のBASHO時代は2023年に向けて更に深化しスケールアップする
分散型IDを提供するAtala Prismの活用もノンカストディアルを実現する上で、また国や地方自治体との連携を目指すイザナミにとって重要なリソースとなります。
そしてより簡単にスマートコントラクトを導入し、地域ごとのアプリ開発を促進し生産性を高めるためには、Marloweのようなプログラミングレスの開発環境の提供や、重要なリソースとなるでしょう。
参考記事
IOGブログ:Marloweによるピアツーピア・ファイナンスの再構築
最終的にイザナミはポイントと暗号通貨を活用した社会のデジタルインフラとなる持続可能な循環型地域活性化システムになることを目指しているので、そのエコシステムの拡大のために、ポイント圏の拡大、他のチェーンとのインターオペラビリティ(相互運用性)を積極的に進めることが大事だと考えています。カルダノはブロックチェーン間の通信を可能にし、より大きなスケーラビリティ、技術の採用、使いやすさを確保するための中核となる要素であるカルダノのインターオペラビリティ戦略を積極的に推し進めています。インターオペラビリティとは、異なるブロックチェーンネットワークを接続して、相互にデータを交換・活用し、独自の種類のデジタル資産を移動させることができる能力のことです。そして、それを支える具体的な技術にはサイドチェーンやブロックチェーンブリッジ、アトミックスワップなどがあり、ユーザーが複数のブロックチェーンで同時にやり取りできるようにすることで、相互運用性を実現するものです。インターオペラビリティはイザナミのポイントトークンの流動性と価値をもたらすものです。
参考記事
IOGブログ:ブロックチェーン発展の鍵は相互運用性
Web3に向かう世界の動きとLaceが切り開く可能性:ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック371
さらに既存経済圏との関わりも大事で、規制と寄り添うアプローチを採用しているカルダノは、地域通貨・ポイント経済圏の拡大と地方自治体によるシステムの採用促進のためには必須な条件となっています。Symons Labが目指す地域主体の一人一人に力を与えるという分散化と地方自治体によるセルフガバナンス基盤を重視し、カルダノがロードマップの一角に据えていることも大きな力となるでしょう。こうしたアプローチは本来分散台帳技術による暗号業界には当然あって然るべきのもです。中にはそれがないためどれだけの資金が暗号業界から流出していったことでしょう。この事実を冷静に受け止めなくてなはりません。
参考文献
迫るカルダノ最大のビッグイベント『カルダノサミット2022』、もう一つの重要なイベント『IO ScotFest』:ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック373
IOGブログ:IO ScotFestのお知らせ – Voltaireの時代
Symons Labはこれらのことを考えカルダノ・ブロックチェーンを選び開発を進めています。
Phase1におけるイザナミ・ポイントのトランザクションテストを実施
それではSymons Labが実際に行っている最近の開発の一部をご報告します。下記は開発中のイザナミPhase1におけるイザナミ・ポイントのトランザクション・テストをカルダノ・ブロックチェーンのテストネット上で実施したものです。
例えば、トランザクションテストは下記のURLで参照可能です。
■アドレスによりトランザクション表示:
https://preprod.cardanoscan.io/address/009ec8a803c3c9a459ecfc6046528eea4ba50d754c4fe1c28aac7a28037a428d98d612c75d9a63c797260be44d6a8b3e4814bd1c032be7e1dd
■アクセスによりトランザクション表示:
https://preprod.cardanoscan.io/token/2ada7c0b56bbfe829b1436b304929aa893012474216fd5725cc2c8d6706f696e74?tab=transactions
・トークン名:point
・アドレス:addr_test1qz0v32qrc0y6gk0vl3syv55waf962rt4f387rs5243azsqm6g2xe34sjcawe5c78junqhezdd29nujq5h5wqx2l8u8wscdnah3
・ミンティングポイント数:自動実行バッチの合計ポイント数の計算処理結果を基づく
例えば、下記のトランザクションで600,000ポイントをバーニングしました。 (ミンティング量は-600,000です。)
https://preprod.cardanoscan.io/transaction/6e877f7c684d7b1345577e795b58ae18e9d2f235304cdbea0706c824003e4d8d
Phase2のためのHydra (POC v0.8.0)デモ
イザナミ・プロジェクトの開発チームがPhase2で導入する予定の、レイヤー2スケーリングを実現するカルダノ・ソリューションである、新しい『Hydra Head – Proof of Concept (POC)』バージョン0.8.0を使用して、簡単なトランザクションのデモを行っています。
HydraはMithrilと共に、イザナミのマイクロファイナンスを実現するためのソリューションです。Mithrilについても導入テストの準備を進めており、近々その結果を公開の予定です。
今回のデモはHydra取引の一連の流れを確認し、取引コストがどのようにしているかを確認するためのものでした。ここではそのやり取りについてSymons Lab開発チームが動画と報告書を作成しましたので、その内容をご報告したいと思います。
動画でのHydraのやり取り
動画では、背景としてHydra TUI (Terminal User Interface) が表示されており、Alice、Bob、Carolの三人がそれぞれHydra nodeを作成しカルダノ・ノードに接続しています。そして 参加者はHydra Headを開き(オフチェーン ネットワークを使用)、それぞれ他のHeadと対話をしています。
この一連のやりとりは、「初期(Initializing)」、「オープン(Open)」、「クローズ(Close)」、「完了ステータス(Fanout)」という4つの段階で行われています。
Step1 初期(Initializing):まず最初の初期(Initializing)では次のようなやりとりが行われていました。
●まず最初にAliceがトランザクションを実行してHeadを作成します。
●各参加者はUTxOをコミットしてHeadに参加します。コミットされた UTxOはオンチェーン上でロックされます。
例えば:
◎ Aliceは 1つのUTxOで300ADAをコミットする。
◎ Bobは1つのUTxOで200ADAをコミットする。
◎Carolは1つのUTxOで800ADAをコミットする。
Step2 オープン(Open):
◆オープン:
●全参加者が初期段階でそれぞれUTxOをHeadにコミットすると、Headが開かれます。※注意:誰かがUTxO のコミットを拒否した場合、Headはすぐに閉じます。
●現在、Headには3つのUTxOの合計1300 ADAがあり、これらのUTxOはオンチェーンにロックされています。
◆Head中のトランザクション:
●Headが開かれる時、参加者はHydra nodeを介してHydra Headを使用してトランザクションを実行できます。
●UTxOエントリを使用すると、Hydra Headに新しい UTxOエントリーが作成されます。参加者は、作成された状態をスナップショット(snapshot)で認証して同意する必要があります。
◎Aliceは100ADAをBobに転送するトランザクションを作成します。
=> スナップショット#1が作成されます。参加者が署名・認証する。
◎Bobは100ADAをCarolに転送するトランザクションを作成します
=> スナップショット#2が作成されます。参加者が署名・認証する。
◎Carolは500ADAをAliceに転送するトランザクションを作成します。
=> スナップショット#3が作成されます。参加者が署名・認証する。
●この時、ヘッドには 5つの UTxO があります。
◎Bob:(1)200 ADA
◎Carol:(2)100 ADA + (3)300ADA
◎Alice:(4)200 ADA + (5)500 ADA
Step3 クローズ (Close):
認証済みの状態を使用して誰でもHeadを閉じることができます。
Headを閉じるケースはオンチェーンで資金を引き出して欲しい場合や別の参加者が不正行為を行った場合、Headの動作を妨げたい場合等です。 動画では、AliceがHeadを閉じます。
Step4 完了ステータス (Fanout):
メインチェーンに最終ステータスを上がる前に、コンテストというメカニズムがあります。(動画でのコンテストタームは約20秒です。) コンテスト期間の後、Fanoutというトランザクションで認証済みの最終状態がレイヤー1に移行します。
下記の図は一連のやり取りにかかった取引コストですが、これはあくまでもテストのためにdevnetで行った簡単なデモで、現段階では一部のプロトコル・パラメータが決定されていませんでした。まだ調整中の状態となるため取引コストも実際は正しくありません。実際には Hydraのメインネット版をリリースするまでを待つ必要があります。
ベストタイミングで発表された『Hydra for Payments』
現在のカルダノの最も大きな課題は、実際のカルダノ・エコシステムがどれだけ成長できるかにあります。現在カルダノ上で開発されている1100を超えるプロジェクトがあり、市場のタイミングとしてもこれらの大半が少なくとも2023年度中に稼働する必要があります。
そうした中、IOGはそれを実現する強力なソリューションの一つとして、プロジェクトの導入を促進するための『Hydra for Payments』をブログで発表しました。この段階でこれはベストのタイミングと言えるもので、このマイクロトランザクションを可能にする強力なスケーリング・ソリューションは、カルダノ・エコシステムにおけるプロジェクトへの大きな後ろ盾となるでしょう。
「Hydra for Payments」は、カルダノ・エコシステムで決済ソリューションを実装するためのオープンソースの開発者用ツールです。これによりイザナミ・プロジェクトのDapps開発に、より強力なサポートが受けられるようになり、より開発がしやすくなると期待しています。
IOGのブログ記事によれば、「Hydra for Payments」は、様々な決済のユースケースにおいてHydra Headプロトコルの使用を簡素化するとしています。例えば、第一世代のライトウォレット機能が基本的なネットワークアクセスを可能にしたように、「Hydra for Payments」はカルダノ・エコシステムにおけるマイクロペイメントのパワーを解き放つものであると述べています。
Hydra for Paymentsは、ライトウォレットの開発者にツールキットを提供し、Hydraファミリーのプロトコルを継続的に活用して、ユーザーのニーズに合った製品を作り、運用コストを削減し、拡大するカルダノ・ネットワークでより高いスループットを可能にします。
記事では『Hydra for Payments』の特徴を次のようにあげています。
- 利用可能: Hydra for Paymentsはオープンソースで、今日からアクセス可能です。
- 親しみやすい::レイヤー1とのインタラクションは簡単で、開発者が習得すべき新しいコンテキストやテクニックを導入することはありません。
- 速い:トランザクションは、ノードが通信するネットワークの速度によってのみ制約される傾向があります。
- シンプル:Hydraの同型性により、Hydra for Paymentsは開発者に大きな実装の複雑さをもたらしません。
- アイソモーフィック:同型のデザインは、既存の開発者用ツールをほとんど変更することなく再利用することを可能にします。
Hydra for Paymentsのロードマップ
当初、APIはHydra Headプロトコルのプリミティブとドメインを直接マッピングし、Headの便利な操作を提供する予定とのこと。また、時間の経過とともに、また開発者がHydra for Paymentsを統合するのに応じて、特定のマイクロペイメントのユースケースに対応する特別な、または補助的な機能を追加していく流れ(アジャイル方式による開発手法)になるようです。
少なくとも2022年度第四半期では、Hydra for Paymentsの機能的な部分は、人々のグループがHeadにオプトインして比類のないスピードとコストで資産を転送することを可能にする限定的な高速決済システムに焦点を当てるとのこと。
また、2023年度は今後、Hydraプロトコルの新機能や機能強化、そしてHydra for Paymentsでの積極的な利用を継続的に見ていくことになるとし、初期の例としては、Hydra for Payments の完全実装で、既存のオープン・ヘッダでの資金のコミットおよびデコミットの機能が追加されるとのこと。
詳細は下記の参考記事をご覧ください。
参考記事
IOGブログ:Hydra for Payments – カルダノのマイクロペイメントをアンロックする開発者用ツールの紹介
イザナミ・プロジェクト開発の今後の展望
いかがだったでしょうか?今回はイザナミ開発の視点からカルダノの現状と今後の展開についてお伝えしました。イザナミの開発現場では、カルダノの今後の展開がより明確になってきたことで、今後のプロジェクト開発の展望が見えるようになりました。これにより集中して開発に臨むことができる環境が出来てきたと感じでします。
『Symons Lab』は、イザナミ・プロジェクトPhase IIをProject Catalyst Fund 10で提案します。Phase IIの詳しい情報については現在『ホワイトペーパー』を作成中で、近日中に公開する予定です。
Project Catalyst Fund 10では、皆様のご支援・投票を賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。
イザナミに関する詳細は公式サイトをご覧下さい。
https://izanami.systems/
またイザナミの公式ツィッターで随時最新状況をお伝えしていきますので、ご興味がある方は是非フォローして今後の展開をチェックしてみてください。
もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします!10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。
ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
ニュース動向 in エポック374
迫るカルダノ最大のビッグイベント『カルダノサミット2022』、もう一つの重要なイベント『IO ScotFest』
今月11月18日から21日まで開催される重要かつカルダノ最大となる2つのイベントについて最新情報をお届けしています。
カルダノはハードルを上げる、コミュニティはテックジャイアントの暗号への参入を予測する
カルダノのコミュニティに特化したTwitterアカウントであるADA whaleは、ほとんどの暗号通貨がこれらのテックジャイアントと競争する一方で、カルダノは完全にP2P分散化され、自己統治されることによって、そのレベルを引き上げるだろうと予測しています。
分散化こそ既存テックジャイアントには難しい進歩であるため、暗号の世界に参入してもカルダノの分散化に追いつくことはほぼ不可能になるという意味で、カルダノは暗号の未来のハードルを引き上げることになると予測しています。
カルダノ・ブロックチェーンは偽のソーシャルメディアアカウントを追い出せる:ホスキンソン氏が語る
チャールズ・ホスキンソン氏は、自身の動画『Video to Elon: How to Build Decentralized Twitter Using Doge and Cardano for Profit and Pleasure』を公開し、すべてのソーシャルメディアプラットフォームのエコシステムにおいて非常に大きな問題である、偽のソーシャルメディアアカウントの問題を、カルダノ・ブロックチェーンがどのように解決できるかを説明しました。
「引退はしない」と発言したチャールズさんとハイテク大手クリプト参入後のカルダノの未来を語るクジラさん
Dogecoinの共同創設者、Cardanoのチャールズ・ホスキンソン氏にオリーブの枝を渡す
チャールズ・ホスキンソン氏は最近、動画『Video to Elon: How to Build Decentralized Twitter Using Doge and Cardano for Profit and Pleasure』で、ホスキンソン氏は最近、DogecoinをCardanoのサイドチェーンという形でTwitterに統合することを提案しました。
また、DogecoinのためにCardanoベースのソリューションを提案し、コミュニティには響かなかったが、Dogecoinの共同創設者は仲直りのためにCardanoのチャールズ・ホスキンソン氏にオリーブの枝を渡しています。
カルダノNFTの数が600万を達成し、新たなマイルストーンに
30日間のNFTの数が170%増加し、カルダノNFTは600万枚に達し、新たなマイルストーンを達成しました。
カルダノの創設者:FTXのメルトダウンは暗号の最後の危機の一つであるかもしれない
カルダノの創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏は、自身の動画『FTX and the Integrity of the Cryptocurrency Markets』で、FTX暗号通貨取引所の崩壊に反応し、この事件はデジタル資産空間を襲う最後の危機の1つかもしれないと示唆しました。
カルダノ(ADA)が「カメでよかった」。FTXの破綻を受けてチャールズさんがツイート。失ってからでは遅いセキュリティの大切さ。
カルダノ(ADA)チャールズさんが語るFTXのメルトダウンの意味合いと今後の展望。「買収は特効薬にはならない。」
楽天ウォレットがカルダノADAを含む暗号資産証拠金取引所を2022年11月サービス開始予定!
カルダノはトップ10の暗号の中で最も損失が少ない、なぜ?
FTXの崩壊によってもたらされた暗号市場のクラッシュは、ほぼすべてのトップ10クリプトが2桁の損失をしたにも関わらず、カルダノ(ADA)は損失を10%未満と最小限に抑えることに成功しました。
とってもわかりやすい、#カルダノ $ADA 対応ウォレット比較表が更新
BTBFさんによるとってもわかりやすい、カルダノADA対応ウォレット比較表が更新されました。是非参考にしてみてください。
IOGブログ:Hydra for Payments – Cardanoのマイクロペイメントをアンロックする開発者用ツールを発表
IOGがカルダノの最強スケーラビリティ・ソリューションの一つであるHydraファミリー・プロトコルから、カルダノ・エコシステムで決済ソリューションを実装するためのオープンソースの開発者用ツールである「Hydra for Payments」を発表しています。
この記事では、 Cardanoのマイクロペイメントをアンロックする開発者用ツールである『Hydra for Payments』について紹介しています。
イザナミ・プロジェクト、Hydraの簡単なデモの様子を動画で公開
『ポイントと暗号資産を活用した社会のデジタルインフラとなる持続可能な循環型地域活性化システム』を構築するイザナミ・プロジェクトを手がけるSymonsLab開発チームが、Hydraの簡単なデモの様子を動画で公開しています。