カルダノの爆発的成長期到来前夜!2024年後半から2025年前半の展望
はじめに:SITIONのWeb3コンサルテーション活動から見たカルダノの成長と今後の勢い
Web3コンサルテーション活動を行うSITIONは、カルダノエコシステムの発展に向けて、Web2ビジネスのWeb3移行、新規開発会社の引き込みに注力しています。また、株式会社サイモンズの顧問としてWeb3コンサルテーション活動、特に同社のWeb2ビジネスからWeb3ビジネスへの移行を進めています。さらに、SITIONはカルダノのステークプール”SIPO“を運営していまして、最近カルダノのプラットフォームとしての成長ぶりに勢いを感じています。エコシステムの成長はイーサリアムに比べればまだ始まったばかりで小さいですが、着実に堅実な成長を遂げていることは確かであり、今年6月から来年6月までの一年間に、これまでにない多くのことが起こるという雰囲気を感じています。
この記事を書いているうちにビックニュースが飛び込んできました。カルダノ財団とアルゼンチンのエントレ・リオス州との新たなパートナーシップが発表したのです。
公式署名式では、エントレ・リオス州知事のRogelio Frigerio氏とカルダノ財団CEOのRafael Fraga氏が出席し、このパートナーシップにより、エントレ・リオス州におけるブロックチェーン技術の導入と普及が促進されることに期待が膨らみます。さらに今後こうしたビッグニュースが増えてくると予想され、カルダノにはこれまでにない大きな期待が寄せられるでしょう。
今回はカルダノの爆発的成長期到来前夜として、カルダノの現在地、そして2024年後半から2025年前半の展望について深掘りしていきます。
カルダノの成長を後押しする要因
カルダノの成長を後押ししている要因は多岐にわたりますが、その中でも特に重要なのが以下の8つです。
- Intersectの進展によるコミュニティの連携
Intersectはカルダノエコシステムの発展に向けて、コミュニティ主導で取り組むプロジェクトです。オープンソース活動や憲法制定、コミュニティハブの展開など、多様な活動を通じてカルダノコミュニティの連携を強化しています。また、ハイパーレジャー財団とリナックス財団への加入により、他のブロックチェーンコミュニティとの知識共有やベストプラクティスの導入も進めています。 - IOHKの研究と開発へのフォーカス
カルダノの開発を担うIOHKは、より高いレベルで研究と開発に注力し、多くのソリューション開発を並列で進めることで、さらなるカルダノの技術基盤の強化を図っています。 - Ouroboros・プロトコルの技術基盤の完成と成長
カルダノの基盤となるOuroboros・プロトコルは、セキュリティとスケーラビリティを両立する次世代型の合意アルゴリズムです。現在のOuroboros Praosに続き、リリース間近のOuroboros Genesis、今年テストネットリリース予定のOuroboros Leiosの開発が進められており、さらなる性能向上が期待されています。 - eUTXOの存在感
カルダノ独自のeUTXOモデルは、ビットコインのUTXOモデルとイーサリアムのスマートコントラクト機能を組み合わせた革新的な設計です。高いセキュリティと柔軟性を実現し、カルダノのDApps開発を後押ししています。今後eUTXOの潜在能力は目を見張るように顕在化し、開花していくでしょう。 - 主要ソリューションの成長
- カルダノには非常に狭路y区なソリューションが多数存在し、その開発と完成度は本年度中に大きな果実を得ることになるでしょう。例えば、Hydraプロトコルは、カルダノのスケーラビリティ戦略の重要な要素であり、ネットワークのセキュリティとスケーラビリティを解決するために設計されたレイヤー2ソリューションのスイートです。これは、オリジナルのOuroboros研究から進化し、スループットを増加させ、レイテンシーを最小限に抑え、かつ大規模なストレージ要件なしにコスト効率の高いソリューションを提供することを目指しています。Mithrilはカルダノのサイドチェーン・ソリューションであり、スケーリング戦略の核心の一つとして重要な役割を果たし、ブロックチェーンの効率、セキュリティ、および拡張性を同時に向上させることを目指しています。これにより、カルダノはより多くのトランザクションと複雑なアプリケーションをサポートすることが可能となり、長期的な成長と革新を実現します。Midnightは、カルダノのパートナーチェーンとして開発が進められているプロジェクトで、ゼロ知識証明などの暗号技術を駆使し、データとメタデータの保護を実現します。これにより、企業はGDPRなどの規制にも対応しつつ、機密情報を開示することなく業務を行うことができます。Plutus V3は、カルダノが直面している現在の課題に対処し、未来のブロックチェーンの標準を設定することを目的としています。このバージョンアップにより、カルダノはデジタル金融の未来においてより重要な役割を果たすことが期待されています。カルダノというプロジェクト全体の進化におけるPlutus V3の位置付けは、単に技術的なアップデートを超えた、ブロックチェーンの未来に向けた大きな一歩と言えるでしょう。Atala PRISMなどのID&認証ソリューションや、Marlowe for Financeなどの金融特化型スマートコントラクト言語など、カルダノエコシステムの主要ソリューションが着実に成長しています。これらのソリューションがカルダノの実用性を高めています。
- 開発環境の充実
カルダノブロックチェーンは、現在ではPlutus、Marlowe、Atlas、Aiken、PyCardano、Maestroなどの開発環境を備えた豊かで多様な開発エコシステムを提供するようになって来ました。それぞれが独自の機能を提供し、カルダノを幅広いアプリケーションにとって魅力的なプラットフォームにしています。しかし、この多様性には急な学習曲線やより良い相互運用性の必要性といった課題も伴います。エコシステムが今後も進化し続ける中で、これらの課題に対処することが、持続的なイノベーションと成長を支えるために重要となります。 - パートナーチェーン」と「Minotaur(ミノタウロス)マルチリソース コンセンサス プロトコル
パートナーチェーンは、カルダノを基盤とした異なるブロックチェーン間の相互運用性とブロックチェーンネットワークへの新しいアプローチにより、カルダノのエコシステムを拡大し、ブロックチェーンにおける真の相互運用性を促進することを目指しています。カルダノの相互運用性を高める技術基盤として「Minotaur(ミノタウルス)マルチリソース コンセンサス プロトコル」は、サイドチェーン戦略においても重要な技術基盤として関連してきます。このMinotaurはブロックチェーンのセキュリティとスケーラビリティを高めるために開発されており、複数のリソースを使用してネットワークを保護し、効率的なトランザクション処理を提供します。Minotaurの利点は、その革新性と高度なセキュリティにあり、これにより他のコンセンサスメカニズムと比較して優れたパフォーマンスを発揮します。このプロトコルは、ブロックチェーン技術の発展において重要な役割を果たすことが期待されています。 - Project Catalystの充実
Project Catalystは、カルダノの資金提供プラットフォームです。コミュニティからのプロジェクト提案に対して投票を行い、有望なプロジェクトに資金を提供しています。Catalystを通じて、エコシステムの多様性と持続可能性が高まっています。 - カルダノのオープンソース戦略
カルダノは、開発のほとんどをオープンソースで行うことを戦略としています。オープンソースにより、コミュニティの参加を促し、技術の透明性と信頼性を担保しています。また、他のプロジェクトとのコラボレーションも容易になります。
まだまだこれらの要因は今後加速度的に成長すると考えられ、さらにこれらの要因が相互に作用し合うことで、カルダノは技術面でも、エコシステムの面でも、包括的に持続的な成長を遂げていくことが期待されます。コミュニティ、研究開発、ガバナンスが三位一体となったカルダノの発展モデルは、他のブロックチェーンとは一線を画すものだと言えるでしょう。
それでは以下にいくつかの要因を深く掘り下げていきます。
カルダノ1.0の完成が近づく
まず重要な要因として挙げられるのは、カルダノは、ブロックチェーンに必要とされる主要技術を非常に高いレベルで実装されてきていることです。基盤、セキュリティ、分散化、スマートコントラクト、スケーラビリティ、インターオペラビリティ、オンチェーンガバナンスなどの技術が柔軟性を持って出揃ってきており、これらの技術的支柱が緻密に設計された基盤に柔軟性のあるモジュールとして展開され、確実なアップグレードを遂げています。これらはもはやブロックチェーン業界でトップクラスのものであり、これらを様々なプロジェクトに展開する準備が整ってきているタイミングなのです。
例えば、2021年9月のAlonzoハードフォークにより、カルダノ上でスマートコントラクトの実行が可能になりました。 また、2022年9月のVasilハードフォークでは、スマートコントラクトのパフォーマンスと機能が大幅に向上しました。 さらに、2023年2月のValentineアップグレードでは、カルダノのスケーラビリティを高めるPipeliningが実装され、Basho時代のスケーラビリティを大幅に改善する史上最大規模のハードフォークとなりました。スループットの向上、スクリプト効率の向上、ブロック伝送のレイテンシーの短縮によってネットワークのパフォーマンスを向上させました。これにより多くのDeFiプロジェクトが新しい機能を活用することが可能になりました。
こうした着実なアップグレードにより、カルダノエコシステムにおける様々なプロジェクトやDAppsの開発が活発化しています。DeFi領域ではのMinswapやIndigo、Liquid、Lenfi、Astarter、SundaeSwapをはじめ30のプロジェクトが稼働、NFTマーケットプレイスのJPEG storeやCNFT、ステーブルコインのDJED、USDM、ゲームプラットフォームのDead Pxlz、SNEK、WARGRUM、Cornucopia、メタバースのPavia、Virtua、ADA Demon、オラクルのCharli3など、現在多岐にわたる1362のプロジェクトが構築中で、171のDAppsが稼働中です。
最近では、Ouroboros Genesisという新しいコンセンサスプロトコルの設計と実装が発表され、ChangハードフォークおよびPlutus V3のリリースが近づいています。これらのアップグレードは、基盤そのものをアップグレードさせるものであり、Cardanoのスケーラビリティ、セキュリティ、分散型ガバナンス、スマートコントラクトの性能を総合的に向上させることを目的としています。
例えば、Ouroboros Genesisは、Cardanoの既存のOuroborosプロトコルを強化し、新規ノードや長期間オフラインだったノードのセキュリティを向上させます。Changハードフォークは、Cardanoを完全に分散化されたガバナンスの時代(Voltaire)へと導くものであり、Plutus V3は、スマートコントラクト言語の大規模アップグレードで、より効率的で強力なDAppsの開発を可能にします。
これらのアップグレードの成功は、カルダノのさらなるエコシステムの成長と、ブロックチェーン業界における真の分散型アプリケーションプラットフォーム地位の確立に大きく寄与するでしょう。
間違いなく今年中、遅くとも2025年の第1四半期までには、ブロックチェーンに必要な主要技術を高いレベルで実装し、柔軟なモジュール化と着実なアップグレードを進めてきたカルダノ1.0の完全版が完成すると見られています。
関連記事
eUTXOの潜在能力の顕在化
カルダノのeUTXOモデルは、ビットコインに代表されるUTXOを拡張し、イーサリアムを主とするスマートコントラクト機能を組み合わせた、次世代の独自技術によるスマートコントラクトモデルです。現在eUTXOの潜在能力が急速に顕在化しており、カルダノは新たな暗号市場でのユニークかつ強力な立ち位置を獲得しつつあります。いかにその理由を述べます。
基本的なeUTXOについては以下の記事をご覧ください。
最新のeUTXOの機能強化
カルダノのeUTXO技術は、最近以下のような拡張がなされています。
- スマートコントラクト機能の追加
eUTXOモデルにより、ビットコインのUTXOモデルにスマートコントラクト機能を追加することが可能になります。これによりビットコインの機能性が大幅に拡張されます。 - 相互運用性の向上
eUTXOモデルはイーサリアムのEVMとの互換性があるため、ビットコインとイーサリアムの相互運用性が高まります。ビットコインをラップしてイーサリアム上で利用することも容易になります。その他多くのブロックチェーンとの相互運用が可能な機能が追加されています。 - スケーラビリティの改善
eUTXOモデルは並列処理に適しているため、ビットコインのスケーラビリティ問題の解決に役立ちます。サイドチェーンやレイヤー2ソリューションとの連携も容易になります。 - プライバシー機能の強化
eUTXOモデルはUTXOモデルの利点を継承しているため、ビットコインのプライバシー保護機能をさらに強化することができます。 - 新たなユースケースの創出
スマートコントラクトやトークン発行が可能になることで、ビットコインに新たなユースケースが生まれます。DeFiやNFTなどの分野への進出が期待できます。
カルダノ創設者のホスキンソン氏は、ビットコインキャッシュとカルダノの統合案を提案するなど、eUTXOモデルによるビットコインエコシステムの拡張に意欲を示しています。
eUTXOモデルはビットコインとイーサリアムの中間に位置する技術であり、両者の長所を組み合わせることでビットコインの可能性を広げる画期的なソリューションだと言えるでしょう。
eUTXOモデルの潜在能力が顕在化することで、カルダノは「EVMチェーンの代替」や「ビットコインの拡張」といった枠を超えて、独自の価値を持つブロックチェーンとしての地位を確立しつつあります。今後もeUTXOモデルの進化が、カルダノの発展を加速させていくことでしょう。
カルダノのeUTXO技術がイーサリアムとの競争にどう対応しているのか
カルダノのeUTXO技術は、スマートコントラクトプラットームのリーダーであるイーサリアムとの競争において以下のような点で優位性を発揮しています。
- スケーラビリティの向上
eUTXOモデルは本質的に並列処理に適しているため、イーサリアムのアカウントモデルと比べてスケーラビリティに優れています。これによりカルダノはより多くのトランザクションを高速に処理することができ、将来的にイーサリアムを上回る可能性があります。 - セキュリティの強化
eUTXOモデルはビットコインのUTXOモデルのセキュリティを継承しつつ、スマートコントラクト機能を実現しています。一方、イーサリアムのアカウントモデルは状態の変化が非決定論的になりがちで、脆弱性が生じやすいという指摘があります。 - 相互運用性の実現
eUTXOモデルはサイドチェーンやブリッジを介して他のブロックチェーンとの相互運用性を実現しやすいモデルです。例えば、ミルコメダを使ってイーサリアムのDAppsをカルダノ上で動作させることができます。これによりイーサリアムエコシステムの資産を取り込むことが可能になります。 - DApps開発の効率化
eUTXOモデルではトランザクションの実行結果が事前に予測可能なため、DApps開発の効率化につながります。開発者はトランザクションのコストと有効性を事前に知ることができ、イーサリアムのような予期せぬ「ガス代」の発生を回避できます。 - PoWとの親和性
カルダノと同じeUTXOモデルを採用するErgoは、PoWとの互換性を持たせてスマートコントラクト言語を実装しています。これによりPoWのセキュリティ機能をDeFiなどのDAppsに活用することができ、イーサリアムにはない強みとなります。
以上のように、カルダノのeUTXO技術はスケーラビリティ、セキュリティ、相互運用性、開発効率などの面でイーサリアムに対する競争力を発揮しています。今後のeUTXOモデルの進化により、カルダノはイーサリアムを凌駕する可能性を秘めていると言えるでしょう。
カルダノのeUTXO技術が他のブロックチェーンとどう違うのか
カルダノのeUTXO技術は、他のブロックチェーンと比べて以下のような特徴があります。
- ビットコインのUTXOモデルとイーサリアムのスマートコントラクト機能を融合
eUTXOモデルは、ビットコインのUTXOモデルの利点(スケーラビリティ、プライバシー、シンプルな取引検証)を継承しつつ、イーサリアムのようなスマートコントラクト機能を実現しています。これにより、セキュリティとプログラマビリティを両立しています。 - 拡張されたUTXOの構造
eUTXOモデルでは、UTXOアドレスの概念を一般化し、任意のロジックを含むスクリプトの形で表現できます。また、データム(任意のデータ)、リディーマー(トランザクションのパラメータ)、バリデーター(検証ロジック)の3つの新しいプリミティブを導入しています。これによりUTXOの表現力が高まり、複雑なスマートコントラクトが実装可能になります。 - 並列処理に適した設計
eUTXOモデルは本質的に並列処理に適しているため、スケーラビリティに優れています。一方、イーサリアムのアカウントモデルは同時実行に適していますが、並列処理には向いていません。eUTXOではトランザクションの依存関係が明確なため、並列処理が容易です。 - 決定論的な動作
eUTXOモデルでは、トランザクションの実行結果が事前に予測可能です。これは、ユーザーがトランザクションのコストと有効性を事前に知ることができ、「ガス代」のような予期せぬ費用が発生しないことを意味します。アカウントモデルでは状態の変化が非決定論的になりがちです。 - 他ブロックチェーンとの相互運用性
eUTXOモデルは、サイドチェーン(カルダノではパートナーチェーンと呼ぶ)やブリッジを介して他のブロックチェーンとの相互運用性を実現しやすいモデルです。
以上のように、カルダノのeUTXO技術は、ビットコインとイーサリアムの長所を組み合わせ、スマートコントラクト機能、スケーラビリティ、相互運用性などの面で優れた特性を持っています。アカウントモデルとは異なるアプローチでありながら、DAppsプラットフォームとして必要十分な機能を提供しているのが特徴だと言えます。
次世代Ouroboros Leiosの登場
カルダノの基盤となるOuroborosプロトコルは、着実な進化を遂げています。2023年2月には、ウロボロス・レジャーが発表され、PoSとPoWを組み合わせた新しいコンセンサスアルゴリズムが提案されました。さらに、2024年以降に登場が予定されている次世代ウロボロス「Leios」は、これまで蓄積された技術資産を統合し、カルダノのスケーラビリティをさらに高めると期待されています。これにより開発者にっとっては、より魅力的な未来が提示されることになりました。
Leiosでは、Ouroboros BFTやOuroboros Genesis、Ouroboros Praosなどの既存のウロボロスファミリーの長所を継承しつつ、新たなイノベーションが導入される見込みです。 特に、VRFを用いたリーダー選出方式や、アダプティブセキュリティと呼ばれる動的なセキュリティパラメータの調整機能などが注目されています。
また、Leiosではステークプールの動的な参加・離脱に対応するためのメカニズムが導入される予定です。これにより、ステークプールの流動性が高まり、より分散化されたネットワークの構築が可能になります。
Leiosのもう一つの重要な特徴は、マルチレジャーへの対応です。Leiosでは、複数のレジャーを並行して運用することが可能になり、スケーラビリティの大幅な向上が見込まれています。 これにより、カルダノは将来的に数十万TPS(トランザクション・パー・セカンド)の処理能力を実現できる可能性があります。
IOHKは、Leiosの開発に向けて研究を進めており、2024年中のテストネット公開を目指しています。 Leiosは、Ouroborosプロトコルの集大成とも言えるプロジェクトであり、カルダノの次世代を担う重要な技術になるでしょう。
Leiosの登場により、カルダノはスケーラビリティの課題を解決し、真のグローバルブロックチェーンへと進化を遂げると期待されています。これまで蓄積された技術資産を結集したLeiosが、カルダノの未来を切り拓いていくことでしょう。
Leiosの導入は、カルダノエコシステムに以下のような大きな影響を与えると考えられます。
- スケーラビリティの大幅な向上
Leiosでは複数のレジャーを並行して運用することが可能になり、将来的に数十万TPSの処理能力を実現できる可能性があります。これによりカルダノのスケーラビリティが飛躍的に高まり、より多くのユーザーやトランザクションを処理できるようになります。 - 技術基盤の強化
Leiosは、Ouroboros BFTやOuroboros Genesisなどの既存のOuroborosファミリーの長所を継承しつつ、VRFを用いたリーダー選出方式やアダプティブセキュリティと呼ばれる動的なセキュリティパラメータの調整機能などの新たなイノベーションを導入します。これによりカルダノの技術基盤がさらに強化され、セキュリティと柔軟性が高まります。 - ステークプールの流動性向上
Leiosではステークプールの動的な参加・離脱に対応するためのメカニズムが導入される予定です。これによりステークプールの流動性が高まり、より分散化されたネットワークの構築が可能になります。 - DAppsエコシステムの発展
スケーラビリティの向上と技術基盤の強化により、カルダノ上でより多くの革新的なDAppsが開発・運用されるようになると考えられます。これはカルダノエコシステム全体の発展につながります。 - ADAの価値向上
Leiosによるカルダノの機能向上は、ネイティブトークンであるADAの需要増加と価値向上をもたらす可能性があります。カルダノの利用が拡大することで、ADAの実需が高まることが期待されます。
以上のように、Leiosの導入はスケーラビリティ、技術基盤、ステークプール、DAppsエコシステム、ADAの価値など、カルダノエコシステムの様々な側面に影響を与えると考えられます。Leiosはカルダノを次世代のブロックチェーンプラットフォームへと進化させる重要なアップグレードであり、その実装が大いに期待されています。
関連記事
カルダノが他のブロックチェーンと競争力を持つようになった主な理由
カルダノが他のブロックチェーンと競争力を持つようになった主な理由は以下の通りです。これらはカルダノが他のブロックチェーンとは一線を画す戦略であり、こうした成果は着実に身を結んでいます。
- 学術的な研究に基づく堅実な技術基盤
カルダノは科学哲学と査読(ピアレビュー)を通じて進化を続ける第三世代ブロックチェーンです。数学的に検証されたOuroboros等の技術により、セキュリティと持続可能性を両立しています。 - 拡張性に優れたeUTXOモデルの採用
カルダノ独自の拡張UTXOモデルは、ビットコインのUTXOモデルとイーサリアムのスマートコントラクト機能を組み合わせた革新的な設計です。高いセキュリティと柔軟性を実現し、スケーラビリティにも優れています。 - 分散化とコミュニティ主導のガバナンス
カルダノは完全な分散化を目指しており、コミュニティ主導のガバナンスモデルへの移行を進めています。Voltaire時代のChangハードフォークにより、オンチェーンガバナンスが実現します。これによりエコシステムの持続的な発展が期待されます。 - 着実なロードマップに基づく継続的な開発
カルダノはロードマップに基づく継続的な開発が続けられており、既存のブロックチェーンの課題を解消する可能性を秘めています。次世代Ouroboros Leiosの開発など、さらなる技術革新が進められています。 - 企業や大学等との提携による実用性の向上
カルダノは企業や大学等との提携を進めており、実社会での活用が期待されています。これによりカルダノの利用者増加とエコシステムの拡大が見込まれます。
以上のように、カルダノは学術的な裏付けのある堅実な技術、拡張性の高いeUTXOモデル、分散化ガバナンス、継続的な開発、実用性の追求等により、他のブロックチェーンと十分に競争できるポテンシャルを持つに至ったと言えるでしょう。今後のさらなる発展により、カルダノは暗号資産市場における主要プレイヤーの一角を占める可能性があります。
Project Catalystがコミュニティに与える影響
Project Catalystは、カルダノの資金提供プラットフォームであり、コミュニティからのプロジェクト提案に対して投票を行い、有望なプロジェクトに資金を提供しています。これが新しい開発者の呼び水になってきており、今後さらに多くの開発会社を惹きつける起爆剤になるでしょう。
Project Catalystがカルダノコミュニティに与えた影響は以下の通りです。
- コミュニティ主導のイノベーションの促進
Project Catalystにより、コミュニティメンバーが自由にアイデアを提案し、実現するための資金を得られるようになりました。これによりボトムアップのイノベーションが促進され、エコシステムの多様性が高まっています。 - ステークホルダーの参加意欲の向上
Project Catalystでは、ADAホルダーがプロジェクトへの投票を通じてエコシステムの発展に直接関与できます。これによりステークホルダーの参加意欲が高まり、コミュニティの一体感が醸成されています。 - 有望プロジェクトの発掘と育成
Project Catalystを通じて、有望なプロジェクトがコミュニティによって発掘され、資金提供を受けて育成されています。これによりカルダノエコシステムの持続的な成長が可能になっています。 - ガバナンスモデルの進化
Project Catalystは、分散化されたファンディングの仕組みであり、コミュニティ主導のガバナンスモデルの一形態と言えます。Catalystの経験がカルダノの分散化ガバナンスの発展に寄与しています。 - 他コミュニティとの連携の促進
Project Catalystには、他のブロックチェーンコミュニティからも提案が行われています。これによりコミュニティ間の交流が促進され、エコシステム間の相乗効果が生まれています。
以上のように、Project Catalystはカルダノコミュニティの自律性を高め、エコシステムの発展を加速する上で重要な役割を果たしています。分散化と民主化を旨とするカルダノの理念を体現する仕組みであり、今後もカルダノの成長を支える基盤になると考えられます。
暗号規制とWeb3を取り巻く環境の変化
近年、暗号資産市場は急速な成長を遂げる一方で、規制当局の目も厳しくなっています。マネーロンダリングやテロ資金供与への悪用を防ぐため、各国で暗号資産関連の法整備が進められています。こうした規制強化の流れは、ブロックチェーンプロジェクトにとって逆風とも捉えられがちです。
しかし、カルダノは設立当初から規制に寄り添う形で設計・開発されてきました。カルダノ財団のCEOであるフレデリック・グレガールド氏は、「カルダノは、規制当局と建設的な対話を重ねながら、規制に準拠したブロックチェーンを目指している」と述べています。
例えば、カルダノはトラベルルールへの対応を進めています。トラベルルールとは、暗号資産の送金に際して、送金者と受取人の情報を取引所間で共有することを義務付ける規制です。カルダノはAtala PRISMなどの分散型ID(DID)ソリューションを活用することで、トラベルルールへのスムーズな対応を可能にしています。
また、カルダノはプログラム可能な規制(Programmable Regulation)の概念を提唱しています。これは、規制要件をスマートコントラクトの形でブロックチェーン上に実装することで、自動的かつ透明性の高い形でルールを執行するというアイデアです。プログラム可能な規制により、規制コストの削減と規制の実効性向上が期待されます。
一方で、Web3を取り巻く環境変化は、カルダノにとって追い風になる可能性があります。Web3とは、ブロックチェーン技術を活用して、分散化・トラストレス・オープンなインターネットを実現しようとする潮流です。
カルダノは、Web3の理念に合致する形で設計されたブロックチェーンです。例えば、カルダノのガバナンスモデルは、ステークホルダーによる分散化された意思決定を重視しています。Project Catalystを通じて、コミュニティ主導のプロジェクトに資金が提供されるのもその一例です。
また、カルダノはオープンソース戦略を採用しており、技術の透明性と信頼性を担保しています。これはWeb3の「オープン」の理念に合致するものです。
さらに、カルダノはDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)など、Web3の中核をなすユースケースの実現に適したインフラを提供しています。eUTXOモデルによる高いセキュリティと柔軟性、Hydraによるスケーラビリティの向上などがその基盤となります。
Web3への注目度が高まる中、カルダノの規制対応力とWeb3との親和性は、大きな強みになると考えられます。規制に適応しつつ、Web3時代をリードする存在として、カルダノは大きく飛躍する可能性を秘めているのです。
開発会社や人材のカルダノへの流入のタイミングとしてはベストな時期
ここまで述べたカルダノの堅実で着実なステップアップにより、筆者はこれまでカルダノエコシステムへの参加に消極的だった開発会社や人材の流入が起こるレベルに来ていると考えています。現時点での技術の優位性を享受できる段階にあることはもとより、今後直近でのカルダノの技術的進歩と将来性に魅力を感じ、多くの開発者がカルダノエコシステムに参入して来る可能性がますます高まっています。現在のタイミングは開発者や組織にとって絶好のタイミングと言えるでしょう。
実際に、2023年3月には、カルダノ向けの開発を行うIOHKエディンバラ拠点に、新たに30人以上の開発者が加わりました。 また、2023年6月には、カルダノ財団が主催するHaskell開発者向けのトレーニングプログラム「Haskell Basecamp」の第1期が開講し、世界中から選抜された20人の開発者がカルダノ開発の基礎を学びました。これらは各国で拡散・展開され、現在多くの開発者がカルダノのコア開発やプロジェクト開発に参加し続けています。
そしてAIKENなどに見られるより柔軟かつ既存プラグラミング言語での開発を可能にする新しい開発環境もたくさん登場してきています。
カルダノの開発環境については以下の記事もご覧ください。
例えばAIKENは、TxPipe社がインキュベートされ、カルダノ財団によって育まれている、カルダノ・ブロックチェーン向けに堅牢で効率的なスマートコントラクト開発体験を提供することを目的として特別に設計された新しいプログラミング言語とツールキットです。
この言語を使用することで、リソース効率が10倍になり、カルダノのdApps(分散型アプリケーション)の開発者エクスペリエンスが向上するとされています。AIKENは、カルダノ・エコシステムにおいて画期的な機能を提供し、カルダノの潜在能力を引き出し、カルダノをより高みへと押し上げるゲームチェンジャーとなる可能性を秘めています。
また、この言語は、Gleam、Rust、Elmなどのモダンなプログラミング言語からインスピレーションを受けており、友好的なエラーメッセージや開発者にとって使いやすい機能を提供しています。さらにAIKENは真のオープンソースの形で開発されており、コミュニティもその開発に積極的に参加しており、今後のカルダノの成長に重要な役割を担う存在として注目されています。
こうした開発者の流入は、カルダノエコシステムの成長を加速させる原動力となっています。新たな人材がもたらす知見やアイデアが、カルダノの技術的進歩やDApps開発の活性化につながることが期待されます。
日本においても、トップクラスのWeb3開発会社がカルダノエコシステムへの参入が実現すれば、日本におけるカルダノの認知度向上と普及促進に大きく寄与するでしょう。
こうしたカルダノの堅実で着実なステップアップは、加速度的にスピードを増しており、開発会社や人材を引き付ける大きな魅力となっています。今後もカルダノの成長と進化が続くことで、さらなる開発会社や人材の流入が期待されます。彼らの参加がカルダノエコシステムをより豊かなものにし、カルダノの未来を切り拓いていくことでしょう。
SITIONの今後の展開
SITIONは、これまでのWeb3コンサルテーション活動で培ったノウハウと、カルダノの成長がもたらすテコの原理を活用し、日本市場の開発会社の引き込みに更に注力していく計画です。まだまだ日本でのカルダノの開発リソースは大幅に不足しています。今後様々なユースケースの開発とともに、開発リソースを大きく増やしていく必要があります。
日本には優れた技術力を持つ開発会社が数多く存在しますが、これまでブロックチェーン、Web3業界へはもとより、特にカルダノエコシステムへの参入には消極的な傾向がありました。しかし、カルダノの堅実で確実なステップアップにより、急激に参入へのハードルが大きく下がってきています。
SITIONは、日本の開発会社、すでにブロックチェーンおよびWeb3の分野で存在感を発揮している企業や開発者にカルダノの技術的優位性やエコシステムの将来性をアピールし、参入のメリットを訴求していきます。また、参入に際してのサポートや、ビジネス面でのアドバイスなども提供する予定です。
既に参入に興味を示す開発会社とは、具体的な協業プランの策定を進めでいます。引き続きカルダノ上でのDApps開発や、サイドチェーンの構築など、各社の強みを活かせる分野での協力を模索していきます。
SITIONは、日本の開発会社の引き込みに関して、近々良いご報告ができるのではないかと期待しています。日本企業の参入が実現すれば、カルダノの国内での認知度向上と普及促進に大きく寄与するはずです。
また、日本発のイノベーティブなプロジェクトがカルダノ上で生まれることで、エコシステム全体の発展にもつながるでしょう。日本の開発力とカルダノの技術力が融合することで、新たな可能性が切り拓かれると考えられます。
SITIONは、日本市場の開発会社の引き込みを通じて、カルダノエコシステムの拡大と、Web3の普及に貢献していきたいと考えています。今後のSITIONの活動にご期待ください。
おわりに
カルダノは現在、非常に熱い状況にあります。技術面では、ブロックチェーンに必要な主要技術が高いレベルで実装され、洗練された基盤設計によるモジュール化と着実なアップグレードが進んでいます。eUTXOモデルの潜在能力が発揮され、イーサリアムやビットコインとの連携も視野に入ってきました。次世代ウロボロスLeiosの開発も進行中であり、さらなるスケーラビリティの向上が期待されています。
エコシステムの面でも、DAppsの開発が活発化し、DEXやNFTなどの分野で存在感を高めています。主要プレイヤーたちがカルダノの成長力を取り込み、共に発展を遂げつつあります。
また、カルダノの堅実な成長ぶりは、開発会社や人材を引き付ける磁力となっています。
Intersectの進展、IOHKの研究開発、eUTXOの存在感、主要ソリューションの成長、Project Catalystの充実など、様々な要因がカルダノの爆発的成長を後押ししています。
規制対応の面でも、カルダノの思想は時代の要請に合致しています。ブロックチェーンを取り巻く環境変化は、カルダノにとって追い風になるでしょう。
カルダノは今、まさに転換点に立っています。潜在的な成長期を終え、本格的な爆発的成長フェーズに突入しようとしているのです。
私からの暗号コミュニティの皆さんへのメッセージは、「カルダノから目が離せない」ということです。今後1年間のカルダノの動向は、暗号資産業界全体の未来を左右すると言っても過言ではありません。
技術の進歩、エコシステムの拡大、開発者の流入、規制への対応。カルダノは着実に、しかし急速に進化を遂げています。この勢いは、他のブロックチェーンプロジェクトの追随を許さないものがあります。
カルダノが目指すのは、単なる暗号資産の枠を超えた、社会のインフラとしてのブロックチェーンの実現です。分散化、セキュリティ、持続可能性を兼ね備えた、真の意味での「次世代型ブロックチェーン」の姿を、カルダノは示そうとしているのです。
暗号コミュニティの皆さん、どうかカルダノから目を離さないでください。私たちSITIONも、コンサルテーション活動を通じて、カルダノの可能性を最大限に引き出すべく尽力する所存です。
共にカルダノの成長を見守り、Web3の未来を切り拓いていきましょう。
関連記事
エポックな日々:https://sipo.tokyo/?cat=42
シリーズ連載:進化するカルダノ・ベーシック:https://sipo.tokyo/?cat=137
もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします!10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
シリーズ連載:進化するカルダノ・ベーシック
エポックな日々
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
Laceマニュアル